JPS6325085Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は被研磨部品の両面が同時に研磨できる
ロータリー式の両面研磨装置に関する。

コンクリート、スレート、ICチツプなどの切
断には、円板状の砥石基板の周縁に多数のダイヤ
モンドカツターを周設してなる切断砥石が用いら
れている。この切断砥石の砥石基板には、焼入鋼
板が用いられ、その両面を交互に研磨機等で研磨
している。この砥石基板の研磨機は、第１図に示
すように電磁マグネツトを備えたターンテーブル
ｂ上に基板ａを載置吸着した後、回転砥石ｃによ
つて、その基板ａの表面を研磨する方法がとられ
ている。ところが、この基板ａは板厚が数耗の薄
鋼板であり、基板ａが多少歪んでいても、ターン
テーブルｂ上に電磁吸着した場合は、その歪みが
消失してほゞ平坦となつており、それに対して研
磨作業がおこなわれる。したがつて研磨後にター
ンテーブルｂから基板ａを取外した場合、研磨前
の歪みが図示の鎖線のように復元する場合があ
り、切断砥石用の基板としては好ましくない製品
となる。また、残留磁気のため研磨屑が付着し、
掃除に手間が掛り、さらに大型の基板の場合には
片面研磨後、裏面研磨のため裏返す際に非常に手
間が掛り、作業能率が著しく低下するという多く
の問題点があつた。

本考案は前記事情に鑑みなされたもので、前記
従来の研磨機の問題点を解消した両面研磨装置を
提供しようとするものである。

すなわち本考案は両面を加工すべき板状の被研
磨部品を、支持アームで移動可能なベツドに立設
保持し、該被研磨部品の両面に平行な回転軸と、
互いに相対する距離の調節機構とを備えてなる一
対の研磨砥石を被研磨部品を挾んでその両側に配
置し、別に被研磨部品の両面に接触して、これに
回転を与える一対の回転ローラを移動可能なベツ
ドに設けたことを特徴とする両面研磨装置であ
る。

以下、本考案の実施例について図面を参照しな
がら詳細に説明する。

第２図および第３図において、１，１′は並設
された一対の研磨砥石、２，２′は研磨砥石１，
１′の回転軸、３は無段変速装置、４は無段変速
装置を駆動する電動機、５は調整用ハンドル、６
は微調整用ハンドル、７および８はハンドル５お
よび６に連結するシヤフト、９は調整軸で、軸上
に一対の逆ネジが設けてあり、該調整軸９の回転
によつてこれらネジに係合する研磨砥石１，１′
相互が同時に接近し、あるいは同時に離れるよう
に構成してある。１０，１１はウオームギヤボツ
クス、１２，１３は回転軸２，２′の軸受部であ
る。２０は床面上にあつて、前記各装置を載置し
たベツドである。なお、研磨砥石を互いに接近さ
せたり、離れるようにする距離の調節機構は、前
記構成のみに限定されるものではなく、他の慣用
の機構を用いてもよい。

３１，３１′は前記研磨砥石１，１′に相対して
互に並設された回転ローラで、弾性材たとえばゴ
ムなどで形成されている。３２，３２′は回転ロ
ーラ３１，３１′の回転軸、３３，３３′は軸受
部、３４，３４′はユニバーサルジヨイント、３
５は両回転軸３２，３２′間に回転を伝えるギヤ
ボツクス、３６は動力を受けるプーリー、３７，
３７′は両回転ローラ３１，３１′の相対間隔を調
節するための油圧シリンダー、３８は前記各部材
を載置したベツド、３９はベツド３８を移動可能
に保持したベツドで、該ベツド３９には被研磨部
品、たとえば砥石基板などを保持する支持アーム
４０を設けてある。４１は床面上にあつて、ベツ
ド３９を移動可能に保持するベツドである。な
お、前記軸受部３３，３３′は貫通して設けられ
たシヤフト４２，４３上を摺動可能に設けられ、
油圧シリンダ３７，３７′からの油圧によつて移
動できるように構成されている。

