JPS6324271Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案はアウターデイスクの傾倒による異常騒
音の発生を防止したブレーキ付回転電機に関す
る。

（従来の技術） 従来ブレーキ付回転電機において例えば図示し
ない電磁石とばねを組合わせて、ばねにより回転
電機の回転部に制動力を加えて制動を行ない、電
磁石で制動力を解除している。このブレーキは第
１図のブレーキ要部の縦断面図で示す如く、回転
電機の軸受ブラケツト１から突出した回転軸端に
設けた角ボス２に、摩擦材からなるインナーデイ
スク５ａ，５ｂを軸方向に移動自在に挿嵌し、こ
のインナーデイスク５ａ，５ｂの間に環状のアウ
ターデイスク４を配設する。インナーデイスク５
ａの片側には円盤状の可動シユー６を、図示しな
いばねで軸方向に軸受ブラケツト１の側壁に設け
た固定シユー７に押圧して制動を行なう。尚、前
記アウターデイスク４及び可動シユー６は、回転
電機の軸受ブラケツト１の端面に植設した復数個
のガイドピン３に各々軸方向に移動自在に支持し
て設ける。このブレーキ付回転電機の構造におい
て、ブレーキの制動過程は、回転体の慣性エネル
ギーが回転軸端の角ボス２を介して複数枚のイン
ナーデイスク５ａ，５ｂに伝達され、固定シユー
７，可動シユー６とアウターデイスク４との間で
の摺動で摩擦熱に変換されて制動される。即ち、
前記インナーデイスク５ａ，５ｂは回転軸端の角
ボス２と共に回転する。このインナーデイスク５
ａと５ｂの中間には、ガイドピン３で軸方向には
摺動自在で回転は規制されたアウターデイスク４
と各々隙間を介して設ける。そして、相互の隙間
を約１mm前後として可動シユー６，固定シユー７
を設けてある。従つて制動解放時には互いに接触
しない。又、前記アウターデイスク４は第２図の
正面図で示すように中央に中空孔４ａを設け、こ
れと同心で外周に近くガイドピン３の挿通孔８
ａ，８ｂ，８ｃを三等配の逆三角形の位置に明け
る。

（考案が解決しようとする問題点） しかして、ガイドピン３の直径は一般に挿通孔
の孔径ｄに対し約0.5mm程度の遊隙を設けている。
このガイドピン３を挿通するアウターデイスク４
に明けた挿通孔８ａ，８ｂ，８ｃの各々のピッチ
のわずかな誤差及び倒れ等工作時の精度により、
下側のガイドピン３により下の挿通孔８ｃを支点
として支持されて、アウターデイスク４の上の挿
通孔８ａ，８ｂが、上側の２本のガイドピン３よ
り浮き上つた状態になるときが生じる。このとき
アウターデイスク４は下の挿通孔８ｃを支点とし
て、左右何れか一方に傾倒する。するとブレーキ
付回転電機の運転中にアウターデイスク４が傾倒
すると、回転しているインナーデイスク５ａ，５
ｂの何れか一方に接触して跳ね返され、他方のイ
ンナーデイスクに倒れかかり、再び接触して跳ね
返されるという動作を反復繰り返し、異常な騒音
を発生する欠点があつた。

本考案は前記した事情に鑑みてなされたもの
で、アウターデイスクの傾倒をなくし運転中の異
常な騒音の発生をなくしたブレーキ付回転電機を
提供する事を目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は回転電機の回転軸端に回転軸と共に回
転する複数枚のインナーデイスクと、この間に軸
受ブラケツトに３等配に植設したガイドピンに挿
通孔により挿入したアウターデイスクを挟配しこ
れらを可動シユーを介してばねで軸受ブラケツト
の固定シユーに押圧して制動するブレーキを取付
けたものにおいて、前記ガイドピンの内の２本を
回転軸の上部で軸に対し直角略水平方向にしなが
ら３本を等配の逆三角状に配設し、アウターデイ
スクの複数個の挿通孔の内で径の異なる挿通孔を
穿設し、径大の挿通孔は回転軸の略垂直下のガイ
ドピンと遊〓嵌合し径小の挿通孔は回転軸より上
部の前記２本のガイドピンとの嵌合懸架によりイ
ンナーデイスク間にアウターデイスクを挟配した
事を特徴とするブレーキ付回転電機である。

