JPS6323639Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動変速機における油圧制御装置、詳
しくはバルブボデイに収容したマニユアルバルブ
の操作によりパーキング、ニユートラル、ドライ
ブ、リバース等の各レンジに切替可能とし、且つ
前記ドライブレンジにおいてローギヤとハイギヤ
とに自動的に切替可能とした自動変速機における
油圧制御装置に関する。

一般にこの種の自動変速機には、例えば、ガバ
ナーと組合わせたシフトバルブを備え、このシフ
トバルブにより自動変速機のドライブ用アクチユ
エータ及びローサーボアクチユエータへの圧油の
供給を制御して、ドライブレンジにおいてローギ
ヤもしくはハイギヤに自動的に切換えられるよう
にしている。

ところで前記の如くドライブレンジにローギヤ
とハイギヤの切替え機構を備えていないいわゆる
セミオートマチツクの自動変速機をフルオートマ
チツク化する場合には、ガバナーと組合わせたシ
フトバルブを前記バルブボデイに組込むか、ある
いは車速及びスロツトル弁の開度に応じて作動す
る電磁弁を油路の途中に設ければよいのである
が、前記シフトバルブを組込むにしても、前記バ
ルブボデイにシフトバルブ用の弁孔を形成した
り、あるいはバルブボデイに形成している油路の
構成を変えるなどの根本的な改善を必要とし、ま
た電磁弁を設けるにしても、該電磁弁の設置場所
を確保したり、更には前記バルブボデイの油路に
弁座などを新たに形成する必要があり、全体とし
てコストアツプの要因ともなつていたのである。

本考案はこのような実情に鑑みて考案したもの
で、目的とするところは、前記セミオートマチツ
クの自動変速機を極めて簡単な改造でフルオート
マチツクの自動変速機として使用することが出来
る自動変速機における油圧制御装置を提供せんと
するにある。

即ち、ミツシヨンケースと前記バルブボデイと
の間に介装されるバルブボデイプレートには、前
記ドライブ用アクチユエータ及びローサーボアク
チユエータへの圧油の供給を制御するオリフイス
孔が設けられていることに着目したものであつ
て、ソレノイドにより動作するボール状の弁体を
備えた切換弁を前記第１油路に設ける一方、前記
バルブボデイプレートに前記第１油路の途中に設
ける絞り用のオリフイス孔を形成して、該オリフ
イス孔に前記切換弁の弁体のシート面を形成する
と共に、前記第１油路における前記切換弁のアク
チユエータ側を、前記弁体の動作による前記オリ
フイス孔の開放で前記マニユアルバルブを介して
前記ポンプの吐出側に接続し、また前記弁体の動
作による前記オリフイス孔の閉鎖で前記ポンプの
吸入側に接続するように成して、ドライブレンジ
においてローギヤとハイギヤとに自動的に切換え
可能としたものである。

以下本考案にかかる自動変速機の油圧制御装置
を図に示す実施例に従つて説明する。

図面に示した実施例は、パーキングレンジの他
リバースレンジ、ニユートラルレンジ、ドライブ
レンジ及びローレンジの４段階シフトを可能とし
た自動変速機に用いるものであつて、この自動変
速機には、既知の通り遊星歯車装置を備え、又こ
の遊星歯車装置には、ドライブクラツチとリバー
スクラツチ及びローサーボ作用をするブレーキバ
ンドを有し、前記各クラツチ及びブレーキバンド
には、それぞれシリンダとピストンとから成るア
クチユエータと連動させているもので、前記ドラ
イブクラツチを作動させるドライブアクチユエー
タＡのピストン作用側と、ブレーキバンドを作動
させるローサーボアクチユエータＢのローサーボ
ピストン開放側と、作用側とに作動油を供給し
て、ローサーボを開放することにより、遊星歯車
装置をハイギヤの状態とし、前記ローサーボアク
チユエータＢのローサーボピストン作用側にのみ
作動油を供給して、前記ローサーボを作動させる
ことにより、前記遊星歯車装置をローギヤの状態
とし、また前記リバースアクチユエータＣのピス
トン作用側に作動油を供給することで、リバース
状態とし、さらに前記各アクチユエータＡ，Ｂ，
Ｃへの作動油の供給を断つてタンクに開放するこ
とにより、ニユートラルもしくはニユートラルの
状態とするものである。

