JPS6323862B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、主として熱交換器の冷媒管に使用せ
られる内面螺旋溝付管を連続的に製造する方法
と、この方法を実施する装置に関するものであ
る。

従来技術とその問題点 内面螺旋溝付円管を冷媒管に使用すると、管内
の流通冷媒と管外の空気との熱交換効率が通常の
管のものより増大するので、熱交換器の小形化お
よび省材料化のために有利である。ところで、こ
のような内面螺旋溝付円管を製造するのに、従来
管引抜加工時に管内に溝付工具を挿入してこれを
回転したり、あるいは拡管のさいに溝付部を有す
るマンドレルを回転したりしているが、前者の溝
付工具および後者のマンドレルのいずれにも軸が
存在するため、この軸長さに限度があることから
長尺の内面螺旋溝付円管を製造することができな
かつた。また螺旋溝付ダイスを使用して管の押出
成形時に内面螺旋溝を形成するという提案もある
が、これは金型費が高価であるばかりか製造条件
上の制約もありいまだ実用化されるに至つていな
い。

この発明の目的は、長尺の内面螺旋溝付円管を
連続的に製造しうる方法と、この方法を実施する
装置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 本発明の１つは、内面直線溝付円管を押出し成
形してこれを繰出しドラムに巻取り、繰出しドラ
ムから繰出した内面直線溝付円管をいつたんキヤ
プスタンの巻付けドラムに巻付けてからねじり回
転枠の後端部に取付けられかつ周面に内面螺旋溝
付円管の外周の半分に相当する横断面半円形の溝
を有する一対の挾持ローラを通過させ、キヤプス
タンと挾持ローラとの間におき、回転枠の回転に
ともなつて管にねじりを与え、直線溝を螺旋溝に
変形し、挾持ローラ通過後の内面螺旋溝付円管を
巻取りドラムとともに回転枠に取付けられた一対
の水平移動ガイド・ローラで挾み、その直ぐ前に
ある巻取りドラムにその端から端まで順次密に螺
旋状に巻取ることを特徴とする内面螺旋溝付円管
の連続的製造方法であり、この発明の他の１つ
は、前記方法の発明の実施に直接採用する装置の
発明であつて、この装置は、管ねじり用回転枠
と、枠回転中心線と直交する軸により回転枠に取
付けられた巻取りドラムと、回転枠の後方に配置
せられかつ押出し成形された内面直線溝付円管を
繰出す繰出しドラムと、回転枠と繰出しドラムの
間に介在せられかつ繰出された内面直線溝付円管
がいつたん巻付けられる巻付けドラムを有するキ
ヤプスタンと、回転枠の後端部に取付けられた一
対の挾持ローラと、回転枠の回転にともないキヤ
プスタンと挾持ローラとの間でねじられて直線溝
が螺旋溝に変形しかつ挾持ローラを通過した内面
螺旋溝付円管を巻取る巻取りドラムと、巻取りド
ラムの直ぐ後に配置せられかつ内面螺旋溝付円管
を挾んで巻取りドラムにその端から端まで順次密
に螺旋状に導くように案内する一対の水平移動ガ
イド・ローラとを備え、挾持ローラの周面には、
内面螺旋溝付円管の外周の半分に相当する横断面
半円形の溝が形成せられており、さらに回転枠と
キヤプスタンとが連動するようになされているも
のである。

実施例 本発明の実施例を、以下図面を参照して説明す
る。なお、この明細書において「前」とは管の送
り方向側、すなわち図面の右側をいい、「後」と
は逆の方向、すなわち図面の左側をいう。

本発明の１つである内面螺旋溝付円管の連続的
製造方法は、まず第１図および第２図に示されて
いるような内面に多数の直線溝４２を有する内面
直線溝付円管３Ａを押出し成形し、これを第４図
ないし第８図に示されている装置を使用して最終
的に第３図に示されているような内面に螺旋溝４
３を有する内面螺旋溝付円管３Ｂを連続的に得る
ものである。

上記装置は、管ねじり用回転枠１と、枠回転中
心線Ｃと直交する軸２により回転枠１に取付けら
れた巻取りドラム４と、回転枠１の後方に配置せ
られかつ押出し成形された内面直線溝付円管３Ａ
を繰出す繰出しドラム８と、回転枠１と繰出しド
ラム８の間に介在せられかつ繰出された内面直線
溝付円管３Ａがいつたん巻付けられる巻付けドラ
ム６，７を有するキヤプスタン４４と、回転枠１
の後端部に取付けられた一対の挾持ローラ５と、
回転枠１の回転にともないキヤプスタン４４と挾
持ローラ５との間でねじられて直線溝４２が螺旋
溝４３に変形しかつ挾持ローラ５を通過した内面
螺旋溝付円管３Ｂを巻取る巻取りドラム４と、巻
取りドラム４の直ぐ後に配置せられかつ内面螺旋
溝付円管３Ｃを挾んで巻取りドラム４にその端か
ら端まで順次密に螺旋状に導くように案内する一
対の水平移動ガイド・ローラ４０とを備え、挾持
ローラ５の周面には、内面螺旋溝付円管３Ｂの外
周の半分に相当する横断面半円形の溝が形成せら
れておりいるものである。

