JPH1023984A - 浴 槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浴槽内への出入りが容易で、安全かつリラッ
クスした入浴時間を得ることのできる浴槽の提供を目的
とする。 【構成】 平面が略長方形状をなす浴槽基部２内に、段
部の存在しない平面状の底面３ａを有する槽本体３を斜
めに配置させ、浴槽基部２の洗い場４側上面に、槽本体
３内へ出入りする際に腰を降ろすことのできる移乗スペ
ース１０を形成させ、この移乗スペース１０と対角位置
の洗い場４から奥まった槽本体３の側縁部に、入浴中に
腰掛け可能な腰掛け段部５を形成して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、浴槽の改良に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来、図３に示すような浴
槽５１においては、その洗い場５２側の長辺５１ａに、
底面５１ｃより一段高く段部５３が形成されており、浴
槽５１内へ入浴する際に、この段部５３上に一旦足を乗
せてから浴槽５１内に入れるように構成されている。ま
た、従来、図４に示すような浴槽５１においては、浴槽
５１内の排水口５４側の短辺５１ｂ側に底面５１ｃより
一段高く段部５５が形成されている。この図３及び図４
に示す段部５３，５５が形成された浴槽５１において
は、浴槽５１内に湯が入れられた状態では段部５３，５
５が見えにくくなり、この段部５３，５５に躓く等の虞
があるという問題点があり、また、図３の段部５３では
十分なスペースが確保できないため、入浴中に腰掛け用
に使用できるものではなかった。

【０００３】また、従来、図５に示すように、浴槽５１
の排水口５４と反対側の短辺５１ｂ側に腰掛けることの
できる移乗スペースＳを形成させて、この移乗スペース
Ｓ上に一旦腰を降ろし、その状態で足を浴槽５１内に跨
ぎ込ませて浴槽５１内への出入りを容易化したものが存
在し、また、図６に示すように、浴槽５１の長辺５１ａ
側から洗い場５２側へ突出させて移乗スペースＳを形成
させた構造のものも存在する。しかし、図５のような移
乗スペースＳを形成させると、浴槽５１の内寸法が小さ
くなり、また、図６の構造では、洗い場５２側に移乗ス
ペースＳが出っ張って洗い場５２が狭くなってしまうと
いう問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の問題
点に鑑み案出したものであって、浴槽を十分に広く確保
することができ、かつ浴槽内への出入りが容易で、しか
も快適な入浴が行なえる浴槽を提供せんことを目的と
し、その第１の要旨は、平面が略長方形状をなす浴槽基
部内に、段部の存在しない平面状の底面を有する槽本体
を斜めに配置させて前記浴槽基部の洗い場側上面に前記
槽本体内に出入りする際に腰を降ろすことのできる移乗
スペースを形成するとともに、該移乗スペースと対角位
置の洗い場側から奥まった前記槽本体の側縁部に、該槽
本体内に入浴中に腰掛け可能な腰掛け段部を形成したこ
とである。また、第２の要旨は、前記浴槽基部の洗い場
側上面の前記移乗スペース以外の部分には、幅が５０〜
８０mmの跨ぎ込み部が形成されていることである。ま
た、第３の要旨は、前記槽本体の洗い場側から奥まった
内周面には、前記浴槽基部の洗い場側から奥まった側の
長辺と略平行な平行面が形成されていることである。

【０００５】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、本例の浴槽の平面構成図であり、また図
２は、その斜視構成図である。図において、浴槽１は、
平面略長方形状をなす浴槽基部２と、この浴槽基部２内
に埋設状に配設された槽本体３で構成されており、槽本
体３の底面３ａは段部の存在しない平面状に形成された
ものとなっており、この底面３ａから立ち上げられた内
周面における洗い場４側から奥まった部位の内周面に
は、前記浴槽基部２の洗い場４から奥まった長辺２ａと
略平行をなす平行面３ｂが存在し、この平行面３ｂに
は、例えば槽本体３内に循環水を噴出させるための循環
口Ｈ等を開口させ、この循環口Ｈに対し前記浴槽基部２
の長辺２ａ側から直角に循環パイプ１２を設置すること
ができ、循環パイプ１２等の設置を平行面３ｂに直角に
容易に行なえるように構成されている。

【０００６】また、この平行面３ｂ側の槽本体３の上面
側には、入浴時に肘を掛けることのできる肘掛け部６が
凹み状に形成されており、さらに、その肘掛け部６から
排水口１３側に向かって連続して、入浴中に腰掛け可能
な幅の広い腰掛け段部５が形成され、入浴中にこの腰掛
け段部５上に腰を降ろしてリラックスして入浴すること
ができ、また、この腰掛け段部５に子供を腰掛けさせた
状態では洗い場４側に顔が向けられるため、洗い場４側
にいる大人等と会話しながらリラックスした入浴時間を
得ることができるように構成されている。

【０００７】さらに、腰掛け段部５の奥側の浴槽基部２
の上面には、立上状に背もたれ９が立設されており、腰
掛け段部５に腰を降ろし、この背もたれ９に背をもたれ
掛けさせてさらにリラックスした姿勢を取ることができ
るように構成されている。また、槽本体３の長手方向の
両端側上面には、上方へ膨出してそれぞれ枕部７ａ，７
ｂが形成されたものとなっており、それぞれの枕部７
ａ，７ｂに頭を載せて、二人の人間が槽本体３内で対面
状でリラックスして入浴できるように構成されている。

