JPS6325257Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は油圧を利用した油圧ブースタ装置に関
するものである。

従来の油圧ブースタ装置は第１図に示すよう
に、ブースタハウジングａの大径孔ｂにピストン
ｃを嵌挿し、小径孔ｄにスプールｅを嵌挿すると
共に、スプールｅをバネｆで入口ポートｇとピス
トン室ｈとを遮断する位置とし、ピストンｃには
ピストン室ｈをドレーンポートｉに連通する孔ｊ
を穿孔した構造となり、スプールｅをブレーキペ
タルで押動すると入口ポートｇより圧油がピスト
ン室ｈに流入してピストンｃを押動することでブ
レーキバンドをブレーキドラムに締付けるように
作動する。

しかし、この構造であるとスプールｅを押動し
てブースタ作動させた時に、そのスプールｅの移
動量に対応した距離だけピストンｃがストローク
すると（つまり、中立状態）ピストン室ｈとドレ
ーンポートｉとが開口されて入口ポートｇ内に流
入した圧油がドレーンに流出してしまう。

このために、圧油が無駄となつてしまうと共
に、第２図に示すように１つのポンプ１で横軸潤
滑２、ミツシヨン潤滑３したり、ステアリングク
ラツチを作動するステアリングバルブ４、ブレー
キ油圧ブースタ５に圧油に供給するようにした回
路に用いると、前述の様にブースタ作動時に中立
状態となるとポンプ１の吐出圧油がドレーンに流
出してしまうから横軸潤滑、ミツシヨン潤滑の油
量が低下してしまう。

本考案は上記の事情に鑑みなされたものであ
り、その目的はブースタ作動時に中立状態となつ
ても圧油がドレーンに流出しないようにした油圧
ブースタ装置を提供することである。

以下第３図を参照して本考案の実施例を説明す
る。

ブースタハウジング１０の孔１１内にはブース
タピストン１２が嵌挿されてピストン室１３を形
成し、ブースタピストン１２の軸心に穿孔した軸
孔１４内にはバルブ１５が摺動自在に嵌挿されか
つバルブ１５の一端はブースタハウジング１０よ
りも外方に突出していると共に、バネ受１６とブ
ースタハウジング１０との間に設けたバネ１７に
よつて図中右方に付勢されかつブレーキペタル１
８にリンク機構１９を介して連結してある。

前記ブースタハウジング１０にはポンプｐに連
通した入口ポート２０とドレーン２１に連通した
ドレーンポート２２とが穿孔され、ドレーン２１
とドレーンポート２２との間にはステアリングバ
ルブ２３が設けてあり、該ステアリングバルブ２
３は常時ドレーン位置となつていると共に、ス
テアリングクラツチを操作する時にはポンプｐと
ドレーンポート２２とを連通する連通位置に切
換えられる。

前記ブースタピストン１２には入口ポート２０
及びドレーンポート２２を軸孔１４に開口する第
１・第２ポート２４，２５が穿孔されていると共
に、ピストン室１３に開口する油路２６及び油路
２６を軸孔１４に開口する第３ポート２７が穿孔
してある。

前記バルブ１５には軸孔１４に開口した孔２８
及び孔２８をピストン室１３に開口する第４ポー
ト２９が穿孔されていると共に、第１ポート２４
と第３ポート２７とを断通する小径部３０が形成
してある。

３１はバネであり、ブースタピストン１２はブ
レーキドラム３２の外周に設けたブレーキバンド
３３にリンク機構３４を介して連結してある。

しかして、図示の状態はブレーキペタル１８を
操作しない時、つまりブースタ非作動状態を示
し、入口ポート２０は第１ポート２４より小径部
３０に開口し、小径部３０と第３ポート２７とは
遮断し、ドレーンポート２２は第２ポート２５→
軸孔１４→孔２８→第４ポート２９よりピストン
室１３に開口連通している。

