JPS63220910A - マンドレルバ−の潤滑方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はマンドレルミル圧延法による金属管製造時に使
用するマンドレルバ−の潤滑処理方法に関する。

〔従来の技術〕

マンドレルミル圧延法による継目無金属管の製造方法は
、ピアサミルで穿孔された高温の中空シェルにマンドレ
ルバ−を挿入し、孔型カリバーをもった複数の圧延機で
圧延する方法であるが、中空シェルが延伸されることに
よってシェル内表面とマンドレルバ−表面との間に相対
すべりが生じ　　　゛るため、この境界面の潤滑方法が
重要な要素となる。

一般に鋼の熱間加工のように９００℃以上にもなるよう
な高温の摩擦面には通常の油系の潤滑剤は燃焼による消
耗が著しいため適当でなく、黒鉛、二硫化Ｍｏなどの固
体潤滑剤を使用することが多い。中でも黒鉛は潤滑性が
優れていること、価格が比較的安価であることなどの点
から多く使用される。この黒鉛の摩擦面への供給方法に
ついては■重油やグリースなどに混合して供給する方法
や、■コロイド状にして水に分散させる方法、■水溶性
樹脂と混合して水に分散させて塗布後乾燥させて潤滑皮
膜を形成させる方法などがあるが、■の方法がマンドレ
ルミルのバーの潤滑には適しているので、この方法によ
る場合が多い。その組成は、黒鉛粉末が１０〜５０％、
バインダーとして水溶性の樹脂が１０〜３０％に若干の
分散剤などを水に分散させたもので必要により添加剤を
加えることもある。

このようにして潤滑皮膜を形成されたマンドレルバ−は
、ピアサミルで穿孔された９００〜１０００℃程度の中
空シェルの内部に挿入され、マンドレルミルで圧延され
た後中空シェルから抜き取られ、再び潤滑処理を施して
循環使用されるのである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記潤滑方法には次の問題点がある。す
なわち、マンドレルミル圧延時の中空シェル内面とマン
ドレルバ−表面との境界面の摩擦は非常に苛酷である上
、中空シェルの温度は通常９００〜１０００℃程度の高
温であるため、前記潤滑処理を施しても、摩擦面に焼付
を発生することがしばしばある。この焼付は、製品の品
質を損なうばかりでなく、マンドレルバ−の表面を著し
く損傷し、マンドレルバ−の寿命を著しく短くする。

この焼付の原因は、マンドレルバ−表面に形成された潤
滑皮膜のマンドレルバ−表面への密着性が不足している
ことによるものである。

すなわち、従来の潤滑皮膜は、前述のように黒鉛粉末と
樹脂系のバインダを混合して水に分散させた潤滑剤をマ
ンドレルバ−表面にスプレー塗布して急速に乾燥させ、
潤滑皮膜を形成させるのであるが、潤滑剤を急速に乾燥
させるために、水分の蒸発に伴って皮膜が海綿状の多孔
質になり、密着性が劣化する。また皮膜が多孔質化する
と、高温（９００〜１０００℃）の中空シェルにマンド
レルバ−を挿入した場合、燃焼、消耗が助長され、潤滑
性能が劣化する。

そこで本発明の主たる目的は、マンドレルバ−表面への
黒鉛系の潤滑皮膜の密着を強化し、マンドレルバ−の潤
滑性能を向上する方法を提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解消、し本発明の目的を達成するための手
段は、マンドレルミルによる金属管の熱間加工に使用す
る、マンドレルバ−の潤滑方法において、表面粗さをＲ
ｍａｘ’５〜５０μｍに調整したマンドレルバ−表面に
、黒鉛を主剤とした乾燥潤滑皮膜を形成し、該皮膜を０
．５〜５　ｋｇ　ｆ　／　＋ａ＋ｗ”の面圧で圧着する
ことを特徴とするものである。

以下本発明をさらに具体的に説明する。

本発明者らは、黒鉛系の乾燥皮膜型の潤滑皮膜の密着性
を向上させる方法を種々検討した結果、皮膜形成前のマ
ンドレルバ−表面に適切な表面粗さを与え、皮膜形成後
、その皮膜表面をローラー或はパッドなどで圧着し、皮
膜の組織を緻密にすることによって、非常に優れた耐焼
付性を有する潤滑皮膜が得られることを見い出した。

すなわち本発明の第１の要点は、乾燥皮膜をマンドレル
バ−表面に良好に付着させるために、バー表面にＲｇ＊
ａｘで５μｍ〜５０μｍの範囲の表面粗さを与えること
にある。この表面粗さの付与方法は必ずしも限定するも
のではなく、グリッドブラスト、酸洗などの公知の方法
があるが、必ずしもこれに限定されるものではない、こ
の場合、表面粗さが５μｍ以下であれば耐焼付性の向上
の効果がなく、５０μｍを超えるとまた、耐焼付性が劣
化する傾向がある。

