JPS63223499A - 耐食性に優れた熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、カークーラーの蒸発器や凝縮器、あるいは
オイルクーラー、インタークーラー等に用いられる熱交
換器、特に耐食性に優れた熱交換器に関する。

従来の技術 上記のような熱交換器は、一般に、アルミニウムないし
はアルミニウム合金からなる熱交換媒体流通用のチュー
ブと、熱交換効率向上のために空気流通間隙に配置され
るフィンとを備え、これらチューブとフィンとが接合さ
れてなる構造を有している。

而して、かかる熱交換器は、チューブとフィンとの接合
作業を容易にしひいては生産効率を向上するために、フ
ィン材として、心材の少なくとも片面に皮材としてのろ
う材が被覆形成されたブレージングシートからなるもの
を用い、このフィン材とチューブ材とを所定状態に配し
て一括的にろう接することが行われている。

従来、上記のチューブ材として、例えばＡ１０５０アル
ミニウム合金をもって形成されたものを用いる一方、フ
ィン材としてＡ３００３アルミニウム合金心材に、真空
ろう付に供する場合にはＢＡ４００４合金皮材を、また
フラックスろう付に供する場合には、ＢＡ４０４５合金
皮材をクラッドしたブレージングシートが用いられてい
た。しかし、かかる材料構成ではチューブ材の孔食電位
が最も卑で、ブレージングシートの皮材、同心材の順で
孔食電位が貴となることから、チューブ材とフィン材と
が接合された完成使用状態においてチューブが腐食し易
く、このため短期間のうちにチューブに貫通孔が生ずる
という問題があった。

そこで、耐食性を向上するために、フィン材はそのまま
でチューブ材として、Ｃｕｂ、３〜１．０ｗｔ％を含有
し、あるいはさらにＭｎ：０゜３〜１．０ｗｔ％を含有
したアルミニウム合金を用いることにより、チューブ材
の孔食電位を最も貴なるものに転換し、ブレージングシ
ートの皮材く同心材くチューブ材の順で孔食電位が貴と
なるようにしたものが提供されている。

しかしかかる材料構成では、チューブ材の孔食電位は最
も貴となるものの、ブレージングシートの皮材が心材よ
りも卑であることから、皮材たるろう材が犠牲的に腐食
するため次のような欠点があった。

発明が解決しようとする問題点 即ち、上記の材料構成では、フィンとチューブの接合状
態ではチューブは防食されるが、長期使用においてろう
材の腐食が進むにつれついにはフィンとチューブとか分
離し、その結果チューブが防食されなくなりチューブに
孔食が生ずる場合があるというような問題があった。

この発明はかかる欠点を解消し、より一層耐食性に優れ
た熱交換器の提供を目的とするものである。

問題点を解決するための手段 上記目的においてこの発明は、フィンを構成するブレー
ジングシートの心材と皮材の孔食電位の貴卑を逆転せし
め、ブレージングシートの心材く同皮材≦チューブ材の
順で孔食電位が卑から責となるようにせんとするもので
あり、そのために各材料の組成を特定したことを特徴と
するものである。

即ちこの発明は、チューブ材と、心材の片面ないしは両
面に皮材としてのろう材が被覆されたブレージングシー
トからなるフィン材とが、ろう付接合された熱交換器に
おいて、前記チューブ材がＣｕ　：　０．　０５〜０．
　３０ｗｔ％を含有し、さらに必要に応じてＭｎ：０．
２〜１，２ｗｔ％を含有し、残部がアルミニウム及び不
可避不純物からなるアルミニウム合金をもって形成され
る一方、フィン材のブレージングシートにおける心材が
Ｍｎ：０．５〜２．０ｗｔ％を含有するとともにＣｕ：
０．０５ｗｔ％以下にその含有量が抑制され、残部がア
ルミニウム及び不可避不純物からなるアルミニウム合金
をもって形成され、また皮材がＳｉ：６．０〜１２．０
ｗｔ％、Ｃｕ　：　０．　０５〜０．　３０ｖｔ％を含
有し、さらに必要に応じてＭｇ：０．３〜２．０ｗｔ％
を含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物からな
るアルミニウム合金をもって形成されていることを特徴
とする耐食性に優れた熱交換器を要旨とするものである
。

