JPS6323861B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、主として熱交換器の冷媒管に使用せ
られる内面螺旋溝付円管を連続的に製造する方法
と、この方法を実施する装置に関するものであ
る。

従来技術とその問題点 内面螺旋溝付円管を冷媒管に使用すると、管内
の流通冷媒と管外の空気との熱交換効率が通常の
管のものより増大するので、熱交換器の小形化お
よび省材料化のために有利である。ところで、こ
のような内面螺旋溝付円管を製造するのに、従来
管引抜加工時に管内に溝付工具を挿入してこれを
回転したり、あるいは拡管のさいに溝付部を有す
るマンドレルを回転したりしているが、前者の溝
付工具および後者のマンドレルのいずれにも軸が
存在するため、この軸長さに限度があることから
長尺の内面螺旋溝付円管を製造することができな
かつた。また螺旋溝付ダイスを使用して管の押出
成形時に内面螺旋溝を形成するという提案もある
が、これは金型費が高価であるばかりか製造条件
上の制約もありいまだ実用化されるに至つていな
い。

本発明の目的は、長尺の内面螺旋溝付円管を連
続的に製造しうる方法と、この方法を実施する装
置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 本発明の１つは、内面直線溝付円管を押出し成
形してこれを管ねじり用回転枠に取付けられた巻
戻しドラムに巻取り、管ねじり回転枠を回転しな
がら巻戻しドラムから巻取られた内面直線溝付円
管を管ねじり回転枠の前端部に取付けられかつ周
面に内面直線溝付円管の外周の半分に相当する横
断面半円形の溝を有する一対の挟持ローラを通過
させて挟持ローラまでそのまま巻戻し、巻戻され
た管を管ねじり回転枠の前方に配置せられかつ回
転枠と連動するキヤプスタンの巻付けドラムにい
つたん巻付け、このさい挟持ローラとキヤプスタ
ンとの間におき、回転枠の回転にともなつて管に
ねじりを与えて直線溝を螺旋溝に変形し、つぎに
キヤプスタンを経た内面螺旋溝付円管を一対の水
平移動ガイド・ローラで挾んでキヤプスタンの前
方に配置せられた巻取りドラムにその端から端ま
で順次密に螺旋状に巻取ることを特徴とする内面
螺旋溝付円管の連続的製造方法であり、本発明の
他の１つは、前記方法の発明の実施に直接使用す
る装置の発明であつて、管ねじり用回転枠と、枠
回転中心線と直交する軸により回転枠に取付けら
れかつ押出し成形せられた内面直線溝付円管を巻
戻す巻戻しドラムと、回転枠の前端部に取付けら
れかつ巻戻されてくる内面直線溝付円管を挾む一
対の挟持ローラと、回転枠の前方に配置せられか
つ回転枠の回転にともなつてねじられた管がいつ
たん巻付けられる巻付けドラムを有するキヤプス
タンと、キヤプスタンの前方に配置せられかつね
じられて直線溝が螺旋溝に変形しキヤプスタンを
経た内面螺旋溝付円管が巻取られる巻取りドラム
を有するウインチと、巻取りドラムの直ぐ後に配
置せられかつ内面螺旋溝付円管を挾んで巻取りド
ラムにその端から端まで順次密に螺旋状に導くよ
うに案内する一対の水平移動ガイド・ローラとを
備え、挟持ローラの周面には、内面直線溝付円管
の外周の半分に相当する横断面半円形の溝が形成
せられており、さらに回転枠とキヤプスタンとが
連動するようになされているものである。

実施例 この発明の実施例を、以下図面を参照して説明
する。なお、この明細書において「前」とは管の
送り方向側、すなわち第４図および第５図の左側
をいう。

この発明の１つである内面螺旋溝付円管の連続
的製造方法は、まず第１図および第２図に示され
ているような内面に多数の直線溝４２を有する内
面直線溝付円管３Ａを押出し成形し、これを第４
図ないし第８図に示されている装置を使用して最
終的に第３図に示されているような内面に螺旋溝
４３を有する内面螺旋溝付円管３Ｃを連続的に得
るものである。