しかして、図において１はオイルポンプ、２は
プレツシヤレギユレータバルブ、３はコントロー
ルレバー１８の操作により動作するマニユアルバ
ルブであつて、前記プレツシヤレギユレータバル
ブ２は、４ランド形式のスプール２１と、スプリ
ング２２とから成り、背面室２３と、第１及び第
２ランド２１ａ，２１ｂ間及び第２及び第３ラン
ド２１ｂ，２１ｃ間にそれぞれ前記オイルポンプ
１の吐出通路１１から分岐した分岐通路１２を接
続しており、前記第１及び第２ランド２１ａ，２
１ｂ間には、オリフイス４を介してトルクコンバ
ーター５に給油する給油通路６を接続するのであ
り、又前記バルブ２には、前記第３ランド２１ｃ
により閉じられ、前記スプール２１の移動により
開き、前記ポンプ１の吸込側に通ずるドレン通路
１３を接続する一方、前記第３及び第４ランド２
１ｃ，２１ｄ間に前記分岐通路１２を接続通路１
２ａを介して接続し、且つこの接続通路１２ａの
途中に、該通路１２ａを閉じて前記第３、第４ラ
ンド２１ｃ，２１ｄ間に導入された圧油を前記ド
レン通路１３に解放する電磁作動形の調圧切換弁
７を設け、該切換弁７の動作により、前記プレツ
シヤレギユレータバルブ２による調圧制御を２段
階調整可能としている。

即ち前記各ランド２１ａ〜２１ｄの径は、前記
第１、第２ランド２１ａ，２１ｂを同径とし、第
３ランド２１ｃを第４ランド２１ｄよりも大径と
しているのであつて、、前記調圧切換弁７の作動
により、前記接続通路１２ａが閉じられている時
には、前記スプリング２２の弾発力のみによつて
前記ポンプ１の油圧を例えば４Kg／cm²の低圧に規
制する一方、前記調圧切換弁７がOFFして前記
第３、第４ランド２１ｃ，２１ｄ間に圧油が導入
されている時には、前記スプリング２２の弾発力
に、前記第３ランド２１ｃ及び第４ランド２１ｄ
の面積差に作用する油圧による押圧力をプラスし
た力を、前記第１ランド２１ａに作用する油圧に
よる力に対抗させ、前記ポンプ１の油圧を例えば
８Kg／cm²の高圧に規制すべくしているのである。

又、前記マニユアルバルブ３は、４ランド形式
のスプール３０を用い、該スプール３０の長さ方
向一端に、前記したパーキングレンジと、４段階
のシフトレンジとに対応した５つのデイテント溝
３１，３２，３３，３４，３５を設けているので
あつて、図面において最右側のデイテント溝３１
をパーキングレンジに対応するデイテント溝と
し、且つ右側に向つて配列されるデイテント溝３
２〜３５を順次リバースレンジ、ニユートラルレ
ンジ、ドライブレンジ、ローレンジにそれぞれ対
応するデイテント溝としている。

又、前記プレツシヤレギユレータバルブ２及び
マニユアルバルブ３は、第３図に示す如く、トラ
ンスミツシヨンケース８にバルブボデイプレート
８０を介して取付けられるバルブボデイ８１に収
容されるのであつて、このバルブボデイ８１に前
記プレツシヤレギユレータバルブ２の収容孔８１
ａとマニユアルバルブ３の収容孔８１ｂを形成す
ると共に、前記マニユアルバルブ３のデイテント
溝３１〜３５に係合し、スプール３０の位置決め
を行なう止具８１ｃを設けている。