（作 用） この様に構成されているので、アウターデイス
クは上側２本のガイドピンに懸架されて軸方向へ
の摺動が自在となり、アウターデイスクの傾倒が
なくなり傾倒により異常騒音の発生がなくなる。

（実施例） 本考案を一実施例の第３図に示すアウターデイ
スクの正面図を参照して説明する。但し前記した
従来と同一箇所は同一符号を用い詳細な説明は省
略する。ガイドピン３は３本の内の２本を回転軸
の上部で軸に対し直角略水平方向にしながら３本
を等配の逆三角形状（一辺が上辺となる三角形
状）に軸受ブラケツトの端面に植設する。アウタ
ーデイスク９はガイドピンが３本の場合ガイドピ
ン３の挿通孔１０ａ，１０ｂ，１０ｃをアウター
デイスク９の中空孔９ａと同心で外周に近く三等
配の逆三角形状の位置に明ける。ただし中心軸よ
り上の２個の挿通孔１０ａ，１０ｂの孔径ｄに対
し、下の挿通孔１０ｃの孔径ｄ１は0.5mm程度大
きく形成する。尚この場合前記ガイドピン３の直
径は（ｄ−0.5）mm程度に設ける。

次に上記構成の作用効果について説明する。ア
ウターデイスク９はガイドピン３の挿通孔１０
ａ，１０ｂ，１０ｃの内、下の挿通孔１０ｃの孔
径ｄ１は上の挿通孔１０ａ，１０ｂの孔径ｄより
約0.5mm太く明けてあり、ガイドピン３の直径は
約（ｄ−0.5）mmなので、挿通孔１０ｃと下のガ
イドピン３の間には約１mm程度の遊隙が生じる。
このため加工、組立時に若干の誤差が生じても、
上側２本のガイドピン３に挿通孔１０ａ，１０ｂ
の嵌合によりアウターデイスク９はガイドピン３
に常時懸架状態となり、軸方向に摺動自在に支持
されているので、アウターデイスク９の傾倒がな
くなり傾倒した事による異常騒音の発生がなくな
る。又、下のガイドピン３と下の挿通孔１０ｃが
遊嵌合していても、上側２本のガイドピン３と上
の挿通孔１０ａ，１０ｂの嵌合によりアウターデ
イスク４の回転止めは従来同様に行うことが出来
る。

［考案の効果］ 以上本考案によれば簡単な構成でアウターデイ
スクの傾倒を防止したので回転時の異常騒音の発
生を防止する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のブレーキ要部の縦断面図、第２
図は従来のアウターデイスクの正面図、第３図は
本考案のアウターデイスクの正面図である。 １……軸受ブラケツト、２……回転軸端の角ボ
ス、３……ガイドピン、５ａ，５ｂ……インナー
デイスク、６……可動シユー、７……固定シユ
ー、９……アウターデイスク、９ａ……中空孔、
１０ａ，１０ｂ……上の挿通孔、１０ｃ……下の
挿通孔、ｄ，ｄ１……挿通孔の孔径。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転電機の回転軸端に回転軸と共に回転する複
   数枚のインナーデイスクと、この間に軸受ブラケ
   ツトに３等配に植設したガイドピンに挿通孔によ
   り挿入したアウターデイスクを挟配しこれらを可
   動シユーを介してばねで軸受ブラケツトの固定シ
   ユーに押圧して制動するブレーキを取付けたもの
   において、前記ガイドピンの内の２本を回転軸の
   上部で軸に対し直角略水平方向にしながら３本を
   等配の逆三角形状に配設し、アウターデイスクの
   複数個の挿通孔の内で径の異なる挿通孔を穿設
   し、径大の挿通孔は回転軸の略垂直下のガイドピ
   ンと遊嵌合し径小の挿通孔は回転軸より上部の前
   記２本のガイドピンとの嵌合懸架によりインナー
   デイスク間にアウターデイスクを挟配した事を特
   徴とするブレーキ付回転電機。