JPH0239937Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 近年、商品を販売するに際して包装紙を用いて
箱に外装を施す技術者が不足してきたこと、また
販売時の包装作業に時間を掛けずに、しかもデイ
スプレー効果に優れた外装を施すことが要求され
てきた。そのため、提手付きの折畳み箱を外箱と
して使用し、商品を展示していた箱をそのまま内
箱としてこの提手付の箱内に収納して販売するこ
とが多くなつてきた。本願考案は複数本の瓶詰め
調味料あるいは飲料などの重量物を一括して展示
箱に収容し、販売時にこの箱を別途用意された提
手付きの外箱に収納して携行することが出来るよ
うにしたキヤリー箱に関するものである。

［従来の技術］ 従来は第６〜７図に示すように、物品を収容し
た展示等の内箱箱Ｇと別途用意された外箱Ａ、即
ちサツク貼りの折畳み箱の天板Ｔに提手Ｈが取り
付けられて、携行に便利なキヤリー箱Ｃとして使
用されている。ちなみにキヤリー箱Ｃは常時は保
管場所をとらないために通常は扁平に折畳まれて
スタツキングされており、商品が販売される毎に
合成樹脂などで成型された次のような構造の提手
Ｈが取り付けられて、商品を収納した展示箱Ｇを
一体に収容したキヤリー箱Ｃとして消費者に手渡
され、使用に供されている。即ち、図示のように
半剛性のプラスチツクからなり全体が帯状を呈
し、その両端が矢尻り形に成形された係合支持片
Ｋが形成された提手Ｈか、あるいは図示は省略す
るが提手の全体形状を略コ字形に成型し、そのう
ち握り部分を若干太目に形成し、その左右両端か
ら直角に折曲された連結片の先端に矢尻り形の係
合支持片を形成した硬質プラスチツク製のものな
どが用いられている。そして、外箱Ａの天板Ｔに
はこの係合支持片Ｋとの相対位置にスリツトＳ，
Ｓが穿設され、当該スリツトＳ，Ｓに係合支持片
が挿入されて、キヤリー箱Ｃとして使用されてい
る。

［従来技術の問題点］ 上述のように、この種キヤリー箱は商品を携行
するに当つては、第７図に示すように予め展示用
の箱すなわち、内箱Ｇに収納されたまま別途用意
された外箱Ａの側方を開蓋して収納されるもので
あるが、その際に外箱Ａにセツトされている前記
提手Ｈの先端に形成された係合支持片Ｋの突起部
分が挿入されてきた内箱Ｇと衝突してしまい円滑
に収容することが出来ないばかりでなく、場合に
よつては外箱Ａを損傷してしまうことがあつた。
また、提手Ｈが挿入される天板Ｔの強度を増加さ
せ、重量物の運搬に耐えるように当該部分に厚み
のある補強片を貼着して二重構造にしたものがあ
るが、その場合には突出部分が増えるために、外
箱Ａ内に内箱Ｇを収容することが一層困難であつ
た。

［問題点を解決するための手段］ 第１図に示すとおり、本願キヤリー箱１は一例
としてその基本構成はサツク貼りの折畳み箱で形
成されている。そして、そのうち提手Ｈが挿入さ
れる天板部分を上下２枚の天板２，３による二重
の構造として、箱内に突出した提手の係合支持片
Ｋを下方の天板３で覆つて、挿入される展示箱Ｇ
が提手Ｈと直接当らないようにすると共に重量の
ある商品を携行するため、両天板３，４の中間ス
ペースｍに提手Ｈと結合される係合支持片Ｋが嵌
入されるスリツト４ｓを具えた支持板４を嵌挿し
たキヤリー箱１を提供するものである。

すなわち、左右の側板５，６からそれぞれ連成
された上下二枚の天板２，３が形成され、更にこ
のうちの上側の天板２に提手Ｈが挿入されるスリ
ツト２ｓが穿設されると共に幅細の糊代片７が延
設される。また、両天板２，３の中間スペースｍ
には、提手Ｈの係合支持片Ｋが嵌入されるスリツ
ト４ｓが穿設された支持板４が別途嵌挿または貼
着される。ちなみに、提手Ｈは従来のものを踏襲
して差支えない。

［作用］ 前述の通り本願キヤリー箱１は天板部分を二重
に構成し、そのうち上側の天板２と提手Ｈが係合
し、下側の天板３はこの係合する箇所の突起部分
Ｋを覆つて、箱１の内面には突起部分Ｋが全く存
在しない扁平な面で構成された収納部Ｐが形成さ
れる。さらに、重量のある商品、例えば瓶詰めの
清涼飲料水を複数本纏めて展示箱Ｇに収容して外
装を施さずにそのままキヤリー箱１に収納して消
費者に販売されても、提手Ｈに掛かる荷重は天板
２及び支持板４の全面で支えられ、耐荷重性能に
優れた作用が発揮される。