又、前記バルブボデイ８１及びトランスミツシ
ヨンケース８には、前記ドライブアクチユエータ
Ａのピストン作用側とローサーボアクチユエータ
Ｂのピストン開放側とに連通する第１油路４１
と、前記ローサーボアクチユエータＢのピストン
作用側に連通する第２油路４２及び前記リバース
用アクチユエータＣのピストン作用側に連通する
第３油路４３に、更にはタンクＴに連通する排油
路４４，４５を形成するとともに、前記第１油路
４１及び第３油路４３から分岐し、前記マニユア
ルバルブ３の収容孔８１ｂを通つてタンクＴに接
続される戻り油路４６，４７、並びに前記第２油
路４２から分岐して前記収容孔８１ｂに接続され
る戻り油路４８を形成するのである。

又、前記第１乃至第３油路４１，４２，４３に
はそれぞれ絞り機構４１ａ，４１ｂ，４１ｃを設
けるのであつて、具体的にはこの絞り機構４１
ａ，４１ｂ，４１ｃを前記バルブボデイプレート
８０に形成したオリフイス孔８２……により形成
するのである。

一方前記第１油路４１の途中には、ドライブレ
ンジにおいて該油路４１を前記ポンプ１の吐出側
と吸入側とに切換える自動変速用切換弁９を設け
るのであつて、前記切換弁９のON作動により前
記第１油路４１における前記切換弁９の前記アク
チユエータＡ，Ｂ側を前記ポンプ１の吸入側に通
ずるドレン通路１３に接続して、前記ローサーボ
アクチユエータＢにより自動変速機の遊星歯車を
ローギヤに切換え、又前記切換弁９のOFF作動
により前記第１油路４１における前記切換弁９の
前記アクチユエータＡ，Ｂ側を前記ポンプ１の吐
出通路１１に接続してローサーボを解除すると同
時に、ドライブアクチユエータＡを動作させるこ
とにより自動変速機の遊星歯車をハイギヤに切換
えるべくしている。

而して図に示す実施例では、前記自動変速用の
切換弁９は、ソレノイド９１により動作するボー
ル状の弁本体９０を備える一方、前記バルブボデ
イプレート８０に設けた第１油路４１間のオリフ
イス孔８２に前記弁本体９０のシート面８２ａを
形成して、前記弁本体９０による前記オリフイス
孔８２の開放により、前記第１油路４１における
前記切換弁９の前記アクチユエータＡ，Ｂ側を前
記マニユアルバルブ３を介してポンプ１の吐出通
路１１に、又前記弁本体９０によるオリフイス孔
８２の閉鎖により前記第１油路４１における前記
切換弁９の前記アクチユエータＡ，Ｂ側を前記ポ
ンプ１の吸入側に通ずるドレン通路１３にそれぞ
れ接続させる如く成したのである。

即ち、図に示す実施例では第４図に示す如くソ
レノイド９１と可動鉄心９２を内装したハウジン
グ９４に弁ケース９５を取付け、この弁ケース９
５の弁孔９５ａに、前記可動鉄心９２及びこの鉄
心９２に一体形成したプツシユロツド９３を内装
するとともに、前記弁ケース９５における前記弁
孔９５ａの開口端面に前記弁本体９０の弁座９６
を設け、更に前記弁ケース９５の側壁に、前記弁
孔９５ａを前記ドレン通路１３に接続するポート
９７を設けるのである。

一方、前記トランスミツシヨンケース８の側壁
に、前記第１油路４１に連通する取付孔８ａを形
成し、この取付孔８ａに前記弁ケース９５を螺着
するとともに、該弁ケース９５に形成した弁座９
６と、前記バルブボデイプレート８０のオリフイ
ス孔８２に形成したシート面８２ａとの間に前記
弁本体９０を介装したのである。

