JPS6322208Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、水道等の既設蛇口に着脱可能な二
重管通水構造の分岐バルブを設け、内ホースが外
ホース内に貫挿された二重ホースを介して上記分
岐バルブを貯水タンクへ連通させることにより、
上記分岐バルブと貯水タンクとの間に水道等の既
設蛇口からの給水を貯水タンク内へ貯水するタン
ク注水路と、貯水タンク満水状態で逆流して外部
へ給水する外部給水路とを形成する予備水貯水循
環装置の改良に関する。

火災や地震等の非常事態、又は給水制限、給水
停止などの不測の事態に備えて予備水を貯水する
ために、本出願人は既に実公昭57−16931号の予
備水貯水循環装置に係る考案（以下、先願考案と
する）を提供している。

この先願考案は、水道等の既設蛇口に内管と外
管から成る分岐バルブを着脱可に設け、他方貯水
タンクの開口部を該タンク内と連通する内部通水
口と該内部通水口の外壁に形成した外部環水口か
ら成る二重通水構造とし、上記内管にタンクの内
部通水口へ連通する二重ホースの内ホースを接続
して該タンク内に上記水道等からの給水を導入す
る構成とすると共に、タンクの外部環水口と連通
する上記二重ホースの外ホースを上記外管に接続
し、該外管には該外管と連通するカランを回動自
在に設けて水道蛇口から導入された上記タンク内
の貯水をカランから給水させ、予備水を貯水しつ
つ循環給水させように構成されている。

従つて、先願考案では分岐バルブを構成する内
管と外管が水道等の既設蛇口の延長上に配設され
る一方、上記外管と連通するカランを分岐バルブ
に回動自在に設けているので、分岐バルブと接続
される二重ホースが水道等の既設蛇口の延長上に
のびることになり、カランその他の給水口をその
位置に設けることは困難であつた。

また、給水口としてカランを分岐バルブの外管
に一体的に装着しなければならず更に上記カラン
として既設の水道等に装着されているカランを再
利用することは不可能であつた。

また実開昭56−51864号の災害非常時用循環貯
水タンクでは、ホースを二重管にして循環させる
構成が開示されているが、このような複雑な形状
からなるホースを成形するのは極めて困難であ
る。また水道の蛇口と接続されて水圧を受け、こ
の水流の流れを代える分岐弁構造とその他の中継
ホースとを一体に同一素材で成形すると、前者が
高強度を必要とし損傷しやすいことから耐久性の
点で問題がある。

さらに、上記構成では循環する水（タンクから
戻る水）が環状となつて排水されるので下側（排
水側）となる流路は水圧損失を伴うので、平常時
における水道の使用に際して不便である。

この考案は上記事情に鑑みて鋭意研究の結果創
案されたものであつて、その主たる目的は、平常
時における使用に際して水圧損失を抑えると共
に、分岐バルブと二重ホースとを別体に成形する
ことにより、成型が容易で且つ耐久性の高い予備
水貯水循環装置を提供するにある。

以下、この考案の好適実施例を図面に基づいて
説明する。

第１図は、この考案に係る予備水貯水循環装置
で、該予備水貯水循環装置１は、水道等の既設蛇
口２に取付けられる分岐バルブ３と、該分岐バル
ブ３に接続する二重ホース４と、該二重ホース４
によつて接続される貯水タンク５とからなつてい
る。

該分岐バルブ３は、硬質の合成樹脂材からなつ
て、垂下管部３Ａと該垂下管部３Ａと連通しその
中途部から突出する横設管部３Ｂとからなり、上
記垂下管部３Ａ内を上下に二分すると共に横設管
部３Ｂ内に延出する内管３１を備えている。

該内管３１は、垂下管部３Ａ内を上下に区画し
て、垂下管部３Ａの上部から流入する水道等の既
設蛇口の給水の流れ方向を略直交方向に変える隔
壁部３１ａと、方向転換された上記給水を横設管
部３Ｂに接続される二重ホース４側まで導く導管
部３１ｂとから構成されている。

この内管３１は、第１図示の如く、内管３１の
導管部３１ｂが横設管部３Ｂに対し上方に偏心し
て内周面上部が一体に重合するように配設される
と共に、内管３１の導管部３１ｂ先端を横設管部
３Ｂより延長方向に突出し前記重合部の内管外周
面を凹ませて段差壁状に形成すれば内管３１の外
周壁と横設管部３Ｂとの間に形成される流路（外
部給水路）が環状となることなく垂下管部３Ａの
隔壁部３１ａで区画された下段の流路の水圧損失
を併わずに連通することができる。

このような分岐バルブ３の垂下管部３Ａ上端部
には、水道等の既設蛇口２と連通し脱着可能に装
着しうる連結手段３２が設けられている。

この連結手段３２は、水道等の既設蛇口２の給
水口と垂下管部３Ａの上方側内空部とを連通させ
る構成であればその具体的構成を問わないが、ゴ
ム材等耐水性の弾性素材を用い、水道等の既設蛇
口２の給水口より稍小径とした嵌込口３３を有す
る連結構成であつてもよい。

