JPH0439779Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、樹脂製ボデー設定車両における樹
脂製ボデーの構造に関し、詳しくは、樹脂製ボデ
ーのバツクウインドの開口を囲むバツクパネルの
開口縁が露呈することがないようにして、樹脂製
ボデーの外観を向上させるとともに、樹脂製ボデ
ーに換気構造を構成したものに関する。

【従来の技術】

オフ・ロード走行用の車両等において、ロール
バー後方の荷台を覆う樹脂製ボデーは、荷台のト
ツプレールにそのサイドパネル内面の下方部に設
けられたフランジ部をボルト止めするなど、車体
適部にその端部を固定して車体に取付けられる。
通常、このような樹脂製ボデーの両サイドパネル
にはクオータウインドか設けられており、また、
そのバツクパネルには、運転者の後方視界を確保
するために設けられるバツクウインドのためのバ
ツクウインド開口部が開設されている。バツクウ
インドガラスは、荷台の横開きテールゲートに取
付けられており、上記バツクウインド開口部に嵌
まり込むようにしてバツクウインド開口部を閉じ
る。また、上記バツクウインドガラスの内面に当
接してバツクウインド開口部をシールするウエザ
ストリツプ等のシール部材は、たとえば、バツク
パネルにおける上記バツクウイント開口を囲む開
口フランジより奥方において、ルーフパネルおよ
び両サイドパネルの内面からバツクウインド開口
の内方へ突き出すようにして、かつバツクウイン
ト開口の形状に応じて延出形成したシール取付部
に装着されている。

【考案が解決しようとする問題点】

ところで、上述のように、バツクウインドガラ
スは、バツクウインド開口部に嵌まり込むように
これに閉じられることから、両者の間には若干の
隙間が有り、また、バツクウインド開口部の開口
は、バツクパネルの開口フランジのみによつて構
成されている。このため、バツクウイント開口部
においては、バツクパネルの開口フランジの端末
がどうしても見えて、樹脂製ボデーないしこれが
搭載された車両の後部の美的外観が損なわれる問
題があつた。特に、バツクウインドの開時には、
開口フランジの端末が露になるため、美観の低下
は著しく、質感が大きく損なわれる。 また、樹脂製ボデーにおいても、外気を排出す
るための通気孔を設けてボデー内の換気を良くす
ることが理想である。しかしながら、パネルの外
面にまで貫通した通気孔を設ければ、この通気孔
から雨水が入り込む問題が生じるため、従来は、
通気孔を設けてボデー内の換気を図ることが困難
であつた。 本考案は、上述のような事情のもとで考え出さ
れたもので、バツクウインド開口部におけるバツ
クパネルの端末の露出を防止して、樹脂製ボデー
および車両の後部の外観を向上させるとともに、
さらに、雨水等の入り込みを全く心配することな
く、換気構造を設けるうるように構成された樹脂
製ボデーの構造を提供することをその課題とす
る。

【問題を解決するための手段】

上記問題を解決するため、本考案では、次の技
術的手段を講じている。 すなわち、ルーフパネルと、両サイドパネル
と、バツクパネルとを備え、ロールバーの後方の
荷台を覆うように車体に装着されるとともに、上
記バツクパネルに、荷台の横開きテールゲートに
装着されたバツクウインドガラスが嵌まり込んで
閉じられるバツクウインド開口部が形成された樹
脂製ボデーにおいて、 上記バツクパネルにおける上記バツクウインド
開口を囲むフランジ部の奥方に、ルーフパネルお
よび両サイドパネルの内面から、バツクウインド
開口の形状に対応して、車体の後面視において上
記バツクウインド開口の内部に露出するまでのび
る支持パネルを一体的に設ける一方、この支持パ
ネルに、支持パネルに固定される基部と、上記バ
ツクウインドガラスの内面に当接してシールを行
なうウエザストリツプが取付けられるウエザスト
リツプ取付部と、上記基部から上記フランジ部に
まで後方に延出する立て壁部の先端部に上記フラ
ンジ部の開口縁を覆うモール部とを備えたリテー
ナを固定するとともに、 上記支持パネルと上記リテーナの上記立て壁部
の双方に、貫通孔を設けている。