上記装置は、管ねじり用回転枠１と、枠回転中
心線Ｃと直交する軸２により回転枠１に取付けら
れかつ押出し成形せられた内面直線溝付円管３Ａ
を巻戻す巻戻しドラム４と、回転枠１の前端部に
取付けられかつ巻戻されてくる内面直線溝付円管
３Ａを挾む一対の挟持ローラ５と、回転枠１の前
方に配置せられかつ回転枠１の回転にともなつて
ねじられた管３Ｂがいつたん巻付けられる前後一
対の巻付けドラム６，７を有するキヤプスタン４
４と、キヤプスタン４４の前方に配置せられかつ
ねじられて直線溝４２が螺旋溝４３に変形しキヤ
プスタン４４を経た内面螺旋溝付円管３Ｃが巻取
られる巻取りドラム８を有するウインチ４５と、
巻取りドラム８の直ぐ後に配置せられかつ内面螺
旋溝付円管３Ｃを挾んで巻取りドラム８にその端
から端まで順次密に螺旋状に導くように案内する
一対の水平移動ガイド・ローラ４０とを備えてい
る。挾持ローラ５の周面には、内面直線溝付円管
３Ａの外周の半分に相当する横断面半円形の溝が
形成せられている。

管ねじり用回転枠１の前後には突出軸９，１０
が設けられており、両軸９，１０が軸受を内蔵し
た前後のスタンド１１，１２に回転自在に取付け
られている。前突出軸９はスタンド１１よりわず
か突きだしており、これの先端にさらに横長の垂
直板１３が設けられている。一対の挟持ローラ５
は垂直板１３の一側面後寄りに取付けられてい
る。垂直板１３の前寄りには、挟持ローラ５と並
んで一対の管断面変形防止用ローラ１４が取付け
られている。管断面変形防止用ローラ１４の周面
には、挟持ローラ５と同様に、内面直線溝付円管
３Ａの外周の半分に相当する横断面半円形の溝が
形成せられている（第８図参照）。両ローラ５，
１４は同形で、内面直線溝付円管３Ａを上下から
挾むものである。垂直板１３の後端すなわち挟持
ローラ５の後方には、管３Ａを左右から挾むガイ
ド・ローラ１５が取付けられている。巻戻しドラ
ム４から挟持ローラ５の進入角度α（第７図参照）
は余り大きくない方が好ましい。進入角度αが大
きく過ぎると管に割れの発生するおそれがある。
巻戻しドラム４および挟持ローラ５間の管３Ａに
は張力が生じないように若干たるみを与えるのが
よい。張力が生じると管３Ａに割れが生じる。

巻戻しドラム４の前方には、これに相対して巻
き管崩れ防止装置１６が配置せられている。巻き
管崩れ防止装置１６は、回転枠１の回転にともな
う巻戻しドラム４の回転遠心力により、巻戻しド
ラム４に密に順序よく螺旋状に巻かれている管３
Ａの巻形態の崩れを防止するためのものであり、
管ねじり用回転枠１に取付けられた支点軸１７に
回転自在にはめられて支持された筒状基部１８と
基部１８から巻戻しドラム４に向かつてのびてい
るほうき状の押圧部１９を備えており、押圧部１
９は巻戻しドラム４自体の周面にほぼ達する長さ
とドラム長さにほぼ等しい巾を有し、かつばね２
０により回転方向（第７図反時計方向）と逆方向
（同時計方向）に常に付勢せられている。ほうき
状の押圧部１９の材料としては合成樹脂などが用
いられており、これは密に巻かれた管全体の表面
に生じる螺旋溝を埋めるように押さえこむもので
ある。ばね２０は引きばねであり、その上端は基
部１８から前方にのびている扇状突出部２１の前
端に止められ、その下端は回転枠１に設けられか
つ扇状突出部２１の前端下方に位置するブラケツ
ト２２に止められている。内面直線溝付円管３Ａ
の巻戻し開始時は、第７図に実線で示されている
ように、巻戻しドラム４に内面直線溝付円管３Ａ
が厚い層に巻かれているため、押圧部１９は斜め
後下向きになつている。ところが、内面直線溝付
円管３Ａが巻戻されるにしたがつて前記層が次第
に薄くなるので、それにともなつて押圧部１９の
先端は上方に移動し、巻戻しが終るころには、同
図鎖線で示されているようにほぼ水平となる。し
かしながら、巻戻しドラム４に一側端から密に螺
旋状に巻かれている管３Ａは、遠心力によりその
巻き形態が崩れないように、巻戻し時常に押圧部
１９で上から押えられている。