この場合には、ネジ止め等の構成を用いること
なく、上記嵌込口３３を押し拡げて水道等の既設
蛇口２の給水口に外嵌すれば、素材自体の緊縮力
により上記給水口に固着することができ取付が簡
単となる。

次に、この垂下管部３Ａの下端部には一体的に
又は着脱可能に給水口部３４が設けられている。

この考案の場合、垂下管部３Ａの下端部をその
まま或いはカラン形状に延出して給水口として使
用してもよいし、又は別体のカラン３５を垂下管
部３Ａの下端部に回動可能に設けて給水口として
使用してもよく、用途に応じて適宜選択しうる。

このように構成されるので分岐バルブ３は、内
管によつて形成されて前記水道等の既設蛇口と連
通する流路と、分岐バルブ３内で内管内周壁によ
つて隔てられて通水口と連通する流路とに２分さ
れ、前者がタンク注水路Ｉとなり後者が外部給水
路Ｏとなる２重通水構造からなる。

次に、上記分岐バルブ３の横設管部３Ｂ先端に
接続される二重ホース４は、図示例の場合外ホー
ス４１の内部に内ホース４２を貫挿した環状二重
通水構造となつている。

この二重ホース４の内ホース４２は内管３１と
連通可能に接続されてタンク注水路Ｉを構成し、
外ホース４１は分岐バルブ３の横設管部３Ｂと接
続されて分岐バルブの外部給水路Ｏと連通して外
部給水路Ｏを構成する。

また該二重ホース４は可撓性に富む素材を用い
れば接続や曲げ配管が容易となり、蛇腹等のフレ
キシブルな構造体を用いてもよい。

特に、外ホース４１の中途部等に図示しない蛇
腹部を設ければ外ホース４１を該蛇腹部にて縮小
し、内ホース４２を容易に引出しうる。

このような二重ホース４は二重通水可能に貯水
タンク５に接続される。

この発明の場合、この貯水タンク５の二重通水
構造は何ら限定されないが、図示例の場合、貯水
タンクの連通口部６が、上方へ突出する貯水タン
ク口縁部５１と、該貯水タンク口縁部５１に嵌込
められる水口５３と、該水口５３を貯水タンク口
縁部５１に掛止めるキヤツプ５４とからなつて、
水口５３が、中央に孔部を有する円形プレート状
の台部５３ａと、該孔部と連通し上方へ立設する
中空状の円筒部５３ｂとから構成されている。尚
５２はキヤツプ５４と螺合するためのネジ部、５
５はパツキンである。

このように構成された連通口部の水口円筒部５
３ｂの外壁に外ホース４１が外嵌され、円筒部５
３ｂ中空内に内ホース４２が貫入されて貯水タン
ク５の下部側好ましくは1/2から2/3位迄延出しセ
ツトされる。

この貯水タンク５を発泡スチロール材７１を介
在させたプラスチツク製保護カバー７により覆え
ば寒冷地においても貯水タンク内の貯溜水の凍結
を防ぐことができ更に、災害時等における外部衝
撃からも貯水タンクの破損を防止することができ
て便利である（第２図参照）。

このように構成された予備水貯水循環装置１の
流水経路を見ると、水道等の既設蛇口２からの給
水は、内管３１と連通する内ホース４２とで構成
されるタンク注水路Ｉを通つて貯水タンク５内に
貯水され、満水となると内ホース４２と水口５３
との間の環状流路を通つて内ホース４２の外周と
外ホース４１との間の環状流路に流入して、二重
ホース４と分岐バルブ３とで構成する外部給水路
Ｏを通つて給水口３４まで導かれ給水が行われ
る。

貯水タンクが満水の場合は、水道等の既設蛇口
２からの給水は、貯水タンク内の貯溜水を循環さ
せて給水口３４で給水するので貯水タンク内の貯
溜水の鮮度を保持することが可能となる。

そして、非常時においては、二重ホース４を外
し、適宜密封栓を施す等によつて即座に予備水と
して使用に供しうる。

また貯水タンク５に把持部等を設けておけば携
帯に便利となる。

第３図は、水道等の既設蛇口２が回動可能なカ
ランを装着した通常構成の場合に用いる予備水貯
水循環装置１の分岐バルブ３′を示す。

即ち、既設のカラン付き蛇口２′は先端にネジ
部２１ａが刻設された蛇口部２１と、該蛇口部に
嵌込まれたパツキン２２と上端に締付ナツト部２
３を有するカラン２４とからなつている。

一方、分岐バルブ３′は垂下管部３Ａ上端に鍔
３６を有する中空管３７を固着し該中空管３７に
連結手段として前記蛇口部２１のネジ部２１ａと
螺合可能なナツト部３８を前記鍔３６で抜止して
上下動および回動可能に外嵌してなり、また垂下
管部３Ａの下端には前記蛇口部２１と同径のネジ
部３９が刻設された図示例構成からなつている。

