JPS6323837B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は穀粒選別機の送風・除塵装置の改良に
関する。

この種の穀粒選別機は、ハト麦・豆類など近球
形の穀粒を波状面の多孔壁選別板に供給し、完全
粒と被害粒間の形状と弾性及び比重の差を利用し
て完全粒・混合粒・被害粒の各流束に分流選別し
て末部行程に排出する装置であり、また前記穀粒
は、その収穫および脱状態からして粗大ゴミ・
脱殻などの夾雑物を多量に混入し、その夾雑物
は、穀粒選別機の選別作用中に風車箱の給気窓か
ら吸入されて選別板下部の送風室に選別風と共に
流入し、該送風室内に装架した風力調節板や案内
壁板のそれぞれの通孔面に貼付状に接着しその通
気を遮蔽して選別板面にしばしば噴風斑を生じ、
正常な選別作用を乱す弊害を有するものである。

本発明は上記の欠点を解消するため、穀粒選別
機の送風室内部に特有の風力調節板、案内壁板を
装架すると共に、その選別機枠の側壁部に特有の
除塵窓を設けることにより、多孔壁選別板全面の
噴風作用を均一化すると共に、その多孔壁面に貼
付状に接着する前記夾雑物を簡単に除去して噴風
斑をなくするようにし、以つて常に高精度の風選
作用を実施して良質の精選穀粒を円滑迅速に量産
する装置を開発して提供せんとするものである。

本発明を実施例図について説明する。第１図は
穀粒選別機で、その一側に振動供給樋２を設けた
波状面の多孔壁選別板１を緩傾斜状に装架し、該
選別板１の下部に送風室３を設けて一体的に選別
機枠４を形成し、該機枠４の下部に揺動機構５お
よび風車箱６を関連的に配設し、揺動機構５によ
つて多孔壁選別板１を揺動すると共に、風車箱６
で発生した風を風洞部７を介して送風室３に供給
し、前記選別板１の下面から上方に噴風して選別
作用を実施できるように形成してある。８は昇降
機、９は昇降機に吊設した穀粒タンク、１０は穀
粒供給樋の供給口、１１は角度調節装置の操作ハ
ンドル、１２は風車箱の給気窓、１３は電動機で
ある。

そして前記選別機枠４には、その内部の送風室
３底壁面に設けた給風窓１４と、その上部の前記
選別板１との間に、通気性材料から成る風力調節
板１５を横架状に装架すると共に、前記選別機枠
４の側壁部１６に開閉扉１７のある除塵窓１８を
設けて送風・除塵装置に形成してある。

上述の構成であるから、原料豆粒を昇降機８に
投入して該装置を起動すると、前記豆粒は昇降機
８によつて上部の穀粒タンク９に揚穀されると共
に、該タンク９の豆粒は振動供給樋２の供給口１
０から樋体内に流下し、またその樋端から多孔壁
選別板１に供給される。そして該選別板１に供給
された豆粒は、選別板の振動作用により、その波
状板面に平盤状の穀粒層を形成し、また、多孔壁
の通孔からの噴風作用によつて比重の小さい不完
全粒は穀粒層の上面に浮上すると共に、比重の大
きい完全粒は穀粒層の底面に集合し、また前記波
状板面の山形脈状の振動作用によつて穀粒層底面
の完全粒は前方高位側に押上げられながら横方向
に偏流して完全粒流束Ｐを形成し、また穀粒層上
面に浮上した不完全粒は、完全粒上面を後方低位
側に滑流しながら横方向に偏流して不完全粒流束
Ｒを形成し、前記各流束Ｐ，Ｒ間の完全粒と不完
全粒の混合流束Ｑを形成し、各流束の穀粒は選別
板の末部行程に設けた穀粒排出樋１９内の各流出
路を介して完全粒排出口２０、混合粒排出口２
１、被害粒排出口２２からそれぞれ機外に排出さ
れる。