【０００８】また、本例の槽本体３は、平面長方形状の
浴槽基部２に対し斜めに配置されており、そのため、浴
槽基部２の洗い場４側の上面には、幅の広い移乗スペー
ス１０が確保されており、また、この移乗スペース１０
から連続して排水口１３側に向かった短辺２ｂ側の浴槽
基部２上面部位には、幅の狭い跨ぎ込み部１１が形成さ
れたものとなっており、この跨ぎ込み部１１の幅寸法ａ
は、手で掴むことのできる程度の５０〜８０mm程度とな
っている。従って洗い場４側から槽本体３内に出入りす
る際には、前記移乗スペース１０上に腰を降ろし、その
状態で足を前記跨ぎ込み部１１を跨がせ、容易に足側か
ら槽本体３内に入ることができ、また逆に槽本体３から
出る際にも移乗スペース１０に腰を降ろし、容易に跨ぎ
込み部１１を跨いで洗い場４側に出ることができ、老人
等においても槽本体３内への出入りが極めて容易なもの
となる。

【０００９】さらに、槽本体３の洗い場４側の内周面
に、縦方向にハンドグリップ８を設けておけば、老人等
においては、このハンドグリップ８を手で掴み、槽本体
３内での姿勢を保持することができ、また、立ち上がる
時にもこのハンドグリップ８を握り、容易に槽本体３内
で立ち上がることができる。また、洗い場４で洗髪等を
行なっている際に、前記跨ぎ込み部１１を手で握り姿勢
を保持することもできるものである。

【００１０】なお、前述した如く、前記腰掛け段部５
は、前記移乗スペース１０と対角位置の洗い場４から奥
まった位置に形成されているため、従来のように槽本体
３内への出入り時に躓く虞がなく、また、槽本体３の底
面３ａは段部の存在しない平面状であるため、躓く虞が
全く無い。しかも、腰掛け段部５は槽本体３が斜めに配
置されるため十分に広いスペースを確保することがで
き、安全で快適な入浴を行なうことができる。また、前
述した移乗スペース１０も従来のように洗い場４を狭く
することなく十分な面積を確保することができるもので
ある。

【００１１】

【発明の効果】本発明の浴槽は、平面が略長方形状をな
す浴槽基部内に、段部の存在しない平面状の底面を有す
る槽本体を斜めに配置させて前記浴槽基部の洗い場側上
面に前記槽本体内に出入りする際に腰を降ろすことので
きる移乗スペースを形成するとともに、該移乗スペース
と対角位置の洗い場側から奥まった前記槽本体の側縁部
に、該槽本体内に入浴中に腰掛け可能な腰掛け段部を形
成したことにより、槽本体を斜めに配置させて洗い場を
何ら狭めることなく十分な面積の移乗スペースを確保す
ることができ、移乗スペース上に腰を降ろして槽本体内
への出入りを容易に行なうことができるものとなり、ま
た、腰掛け段部は洗い場側から奥まった側に形成されて
いるため躓く虞がなく、腰掛け段部に入浴中に腰を降ろ
してリラックスして入浴することができ、また、この腰
掛け段部に子供を腰掛けさせた状態では洗い場側に顔が
向けられるため、洗い場側にいる大人等と会話し易く、
子供等と対話しながらリラックスでき、浴槽への出入り
が容易で、安全で、かつリラックスした入浴状態を得る
ことができる効果を有する。

【００１２】また、前記浴槽基部の洗い場側上面の前記
移乗スペース以外の部分には、幅が５０〜８０mmの跨ぎ
込み部が形成されていることにより、洗い場側から槽本
体内へ出入りする際の跨ぎ込みが極めて容易となり、ま
た、この跨ぎ込み部を手で掴み良好に姿勢を保持でき、
使用勝手が良好化する効果を有する。また、前記槽本体
の洗い場側から奥まった内周面には、前記浴槽基部の洗
い場側から奥まった側の長辺と略平行な平行面が形成さ
れていることにより、例えばこの平行面に直角に循環パ
イプ等を接続することができ、循環パイプ等の設置が極
めて容易となる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】浴槽の平面構成図である。

【図２】図１の斜視構成図である。

【図３】従来の浴槽の概略平面構成図である。

【図４】従来の浴槽の概略平面構成図である。

【図５】従来の浴槽の概略平面構成図である。

【図６】従来の浴槽の概略平面構成図である。

【符号の説明】

１ 浴槽 ２ 浴槽基部 ２ａ 長辺 ２ｂ 短辺 ３ 槽本体 ３ａ 底面 ３ｂ 平行面 ４ 洗い場 ５ 腰掛け段部 ６ 肘掛け部 ７ａ，７ｂ 枕部 ８ ハンドグリップ ９ 背もたれ １０ 移乗スペース １１ 跨ぎ込み部 １２ 循環パイプ １３ 排水口 Ｈ 循環口

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平面が略長方形状をなす浴槽基部内に、
   段部の存在しない平面状の底面を有する槽本体を斜めに
   配置させて、前記浴槽基部の洗い場側上面に前記槽本体
   内に出入りする際に腰を降ろすことのできる移乗スペー
   スを形成するとともに、該移乗スペースと対角位置の洗
   い場側から奥まった前記槽本体の側縁部に、該槽本体内
   に入浴中に腰掛け可能な腰掛け段部を形成したことを特
   徴とする浴槽。
2. 【請求項２】 前記浴槽基部の洗い場側上面の前記移乗
   スペース以外の部分には、幅が５０〜８０mmの跨ぎ込み
   部が形成されていることを特徴とする請求項１に記載の
   浴槽。
3. 【請求項３】 前記槽本体の洗い場側から奥まった内周
   面には、前記浴槽基部の洗い場側から奥まった側の長辺
   と略平行な平行面が形成されていることを特徴とする請
   求項１または請求項２に記載の浴槽。