【作用および効果】

本考案では、支持パネルに取付けられたリテー
ナのモール部によつて、バツクウインド開口を囲
むバツクパネルのフランジ部の開口縁が覆われる
ことになる。これにより、バツクウインドの開時
においても、バツクウインド開口部においてフラ
ンジ部の端末が剥き出しになることがなく、従来
に比して、バツクパネルおよび車体後部の外観を
大いに向上させることができる。さらに、リテー
ナには、ウエザストリツプ取付部が設けられてお
り、上記取付部に装着されたウエザストリツプ
が、バツクウインドの閉時に、バツクウインドガ
ラスの内面に当接してバツクウインド開口部がシ
ールされるように構成されている。 すなわち、本考案に係る樹脂製ボデーの構造で
は、樹脂製ボデーにおいて必要不可欠なバツクウ
インドを設ける上で、ある程度妥協せざるを得な
いとされていた樹脂製ボデーないし車体の後部外
観の悪化を完全に解消している。さらに、これを
達成するために設けたリテーナを、バツクウイン
ド開口部をシールするために必ず設けられるウエ
ザストリツプの取付部として有効に利用している
のである。 また、本考案では、支持パネルおよびリテーナ
の立て壁部に貫通孔を形成している。これによ
り、支持パネルに設けられた貫通孔によつて、樹
脂製ボデーの車室内部と、支持パネルとバツクパ
ネルのフランジ部とリテーナの立て壁部とに囲ま
れた袋状空間とが、そして、リテーナの立て壁部
に設けられた貫通孔によつて、車室外部と上記袋
状空間とが、それぞれ連通させられることにな
る。すなわち、樹脂製ボデーにおける車室内部
が、上記各貫通孔によつて、車室外部と連通させ
られた状態となつている。したがつて、空気が、
上記各貫通孔ないし袋状空間を経由して、車室内
から車室外へ流通でき、バツクウインド等のウイ
ンドを全て閉めた場合でも、良好な通気性が得ら
れる。しかも、バツクパネル周辺部が負圧状態と
なる走行時には、換気効率が一段と高まる。な
お、支持パネルに設けた貫通孔は、バツクパネル
のフランジ部によつて覆われることになるので、
雨水等が車室内へ入り込むこともない。 以上のように、本考案の樹脂製ボデーの構造に
おいては、バツクウインド開口部における外観上
の不体裁を無くして樹脂製ボデーおよび車体の美
観を高めうるとともに、さらに、これに加えて、
従来例で述べたような問題を懸念することなく、
樹脂製ボデーの車体内に一定の換気性が得られる
ように構成している。

