JPS6322097Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はたとえば観光バスのガイド乗務員が
使用する折り畳み式助手席に関する。観光バスの
ガイド乗務員が使用する折り畳み式助手席は、運
転席の隣側空間に設けられ、不使用時に起立して
折り畳み、使用時に倒伏して座部を水平に保持す
るようになつている。従来、この種の折り畳み式
助手席は、第１図に示すように、格納箱ａに枢支
軸ｂが設けられ、この数支軸ｂに座部ｃの一側部
を上下方向に回動自在に枢着した構造である。し
たがつて、不使用時には背もたれ部ｄを前に倒
し、座部ｃを起立させることにより格納箱ａに格
納することができるが、床面ｅからの座部ｃの高
さh₁を適度な寸法にすれば、格納箱ａの高さh₂も
必然的に大きくなり、格納箱ａが視野の妨げにな
るとともに運転手の乗り降りに邪魔になるという
欠点がある。

この考案は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、格納箱内にリンク
機構を設け、このリノンク機構によつて助手席の
座部を回動自在に枢支し、座部の高さを適正に保
つても低い位置に格納でき、格納箱の高さを低く
構成することができバスの折り畳み式助手席を提
供しようとするものである。

以下、この考案を図面に示す一実施例にもとづ
いて説明する。第２図中１はバスの運転席で、こ
の運転席１の隣側に位置する床面２には格納箱３
が立設されている。この格納箱３は扁平矩形箱状
をなし、その運転席１と反対側には開口部４が設
けられている。さらに、この格納箱３内の下部に
ピン５によつて枢支した第２のリンク６と、格納
箱３の上部にピン７によつて枢支した第１のリン
ク８とからなるリンク機構９が設けられている。
そして、上記第２のリンク６の自由端部は枢支ピ
ン１０を介して座部１１の基端に連結され、第１
のリンク８の自由端部は枢支ピン１２を介して上
記座部１１の中途部に連結されている。したがつ
て、座部１１は枢支ピン１２を軸心として上下方
向に回動自在で、起立または倒伏できるようにな
つている。さらに、上記第２のリンク６の自由端
部にはストツパ１３が一体的に突設されており、
これは座部１１を水平に倒伏したときに第１のリ
ンク８の下面に当接して座部１１水平状態に保持
するようになつている。しかも、座部１１が格納
箱３の外方へ突出して略水平状態のとき格納箱３
から外方に突出しているリンク機構９の突出部、
つまり第１のリンク８は座部１１の表面より下方
に位置している。また、座部１１には前方へ折り
畳み可能な背もたれ部１４が設けられ、助手席１
５が構成されており、上記格納箱３の上部にはガ
イド乗務員のもたれ部１６が突設されている。な
お、１７は座部１１の底面に設けられた取手であ
る。

しかして、第２図実線で示すように、使用状態
から助手席１５を格納箱３内に格納する場合に
は、まず、背もたれ部１４を前に倒して折り畳
み、座部１１に重合する。つぎに、座部１１を枢
支ピン１２を支点として上方へ回動すると、第２
のリンク６はピン７を支点とし、第１のリンク８
はピン７を支点として時計方向に回動する。した
がつて、座部１１は第２のリンク６および第１の
リンク８とともに全体が下降しながら起立し、最
終的に２点鎖線で示すように助手席１５が格納箱
３内に垂直状態に格納される。すなわち、座部１
１の高さh₁が適正であつても格納時の回動に伴つ
てその座部１１を枢支する枢支ピン１２が下降す
るため助手席１５全体を低位置に格納でき、格納
箱３の高さh₂を低く構成できる。

また、助手席１５を使用する場合には、取手１
７に手指を掛け下方へ回動することにより、座部
１１を枢支ピン１２を支点として回動させること
ができ、座部１１を水平状態に保持することがで
きる。

さらに、座部１１を第２のリンク６および第１
のリンク８によつて支持するようにしたから、こ
れらリンク長を変えるだけで座部１１の高さ寸法
を可変することができる。

この考案は以上説明したように、格納箱内に第
１と第２のリンクからなるリンク機構を設け、両
リンクの当接によつて座部を略水平に保持したか
ら、構造が簡単であり、さらに座部を格納状態か
ら水平保持状態、水平状態から格納状態への移動
を座部を回動するだけであり操作が簡単である。
また、座部を水平状態としたときリンク機構の突
出部は座部の長面より下方に位置し、着座方向が
リンク機構で規正されることはなく、また、格納
箱内にリンク機構が納まるため外観的美観を向上
することができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の折り畳み式助手席の一部切欠し
た正面図、第２図はこの考案の一実施例を示す一
部切欠した正面図である。音 １……運転席、３……格納箱、４……開口部、
６……第２のリンク、８……第１のリンク、９…
…リンク機構、１１……座部１１。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バスの運転席の隣側に設置される折り畳み式助
   手席において、上記運転席の床面に立設されその
   運転席と反対側に開口部を有する格納箱と、一端
   が格納箱内に枢支され他端が上記座部側方に枢支
   された第１リンクと一方端が上記格納箱内に枢支
   され他方端が上記座部側方に枢支されると共に上
   記座部が上記格納箱外方に突出して略水平状態の
   とき上記第１リンクに当接して上記座部の突出端
   側が下方へ移動するのを防止する第２リンクとか
   らなるリンク機構と、このリンク機構に上下方向
   に回動自在に枢支され使用時に水平に倒伏保持さ
   れるとともに不使用時にその枢支点を下方へ移動
   させながら起立して上記開口部から格納箱に格納
   される座部とを備え、この座部が上記格納箱外方
   に突出して略水平状態のとき上記格納箱外方に突
   出する上記リンク機構の突出部は略上記座部表面
   より下方に位置するように構成されていることを
   特徴とするバスの折り畳み式助手席。