チューブ材、フィン材における各元素の添加意義と限定
理由について説明すれば、まずチューブ材を構成するア
ルミニウム合金において、Ｃｕはチューブ材の孔食電位
を責とする効果を有する。しかしその含有量が０．０５
ｗｔ％未満では該効果がなく、逆に０．３０ｗｔ％を超
えて含有された場合にはチューブ材自身の耐食性劣化を
招く。好ましいＣｕの含有量は０．１０〜０．２５ｗｔ
％である。任意添加元素としてのＭｎはチューブ材の強
度向上に寄与するものである。しかし０．２ｗｔ％未満
ではその効果がなく、逆に１．２ｗｔ％を超えて含有さ
れると、加工性が悪化する。Ｍｎを添加する場合、その
好ましい含有範囲は０，４〜１．Ｏｖｔ％である。

フィン材を構成するブレージングシートの心材において
、Ｍｎは上記と同じくフィンの強度向」二に有効なもの
であるが、０．５ｖｔ％未満ではその効果がなく高温に
おいてフィンが座屈を生ずる危険がある。逆に２．０ｗ
ｔ％を超えて含有されると、圧延が困難となる。好まし
いＭｎの含を範囲は０．　７〜１．５ｖｔ％である。ま
た心材はその孔食電位を最も卑なるものとなされるため
に、Ｃｕの添加含有量は０．０５ｗｔ％以下に抑制され
なければならない。Ｃｕが０．０５ｗｔ％を超えて含有
されると、心材の孔食電位が皮材のそれよりも貴となり
、本発明の目的を達成できなくなるからである。なお０
．０５ｗｔ％以下とはＣｕを含有しない場合を含むもの
である。

ブレージングシートの皮材において、Ｓｉは該皮材をろ
う材として機能させるとともに、フィンとチューブの接
合部の強度向上にも寄与するものである。しかしその含
有量が６．０ｗｔ％未満ではろう材として機能せずろう
付が困難となり、逆に１２ｗｔ％を超えて含有されると
圧延が不可能となる。好ましいＳｉの含有範囲は７〜１
１ｗｔ％である。またＣｕの添加含有量は０１０５〜０
．３０ｗｔ％に設定されなければならない。０．０５ｗ
ｔ％未満では皮材の孔食電位が心材のそれよりも貴とな
らずこの発明の目的を達成できないからであり、逆に０
６３０ｗｔ％を超えて含有された場合には、皮材自体ひ
いては接合部の耐食性が劣化するからである。皮材にお
ける好ましいＣｕ含有量は０．１０〜０．２５ｖｔ％で
ある。ところで、フィン材とチューブ材との接合を真空
ろう付により行う場合には、皮材には上記Ｓｉ、Ｃｕの
他、Ｍｇ：０．　３〜２゜０ｗｔ％含有が必要である。

即ち真空ろう付において、Ｍｇは蒸発する際に炉内の酸
素及び水分の除去と材料表面の酸化皮膜の破壊あるいは
還元作用を行うことにより、フラックスの役割を果たす
ものである。しかしその含有量が０．　３０ｖｔ％未満
では上記効果がなく真空ろう付添可能になる一方、２．
０ｗｔ％を超えて含有されても上記効果の格別な増大作
用はなく、却ってコストアップの原因となる。好ましい
Ｍｇの含有範囲は０．５〜１．５ｗｔ％である。なおフ
ラックスろう付によりチューブ材とフィン材の接合を行
う場合には、Ｍｇの添加は不要である。