又、図に示す実施例では、前記調圧切換弁７を
も、ソレノイド７１により動作するボール状の弁
本体７０から構成しているのであつて、前記自動
変速用切換弁９と同様、第４図に示す如く、ソレ
ノイド７１と可動鉄心７２を内装したハウジング
７４に弁ケース７５を取付け、この弁ケース７５
の弁孔７５ａに前記可動鉄心７２及び該鉄心７２
に一体形成したプツシユロツド７３を内装すると
ともに、前記弁ケース７５における前記弁孔７５
ａの開口端面に前記弁本体７０の弁座７６を設
け、更に前記弁ケース７５の側壁に前記弁孔７５
ａを前記ドレン通路１３に接続するポート７７を
設けるのである。

そして前記トランスミツシヨンケース８の側壁
に前記接続通路１２ａに連通する取付孔８ｂを形
成し、この取付孔８ｂに前記弁ケース７５を螺着
する一方、前記接続通路１２ａの絞り機構８ｃと
して前記バルブボデイプレート８０に形成したオ
リフイス孔８３に、前記弁本体７０のシート面８
３ａを形成し、このシート面８３ａと前記弁ケー
ス７５に形成した弁座７６との間に前記弁本体７
０を介装しているのである。

又、前記調圧切換弁７及び自動変速切換弁９は
車速とスロツトル弁の開度に応じて作動すべく成
すのである。

即ち、前記調圧切換弁７は、車速とスロツトル
開度との関連で第５図に示す領域のもとにライン
圧を例えば４Kg／cm²と８Kg／cm²とに切換えるごと
く成すもので、例えばスロツトル開度が４分の１
で車速が40Km／ｈの場合には、前記調圧切換弁７
のソレノイド７１が通電状態となつて第２図に示
す如く、可動鉄心７２及びプツシユロツド７３を
介して、前記弁本体７０を図において左方向に移
動させて、前記接続通路１２ａを閉鎖すると同時
に、前記プレツシヤレギユレータバルブ２におけ
る第３、第４ランド２１ｃ，２１ｄ間の圧油をド
レン通路１３に解放するのであり、これによつて
前記オイルポンプ１の油圧は４Kg／cm²に規制され
るのであり、また一方、例えばスロツトル開度が
４分の２で車速が10Km／ｈの場合には、前記ソレ
ノイド７１への通電が遮断されて第１図に示す如
く前記弁本体７０が接続通路１２ａの圧油によ
り、図において右方向に移動して、前記接続通路
１２ａを開放すると同時に、前記接続通路１２ａ
とドレン通路１３との連通を遮断するのであり、
これによつて前記オイルポンプ１の油圧は８Kg／
cm²に規制されるのである。

又、前記自動変速切換弁９は、ドライブレンジ
において、車速とスロツトル開度との関連で第６
図に示した領域のもとに、ローギヤとハイギヤと
に切換えるのであつて、例えばスロツトル開度が
４分の３で車速が10Km／ｈの場合には、前記自動
変速切換弁９のソレノイド９１が通電状態となつ
て第１図に示す如く弁本体９０を図において左方
向に移動させて、前記第１油路４１における前記
切換弁９の前記アクチユエータＡ，Ｂ側を前記ド
レン通路１３に接続させ、これにより、前記ロー
サーボアクチユエータＢを介して、ローサーボが
作動しローギヤに切換えられるのである。また一
方、例えばスロツトル開度が４分の１で車速が40
Km／ｈの場合には、前記ソレノイド９１への通電
が遮断されて、第２図に示す如く、前記弁本体９
０が前記オイルポンプ１からマニユアルバルブ３
を介して送られてくる圧油により図において右方
向に移動し、前記第１油路４１における前記切換
弁９の前記アクチユエータＡ，Ｂ側を、前記オイ
ルポンプ１の吐出通路１１に接続させ、これによ
り前記ドライブアクチユエータＡが動作すると共
にローサーボが解除され、ハイギヤに切換えられ
るのである。

