JPS6325328Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として自動二輪車に用いるエアクリ
ーナ装置に関する。

自動二輪車においては限られた車体スペースを
限界一杯に利用して車体の小型化を図る必要があ
る。そこで比較的大型装備品であるエアクリーナ
装置を変型させて例えば多シリンダ多キヤブレタ
エンジンを搭載した車体のスペースを活用する等
の対応が要求される。

本考案は上記の要求に対応するべくなされ、一
対の清浄空気取出口が長さ方向を流れ方向として
巾方向の略対称位置に設けられた第１ケース部
と、外気取入口から取り入れた吸入空気を通過さ
せるフイルタエレメントが設けられ、かつ、前記
第１ケース部の長さ方向の中心線に対して巾方向
い非対称に連設する第２ケース部とを備えたエア
クリーナ装置において、前記第１ケース部と第２
ケース部との連設部に、前記第２ケース部から第
１ケース部へ流入する清浄空気の流路が前記両清
浄空気取出口の略中間位置に対向するように仕切
壁を設けたことを特徴とし、小型化を図るべく効
果的に変形させ、かつ多シリンダ多キヤブレタエ
ンジンへの吸気を均一化しエンジンの出力特性を
低下させないようにしたエアクリーナ装置を提供
することを目的とする。

以下一本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。第１図は本考案のエアクリーナ装置を装備し
た自動二輪車の略側面図を示し、車体フレーム１
の前後方向のほぼ中央部に多シリンダエンジン２
が搭載され、エンジン２の後部の図示しない各シ
リンダの吸気口に夫々キヤブレタ３（１個のみ図
示）の下流側が接続され、キヤブレタ３の上流側
はエアクリーナ装置１０の清浄空気取出口に接続
されて吸気系を構成している。又エンジン２の前
部の図示しない各シリンダの排気口に排気管４が
接続され、排気管４はフレーム１の下部を凹字形
に湾曲されて車体後部に延出され、先端にマフラ
５が装着されて排気系が構成されている。エアク
リーナ装置１０下部のブリーザキヤツチタンク６
はブリーザチユーブ７によつてエンジン２のクラ
ンクケース２ａに接続され、ブローバイガスがエ
ンジン吸気系に還元されるようになつている。

エアクリーナ装置１０はシート８の前方下部付
近に位置され、その詳細は第２図及び第３図に示
すように、エアクリーナケース１１は箱形の第１
ケース部１２の長さ方向の一側壁１２ａに、該第
１ケース部１２の長さ方向の中心線Ａ−Ａに対し
て巾方向に非対称に第２ケース部１３が連接さ
れ、全体として上面視ほぼＬ字形に形成される。
第１ケース部１２の長さ方向の他側壁１２ｂには
一対の清浄空気の取出口１４，１４が巾方向にほ
ぼ対称位置に設けられ、各取出口１４，１４はエ
ンジン２のシリンダ数に対応して分岐され、各分
岐口１４ａ…は各シリンダ夫々に設けられたキヤ
ブレタ３…に接続される。

第２ケース部１３の内部にフイルタエレメント
１５が配設され第２ケース部１３内部を内側の外
気室１３ａと外側の清浄空気室１３ｂとに画成
し、外気室１３ａには外気取入口１６が設けられ
ている。そして特に本考案では第１ケース部１２
と第２ケース部１３との連接部において、エアク
リーナケース１１の段差のない一側壁から巾方向
に仕切壁１７を延出し、第１ケース部１２の第２
ケース部１３側の側壁１２ａとの間に第１ケース
部１２の長さ方向の中心線Ａ−Ａに沿う流路１８
を形成し、第２ケース部１３から第１ケース部１
２へ流入した清浄空気を第１ケース部１２の一対
の清浄空気取出口１４，１４へほぼ均等な経路に
よつて流出させる。