発明の効果 この発明は上述したように、チューブ材とフィン材を構
成するブレージングシートの心材及び皮材それぞれの合
金組成を特定することにより、後述の実施例の参酌によ
っても明らかなように、孔食電位がブレージングシート
の心材〈同皮材≦チューブ材の順で卑から貴へと移行し
たものに構成することができる。その結果、フィン材と
チューブ材とが皮材たるろう材を介してろう接一体化さ
れた熱交換器においては、心材が優先的に腐食されるこ
ととなり、従来のように、皮材が優先的に腐食されるこ
とによりチューブとフィンとが分離してチューブによる
孔食が生ずる危険性を長期にわたって回避でき、耐食性
に優れ長期使用に耐えつる長寿命の熱交換器の提供が可
能となる。

実施例 次にこの発明の詳細な説明する。

第１図及び第２図に示すような熱交換器、即ち偏平多孔
押出形材からなるチューブ材（１）を蛇行状に曲成する
とともに、その平行部間に、第３図に示すように心材（
２ａ）の両面に皮材（ろう材）（２ｂ）がクラッドされ
たブレージングシートからなるコルゲート状のフィン材
（２）を配置されたサーペンタイン型熱交換器を製作す
るに際し、チューブ材（１）、フィン材（２）として下
記第１表に示す組成のものを用意した。

なお第１図中（３）は除礫入口管、（４）は同出口管で
ある。

［以下余白］ 次いで上記各チューブ材、フィン材を下記第２表のよう
に組合せて第１図、第２図に示す熱交換器に組立てたの
ち、Ａ〜■の熱交換器については真空ろう付により、ま
たＪの熱交換器についてはフラックスろう付によりチュ
ーブ材（１）とフィン材（２）とを接合一体化した。

こうして得られた各熱交換器につき、耐食性を調査する
ため、ＪＩＳＺ２３７１に準じる塩水噴霧試験を行い、
チューブ材に孔食を生じて液洩れに至るまでの時間を測
定した。その結果を併せて第２表に示す。

［以下余白］ 上記の結果から明らかなように、各元素が本発明組成範
囲に含有されたチューブ材とフィン材とは、その孔食電
位が、ブレージングシートの心材く同皮材≦チューブ材
の順で卑から貴となっており、かつかかるチューブ材と
フィン材とのろう接により形成された本発明熱交換器は
、チューブに孔食が生ずるまでの時間が長く、耐食性に
優れたものであることを確認しえた。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る熱交換器の一例を示す正面図、
第２図は同じく平面図、第３図はフィン材の拡大断面図
である。 （１）・・・チューブ材、（２）・・・フィン材、（２
ａ）・・・心材、（２ｂ）・・・皮材。 以上

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. チューブ材と、心材の片面ないしは両面に皮材としての
   ろう材が被覆されたブレージングシートからなるフィン
   材とが、ろう付接合された熱交換器において、前記チュ
   ーブ材がＣｕ：０．０５〜０．３０ｗｔ％を含有し、さ
   らに必要に応じてＭｎ：０．２〜１．２ｗｔ％を含有し
   、残部がアルミニウム及び不可避不純物からなるアルミ
   ニウム合金をもって形成される一方、フィン材のブレー
   ジングシートにおける心材がＭｎ：０．５〜２．０ｗｔ
   ％を含有するとともにＣｕ：０．０５ｗｔ％以下にその
   含有量が抑制され、残部がアルミニウム及び不可避不純
   物からなるアルミニウム合金をもって形成され、また皮
   材がＳｉ：６．０〜１２．０ｗｔ％、Ｃｕ：０．０５〜
   ０．３０ｗｔ％を含有し、さらに必要に応じてＭｇ：０
   ．３〜２．０ｗｔ％を含有し、残部がアルミニウム及び
   不可避不純物からなるアルミニウム合金をもって形成さ
   れていることを特徴とする耐食性に優れた熱交換器。