［実施例］ 第２図はサツク貼り形式の本願キヤリー箱を展
開した状態を示す。両端に内フラツプ８ｆ，８ｆ
が延設された底板８の両側方に折線ａ，ｂを介し
て側板５，６が連成され、さらに側板５，６には
折線ｃ，ｄを介して天板２，３がそれぞれ連設さ
れる。また、天板２には折線ｅを介して幅細の糊
付片７が延設されている。一方、上記側板５，６
には妻板９，１０とそれに連なる差込片１１，１
２が折線ｆ，ｇ及びｈ，ｉを介して連設される。
さらにまた、天板２の両端に内フラツプ２ｆ，２
ｆが形成され、その天板２の中央部に提手Ｈが挿
入されるスリツト２ｓ，２ｓが穿設される。

本願キヤリー箱１は一例として次のようにして
機械等で組立てられる。即ち、天板３を折線ｄを
境にして内側に折り、次にそのままの状態を維持
しながら折線ａを介して側板６及び底板８を平板
状に維持したまま折曲げ、最後に糊付片９を側板
６の外表面に接着して筒状容器を形成する。

第３図は上記天板２，３の中間スペースｍに嵌
挿される支持板４であつて、天板２，３と略相似
形を呈しており、その中央部にスリツト４ｓ，４
ｓが天板２に施されたスリツト２ｓ，２ｓと同様
に穿設されている。

第４図は中央縦断面図であつて、内箱Ｇを収納
する状態を示している。図示のように提手Ｈは天
板２と支持板３の二重構造によつてその荷重を受
止め、また、提手Ｈの突起部分Ｋ，Ｋの下側に位
置している天板３によつて内箱Ｇが突起部分Ｋ，
Ｋに当らずにスムーズに収納される。

第５図は支持板の他の実施例を組込んだ斜視図
である。この支持板４４は天板２のスリツト２ａ
が穿設された箇所にそれと同形状のスリツト４４
ａが施された小片の板材であり、支持板４４は天
板２に貼着される。

前述のキヤリー箱１を使用するには既に扁平に
組立てられている箱をまず角筒状に立ち上げ、そ
の後内箱Ｇを収納するものであるが、それに先立
つて提手Ｈの係合支持片Ｋ，Ｋを天板２のスリツ
ト２ａ及び支持板４あるいは４４のスリツト４ａ
または４４ａに連通しておく。そして内箱Ｇを収
納し、内フラツプ２ｆ，８ｆ、差込片１１の順で
組立てて、最後に妻板９が開口部を閉塞してキヤ
リー箱１を完成させる。

［効果］ 本願キヤリー箱１は提手Ｈが係合される天板部
分において、提手Ｈに突設されている係合支持片
Ｋ，Ｋを扁平な天板３で覆つている。従来は第７
図に示すように内箱Ｇ（展示箱）を収納する際に
天板Ｔの内面に突出していた係合支持片Ｋに当た
つてしまい、円滑に箱を収納することが困難だつ
たが本件では内箱Ｇを収容するときに接する各
面、すなわち両側板５，６、底板８及び天板３に
は突出した部分がないので内箱Ｇをスムーズに収
容することができる。さらに前記係合支持片Ｋ，
Ｋは天板２と支持板４の双方によつて荷重を支え
るという構成を採用した為、この支持板４の材質
や形状を適宜変更することによつて種々の耐荷重
性能を発揮することが可能である。また、本考案
の実施例ではサツク貼り式の箱を採用したため、
機械による組立て作業が可能であり、そのため大
量生産を可能とした等種々の優れた効果を発揮
し、工業上有益な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は同上展開図、第３図は本考案に使用される支
持板の一実施例を示す斜視図、第４図は本考案の
使用状態における中央縦断面図、第５図は他の実
施例を示す斜視図、第６図は従来例を示す斜視
図、第７図は同上使用状態を示す縦断面図であ
る。 １……キヤリー箱、２，３……天板、４……支
持板、５，６……側板、７……糊代片、８……底
板、９，１０……妻板、１１，１２……差込片、
ａ〜ｉ……折線、２ｓ，４ｓ……スリツト、Ｈ…
…提手、Ｋ……係合支持片、ｍ……中間スペー
ス、Ｇ……展示箱、Ｐ……収納部、２ｆ，８ｆ…
…内フラツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 提手を天板に穿設されたスリツトに挿入して使
   用する外箱に、物品が収容された内箱を収納する
   キヤリー箱において、両側板から延設された天板
   が箱の上部で上下二段の二重構造に組立てられ、
   さらに上側の天板と下側の天板との中間スペース
   には上側の天板に施されたスリツトと略同形状の
   スリツトが穿設された支持板を配設したことを特
   徴とするキヤリー箱。