エアクリーナケース１１下部に設けられたブリ
ーザキヤチタンク６は前記したようにブリーザチ
ユーブ７によりエンジン２のクランクケース２ａ
に接続され、ブローバイガスはエアクリーナケー
ス１１の清浄空気室１３ｂに合流されエンジン吸
気系に還元される。第１ケース部１２とケース部
１３との側壁の段差によつて生じる凹空間１９は
バツテリ、電装品等の装備に充てられる。

上記構成のエアクリーナ装置において、エンジ
ン駆動時に外気取入口１６から第２ケース部１３
の外気室１３ａに吸入された空気はフイルタエレ
メント１５を通過して塵埃等が濾過されて清浄空
気室１３ｂに入り、次いで第２ケース部１３と第
１ケース部１２との連接部の通路１８より第１ケ
ース部１２に流入する。ここで第２ケース部１３
は第１ケース部１２の長さ方向の中心線Ａ−Ａに
対して巾方向に非対称に連接されているが、流路
１８は仕切壁１７によつて第１ケース部１２の中
心線Ａ−Ａに沿う位置に形成されているため、第
１ケース部１２に流入した清浄空気は第２図に矢
線で示したように第１ケース部１２の一対の清浄
空気取出口１４へほぼ均等の経路によつて流出さ
れる。従つて多シリンダエンジンの各シリンダに
配分される吸気は均一化されエンジンの出力特性
の低下を防ぐことができる。

第４図はエンジンの燃焼効率の一つの指標とな
る排気ガス中のCO濃度とエンジン回転数Neとの
関係を、本考案による仕切壁を設けた変形エアク
リーナ装置と仕切壁のない変形エアクリーナ装置
について実測した実験結果を示したグラフで、前
者を実線で、後者の破線で示してある。図に見ら
れるように本考案による仕切壁を設けたものは、
仕切壁のないものより総じてエンジン排気ガス中
の未燃焼成分であるCOガスの濃度が低下され燃
焼効率が改善されたことがわかる。

以上説明したように本考案によれば、一対の清
浄空気取出口が長さ方向を流れ方向として巾方向
の略対称位置に設けられた第１ケース部と、外気
取入口から取り入れた吸入空気を通過させるフイ
ルタエレメントが設けられ、かつ、前記第１ケー
ス部の長さ方向の中心線に対して巾方向に非対称
に連設する第２ケース部とを備えたエアクリーナ
装置において、前記第１ケース部と第２ケース部
との連設部に、前記第２ケース部から第１ケース
部へ流入する清浄空気の流路が前記両清浄空気取
出口の略中間位置に対向するように仕切壁を設け
る構成としたので、第１ケース部と第２ケース部
との側壁の段差によつて生じる凹空間にバツテ
リ、電装品等の装備を行つて自動二輪車の限られ
た車体スペースが限界一杯に利用されて車体が小
型化され、かつ多シリンダエンジンへの吸気の配
分が均一化され、エンジン出力の低下を来さない
という効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考
案によるエアクリーナ装置を装備した自動二輪車
の略側面図、第２図は本考案装置の一部破断平面
図、第３図は同一部破断側面図、第４図は本考案
装置と本考案によらない装置について排気ガス中
のCO濃度とエンジン回転数との関係を実測して
比較したグラフである。 １０……エアクリーナ装置、１２……第１ケー
ス部、１３……第２ケース部、１４……清浄空気
取出口、１５……フイルタエレメント、１６……
外気取入口、１７……仕切壁、１８……流路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の清浄空気取出口が長さ方向を流れ方向と
   して巾方向の略対称位置に設けられた第１ケース
   部と、外気取入口から取り入れた吸入空気を通過
   させるフイルタエレメントが設けられ、かつ、前
   記第１ケース部の長さ方向の中心線に対して巾方
   向に非対称に連設する第２ケース部とを備えたエ
   アクリーナ装置において、前記第１ケース部と第
   ２ケース部との連設部に、前記第２ケース部から
   第１ケース部へ流入する清浄空気の流路が前記両
   清浄空気取出口の略中間位置に対向するように仕
   切壁を設けたことを特徴とするエアクリーナ装
   置。