６０は支持アーム４０に保持されて立設された
被研磨部品で、前記一対の研磨砥石１，１′と、
前記一対の回転ローラ３１，３１′の間に配置さ
れている。なお、前記支持アーム４０は、その基
部を、たとえば複数本のボルト４０ａによつてベ
ツド３９に固定支持し、被研磨部品６０は第４図
に示すように支持アーム４０の一対の先端部４０
ｂ，４０b′の間に配置し、ピン４０ｃを先端部４
０ｂ，４０b′とともに被研磨部品６０の貫通孔に
挿入し、その先端をスナツプリング４０ｄによつ
て止着して、被研磨部品６０を支持アーム４０に
支承するように構成してある。なお４０ｅはピン
４０ｃと被研磨部品６０との間に介設したブツシ
ユである。

本考案の装置は以上のように構成されており、
支持アーム４０に被研磨部品６０を取付けたあ
と、一対の回転ローラ３１，３１′の間で被研磨
部品６０を挾圧して、これに回転を与える。なお
挾圧位置を変えることによつて被研磨部品６０の
回転速度を調節する。回転ローラ３１，３１′に
与えられる回転はユニバーサルジヨイント３４，
３４′を介設したことによつて回転軸３２，３
２′間に多少の変位があつても、円滑になされる。
また、ベツド３８あるいは３９の前後進によつ
て、回転ローラ３１，３１′あるいは被研磨部品
６０の前後進を適宜おこない、最適位置にセツト
する。

一方、研磨砥石１，１′はハンドル５によつて
相対間隔を変え、さらにハンドル６によつて、そ
の間隔の微調整をおこなう。これによつて被研磨
部品６０の両面に互に同方向に回転する研磨砥石
１，１′を最も好ましい状態で接触させ、また必
要に応じて接触状態を変化させる。

以上のような状態で、ベツド３９を前後進させ
ることによつて、被研磨部品６０の両面の全表面
の研磨がなされる。

以上のように、本考案の研磨装置は、研磨すべ
き被研磨部品を立設し、この両側に研磨砥石を配
置してこれを被研磨部品に対して同時に接近し、
あるいは離れるように構成するとともに、別に同
様に被研磨部品を挾圧してこれを回転せしめる回
転ローラを配置し、この回転ローラと被研磨部品
を、研磨砥石に対し、前後進可能に構成してあ
る。したがつて被研磨部品の両面を同時に安定し
た状態で研磨加工することが可能となるととも
に、従来作業のように被研磨部品の片面加工後、
これを裏返す必要もなく、作業能率が著しく向上
する。また、被研磨部品を両側から研磨砥石と回
転ローラとで挾む状態で作業をおこなうため片面
のみでおこなう方式に比較して作業上の危険度が
極めて少ない。さらに従来の装置のように電磁マ
グネツトによるターンテーブルを用いないから、
研磨後も被研磨部品に歪が復元するおそれもな
く、当然、残留磁気の問題も起らない。さらにま
た、被研磨部品の研磨面に対し、回転軸を直角に
配置してなる研磨砥石を用いてその広い回転平面
によつて被研磨部品の両面を研磨する装置が知ら
れているが、この装置の方式に対し、本考案に係
る装置では、線接触によつて両面を研磨する方式
をとり、以上のように構成してあるため、研磨ム
ラがなく均一な研磨面がえられ、かつ状況に応じ
て、研磨面や研磨速度の微妙な調整がし易い。ま
た作業中における研磨状態の測定やチエツクが容
易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の概念的な説明図、第２図は
本考案に係る装置の平面説明図、第３図は同側面
説明図、第４図は第３図のＡ−Ａ線拡大断面図で
ある。 １，１′……研磨砥石、９……調整軸、３１，
３１′……回転ローラ、６０……被研磨部品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両面を加工すべき板状の被研磨部品を、支持ア
   ームで移動可能なベツドに立設保持し、該被研磨
   部品の両面に平行な回転軸と、互いに相対する距
   離の調節機構とを備えてなる一対の研磨砥石を被
   研磨部品を挾んでその両側に配置し、別に被研磨
   部品の両面に接触して、これに回転を与える一対
   の回転ローラを移動可能なベツドに設けたことを
   特徴とする両面研磨装置。