管ねじり用回転枠１の前後には突出軸１０，９
が設けられており、両軸１０，９が軸受を内蔵し
た前後のスタンド１２，１１に回転自在に取付け
られている。後突出軸９はスタンド１１よりわず
か突きだしており、これの後端にさらに横長の垂
直板１３が設けられている。一対の挟持ローラ５
は垂直板１３の一側面前寄りに取付けられてい
る。垂直板１３の前寄りには、挟持ローラ５と並
んで一対の管断面変形防止用ローラ１４が取付け
られている。管断面変形防止用ローラ１４の周面
には、挟持ローラ５と同様に、内面螺旋溝付円管
３Ｂの外周の半分に相当する横断面半円形の溝が
形成せられている（第８図参照）。両ローラ５，
１４は同形で、管３Ｂを上下から挾むものであ
る。垂直板１３の前端すなわち挟持ローラ５の前
方には、管３Ｂを左右から挾むガイド・ローラ１
５が取付けられている。挟持ローラ５から巻取り
ドラム４への進入角度α（第７図参照）は余り大
きくない方が好ましい。進入角度αが大き過ぎる
と管３Ｂに割れの発生するおそれがある。挟持ロ
ーラ５および巻取りドラム４間の管３Ｂには張力
が生じないように若干たるみを与えるのがよい。
張力が生じると管に割れが生じる。

水平移動ガイド・ローラ４０の詳細は、第６図
および第７図に示されている。ガイド・ローラ４
０は、水平ねじ孔を有する直方体状ブロツク３８
の上面に設けられており、ブロツク３８はそのね
じ孔により管ねじり用回転枠１に回動自在に渡止
められたねじ軸３９に取付けられている。ねじ軸
３９の一端および巻取りドラム４の回転軸２の両
端には、スプロケツト・ホイール１６，１７，１
８が取付けられている。ねじ軸３９および回転軸
２のスプロケツト・ホイール１６，１７には、エ
ンドレス・チエン１９がかけわたされており、巻
取りドラム４の回転に同期してガイド・ローラ４
０が水平移動するようになされている。ブロツク
３８はねじ軸３９の回転に付随して回らないよう
に、図示しないガイドで案内せられるようになつ
ている。前スタンド１２には巻取りドラム駆動電
動機２０が設けられており、その出力が伝動機構
２１を介して巻取りドラム４の回転軸２に伝達せ
られるようになつている。

キヤプスタン４４の前後の巻付けドラム７，６
は、後スタンド１１の後方に配置せられた中空歯
車箱２３の一側に水平軸２５，２４により取付け
られている。前後巻付けドラム７，６はともに螺
旋溝を有しており、両者は若干離されかつ後者が
前者よりわずか下方に位置せしめられている。両
水平軸２５，２４には、前後巻付けドラム７，６
と歯車箱２３との間において大形歯車２７，２６
が固定せられている。両歯車２７，２６間には、
これらと噛合う小形歯車２８が配置されており、
その水平軸２９は歯車箱２３内にはいつている。
後スタンド１１の前方には、回転枠およびキヤプ
スタン駆動用電動機３０が配置せられており、そ
の出力軸３１が前スタンド１１を貫通して歯車箱
２３内にはいり、傘歯車などを介して水平軸２９
に回転力を伝達するように連結せられている。出
力軸３１の基部と管ねじり用回転枠１の前突出軸
９にはそれぞれプーリ３２，３３が固定せられて
いる。両プーリ３２，３３にベルト３４がはりわ
たされており、電動機３０の回転力がキヤプスタ
ン４４と回転枠１の両方に分けて伝達せられるよ
うになつている。管断面変形防止用ローラ１４と
巻付けドラム７との間に位置するように、横断面
真円の貫通孔を有する筒状管断面矯正具４１が歯
車箱２３に取付けられている。

管繰出し装置４５の繰出しドラム８の軸３５
は、スタンド３６に設けられた軸受３７に受けら
れている。繰出しドラム８に巻かれる内面直線溝
付円管の素材は、アルミニウムに限らず、銅、軟
鋼などでもよい。

溝のねじり角度は、回転枠の回転速度と、キヤ
プスタンの回転速度によつてきまる。たとえば、
前者の速度を一定とすると、後者の速度を速くす
ればねじり角度は小さくなる。したがつて、所要
のねじり角度が得られるような伝動機構が選定せ
られる。