尚、図面においてＤはアキユムレータ、Ｅはオ
イルクーラー、Ｆはエンジンの潤滑部であつて、
前記トルクコンバーター５からの戻り通路１４に
接続している。

又、１５は車速検出器、１６はスロツトル開度
検出器、１７はコントロールレバー１８をドライ
ブポジシヨンにシフトした時にオンするスイツチ
であり、又１９は前記車速検出器１５からの車速
信号とスロツトル開度検出器１６からのスロツト
ル開度信号とに基づいて前記両切換弁７，９をオ
ン・オフ制御するマイクロコンピユータである。

以上の如く本考案はソレノイドにより動作する
ボール状の弁体を備えた切換弁を前記第１油路に
設ける一方、前記バルブボデイプレートに前記第
１油路の途中に設ける絞り用のオリフイス孔を形
成して、該オリフイス孔に前記切換弁の弁体のシ
ート面を形成すると共に、前記第１油路における
前記切換弁のアクチユエータ側を、前記弁体の動
作による前記オリフイス孔の開放で前記マニユア
ルバルブを介して前記ポンプの吐出側に接続し、
また前記弁体の動作による前記オリフイス孔の閉
鎖で前記ポンプの吸入側に接続するように成し
て、ドライブレンジにおいて、前記切換弁の動作
でローギヤとハイギヤとに自動的に切換可能とし
たから、前記バルブボデイ及びミツシヨンケース
に形成した油路構成を変えることなく、極めて簡
単な改造を施すだけでセミオートマチツクの自動
変速機をフルオートマチツクに変えることが出来
るのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
及び第２図はドライブレンジにおける自動変速切
換弁及び調圧切換弁の作動状態を示す配管系統
図、第３図は本案油圧制御装置を組込んだ自動変
速機を一部切欠して示す概略説明図、第４図は要
部の一部切欠側面図、第５図は調圧切換弁のオ
ン・オフ動作の動作域を示す調圧線図、第６図は
自動変速切換弁のオン・オフ動作の動作域を示す
自動変速線図である。 １……オイルポンプ、２……プレツシヤレギユ
レータバルブ、３……マニユアルバルブ、７……
調圧切換弁、８……トランスミツシヨンケース、
８０……バルブボデイプレート、８１……バルブ
ボデイ、９……自動変速切換弁、９０……弁本
体、Ａ……ドライブアクチユエータ、Ｂ……ロー
サーボアクチユエータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バルブボデイをバルブボデイプレートを介して
   トランスミツシヨンケースに組付け、該バルブボ
   デイに収容したマニユアルバルブのドライブレン
   ジへの切換操作で、オイルポンプの吐出側を、ド
   ライブ用アクチユエータのピストン作用側とロー
   サーボアクチユエータのピストン開放側とに連通
   する第１油路と、前記ローサーボアクチユエータ
   のピストン作用側に連通する第２油路とに接続し
   て、ハイギヤに切換えると共に、前記マニユアル
   バルブのローレンジへの切換操作で、前記第１油
   路をタンクに開放すると共に、前記第２油路を前
   記オイルポンプの吐出側に接続して、ローギヤに
   切換えるようにした自動変速機における油圧制御
   装置において、ソレノイドにより動作するボール
   状の弁体を備えた切換弁を前記第１油路に設ける
   一方、前記バルブボデイプレートに前記第１油路
   の途中に設ける絞り用のオリフイス孔を形成し
   て、該オリフイス孔に前記切換弁の弁体のシート
   面を形成すると共に、前記第１油路における前記
   切換弁のアクチユエータ側を、前記弁体の動作に
   よる前記オリフイス孔の開放で前記マニユアルバ
   ルブを介して前記ポンプの吐出側に接続し、また
   前記弁体の動作による前記オリフイス孔の閉鎖で
   前記ポンプの吸入側に接続するように成したこと
   を特徴とする自動変速機における油圧制御装置。