JPS5927524Y2 - 油圧モ−タの軸ブレ−キ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、油圧モータに装着され、モータ軸に制動をか
げるブレーキ装置に関するものである。

従来のこの種のブレーキ装置は、油圧モータに接続され
た管路の高圧側より導いた油圧によりブレーキピストン
に圧力をかけて軸ブレーキをばねに抗して解放させ、油
圧モータを制御するための制御弁を中立にしてカウンタ
バランス弁が中立に戻ったときにブレーキ室をドレンし
てばね力によりフレーキ作用するようになっていた。

このような構成ではカウンタバランス弁とブレーキ装置
との間に、ブレーキ解除時に高圧油をブレーキ室へ供給
し、またブレーキ作動時にブレーキ室の圧油をドレンへ
開放するためのシャトル弁を介装しなげればならず、ま
たこのシャトル弁を用いない場合には上記カウンタバラ
ンス弁にブレーキ室をドレンするためのドレン回路を接
続しなげればならずコストの面で不利なところがあった
。

本考案は上記のことにかんがみなされたもので、シャト
ル弁を用いることなく、またカウンタバランス弁にブレ
ーキ室をドレンするためのドレン回路を接続することな
く構成でき、コンパクトで、かつ安価なブレーキ装置を
提供しようとするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図中１は油圧ポンプ、２は油圧モータ、３は操作弁であ
る。

４は油圧モータ２と操作弁３との間に介装したブレーキ
弁で、このブレーキ弁４はカウンタバランス弁４ａとク
ロスオーバリリーフ弁４ｂ 、４ｂとからなっている。

５は上記油圧モータ２の出力軸に設けたブレーキ装置で
あり、このブレーキ装置５はピストン６とこれが嵌合す
るシリンダ７、ピストン６を戻すばね８とからなってお
り、シリンダ７のブレーキ室７ａに作用する油圧力にて
ばね８に抗してピストン６が戻されることによりブレー
キが解除され、ブレーキ室７ａの油圧をドレンすること
によりばね８にてピストン６が作動してブレーキ作動が
なされるようになっている。

上記ピストン６にはブレーキ室７ａとこれの反対側に位
置するドレン室９とを連通ずるバイパス通路１０がこれ
の途中に絞り１１を介装して設けである。

またドレン室９には上記ピストン６が戻り方向にストロ
ークエンドまで移動したときに上記ピストン６に当接し
てバイパス通路１０を閉じる閉塞壁１２がリング状に設
けである。

一方上記ブレーキ室７ａはカウンタバランス弁４ａに接
続してあり、このカウンタバランス弁４ａが前進、後進
位置にあるときにはポンプ回路に連通し、中立位置では
遮断されるようになっている。

しかして操作弁３を作動して油圧ポンプ１の吐出油を油
圧モータ２に供給して前進あるいは後進すると、このと
きの圧油の一部がカウンタバランス弁４ａを介してブレ
ーキ装置５のブレーキ室７ａに供給される。

かくするとピストン６に設げられた絞り１１により油が
ドレン室９へ流れるときに差圧が生じ、その差圧により
ピストン６が作動してブレーキが解除される。

そしてこれのストロークエンドでバイパス通路１０が閉
塞壁１２にて閉塞され、ブレーキ室７ａには油圧モータ
２の高圧がそのまま作用される。

またこのとき、ピストン６の外周部はドレン室９に対し
て上記閉塞壁１２にて仕切られて、たとえピストン６の
外周部に油の漏れがあってもこれは上記閉塞壁１２にて
仕切られて遮断される。

上記状態から操作弁３を中立にするとカウンタバランス
弁４ａが中立となってモータ２が停止する。

かくするとブレーキ室７ａへの圧油の供給がな（なる。

かくするとピストン６はばね８にて戻されてブレーキ作
動がなされる。

このときブレーキ室７ａの油はバイパス通路１０を通っ
てドレン室１２にドレンされる。

本考案は以上のようになり、シリンダ７に嵌合したピス
トン６をばね８の付勢力にて一方へ付勢することにより
ブレーキ作動され、またブレーキ室７ａに作用する油圧
力にて上記ばね８の付勢力に抗してピストン６を他方へ
移動することによりブレーキが解除されるようにして油
圧モータ２に装着した油圧モータの軸ブレーキ装置にお
いて、ピストン６内にブレーキ室７ａとドレン室９とを
連通ずるバイパス通路１０を途中に絞り１１を介装して
設け、またドレン室９に、ブレーキ解除時のピストン６
に当接してこれのバイパス通路１０を閉塞する閉塞壁１
２をリング状にして設け、さらに上記ブレーキ室７ａを
上記油圧モータ２に接続したブレーキ弁４のカウンタバ
ランス弁４ａに接続して油圧モータの軸ブレーキ装置を
構成したから、ブレーキ室７ａとカウンタバランス弁４
ａとの間にシャトル弁を介装する必要がなくなってブレ
ーキ装置としての油圧回路構成を簡単にすることができ
る。

またブレーキ解除時のブレーキ室７ａの油はピストン６
内の絞り１１を有するバイパス通路１０を通って安定し
た流量でもってドレンされることにより、ブレーキ室７
ａを接続したカウンタバランス弁４ａの中立位置におけ
るブレーキ用ポートに絞りを有するドレン通路を設ける
必要がなく、単に遮断構成とするだけの構成ですみ、こ
のカウンタバランス弁４ａの構造を簡単にすることがで
きると共に、このカウンタバランス弁４ａを構成する部
品の精度の向上及び部品の管理の容易化を図ることがで
きる。

さらに本考案によれば、ピストン６の解放方向へのスト
ロークエンド状態で、このピストン６が閉塞壁１２に当
接することにより上記バイパス通路１０が閉じられるこ
とにより、ブレーキ装置の解放状態を安定して維持する
ことができる。

そしてさらにブレーキ解除時にピストン６に当接してこ
れのバイパス通路１０を閉塞する閉塞壁１２をリング状
にしたことにより、このブレーキ解除時におけるピスト
ン６の外周部とドレン室９とはこの閉塞壁１２にて仕切
られることになり、たとえピストン６とこれが嵌合する
シリンダとの間にクリアランスがあってこれから油が漏
れたとしても、上記閉塞壁１２にてこれが遮断されてブ
レーキ解放時における作動油の漏れがなくなり、作動油
の漏れによる動力のロスをなくすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す油圧回路図である。 ６はピストン、７はシリンダ、７ａはブレーキ室、８は
ばね、９はドレン室、１０はバイパス通路、１１は絞り
、１２は閉塞壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ７に嵌合したピストン６をばね８の付勢力にて
   一方へ付勢することによりブレーキ作動され、ブレーキ
   室７ａに作用する油圧力にて上記ばね８の付勢力に抗し
   てピストン６を他方へ移動することによりブレーキが解
   除されるようにして油圧モータ２に装置した油圧モータ
   の軸ブレーキ装置において、ピストン６内にブレーキ室
   ７ａとドレン室９とを連通ずるバイパス通路１０を途中
   に絞り１１を介装して設け、また上記ドレン室９に、ブ
   レーキ解除時のピストン６に当接してこれのバイパス通
   路１０を閉塞する閉塞壁１２をリング状に設け、さらに
   上記ブレーキ室７ａを上記油圧モータ２の回路内に介装
   したカウンタバランス弁４ａに接続してなることを特徴
   とする油圧モータの軸ブレーキ装置。