【実施例の説明】

以下、本考案に係る一実施例を図面を参照しな
がら具体的に説明する。 第５図に示すように、樹脂製ボデー設定車両に
おいてロールバー１の後方の荷台２を覆う樹脂製
ボデー３には、そのバツクパネル４にバツクウイ
ンド５が必須的に設けられる。このバツクウイン
ド５は、荷台２のテールゲート２ａに装着された
バツクウインドガラス６が、バツクパネル４に開
設されたバツクウインド開口部７に嵌まり込むこ
とにより閉じられ、テールゲート２ａの横開きに
よるバツクウインドガラス６の開動により開放さ
れる。また、第１図および第２図に示すように、
上記バツクウインド開口部７は、バツクパネル４
における上下方向下方ないし車幅方向内方に延出
するフランジ部４ａにその開口を囲まれてこれを
規定されている。 本例の樹脂製ボデー３には、第１図ないし第３
図に示すように、バツクパネル４における上記フ
ランジ部４ａより奥方（車体前後方向前方）にお
いて、樹脂製ボデー３のルーフパネル８ないし両
サイドパネル９，９の内面から、バツクウインド
開口部７の開口の形状に応じて、かつ車体の後面
視においてバツクウインド開口部７の内部に露出
するまで延びる支持パネルが１０が一体形成され
ている。すなわち、この支持パネル１０は、その
先端部が、バツクパネル４のフランジ部４ａより
もバツクウインド開口部７の内方へ突き出た格好
となつている。 そして、本例では、バツクウインドガラス６の
内面に当接してバツクウインド開口部７をシール
するウエザストリツプ１１を装着するためのリテ
ーナ１２が、上記支持パネル１０に取付けられて
いる。上記リテーナ１２は、その全体が、第４図
に良く表れているように、ルーフパネル８側の支
持パネル１０に固定されるアツパリテーナ部１３
の両端部に、両サイドパネル９，９側の支持パネ
ル１０，１０に固定されるサイドリテーナ部１
４，１４がそれぞれ接合されて、バツクウインド
開口部７の開口および上記支持パネル１０と対応
した形状を有するように形成されている。そし
て、第１図および第２図に示すように、リテーナ
１２は、支持パネル１０の先端部に基部１４をボ
ルト止めされて、支持パネル１０に取付けられて
いるとともに、上記基部１５のバツクウインド開
口内方側の端部から後方に延出するフランジ状の
ウエザストリツプ取付部１６にウエザストリツプ
１１が装着されて、バツクウインド開口部７に対
するシール手段が講じられている。 さらに、上記リテーナ１２には、基部１５のバ
ツクウインド開口外方側の端部から後方に延出し
て、バツクパネル４のフランジ部４ａの開口縁４
ｂにまで延びる立て壁部１７が設けられていると
ともに、上記立て壁部１７の先端部を折り返して
設けたモール部１８が、バツクパネル４のフラン
ジ部４ａの開口縁４ｂの後面にパツキン１９を介
して外方から被さるようにしてこれに接着手段に
より接合されている。これにより、バツクパネル
４の開口縁４ｂを、モール部１８によつて完全に
覆い隠して、バツクウインド開口部７を構成する
フランジ部４ａの端末が露呈しないようにしてい
る。 また、上記支持パネル１０におけるバツクパネ
ル４のフランジ部４ａに覆われた部位には、第１
図ないし第３図に示すように、矩形状の貫通孔２
０が適当数適宜間隔に形成されている。これに対
して、上記リテーナ１２のアツパリテーナ部１３
には、第１図に示すように、ルーフパネル８側の
支持パネル１０に設けられた上記貫通孔２０と対
応した車幅方向位置において、そして、サイドリ
テーナ部１４には、第２図および第４図に示すよ
うに、サイドパネル９側の支持パネル１０に設け
られた貫通孔２０よりも下方の位置において、矩
形状の貫通孔２１……がそれぞれ複数形成されて
いる。 そして、本例では、通気路を確実に規定して通
気性をより高めるために、第１図および第２図に
示すように、ゴム製の通気ダクト２２，２３が支
持パネル１０とフランジ部４ａとリテーナ１２の
立て壁部１７とによつて囲まれた袋状空間に内蔵
されるようにして設けられている。ルーフパネル
８側における支持パネル１０の貫通孔２０とアツ
パリテーナ部１３の貫通孔２１との間に設けられ
た上記通気ダクト２２は、支持パネル１０側の貫
通孔２０に、これと対応した口形をもち、かつ前
後方向前方を向いた上吹出し口２２ａが嵌着さ
れ、アツパリテーナ部１３側の貫通孔２１に、こ
れと対応した口形をもち、かつ上下方向下方を向
いた下吹出し口２２ｂが嵌着されることにより装
着されている。同様に、サイドパネル９側におけ
る支持パネル１０の貫通孔２０とサイドリテーナ
部１４の貫通孔２１との間には、上記通気ダクト
２３が、第４図に良く表れているように、前後方
向前方を向いた上吹出し口２３ａとバツクウイン
ド開口内方（車幅方向内方）を向いた下吹出し口
２３ｂを、上記貫通孔２０，２１にそれぞれ嵌着
することにより設けられている。また、第１図な
いし第３図に示すように、支持パネル１０には、
各貫通孔２０……形成位置において、貫通孔２０
および通気ダクト２２，２３を隠して体裁を繕う
ために、ルーバー２４がネジ止めされて装着され
ている。このルーバー２４には、通気スリツト２
４ａが上下方向に複数形成されている。 以上のように構成された本例の樹脂製ボデーの