なお、上記実施例では、管の真円度保持の一層
の確実性を期するために管断面変型防止ローラ１
４および管断面矯正具４１が存在するが、これら
は必ずしも必要ではない。

また上記実施例では、管はキヤプスタン４４の
前巻付けドラム７から後巻付けドラム６をめぐつ
て巻取りドラム４に至つており、回転枠１の回転
にともない、管のねじりはキヤプスタン４４の後
巻付けドラム７の管送出し点を支点とし、これか
ら挟持ローラ５の管導入点にかけて発生し、挟持
ローラ５と巻取りドラム４の間には発生しない。
キヤプスタン４４の巻付けドラムは、しかしなが
らこの実施例のように必ずしも２つなくてもよ
く、１つでも差支えない。

発明の効果 本発明によれば、内面直線溝付円管を押出し成
形し、これを自動的にねじることにより長尺の内
面螺旋溝付円管を得ることができるから、熱交換
効率のよい冷媒管を能率よく量産しうる。

また、繰出しドラムと巻取りドラムとの間に挾
持ローラがあり、挾持ローラとキヤプスタンの間
で管をねじるから、ねじり作用が繰出しドラムお
よび巻取りドラムにある管部分に及ぶことがな
く、したがつてドラムによる管の繰出しおよび巻
取りを円滑に支障なく行なうことができる。

また挾持ローラの周面には、内面螺施溝付円管
の外周の半分に相当する横断面半円形の溝が形成
せられているから、上記のようにして管がねじら
れるさいに真円度がそこなわれない。

また管をいつたんキヤプスタンの巻付けドラム
に巻付けてから巻取りドラムに巻取るようにし、
かつ回転枠とキヤプスタンを連動するようにし、
さらに挾持ローラを経た内面螺旋溝付円管を一対
の水平移動ガイド・ローラで挾んで、巻取りドラ
ムにその端から端まで順次密に螺旋状に巻取るも
のであるから、管に加わるテンシヨンに変化が生
ぜず、したがつて管径が同一に保たれるととも
に、螺旋溝ピツチも均一となり、優れた内面螺旋
溝付円管を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示すもので、第１図
は内面直線溝付管の一部を切欠いた部分側面図、
第２図は第１図の−線にそう断面図、第３図
は内面螺旋溝付管の一部を切欠いた部分側面図、
第４図はこの発明による装置全体の側面図、第５
図は平面図、第６図は管ねじり用回転枠部分の拡
大詳細平面図、第７図は第６図の−線にそう
断面図、第８図は第４図の−線にそう拡大断
面図である。 １……管ねじり用回転枠、３Ａ……内面直線溝
付円管、３Ｂ……内面螺旋溝付円管、４……巻取
りドラム、５……挟持ローラ、６，７……巻取り
ドラム、８……繰出しドラム、４２……直線溝、
４３……螺旋溝、４４……キヤプスタン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内面直線溝付円管３Ａを押出し成形してこれ
   を繰出しドラム８に巻取り、繰出しドラム８から
   繰出した内面直線溝付円管３Ａをいつたんキヤプ
   スタン４４の巻付けドラム６，７に巻付けてから
   ねじり回転枠１の後端部に取付けられかつ周面に
   内面螺旋溝付円管３Ｂの外周の半分に相当する横
   断面半円形の溝を有する一対の挾持ローラ５を通
   過させ、キヤプスタン４４と挾持ローラ５との間
   におき、回転枠１の回転にともなつて管にねじり
   を与え、直線溝４２を螺旋溝４３に変形し、挾持
   ローラ５通過後の内面螺旋溝付円管３Ｂを巻取り
   ドラム４とともに回転枠１に取付けられた一対の
   水平移動ガイド・ローラ４０で挾み、その直ぐ前
   にある巻取りドラム４にその端から端まで順次密
   に螺旋状に巻取ることを特徴とする内面螺旋溝付
   円管の連続的製造方法。 ２ 管ねじり用回転枠１と、枠回転中心線Ｃと直
   交する軸２により回転枠１に取付けられた巻取り
   ドラム４と、回転枠１の後方に配置せられかつ押
   出し成形された内面直線溝付円管３Ａを繰出す繰
   出しドラム８と、回転枠１と繰出しドラム８の間
   に介在せられかつ繰出された内面直線溝付円管３
   Ａがいつたん巻付けられる巻付けドラム６，７を
   有するキヤプスタン４４と、回転枠１の後端部に
   取付けられた一対の挾持ローラ５と、回転枠１の
   回転にともないキヤプスタン４４と挾持ローラ５
   との間でねじられて直線溝４２が螺旋溝４３に変
   形しかつ挾持ローラ５を通過した内面螺旋溝付円
   管３Ｂを巻取る巻取りドラム４と、巻取りドラム
   ４の直ぐ後に配置せられかつ内面螺旋溝付円管３
   Ｂを挾んで巻取りドラム４にその端から端まで順
   次密に螺旋状に導くように案内する一対の水平移
   動ガイド・ローラ４０とを備え、挾持ローラ５の
   周面には、内面螺旋溝付円管３Ｂの外周の半分に
   相当する横断面半円形の溝が形成せられており、
   さらに回転枠１とキヤプスタン４４とが連動する
   ようになされている内面螺旋溝付円管の連続的製
   造装置。