JPS6324858B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は車両の後部換気構造に関するもので
ある。

［従来技術］ 従来、車室内の空気を後方から車外へ抜いて換
気を行なう後部換気構造としては、例えば、第１
図、第２図に示すものがある。（実開昭55−46056
を参照されたい。）第１図は自動車１０１のリヤ
ボデイを示しており、リヤウインドパネル１０３
（ガラス）の下端部で、リヤウエスト部１０５を
−に沿て切断してみると、第２図の如く閉時
状態のトランクリツド１０７が支持されたリヤウ
エストパネル１０９とリヤパーセル１１１を支持
したリヤパーセルシエルフパネル１１３と前記各
パネル１０９，１１３に両端末フランジ部が固定
されたレインフオースパネル１１５とによつてリ
ヤパーセル空間部１１７をウエスト空間部１１９
が車巾方向に沿つて並設されている。そしてリヤ
パーセルシエルフパネル１１３の空間部１１７と
レインフオースパネル１１５の空間部１１９とは
複数の換気孔１２１で連通させられると共に、リ
ヤパーセルシエルフパネル１１３とレインフオー
スパネル１１５には、夫々の空間部１１７，１１
９とトランクルームｂとを連通するように、換気
孔１２２，１２２を設け、車室ａ内とトランクル
ームｂ内の連通を図り、車室ａ内の空気を容積の
大きいトランクルームｂ内へ抜いた後、さらに、
車外へ逃がすようになつている。

この従来例の場合は、車室ａ内とトランクルー
ムｂ内とが空間部１１７，１１９を介して連通す
る構造のためにトランクルームｂからの騒音等が
車室ａ内へ侵入する問題があつた。

また、車室ａよりトランクルームｂ内には換気
風に伴ない塵埃等が侵入する為、積荷に塵埃等が
堆積してしまうという問題も生ずる。

そこで、前記問題を解消するために、例えば、
第３図、第４図に示す如く、前記第２図で示した
従来例のリヤパーセル空間部１１７及びリヤウエ
スト空間部１１９に設けられたトランクルームｂ
側の換気孔１２２，１２２を塞いで車巾方向のダ
クト部１２３，１２３を形成する一方、ダクト部
１２３の両端部をリヤピラー１２５に設けられた
エヤアウトレツト部１２７と連通したものがあ
る。なお、前記従来例と同一部材には同一符号を
符して説明は省略する。

この従来例において車室ａ内の空気は、ダクト
部１２３，１２３を介して車外へ抜ける換気構造
となるために、トランクルームｂと車室ａは確実
に仕切られる反面、容積の大きいトランクルーム
ｂ内へ抜く前記従来例と異なるためにダクト部１
２３断面積が不足し換気効率が悪くなる問題があ
つた。

そこで、第５図、第６図に示す如く従来例のリ
ヤパーセル空間部１１７とウエスト空間部１１９
の下部に、別部材で作られたドラフターダクト１
２９を車巾方向に沿つて配設するとともに、両端
部をエヤアウトレツト部１２７に接続し、かつ、
ダクト１２９と各空間部１１７，１１９とは、前
記第１の実施例の如く、リヤパーセル空間部１１
７及びウエスト空間部１１９とダクト１２９内と
を連通する換気孔１２２，１２２を開設し、これ
によりダクト面積を拡大したものがある。

この従来例にあつては、ドラフターダクト１２
９がトランクルームｂ内に車巾方向に沿つて張り
出す構造となるため、トランクルーム容積が減少
するようになることと、リヤパーセル１１１の下
方にリヤのエアコンユニツト１３３を装着した車
種にあつては、ドラフターダクト１２９が邪魔を
して整備性が悪化し、新たな対応策が必要であつ
た。

［発明の目的］ そこで、この発明は、良好な換気効率を確保し
ながら、整備面で支障が起きない車両の後部換気
構造を提供するものである。

［発明の構成］ 前記目的を達成するために、この発明にあつて
は、リヤパーセルの後部に、車室内と車外との連
通を図る断面箱型の導風路を車巾方向に沿つて配
設し、前記導風路の断面積を、車巾方向で中央部
から両側方へ向つて次第に拡大して、トランクル
ーム内への張り出し量を最少限に抑えられるよう
にし、しかも換気に必要な導風路の断面積を確保
したことを要旨としている。

［実施例］ 以下、第７図乃至第１２図の図面を参照しなが
らこの発明の各実施例を詳細に説明する。尚、従
来例と同一部材には同一符号を符して重複する説
明を省略する。図中１はリヤウインドパネル（ガ
ラス）を示しており、該パネル１は、ウエザース
トリツプ３を介して周縁フランジ５に組付けられ
ている。リヤウインドパネル１の下端部が支持さ
れた周縁フランジ５は、導風路（後述する）を形
成するリヤパーセルシエルフパネル７とリヤウエ
ストパネル９の各端末を閉じ合わせることで形成
している。一方、リヤウエストパネル９の後部端
末には、閉時状態のトランクリツド１１が支持さ
れており、リヤパーセルシエルフパネル７には、
リヤパーセル１３が装着されている。