キヤプスタン４４の前後の巻付けドラム６，７
は、前スタンド１１の前方に配置せられた中空歯
車箱２３の一側に水平軸２４，２５により取付け
られている。前後巻付けドラム６，７は、ともに
螺旋溝を有しており、両者は若干離されかつ前者
が後者よりわずか下方に位置せしめられている。
両水平軸２４，２５には、前後巻付けドラム６，
７と歯車箱２３との間において大形歯車２６，２
７が固定せられている。両歯車２６，２７間に
は、これらと噛合う小形歯車２８が配置されてお
り、その水平軸２９は歯車箱２３内にはいつてい
る。前スタンド１１の後方には、回転枠およびキ
ヤプスタン駆動用電動機３０が配置せられてお
り、その出力軸３１が前スタンド１１を貫通して
歯車箱２３内にはいり、傘歯車などを介して水平
軸２９に回転力を伝達するように連結せられてい
る。出力軸３１の基部と管ねじり用回転枠１の前
突出軸９にはそれぞれプーリ３２，３３が固定せ
られている。両プーリ３２，３３にベルト３４が
はりわたされており、電動機３０の回転力がキヤ
プスタン４４と回転枠１の両方に分けて伝達せら
れるようになつている。管断面変形防止用ローラ
１４と後巻付けドラム７との間に位置するよう
に、横断面真円の貫通孔を有する筒状管断面矯正
具４１が歯車箱２３に取付けられている。

ウインチ４５の巻取りドラム８の軸３５は、ス
タンド３６に設けられた軸受３７に受けられてい
る。スタンド３６の後方には巻取りドラム駆動用
電動機３８が配置せられており、その回転動力が
伝動機構３９を介してドラム軸３５に伝達せられ
るようになつている。

なお、上記実施例では、管の真円度保持の一層
の確実性を期するために管断面変形防止用ローラ
１４および管断面矯正具４１が存在するが、これ
らは必ずしも必要ではない。

巻戻しドラムに巻かれる管には、その内面に多
数の直線溝が形成せられたアルミニウム押出形状
が用いられるが、素材はアルミニウムに限らず、
銅、軟鋼などでもよい。

溝のねじり角度は、回転枠の回転速度と、キヤ
プスタンの回転速度によつてきまる。たとえば、
前者の速度を一定とすると、後者の速度を速くす
ればねじり角度は小さくなる。したがつて、所要
のねじり角度が得られるような伝動機構が選定せ
られる。

上記実施例では、内面螺旋溝付円管３Ｃはキヤ
プスタン４４の前巻付けドラム６から後巻付けド
ラム７をめぐつてウインチ４５の巻取りドラム８
に至つており、回転枠１の回転にともない、管３
Ｂのねじりはキヤプスタン４４の前巻付けドラム
６の管巻き始め点を支点とし、これから挟持ロー
ラ５の管送出し点にかけて発生し、巻戻しドラム
４と挟持ローラ５との間には発生しない。キヤプ
スタン４４の巻付けドラムは、しかしながらこの
実施例のように必ずしも２つなくてもよく、１つ
でも差支えない。

発明の効果 本発明によれば、内面直線溝付円管を押出し成
形し、これを自動的にねじることにより長尺の内
面螺旋溝付円管を得ることができるから、熱交換
効率のよい冷媒管を能率よく量産しうる。

また、巻戻しドラムと巻取りドラムとの間に挾
持ローラがあり、挾持ローラとキヤプスタンの間
で管をねじるから、ねじり作用が巻戻しドラムお
よび巻取りドラムにある管部分に及ぶことがな
く、したがつてドラムによる管の巻戻しおよび巻
取りを円滑に支障なく行なうことができる。

また挾持ローラの周面には、内面直線溝付円管
の外周の半分に相当する横断面半円形の溝が形成
せられているから、上記のようにして管がねじら
れるさいに真円度がそこなわれない。

