JPS63238251A - モリブデン線材の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明はモリブデン線材の製造方法に関し、更に詳しく
は、仕上り線材の引張り強さが小さく、かつ、その値の
バラつきが小さいモリブデン線材の製造方法に関する。

（従来の技術） モリブデン線材の従来の製造方法としては、粉末冶金法
で製造したモリブデンの焼結インゴットに複数回の転打
加工を施して所定線径にまで細線化し、しかるのちにこ
の細線化された線材に複数回の伸線加工を施して目的線
径にするという方法が採用されている。

このとき、伸線加工の途中で、再結晶温度以下での熱処
理を施して、それまでの加工過程で蓄積された加工歪を
除去し、更なる伸線処理を行なっている。この加工歪を
除去するのは以下の理由による。

すなわち、加工歪の蓄積は、被加工材の引張り強さを高
め、かつ、硬さをも増大させるので、次段工程における
加工性を低下させる一因となるからである。しかも、転
打工程や伸線工程の各工程において、被加工材に印加さ
れる加工エネルギーは必ずしも均質ではなく、バラつい
ているので、得られる被加工材に蓄積される加工歪も加
工ロットによって異なり、その引張り強さ、硬さには必
然的にバラつきが生ずる。そして、これらは次段の加工
工程における加工条件の選定を煩雑にするのみならず、
そもそも得られる被加工材に、例えば曲げ加工や潰し加
工を施す場合にクラックや断線を多発させる原因となる
からである。

（発明が解決しようとする問題点） 前記伸線途中での熱処理は、線材の目的線径により適当
なサイズで行うことが可能である。しかしながら、目的
線径が比較的太い線材の場合には、上記再結晶温度以下
の熱処理は一般には行われておらず、以後の更なる伸線
加工時又は得られた製品としての線材の曲げ加工時等に
クラック。

断線等の不都合な事態が発生する場合がある。

特に、マグネトロン部品として使用する場合には、線材
の特性またはクラック等が直接影響するので、できるだ
け特性が均一なりラックのない線材とする必要がある。

本発明は、比較的太い線材（直径１ｍｓ以上）を製造す
る際の上記問題点を解消し、仕上り線材の引張り強さが
小さく、しかもその値のバラつきが小さく、線材の曲げ
加工、潰し加工の容易なモリブデン線材を製造する方法
の提供を目的とする。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段・作用）本発明者らは上
記目的を達成すべく鋭意研究を重ねる過程で、太線のモ
リブデン線材の加工過程においては、転打−伸線と続く
一連の加工工程のうち、複数回の転打工程の途中または
前処理で再結晶化処理を施してそれまでに蓄積された加
工歪を一旦解放すると同時に、それまでの加工程度の対
応する再結晶組織を形成すると、それ以後の転打工程、
更には伸線工程において蓄積される加工歪が相対的に少
なくなり、その結果、最終の仕上り線材の引張り強さと
そのバラつきが小さくなるとの事実を見出し、本発明方
法を開発するに至った。

すなわち１本発明は、モリブデンのインゴットに転打、
伸線加工を施して直径１ｍｍ以上の線材とするモリブデ
ン線材の製造方法において、前記転打工程の途中または
前処理で被転打物に再結晶化処理を施すことを特徴とす
る。

本発明方法は、一連の転打工程のある段階で再結晶化処
理を施すことを最大の特徴とし、他の工程及び条件は従
来の場合と同様である。

本発明方法は、まずモリブデンの焼結インゴットに転打
加工を施す、転打加工は、単位転打加工を複数回連続せ
しめて行なわれる。この過程で、インゴットは順次加工
が進み細径化する。したがって、転打加工が進むにつれ
て被加工物には加工歪が蓄積し、全体として各単位転打
工程を経る毎に引張り強さ及び硬さが増大する。