導風路１５は、前記リヤパーセルシエルフパネ
ル７とリヤウエストパネル９に両フランジ部が固
定されたレインフオースパネル１７とにより垂直
断面箱型で車巾方向に沿つて形成されている。導
風路１５の断面積は、車巾方向でほぼ中央部OX
より側方へ向つて次第に拡大され、これらは、実
験によつて充分な換気流量が確保される有効径に
設定されている。また、導風路１５は、リヤパー
セルシエルフパネル７とリヤパーセル１３の後端
部に車巾方向に沿つて複数開口された換気孔１
９，１９を介して車室ａ内と連通している一方、
導風路１５の両端部は、リヤピラー２１に設けら
れたエヤアウトレツト部２３を介して車外と連通
している。

このように構成された換気装置において、走行
時の負圧により、車室ａ内の空気は、導風路１５
を介して車外へ抜けるようになる。この場合、換
気孔１９を介して導風路１５内を流れる空気の風
量は、第１１図、第１２図に示す如く中央部OX
で少く外側へ向けて次第に多くなるため換気効率
を低下させることなく換気が行なわれる。また、
後方にリヤのエアコンユニツトＥが配設される場
合、導風路１５のほぼ中央部は、張り出し量が最
少限に抑えられているのでエアコンユニツトＥの
整備が支承なく行なえる。

したがつて、換気効率の向上が図れると共にト
ランクルームｂ内での整備性を損なうこともな
い。

第１３図乃至第１４図は別の実施例を示したも
のである。なお、従来例と同一部材には同一符号
を符して重複する説明を省略する。この実施例の
ものは、リヤパーセル１３と該パーセル１３を支
持したリヤパーセルシエルフパネル７とで形成さ
れた車巾方向のリヤパーセル空間部２５と、該空
間部２５と並設され前記リヤパーセルシエルフパ
ネル７とリヤウエストパネル９とレインフオース
パネル１７とで形成されるリヤウエスト空間部２
７と、前記各空間部２５，２７と連通され、前記
リヤパーセルシエルフパネル７とレインフオース
パネル１７に固定された車巾方向のドラフターダ
クト２９によつて形成されるダクト空間部３３と
で垂直断面箱型の導風路１５を形成している。ド
ラフターダクト２９は、中央部OXから両側へ向
つて次第に拡大され、ダクト空間部３３の断面積
も両側へ向けて拡大しており、さらに、前記リヤ
パーセルシエルフパネル７とレインフオースパネ
ル１７とに開口された連通孔３１，３１により各
空間部２５，２７と連通している。これにより、
換気のために必要な流量断面が確保されることと
なる。

なお、ドラフターダクト２９の両側は、リヤピ
ラー２１に設けられたエヤアウトレツト部２３を
介して車外と連通しており、また、リヤパーセル
１３の後端部に開口された換気孔１９により、空
間部２５，２７を介して車室ａ内と連通してい
る。

したがつて、前記実施例と同様に換気効率の向
上が図れると共に、リヤのエアコンユニツトＥが
装着された場合でも支承なく該エアコンユニツト
Ｅの整備を行なうことができる。

第１５図、第１６図は別の実施例を示したもの
である。なお従来例と同一部材には同一符号を符
して重複する説明を省略する。

この実施例にあつては、ドラフターダクト２９
を用いることは前記実施例と同様であるが、ドラ
フターダクト２９を短くかつ断面変化させること
なく一定断面形状とし、このドラフターダクト２
９を、リヤパーセル１３の後部に形成された各空
間部２５，２７の両側方に配設し、ドラフターダ
クト２９のダクト空間部３５と前記各空間部２
５，２７とにより垂直断面箱型の導風路１５を形
成してある。これにより車巾方向中央部OXにお
ける、トランクルームｂ内のダクト２９の張り出
しをなくしてある。

したがつて、この実施例の場合も、前記実施例
と同様の作用・効果を奏する。

［発明の効果］ 以上、説明したように、この発明に係る車両の
後部換気構造によれば、トランクルーム内への換
気ダクト等の張り出し量を最少限に抑えることが
できるので整備性を損なうことなくしかも換気風
通路の断面積を十分に確保できるため換気効率を
良好とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の換気構造を示すリヤボデイの斜
視図、第２図は第１図の−線断面図、第３図
と第４図は別の従来例を示したもので第３図は、
第２図と同様の切断面図、第４図は第１図と同様
のリヤボデイの斜視図、第５図と第６図は別の従
来例を示したもので、第５図は第２図と同様の切
断面図、第６図は第１図と同様のリヤボデイの斜
視図、第７図はこの発明に係る換気構造を実施し
たリヤボデイの斜視図、第８図は第７図の−
線断面図、第９図は要部の斜視図、第１０図は切
断面図、第１１図と第１２図は説明図、第１３図
と第１４図は別の実施例を示し第１３図はドラフ
ターダクトの斜視図、第１４図は第８図と同様の
切断面図、第１５図と第１６図は別の実施例を示
し第１４図はドラフターダクトの斜視図、第１６
図は第９図と同様の斜視図である。 主要な図面符号の説明、１３……リヤパーセ
ル、１５……導風路、ａ……車室。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ リヤパーセルの後部に、垂直断面箱型の導風
   路を車巾方向に沿つて配設し、前記導風路の断面
   積を車巾方向で中央部から両側方に向つて次第に
   拡大し、前記導風路の両側端部をリヤアウトレツ
   ト部を介して車外と連通し、又、前記導風路を車
   巾方向に沿つて複数の換気孔を介して車室と連通
   したことを特徴とする車両の後部換気構造。