JPS6322942Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主としてインスタントのコーヒー
やジユースあるいはラーメン等を飲食するための
カツプに関する。

この種のカツプとしては一般に紙やプラスチツ
クで成形された使い捨て可能な容器が多く使用さ
れ、キヤンプ等の戸外での生活ばかりでなく、日
常生活においても便利に使用されているが容器と
しての構造上、スペースを多くとるために、運
搬、保管、陳列等に非常に不利であつた。例えば
インスタントラーメンの場合であると、カツプの
中に乾燥したラーメンを入れて、蓋を被せ、熱収
縮性フイルムで密閉しておくものであるが、カツ
プ内の容量に比し中味がかなり小さいため、「空
気を運ぶ」とさえいわれる程に内部に無駄な空間
が多い。またインスタントコーヒーの場合である
と、一回分のコーヒー材料が入つた袋をカツプに
添えて販売するにしても、カツプが特に嵩ばるた
め、そのような趣向を凝らしたコーヒーの販売方
式を実現できないという問題があつた。

そこでこの考案は、折畳み式であつて、使用す
るときには極く簡単に組み立て得る飲食用のカツ
プを提供することを目的としている。

つぎにこの考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図ないし第５図はこの考案をインスタント
コーヒーの紙カツプＰに実施したもので、そのカ
ツプＰを一枚の型紙Paで組み立て、側部に別の
型紙からなる持手Ｈが取り付けてある。

カツプＰは、左右両側面壁２，３を閉じ合わせ
得る袋状体１の下端に左右１対の座片４，４を突
設し、両座片４，４の先端に袋状体１を横から斜
めに支える支持片５を連続して設け、支持片５，
５の先端部を袋状体１の側面壁２，３に接着し、
座片４，４の突出巾中間に二つ折り可能に谷折り
線６を形成してある。

またカツプＰの型紙Paは、上端縁７ａが円弧
形に形成された扇形片７の巾中央に折り線８を設
けて、その扇形片７で左右両側面壁２，３が形成
され、両側面壁２，３の下端に互いにのり付けす
る接着部９，９を設け、一方の側面壁２の端に他
方の側面壁３の端部に接着する連結片１０を突設
してある。また両側面壁２，３には接着部９，９
に続いて座片４，４と支持片５，５を上端縁７ａ
の円弧の中心に向けて連設し、支持片５，５の先
端に側面壁２，３との連結片１１，１１を設けて
ある。第３図において一点鎖線で示す箇所１２が
その連結片１１を接着する部分であつて、座片４
の谷折り線６からその接着箇所１２に達する距離
L₁は支持片５の先端に達する距離L₂に等しくす
る。

なお持手Ｈは、基片１３に左右１対の羽根状片
１４，１５を突設し、羽根状片１４，１５に抜孔
１６，１７を設け、一方の羽根状片１４に他方の
羽根状片１５に掛け止める係止片１８を抜孔１６
に形成してあつて、基片１３をカツプＰに接着す
ることによつて取り付けてある。

型紙Paを製品に組み立てるときは、扇形片７
を折り線８で二つ折りにして両側壁２，３下端の
接着部９，９を互いに接着すると共に、連結片１
１を側面壁３に接着し、また支持片５，５を座片
４，４の谷折り線６，６で反転して側面壁２，３
に先端の連結片１１，１１を接着するという極く
簡単な工程だけで組立てが完了し、その状態では
第４図および第５図の如く、カツプは偏平に折り
畳まれた形態となる。なお持手Ｈは最後に取り付
けることができる。

そこでこの折り畳まれたカツプに一回分のコー
ヒー材料が入つた袋を添えて熱収縮性フイルムで
密閉包装しても全体の容積は極めて小さい。また
コーヒーを飲むために容器として組み立てるとき
は、下端の両座片４，４間を単に押し開けば、二
つ折りになつていた座片４，４が平たく伸びて両
支持片５，５が股開き、下端部に第２図に示す如
く二つの安定した略二等辺三角形の構造ができ
る。またコーヒーの水圧が袋状体１に加わると、
その水圧によつて袋状体１が押し開かれ、更にカ
ツプに適した形態に膨出することは勿論、その膨
出する力により両支持片５，５を先端方向（矢印
Ｑ）へ押すため、座片４，４が完全に真直ぐに伸
び、その安定した平面形態が保持される。また水
圧による袋状体１の膨出に伴つて側面壁２，３が
横方向に対して外へ湾曲するが、その湾曲が支持
片５にも及ぶため、支持片５に縦方向に対して曲
がり難い硬直性が付与され、袋状体１を支える力
が強化される。

第６図は他の実施例としてこの考案をカツプラ
ーメンのカツプに適用したもので、この場合もカ
ツプＰの構造は前記実施例と同様であるので、同
符号を付して説明の重複を避ける。しかしこの種
カツプとしての適正から袋状体１の背丈が低く、
また上端縁には、補強および口当りの都合上、管
状に丸められた鍔部１９が形成されている。

カツプＰの材質としては、防水加工された硬質
の紙、適度の硬度を有するプラスチツクフオー
ム、硬質プラスチツクフイルム等を挙げることが
できる。

この考案による飲食用のカツプは、以上説明し
たように、左右両側面壁を閉じ合わせ得る袋状体
の下端に左右１対の座片を突設し、両座片の先端
に袋状体を横から斜めに支える支持片を連続して
設け、支持片の先端部を袋状体の側面壁に連結
し、座片の突出巾中間に二つ折り可能に谷折り線
を形成し、支持片を座片の二つ折りによつて袋状
体の側面壁に閉じ合わせ得るように構成したもの
であるから、インスタント飲食品を添えて市販す
るときは、折り畳んだ形態にて飲食品と共に包装
しておいても、包装形態が嵩ばらないので、商品
の流通過程において運搬、保管、陳列を有利にな
し得、消費段階においても持ち運びに好都合であ
る。

また、使用のための組立てが簡単であつて、し
かもテーブル上に転倒しないように安定して載せ
ておくことができるため、使用上においても非常
に好都合であり、また使用後の折畳みが簡単であ
るので反覆使用に適し携帯容器としても使用で
き、更に廃棄処分も合理的になし得る。

また構造が簡単で量産に適し安価な提供が可能
である等、この考案は数々の優れた効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はこの考案の第１の実施例
を示し、第１図はカツプの使用状態を示す斜視
図、第２図は第１図Ａ−Ａ線矢視の断面図、第３
図は型紙の展開図、第４図は折り畳み状態を示す
カツプの斜視図、第５図は第４図Ｂ−Ｂ線矢視の
断面図である。第６図は第２の実施例による使用
状態を示す斜視図である。 Ｐ……カツプ、Ｈ……持手、１……袋状体、
２，３……側面壁、４……座片、５……支持片、
６……谷折り線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巾中央に折り線８を設けた左右両側面壁２，３
   の下端に互いにのり付けする接着部９，９を設け
   ると共に、一方の側面壁２の端に他方の側面壁３
   の端部に接着する連結片１０を突設し、また両側
   面壁２，３には接着部９，９に続いて座片４，４
   と支持片５，５を連設し、支持片５，５の先端に
   側面壁２，３との連結片１１，１１を設け、且つ
   座片４，４の突出巾中間に二つ折り可能に折り線
   ６，６を形成した一枚の型部材より成る飲食用の
   カツプ。