また管をいつたんキヤプスタンの巻付けドラム
に巻付けてから巻取りドラムに巻取るようにし、
かつ回転枠とキヤプスタンを連動するようにし、
さらにキヤプスタンを経た内面螺旋溝付円管を一
対の水平移動ガイド・ローラで挾み、キヤプスタ
ンの前方に配置せられた巻取りドラムにその端か
ら端まで順次密に螺旋状に巻取るものであるか
ら、管に加わるテンシヨンに変化が生ぜず、した
がつて管径が同一に保たれるとともに、螺旋溝ピ
ツチも均一となり、優れた内面螺旋溝付円管を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示すもので、第１図
は内面直線溝付円管の一部を切欠いた部分側面
図、第２図は第１図の−線にそう断面図、第
３図は内面螺旋溝付円管の一部を切欠いた部分側
面図、第４図はこの発明による装置全体の側面
図、第５図は平面図、第６図は巻き管崩れ防止装
置部分を示す部分拡大平面図、第７図は第６図の
−線にそう断面図、第８図は第４図の−
線にそう拡大断面図である。 １……管ねじり用回転枠、３Ａ……内面直線溝
付円管、３Ｂ……ねじられた管、３Ｃ……内面螺
旋溝付円管、４……巻戻しドラム、５……挟持ロ
ーラ、６，７……巻付けドラム、８……巻取りド
ラム、４０……水平移動ガイド・ローラ、４２…
…直線溝、４３……螺旋溝、４４……キヤプスタ
ン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内面直線溝付円管３Ａを押出し成形してこれ
   を管ねじり用回転枠１に取付けられた巻戻しドラ
   ム４に巻取り、管ねじり回転枠１を回転しながら
   巻戻しドラム４から巻取られた内面直線溝付円管
   ３Ａを管ねじり回転枠１の前端部に取付けられか
   つ周面に内面直線溝付円管３Ａの外周の半分に相
   当する横断面半円形の溝を有する一対の挟持ロー
   ラ５を通過させて挟持ローラ５までそのまま巻戻
   し、巻戻された管を管ねじり回転枠１の前方に配
   置せられかつ回転枠１と連動するキヤプスタン４
   ４の巻付けドラム６，７にいつたん巻付け、この
   さい挟持ローラ５とキヤプスタン４４との間にお
   き、回転枠１の回転にともなつて管３Ｂにねじり
   を与えて直線溝４２を螺旋溝４３に変形し、つぎ
   にキヤプスタン４４を経た内面螺旋溝付円管３Ｃ
   を一対の水平移動ガイド・ローラ４０で挾んでキ
   ヤプスタン４４の前方に配置せられた巻取りドラ
   ム８にその端から端まで順次密に螺旋状に巻取る
   ことを特徴とする内面螺旋溝付円管の連続的製造
   方法。 ２ 管ねじり用回転枠１と、枠回転中心線Ｃと直
   交する軸２により回転枠１に取付けられかつ押出
   し成形せられた内面直線溝付円管３Ａを巻戻す巻
   戻しドラム４と、回転枠１の前端部に取付けられ
   かつ巻戻されてくる内面直線溝付円管３Ａを挾む
   一対の挟持ローラ５と、回転枠１の前方に配置せ
   られかつ回転枠１の回転にともなつてねじられた
   管３Ｂがいつたん巻付けられる巻付けドラム６，
   ７を有するキヤプスタン４４と、キヤプスタン４
   ４の前方に配置せられかつねじられて直線溝４２
   が螺旋溝４３に変形してキヤプスタン４４を経た
   内面螺旋溝付円管３Ｃが巻取られる巻取りドラム
   ８を有するウインチ４５と、巻取りドラム８の直
   ぐ後に配置せられかつ内面螺旋溝付円管３Ｃを挾
   んで巻取りドラム８にその端から端まで順次密に
   螺旋状に導くように案内する一対の水平移動ガイ
   ド・ローラ４０とを備え、挾持ローラ５の周面に
   は、内面直線溝付円管３Ａの外周の半分に相当す
   る横断面半円形の溝が形成せられており、さらに
   回転枠１とキヤプスタン４４とが連動するように
   なされている内面螺旋溝付円管の連続的製造装
   置。