JPH023406Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、工作機械のシーソー型操作盤支持装
置に係り、特に、操作盤の移動性を円滑化しうる
ようにした工作機械のシーソー型操作盤支持装置
に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般に、NC工作機械に付設される操作盤は、
作業状況に応じて最適位置に移動することができ
るようにペンダント型の支持装置に懸垂されるよ
うにしたものが多い。

第４図は、このようなペンダント型操作盤支持
装置のうち、シーソー式のものを示している。す
なわち、基礎軸１の上端部分には、旋回アーム２
が水平方向に旋回可能に取付けられるとともに、
この旋回アーム２の先端部分に軸支装置３が自転
可能に設けられている。また、この軸支装置３に
は、揺動軸４が回転自在に取付けられており、こ
の揺動軸４に揺動アーム５の途中部分が嵌着され
ている。これにより、揺動アーム５が揺動軸４を
中心として上下方向に揺動自在に保持されるよう
になつている（図示では±25゜揺動しうるものを
示している。）。

さらに、上記揺動アーム５の一端側には、フレ
キシブルホース６およびワイヤ７を介して操作盤
８が懸垂支持されるとともに、他端側には、上記
操作盤８を微小速度で引上げる程度の重さを備え
たバランスウエイト９が取付けられている。この
ような構成により操作盤８は、上下左右方向に任
意に移動することができるようになつている。

また、上記揺動アーム５を支承する軸支装置３
の揺動軸４には、図示を省略したブレーキ板がス
プライン嵌合されている。そして、このブレーキ
板を皿ばね等のばね付勢力によりハウジング側に
押付けて、その際生ずる摩擦制動力により上記揺
動アーム５を静止状態に保つようにしている。一
方、この摩擦制動力は、揺動アーム５を完全に固
着する程までには強くはなく、操作盤８に所定の
移動力を加えたときには、摩擦力に抗して操作盤
８を移動させることができるようになされてい
る。

ところがこのように、ばね付勢力により摩擦制
動効果を利用したものでは、上下方向の動作が緩
慢にならざるを得ず、操作の円滑性を欠くという
欠点があつた。さらに、ブレーキ板の摩耗等から
ばね力を定期的に調整しなおしたり、ばねそのも
のを交換したりする必要があつた。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、このような従来のシーソー型
操作盤支持装置の欠点を解消し、操作盤の移動性
が良好でしかも所定位置に確実に停止することが
できるようにした工作機械のシーソー型操作盤支
持装置を提供することを目的とする。

〔考案の概要〕

上記目的を達成するため、本考案による工作機
械のシーソー型操作盤支持装置は、揺動アームを
軸支する軸支装置の揺動軸を開放、拘束して揺動
アームを任意に揺動、停止させる揺動軸制動手段
を備えてなることを特徴とし、操作盤を動かすと
きには揺動軸を開放して揺動アームを完全にフリ
ー状態にするとともに、操作盤を停止させるとき
には揺動軸を拘束して揺動アームを完全に固定す
るようにしている。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基いて詳細に説
明する。

本考案によるシーソー型操作盤支持装置におい
ても第４図に示した従来の支持装置と同様に、操
作盤８は、旋回アーム２の旋回動および軸支装置
３の自転により左右方向に任意移動しうるように
支持されるとともに、揺動アーム５の揺動により
上下方向にも任意移動しうるように支持されてい
る。

一方、第１図および第２図に示すように、軸支
装置３のハウジング１１は、対向立設された２枚
の板状部材１２，１２を有し、この板状部材１
２，１２間に揺動軸４が回転自在に支承されてい
る。そして、この揺動軸４に揺動アーム５の途中
部分が嵌着されている。揺動アーム５は、角管状
本体１３をコ字状の固定部材１４で上方側から覆
つてなり、ねじ１５，１５により締付け固定され
ている。

さらに、上記揺動軸４の一端部分（第１図右方
部分）は、小径状に形成され、この小径部１６が
板状部材１２の外方に延出するように配設されて
いる。そして、この小径部１６は、軸支装置３に
連設された電磁ブレーキ１７内に装着されてい
る。

電磁ブレーキ１７は、特に第３図に示すよう
に、揺動軸４の上記小径部１６に固定されたイン
ナードライバ２０と、このインナードライバ２０
の外周部分にスプライン嵌合された円板状のブレ
ーキデイスク２１と、該ブレーキデイスク２１を
ハウジング１１側に密着させるように押圧するば
ね体２２と、上記ブレーキデイスク２１とばね体
２２との間に介挿される保護板２３と、この保護
板２３に近接配置され該保護板２３を吸引する励
磁コイル２４とを有している。すなわち、励磁コ
イル２４に通電しない状態では、ブレーキデイス
ク２１がばね体２２により保護板２３を介してハ
ウジング１１側に密着され、両者間に生ずる摩擦
力によつて揺動軸４が停止状態に維持される。ま
た、励磁コイル２４に通電すると、ブレーキデイ
スク２１を圧着していた保護板２３は、ばね体２
２の付勢力に抗して吸引され、ブレーキが解放さ
れるようになつている。

このような構成からなるシーソー型操作盤支持
装置においては、操作盤を一定位置に保持する場
合には、電磁ブレーキ１７に通電を停止してブレ
ーキをかけ、揺動アーム５の上下動を止めるよう
にしておく。また、操作盤を移動させる場合に
は、電磁ブレーキ１７への通電をしてブレーキを
解放する。このようにすれば、揺動アーム５を完
全にフリー状態にすることができ、操作盤を円滑
に動かすことができる。

なお、上述した実施例では、揺動軸制動装置と
して電磁ブレーキを用いているがその他電磁クラ
ツチや油圧ピストンクランプ等を用いて揺動アー
ムにブレーキをかけたり開放したりするようにし
てもよい。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案による工作機械のシ
ーソー型操作盤支持装置は、揺動アームを任意に
開放、拘束する揺動軸制動装置を備えているか
ら、操作盤移動時に、揺動アームを完全にフリー
にすることができ、極めて円滑な移動作業を行う
ことができる。また、操作盤を停止させる場合に
は、揺動アームを固定して確実に一定位置に保持
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例におけ
る操作盤支持装置の軸支部分の表した横断面図お
よび側面図、第３図は電磁ブレーキの部分破断斜
視図、第４図は一般のシーソー型操作盤支持装置
を表した全体側面図である。 １……基礎軸、２……旋回アーム、３……軸支
装置、４……揺動軸、５……揺動アーム、６……
フレキシブルホース、７……ワイヤ、８……操作
盤、９……バランスウエイト、１１……ハウジン
グ、１２……板状部材、１３……角管状本体、１
４……固定部材、１５……ねじ、１６……小径
部、１７……電磁ブレーキ、２０……インナドラ
イバ、２１……ブレーキデイスク、２２……ばね
体、２３……保護板、２４……励磁コイル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 軸支装置に回転自在に設けられた揺動軸に対
   し揺動アームの途中部分を嵌着し、該揺動アー
   ムの一端側に操作盤を懸垂支持するとともに、
   他端側に上記操作盤とバランスするバランスウ
   エイトを取付けてなる工作機械のシーソー型操
   作盤支持装置において、前記軸支装置に、該軸
   支装置の揺動軸を解放、拘束する揺動軸制動手
   段が連設されていることを特徴とする工作機械
   のシーソー型操作盤支持装置。 ２ 揺動軸制動手段は、電磁ブレーキからなるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の工作機械のシーソー型操作盤支持装置。