構造においては、バツクパネル４の開口縁４ｂ
は、モール部１８に覆い隠されている。したがつ
て、バツクウインド５の開時に、従来のようにバ
ツクウインド５の開口を囲むフランジ部４ａの端
末が剥ぎ出しにつてバツクパネル４ないし車体後
部の外観が悪化させられることがないだけでな
く、ガーニシユ効果を有するモール部１８によつ
て、バツクパネル４の美観を大いに高めうる。す
なわち、本例では、樹脂製ボデー３のバツクパネ
ル４の外観向上を図るためにガーニツシユ部材と
して設けたリテーナ１２を、さらに有効に利用し
て、バツクウインド開口部７のシール手段として
必ず設けられるウエザストリツプ１１の取付部と
しても活用しているのである。また、リテーナ１
２の立て壁部１７ないしモール部１８によつてバ
ツクパネル４のフランジ部４ａを支持させること
により、バツクパネル４ないし樹脂製ボデー３の
剛性の向上も図つている。 また、本例では、上述のように、支持パネル１
０およびリテーナ１２の立て壁部１７に、貫通孔
２０……、２１……がそれぞれ設けられ、さら
に、この貫通孔２０……、２１……との間に配さ
れた通気ダクト２２，２３によつて、樹脂製ボデ
ー３の車室内空間が車室外空間に連通させらた状
態となつている。これにより、車室内の内気を、
通気ダクト２２，２３の上吹出し口２２ａ，２３
ａ側における通気孔２２ｃ，２３ｃから、車室外
が確実に排出できる。すなわち、車室内部と車室
外部との間で通気が可能となり、樹脂製ボデー３
のウインドを全て閉じた場合でも、車室内部は快
適なエアコンデイシヨンに保ちうる。しかも、ル
ーフパネル８側の支持パネル１０に設けた貫通孔
２０は、アツパリテーナ部１３に設けた貫通孔２
１よりも上下方向上方に位置しており、また、サ
イドパネル９側においても、支持パネル１０に設
けた貫通孔２０がサイドリテーナ部１４に設けた
貫通孔２１よりも上方に位置するように構成して
いる。したがつて、通気ダクト２２，２３の下吹
出し口２２ｂ，２３ｂ側における通気孔２２ｄ，
２３ｄに雨水等が入り込んでも、これが車室内に
入り込むことは一切無いのである。 このように、本例では、雨水等の車室内への侵
入を完全に防止しながら、樹脂製ボデー３におけ
る換気構造をも達成している。 なお、本考案の範囲は、上述した実施例に限定
されたものではなく、たとえば、バツクパネルの
フランジ部の外面に段落部を設けて、リテーナの
モール部が上記段落部に嵌まり込むようにしてバ
ツクパネル外面とモール部との面一化を図れば本
考案の効果をより高めうる。また、リテーナの形
状およびこれに対する支持手段も上記実施例以外
にも種々設計変更可能である。さらに、支持パネ
ルおよびリテーナに設ける貫通孔は、ルーフパネ
ル側あるいはサイドパネル側の片方だけでも良
く、また、上記実施例のように通気ダクトを設け
なくとも、車室内部と車室外部との間には、一定
の通気性が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第５図の−線拡大断面図、第２図
は第５図の−線拡大断面図、第３図は実施例
においてサイドパネル側の支持パネルに設けられ
る通気ダクトを取り外した状態を示した斜視図、
第４図は本考案の実施例に係るリテーナの斜視
図、第５図は実施例が適用された樹脂製ボデー設
定車両の後方斜視図である。 １……ロールバー、２……荷台、２ａ……テー
ルゲート、３……樹脂製ボデー、４……バツクパ
ネル、４ａ……フランジ部、４ｂ……開口縁、６
……バツクウインドガラス、７……バツクウイン
ド開口部、８……ルーフパネル、９……サイドパ
ネル、１０……支持パネル、１１……ウエザスト
リツプ、１２……リテーナ、１５……基部、１６
……ウエザストリツプ取付部、１７……立て壁
部、１８……モール部、２０……貫通孔、２１…
…貫通孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ルーフパネルと、両サイドパネルと、バツクパ
   ネルとを備え、ロールバーの後方の荷台を覆うよ
   うに車体に装着されるとともに、上記バツクパネ
   ルに、荷台の横開きテールゲートに装着されたバ
   ツクウインドガラスが嵌まり込んで閉じられるバ
   ツクウインド開口部が形成された樹脂製ボデーに
   おいて、 上記バツクパネルにおける上記バツクウインド
   開口を囲むフランジ部の奥方に、ルーフパネルお
   よび両サイドパネルの内面から、バツクウインド
   開口の形状に対応して、車体の後面視において上
   記バツクウインド開口の内部に露出するまでのび
   る支持パネルを一体的に設ける一方、この支持パ
   ネルに、支持パネルに固定される基部と、上記バ
   ツクウインドガラスの内面に当接してシールを行
   なうウエザストリツプが取付けられるウエザスト
   リツプ取付部と、上記基部から上記フランジ部に
   まで後方に延出する立て壁部の先端部に上記フラ
   ンジ部の開口縁を覆うモール部とを備えたリテー
   ナを固定するとともに、 上記支持パネルと上記リテーナの上記立て壁部
   の双方に、貫通孔を設けたことを特徴とする、樹
   脂製ボデーの構造。