JPS6322958Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は浴槽、更に詳しくは槽部内に腰掛部を
有する家庭用浴槽に関するものである。

〔従来技術及びその問題点〕

従来、槽部内に腰掛部を有する家庭用浴槽には
第４図に示す実開昭53−21632号公報のものがあ
る。

この先行技術は、平面矩形状の浴槽本体１００
周縁に幅狭な上縁面１０４を残して平面矩形状の
槽部１０１を凹設すると共に、該槽部１０１にお
ける長辺側と相対する箇所に中央の最深部を挾ん
で段部１０３（腰掛部）を形成し、該段部１０３
を、入出浴の際の踏台としても利用できるように
構成したものである。

本来、此種の浴槽は段部１０３，１０３に座る
入浴者の対面したリラツクス状態での会話を可能
にして、スキンシツプを図る目的で案出されたも
のである。

しかし、この先行技術は段部１０３を腰掛部と
して利用する場合、背凭れ壁１０５が直線上であ
るため、その背凭れ壁１０５にもたれかけた際、
上縁面１０４に必然的に形成される肘掛面に両肘
を掛けにくく、楽な姿勢で腰を掛けることができ
ない問題点を有するためばかりか、上縁面１０４
が全周に亘つて一様な幅挾に形成されている為、
老人や身障者が一担その上縁面１０４コーナーに
腰をかけた状態で脚部を槽部１０１内に進入させ
て入浴する際の必要最小面積がその上縁面１０４
コーナーに確保されておらず、老人や身障者に対
する安全性が欠如している問題点をも有する。ま
た、老人や身障者が一担腰をかけるに安全な面積
を確保できる程度に上縁面１０４面積を拡張する
ことが考察されるが、浴槽自体が大型化し浴室を
占有するばかりか、入出浴時の跨ぎ込みが大きく
なり、老人や身障者には労力を要し、危険であ
る。

〔技術的課題〕

本考案の技術的課題は、段部に座つた入浴者が
楽に肘を上縁面にかけることができ、しかも老人
や身障者の安全な入出浴をも可能にするに際し
て、浴槽を大型化せずに、それを可能にすること
にある。

〔技術的手段〕 本考案の技術的手段は、下記の通りである。

平面矩形状に形成した浴槽本体に、平面円形状
の槽部を該浴槽本体の一方の短辺側に近接して凹
設し、上記槽部における浴槽本体の長辺側と相対
する箇所に、中央の最深部を挾んで段部を一体的
に段設形成し、且つ上記最深部を、浴槽本体の他
方の短辺側に近接するまで突設したことである。

〔作用〕

本考案の技術的手段による作用は次の通りであ
る。

段部に座る入浴者の背中の丸みに沿つて背凭れ
部を形成し且つ同入浴者における肘の自然な張り
出し方向に上縁面を位置させる。

浴槽本体に平面円形状の槽部を凹設することに
よつて上縁面４コーナーに老人、身障者が腰をか
けるに十分な尻載せ用の拡張面を形成する一方、
跨ぎ込み部を構成する上縁面部分を幅狭にする。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

まず図中Ａは、浴槽本体を示し、この浴槽本体
Ａは、平面矩形状に形成されており、その槽部１
の４周槽壁１ａの上端には、これに連続して水平
外側に延びる上縁面４が一体形成され、該上縁面
４の端部を下方に延設して４方の半エプロン板５
を形成している。

上縁面４は、槽部１を上記浴槽本体Ａの一方の
短辺側に近接して平面円形状に形成すると共に、
最深部２を浴槽本体Ａの他方の短辺側に近接する
まで突設することによつて４コーナーに尻載せ用
の拡張面４′を形成すると共に、両長辺側に幅挾
な跨ぎ込み部分を形成している。

槽部１には浴槽本体Ａの長辺側と相対する箇所
の中央の上記最深部２を挾んで平面円弧状の段部
３（腰掛面）を一段高く段設形成している。

また、溝部１の底壁６には排水口７、上縁面４
には水栓取付孔８が穿設され、エプロン板５と槽
壁１ａ裏面との間には補強片９が介在され、段部
３裏面には浴槽Ａの脚片１０に一端を固着したＴ
字状の荷重受片１１が固着している。

而して、本実施例の浴槽は下記の２つの入浴を
得ることが可能である。

段部３を腰掛部３ａとして腰をかけると共
に、背凭れ部分となる槽壁１ａに背中を合わせ
て両肘を、自然な張り出し方向に位置する上上
縁面４部分を肘掛面４″としてその肘掛面４″に
肘をかけてリラツクス状態で親子が対面して会
話可能とする。

最深部２が、浴槽本体Ａの一方の短辺側から
他方側の近接する位置まで突設されており、脚
を伸ばして肩までつかる深い入浴感を得ること
を可能とする。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように構成したので、下記の利
点がある。

段部に座る入浴者の背中の丸みに沿う背凭れ
部にもたれた状態で両肘を自然な張り出し方向
に位置する上縁面にかけるリラツクスな姿勢で
の入浴を可能にしている為、背凭れ部分が直線
的な先行技術に比べ、背凭れ時の体感的な異和
感が無いうえ、自然な姿勢での肘掛休息を促が
すことができ、疲労を解消し、しかも親子の対
話にマツチした浴槽を供し得る。

平面矩形状に形成した浴槽本体に、平面円形
の槽部を形成することによつて上縁面４コーナ
ーに腰をかけるに十分安全な尻載せ用の拡張面
を形成する一方、その拡張面間の上縁面に幅狭
な部分が段部（腰掛面）に隣接して形成される
ので、一担この拡張面に腰をかけ、更に幅挾な
部分を跨ぎ込み部として脚部をその段部に仮置
きし、身体を槽内にズラせながら入浴できるば
かりか、段部にかけた腰を若干自らでもちあげ
て同拡張面に腰を再度かけ、その状態で脚部
を、跨ぎ込み部上を通過させれば、出浴も可能
であり、老人や身障者の入出浴についての安全
性を加味した浴槽となし得る。

平面矩形状の浴槽本体の槽部を平面円形状に
することによつて浴槽自体を大型化させずに上
記，の利点を奏するようにしており、浴室
での設置スペースを占有せず、浴室の洗い場ス
ペースを広く確保でき、便利である。

依つて、所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の平面図、第２図はＸ−Ｘ線断
面図、第３図はＹ−Ｙ線断面図、第４図は従来の
浴槽の平面図である。 尚、図中、Ａ：浴槽本体、１：槽部、２：最深
部、３：段部、４：上縁面、４′：尻載せ用拡張
面、４″：肘掛面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面矩形状に形成した浴槽本体に、平面円形状
   の槽部を該浴槽本体の一方の短辺側に近接して凹
   設し、上記槽部における浴槽本体の長辺側と相対
   する箇所に、中央の最深部を挾んで段部を一体的
   に段設形成し、且つ上記最深部を、浴槽本体の他
   方の短辺側に近接するまで突設したことを特徴と
   する浴槽。