従つて、この場合、まずカラン２４の締付ナツ
ト２３を緩めてカランを蛇口部２１から外し、次
に、該蛇口部２１内に嵌込まれているパツキン２
２を取り出す。

次に、分岐バルブ３′を垂下管部３Ａの上端側
のナツト部３８を用いて蛇口部２１のネジ部２１
ａに螺合固着する。尚、３５は鍔３６と蛇口部２
１との間に介設されるパツキンである。

更に、垂下管部３Ａの下端側から既存のパツキ
ン２２を嵌込み、同じく既存のカラン２４に設け
られた締付ナツト部２３を垂下管部３Ａ下端のネ
ジ部３９と螺合固着して上記カラン２４を垂下管
部３Ａに回動自在に取付けて完了する。

また、カラン２４に減圧弁２５が装着されてい
る場合は、該カラン２４から取り外して使用に供
する。

このように、上記実施例では水道等の既設蛇口
の既設のカランを分岐バルブの給水口として再利
用することができ有益である。

また、本実施例の場合、分岐バルブ３′と二重
ホース４とを一体連接としたが、この考案におい
ては、分岐バルブと二重ホース４とを一体構成と
する場合も含むものであり、この場合は可撓性を
有する合成樹脂材で一連に成型されることが好ま
しい。その他金属材或は強度を有する素材であれ
ばよい。

尚、上記実施例では貯水タンクの配設位置を床
面等の下方に設置したが、この考案においては、
二重ホースが水道等の既設蛇口の横方向から延出
しているので、貯水タンクの設置位置は何等限定
されることなく例えば上方にセツトするものであ
つてもよい。

この考案は上記構成からなつているので、分岐
バルブと二重ホースとは別体に成型しうるので分
岐バルブに強度の高い素材を用いることができ耐
久性を高めることができる。

また内管は横設管部に対し上方に偏心して内周
面上部が一体に重合するように配設されると共
に、内管の導管部の先端を横設管部より延長方向
に突出していいるので内管の外周壁と横設管部と
の間に形成される流路（外部給水路）が環状とな
ることなく垂下管部の隔壁部で区画された下段の
流路の水圧損失を併わずに連通することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の予備水貯水循環装置の一
実施例を示す要部断面図、第２図は貯水タンクに
保護カバーを装着した場合の一部切欠断面図、第
３図は既設のカラン付き蛇口の取付に好適な分岐
バルブを示す断面図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 水道等の既設蛇口に着脱可能な二重管通水構
   造の分岐バルブを設け、内ホースが外ホース内
   に貫挿された二重ホースを介して上記分岐バル
   ブを貯水タンクへ連通させることにより、上記
   分岐バルブと貯水タンクとの間に水道等の既設
   蛇口からの給水を貯水タンク内へ貯水するタン
   ク注水路と、貯水タンク満水状態で逆流して外
   部へ給水する外部給水路とを形成する予備水貯
   水循環装置において、 分岐バルブが、強度を有する素材からなつて
   おり、 上端を既設蛇口に接続する垂下管部と、 該垂下管部と連通しその中途部から突出する
   横設管部とからなり、 上記垂下管部内を上下に二分すると共に横設
   管部と上壁を共通に形成して偏心した小径の内
   管を設けて二重管構造とし、且つ該内管を横設
   管部より延長方向に長く延出させてなり、 この分岐バルブの横設管部に接続される二重
   ホースの内ホースの基端が、外ホースの基端側
   から内側に引つ込んで内管に外嵌可能となつて
   おり、且つその内ホースの基端がその外周上端
   を外ホースの内周面に一体に固着してなること
   を特徴とする予備水貯水循環装置。 (2) 貯水タンクの連通口部が、上方へ突出する貯
   水タンク口縁部と、該貯水タンク口縁部に嵌込
   められる水口と、該水口を貯水タンク口縁部に
   掛止めるキヤツプとからなつて、水口が、中央
   に孔部を有する円形プレート状の台部と、該孔
   部と連通し上方へ立設する中空状の円筒部とか
   ら構成されることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の予備水貯水循環装置。 (3) 分岐バルブの垂下管部上端部が、水道等の既
   設蛇口にワンタツチで着脱可能な連結手段な備
   えてなることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項および第２項記載の予備水貯水循環
   装置。 (4) 水道等の既設蛇口がカランを有する通常構成
   であつて、一方分岐バルブが、上記水道等の既
   設蛇口のカラン部分を外した状態の水道等の既
   設蛇口に装着されると共に上記カランを既設の
   カラン螺着具を用いて分岐バルブの下端に連結
   させるべく分岐バルブ下端を水道等の既設蛇口
   のカラン連結構成と同一の螺刻形状としてある
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の予備水貯水循環装置。 (5) 貯水タンクが発泡スチロール材を介在させた
   保護カバーにより覆われていることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の予備水
   貯水循環装置。 (6) 貯水タンクが耐圧構造体からなることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の予
   備水貯水循環装置。