このために、ポンプｐの吐出圧油はドレーン２
１に流出しないと共に、ピストン室１３に供給さ
れないから、ブースタピストン１２は図示の位置
に保持される。

この状態からブレーキペダル１８を操作してバ
ルブ１５をバネ１７に抗して図中左方に押動する
と、まず第４ポート２９とピストン室１３とが遮
断された後に小径部３０が第３ポート２７に開口
して第１・第３ポート２４，２７を連通するの
で、ポンプｐの吐出圧油は入口ポート２０→第１
ポート２４→小径部３０→第３ポート２７→油路
２６よりピストン室１３に供給されてブースタピ
ストン１２を図中左方に押動してブレーキバンド
３３をブレーキドラム３２に圧着する。

そして、バルブ１５の移動距離と見合うだけブ
ースタピストン１２が移動して中立状態となると
小径部３０と第３ポート２７とが遮断されてポン
プｐの吐出圧油がピストン室１３内へ供給されな
くなつてブースタピストン１２はその位置に停止
する。

したがつて、ブースタ作動時に中立状態となつ
た時にポンプｐの吐出圧油がドレーン２１に流出
しないから吐出圧油が無駄となることがない共
に、同一のポンプｐによつて潤滑部に潤滑油を供
給する場合に潤滑油不足となることがない。

またステアリングバルブ２３を連通位置とす
るとポンプｐの吐出圧油がドレーンポート２２→
第２ポート２５→軸孔１４→孔２８→第４ポート
２９よりピストン室１３に供給されてブースタピ
ストン１２が押動されるからブレーキバンド３３
をブレーキドラム３２に圧着できる。

本考案は以上の様になり、バルブ１５をバネ１
７に抗してブースタ作動位置に移動した後にブー
スタピストン１２がピストン室１３内の圧油で移
動して中立状態となると入口ポート２０とドレー
ンポート２２とが遮断するから、入口ポート２０
に供給される圧油をドレーンに流出して圧油を無
駄にすることがない。

また、ブースタ非作動位置の時にはドレーンポ
ート２２よりピストン室１３に油圧を供給できる
から、入口ポート２０とドレーンポート２２の２
系統より作動できる油圧ブースタ装置となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の断面図、第２図はその不具合
説明用の油圧回路図、第３図は本考案の実施例を
示す断面図である。 １０はブースタハウジング、１２はブースタピ
ストン、１３はピストン室、１５はバルブ、１７
はバネ、２０は入口ポート、２２はドレーンポー
ト、２４，２５，２７，２９は第１・第２・第
３・第４ポートである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入口ポート２０とドレーンポート２２とを備え
   たブースタハウジング１０の孔１１内に軸孔１４
   を有するブースタピストン１２を嵌挿し、該ブー
   スタピストン１２の軸孔１４内にバルブ１５を嵌
   挿して前記孔１１、ブースタピストン１２、バル
   ブ１５とによつてピストン室１３を形成し、その
   バルブ１５をバネ１７でブースタ非作動位置に保
   持すると共に、前記バルブ１５に、前記ドレーン
   ポート２２とピストン室１３とを断通する第４ポ
   ート２９を穿孔し、前記バルブ１５とブースタピ
   ストン１２とには前記入口ポート２０とピストン
   室１３とを断通する第１、第３ポート２４，２７
   及び小径部３０を形成すると共に、前記各ポート
   の位置関係をバルブ１５がブースタ非作動位置の
   時には入口ポート２０とピストン室１３とを遮断
   しかつドレーンポート２２とピストン室１３を連
   通し、バルブ１５をバネ１７に抗して移動するで
   ブースタ作動位置となると入口ポート２０とピス
   トン室１３とを連通しかつドレーンポート２２と
   ピストン室１３とを遮断するようにし、前記ドレ
   ーンポート２２をバルブにより油圧源とドレーン
   に選択的に連通するようにしたことを特徴とする
   油圧ブースタ。