転打により加工された被加工物を水素炉中に移送し、そ
こで再結晶化処理を施す、処理温度は１２００℃以上が
好ましく、特に好ましくは１４００〜２０００℃である
。

ここで、あまり大きな減面率の段階で再結晶化処理を施
すと、再結晶化サイズから仕上げサイズまでの減面率が
小さくなり、線材の加工が難かしくなるため再結晶化処
理前のその減面率は８０％以下が好ましい。

このような再結晶化処理を施したのち、更に通常の転打
加工を所定回数行ない、その後、常用の伸線工程に移送
して本発明の線材が得られる。

また、従来の転打加工における被加工材は１０００℃以
上の加工温度で加工が行われるため転打加工用ダイブの
摩耗が著しかった。しかし、上記再結晶処理を施すこと
により引張り強さを低くすることが可能〒、しかも、再
結晶化処理後の転打加工の加工温度を８００〜９００℃
に低減することが可能となり、ダイスの摩耗は減少し、
かつ加工性も向上する。

（実施例） 実施例１ 常法で製造したモリブデンの焼結インゴットに一連の転
打加工を施し、転打工程の途中から線径２．５＋ｍｍ＃
Ｃ減面率９０％）、２ｍｍφ（減面率９５％）＋１．５
ｍ＋ｓφ（減面率９８％）の各線材を得た。

得られた各線材２０本につき引張り強さとその伸び率と
を測定した。この結果を引張り強さの値とそのバラつき
、伸び率とそのバラつきをそれぞれ第１図、第２図とし
て示した０図中、φ印はそれぞれの測定値の平均値で、
バラつきはΦ印の上下に伸びる線幅として示しである。

比較のために、再結晶化処理を施さない場合の略同径の
各線材の測定値について、平均値とバラつきをＯ印を用
いて同様に示した。

図から明らかなように、本発明方法によって得た各線材
は、その引張り強さ並びにバラつきが比較例の再結晶化
処理を施していない線材に比べて著しく小さい。

その後、これらの線材に通常の熱処理及び伸線処理を施
し、直径１ｓｍの線材とした。

この伸線過程において本発明方法による線材のクラック
発生率は２〜５％であり、また伸線時の断線は２〜２．
５回程度であった。一方、比較例の線材の場合、クラッ
ク発生率は５〜１０％、断線は３〜４回であった。

実施例２ 常法により製造したモリブデンの焼結インゴットから６
０％の加工を施したところで１通常のガス炉において約
１４００℃の温度で再結晶化処理を施した０次にこのモ
リブデン材を約８００〜９００℃に加熱し常法の転打加
工を行い直径１ｍｍの線材を得た。

この線材の引張り強さおよび曲げ加工性を、従来の再結
晶処理を施さないものと比較したところ、引張強さは従
来より１５〜２０％低下し、曲げ加工においても不良発
生率が従来の０．５〜２％に比べ０．０１〜０．０３％
と少なく良好な加工性を示した。また、転打加工時の被
加工材の加工温度も従来の約１０００〜１３００℃から
約７００〜９００℃と低くすることが可能となりダイス
の摩耗も減少した。

［発明の効果］ 以上の説明で明らかなように、本発明方法は製造される
モリブデン線材の引張り強さを低減し、そのバラつきを
小さくすることができる極めて有効な方法である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、それぞれ本発明方法と従来方法と
を比較する説明図で、第１図は引張り強さを、また第２
図は伸びを夫々示しており、両図において、・は本発明
方法、Ｏは従来方法に関する′ものである。 直　　径（ｍｍ）　−一→ 第１図

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）モリブデンのインゴットに転打、伸線加工を施し
   て直径１ｍｍ以上の線材とするモリブデン線材の製造方
   法において、前記転打工程の途中または前処理で被転打
   物に再結晶化処理を施すことを特徴とするモリブデン線
   材の製造方法。
2. （２）再結晶化処理温度が１２００℃以上である特許請
   求の範囲第１項に記載のモリブデン線材の製造方法。
3. （３）再結晶化処理温度が１４００〜２０００℃である
   特許請求の範囲第１項に記載のモリブデン線材の製造方
   法。