前記選別行程において、選別板１に形成された
穀粒層に対する多孔壁面からの噴風作用によつて
粗大ゴミ・脱殻などの夾雑物の一部が選別機枠
４外部に飛散し、また、風車の回転により前記夾
雑物は下部の風車箱６に吸入されて風洞部７を介
して送風室３に選別風と共に流入する。そして、
該選別風は送風室３内に装架した風力調節板１５
の通気性材料面から上部の選別板１全面に分散状
に噴流してその風力を均分状に調節されると共
に、前記選別板１全面の多孔壁から均一状にそれ
ぞれ噴出して穀粒層の比重選別が実施される。ま
た選別風と共に流入した夾雑物は、風力調節板１
５の通孔下面に前記風力によつて貼付状に接着し
て前述した噴風斑をしばしば生ずることになる。
そこで、本発明の送風・除塵装置は、前記選別機
枠４の側壁部に開閉扉１７のある除塵窓１８を設
けてあるから、風車箱６の風車の回転を一旦停止
すると共に、前記開閉扉１７を開いて除塵窓１８
を開放状にし、再び前記風車を低速状に回転する
と、多孔壁選別板１および風力調節板１５にそれ
ぞれ接着した夾雑物は風車の回転停止と同時に、
その自重によつて下方の板面に落下し、また風車
の低速状の再回転によつて前記夾雑物は開放した
除塵窓１８から風と共に噴流して機外に除去され
る。

また特許請求の範囲第２項のものは、前記送風
室３の給風窓１４が、その前方位置に案内壁板２
３を設けたものであるから、風洞部７から送風室
３に流入する風は、その風の大部分が壁板２３周
囲の空隙部２４から側方に流出すると共に、風の
一部が壁板２３の通孔から上方に噴出して送風室
３内全体の風力がほぼ均一状に分散して風力調節
板１５に供給されるので、前記選別板１の噴風作
用をより一層に均一化でき、選別板全面に均一化
した高精度の選別作用が実施できる効果がある。

このように本発明の穀粒選別機の送風・除塵装
置は、穀粒選別機の送風室内部に風力調節板・案
内壁板を装架したので、室内全体の風力を均分状
に調節すると共に、前記選別板の多孔壁面から全
面均一的に噴風して高精度の風選作用を実施で
き、また選別機枠の側壁部に開閉扉のある除塵窓
を設けたので、風車箱の風車の運転操作と除塵窓
の開閉操作とにより、送風室内の夾雑物を除塵窓
から噴出し排除して、前記選別板面の噴風斑を完
全に、かつ簡単に排除でき、常に高精度の風選作
用を実施し良質の精選穀粒を円滑迅速に量産でき
る等の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例図である。第１図は本装
置全体の正面図、第２図はその一部を切開した側
面図、第３図はその選別機枠を一部切開した平面
図である。 １……多孔壁選別板、２……振動供給樋、３…
…送風室、４……機枠、５……揺動機構、６……
風車箱、７……風洞部、８……昇降機、９……穀
粒タンク、１０……供給口、１１……操作ハンド
ル、１２……給気窓、１３……電動機、１４……
給風窓、１５……風力調節板、１６……側壁部、
１７……開閉扉、１８……除塵窓、１９……穀粒
排出樋、２０……完全粒排出口、２１……混合粒
排出口、２２……被害粒排出口、２３……案内壁
板、２４……空隙部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 緩傾斜状に装架した波状面の多孔壁選別板の
   下部に送風室を設けて一体的に選別機枠を形成す
   ると共に、該機枠の下部に揺動機構および風車箱
   を配設して前記選別板および前記送風室にそれぞ
   れ関連的に連結し、前記選別板を前上がり前後に
   揺動すると共に、その多孔壁の下面から上方に噴
   風して異種混合粒を整粒・混合粒・被害粒の各流
   束に分離選別して末部行程に排出する選別装置に
   おいて、前記選別機枠内の送風室底壁面に設けた
   給風窓とその上部の前記選別板との間に、通気性
   材料から成る風力調節板を横架状に装架すると共
   に、前記選別機枠の側壁部に開閉扉のある除塵窓
   を設けたことを特徴とする穀粒選別機の送風・除
   塵装置。 ２ 前記送風室の給風窓が、その前方位置に案内
   壁板を設けたものである特許請求の範囲第１項記
   載の穀粒選別機の送風・除塵装置。