次に、乾燥皮膜の成分については黒鉛を主剤とするもの
が良いが、必ずしもこれに限定するものではなく、乾燥
皮膜型の潤滑皮膜であれば何れも効果が認められる。ま
た、スプレー塗布の方法や乾燥方法は従来法と同様で差
支えない。

このようにして形成された乾燥皮膜は前述のように、多
孔質で軟質であるので圧縮して、皮膜の組織を緻密にす
ることが本発明の第２の要点である。

そこで、マンドレルバ−と同一の材料で作った試験片を
用いて、その表面粗さと、乾燥皮膜を生成した後の圧着
面圧との関係について、第１図に示す方法でテストした
。図中１がマンドレルバ−に相当する試験片で、この外
周面２に各種の粗さを与えた後、潤滑剤を塗布し、急速
乾燥した後、フェルトパッドで面圧を与えた。次にこの
試験片１を回転させながら、高周波コイル３で９００℃
に加熱された別の試験片４（中空シェルに相当するもの
）をＰ＝１００ｋｇｆで押圧しつつ１分間回転させて焼
付の有無を調べた。

その結果を第１表に示す。

第１表から判るように、表面粗さとしては５〜５０μｍ
でなければならない、また、皮膜を圧着する面圧が０．
５　ｋｇ　ｆ　／ｖａ”未満では耐焼付性の効果が充分
ではなく、１０ｋｇｆ／ｍ”以上でもまた耐焼付性の効
果が充分でなく、結局本発明の数値限定範囲の有効性が
裏づけられた。

なお、第１表の結果はフェルトパッドで圧着した場合で
あるが、ローラによる圧着でも同様の効果が認められる
。

〔作　用〕

本発明においては、次の利点を有する。

（１）マンドレルバ−表面に所要の粗さを付与すること
は、皮膜を圧縮して組織を緻密にする際の耐剥離性の向
上に有効である。また、潤滑皮膜の厚さを確保するのミ
も有効である。

（２）　　皮膜を所要の面圧で圧縮することにより、組
織が緻密になり密着性が向上する。

（３）　　さらに、組織が緻密になることによって、高
温での燃焼・消耗が抑制される。

〔実施例〕

次に実施例を説明する。

（実施例１） グリッドプラストで表面粗さをＲｒａａｘ、　　２５μ
ｍに調整したマンドレルバ−に、黒鉛粉末３０％、樹脂
バインダ２０％、残り水よりなる黒鉛系の潤滑剤を塗布
後、急速乾燥した潤滑皮膜を形成し、中空シェルに挿入
直前に第２図に示すようにホルダー６に保持されたフェ
ルトパッド７により、マンドレルバ−５表面の潤滑皮膜
にしごきを与えた。

その後、中空シェルに挿入し、圧延を行った。その結果
、従来法では焼付を発生する条件であるにもかかわらず
、全（焼付を発生しなかった。

（実施例２） マンドレルバ−を酸洗して表面粗さＲＩｌａｘを１０μ
ｍに調整した後、黒鉛粉末３０％、樹脂バインダ２０％
、残り水よりなる黒鉛系潤滑剤をスプレー塗布し、急速
乾燥の後、中空シェルに挿入直前に第３図に示すように
、９０°に交叉した２対のローラー８でマンドレルバ−
５上の潤滑皮膜を圧着して、熱間圧延を行った。その結
果、従来法では、焼付を発生する条件にもかかわらず全
く焼付を発生しなかった。

〔発明の効果〕

以上の通り、本発明では、マンドレルバ−への黒鉛系の
乾燥皮膜型潤滑剤の密着性が格段に向上するから、マン
ドレルバ−による熱間加工における焼付を有効に防止で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は高温でのマンドレルバ−の摩擦試験方法を説明
する図、第２図は、マンドレルバ−に形成した潤滑皮膜
の圧着法の一例を示す一部切吹き斜視図、第３図は前記
圧着法の他の例を示す斜視図である。 １・・・マンドレルバ−に相当する試験片、２・・・潤
滑皮膜、３・・・高周波加熱コイル、４・・・被加工材
相当試験片、５・・・マンドレルバー、６・・・フェル
トパッドホルダ、７・・・フェルトパッド、８・・・圧
着ローラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）金属管の熱間加工に使用するマンドレルバーの潤
   滑方法において、表面粗さをＲｍａｘ５〜５０μｍに調
   整したマンドレルバー表面に、黒鉛を主剤とした乾燥潤
   滑皮膜を形成し、該皮膜を０．５〜５ｋｇｆ／ｍｍ＾２
   の面圧で圧着することを特徴とするマンドレルバーの潤
   滑方法。