JPH05138211A - 内面酸化防止用栓体と継目無鋼管の圧延方法 - Google Patents
内面酸化防止用栓体と継目無鋼管の圧延方法Info
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- JPH05138211A JPH05138211A JP29900691A JP29900691A JPH05138211A JP H05138211 A JPH05138211 A JP H05138211A JP 29900691 A JP29900691 A JP 29900691A JP 29900691 A JP29900691 A JP 29900691A JP H05138211 A JPH05138211 A JP H05138211A
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- combustible
- rolling
- plug
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 継目無鋼管の圧延に際して、簡便な手段でも
って、管内面の酸化防止とともに潤滑作用の行うことの
できる技術を開発すること。 【構成】 被処理ホローシェルの内径と同一または若干
大径の外径を有する耐熱性多孔質栓体に可燃性潤滑剤を
単独で含浸させるか、あるいは可燃性潤滑剤または/お
よび非可燃性潤滑剤を含む可燃性物質を塗布または/お
よび含浸させ、ホローシェルの両端に嵌合装入する。
って、管内面の酸化防止とともに潤滑作用の行うことの
できる技術を開発すること。 【構成】 被処理ホローシェルの内径と同一または若干
大径の外径を有する耐熱性多孔質栓体に可燃性潤滑剤を
単独で含浸させるか、あるいは可燃性潤滑剤または/お
よび非可燃性潤滑剤を含む可燃性物質を塗布または/お
よび含浸させ、ホローシェルの両端に嵌合装入する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内面酸化防止用栓体と
継目無鋼管の圧延方法、特に継目無鋼管製造プロセスに
おいて、圧延中の鋼管の内面酸化を抑制させるとともに
内面潤滑を施すことのできる栓体およびそれを利用した
継目無鋼管の熱間圧延方法に関する。
継目無鋼管の圧延方法、特に継目無鋼管製造プロセスに
おいて、圧延中の鋼管の内面酸化を抑制させるとともに
内面潤滑を施すことのできる栓体およびそれを利用した
継目無鋼管の熱間圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無鋼管の製法の代表的なものに傾斜
圧延方式およびプレス方式があり、そのうち前者の方式
は生産能率が高く、大量生産に適するものとして最も普
及している方法である。これはマンネスマン法と呼ばれ
ているものであって、加熱炉で加熱された中実ビレット
を、いわゆるマンネスマン穿孔機でホローシェルとなし
た後、第2穿孔機( ロータリ・エロンゲータまたは単に
エロンゲータと呼ぶことがある) で拡径薄肉化圧延を行
い、次いでこのホローシェルをプラグミル、マンドレル
ミル、ピルガーミル等の圧延機で延伸圧延して小径化、
薄肉化して継目無鋼管を製造するのである。
圧延方式およびプレス方式があり、そのうち前者の方式
は生産能率が高く、大量生産に適するものとして最も普
及している方法である。これはマンネスマン法と呼ばれ
ているものであって、加熱炉で加熱された中実ビレット
を、いわゆるマンネスマン穿孔機でホローシェルとなし
た後、第2穿孔機( ロータリ・エロンゲータまたは単に
エロンゲータと呼ぶことがある) で拡径薄肉化圧延を行
い、次いでこのホローシェルをプラグミル、マンドレル
ミル、ピルガーミル等の圧延機で延伸圧延して小径化、
薄肉化して継目無鋼管を製造するのである。
【0003】以下、本明細書ではこの傾斜圧延方式によ
るマンネスマン法のうちマンネスマン・プラグミルライ
ン製管法と呼ばれているものを例にとって説明する。す
なわち、マンネスマン・プラグミルライン製管法は、約
1250℃程度に加熱した鋼片をマンネスマン穿孔機で穿孔
して中空円管であるホローシェルとなし、その後延伸
機、プラグミル、リーラ、サイザ等を経て、熱間仕上鋼
管とする圧延方法である。
るマンネスマン法のうちマンネスマン・プラグミルライ
ン製管法と呼ばれているものを例にとって説明する。す
なわち、マンネスマン・プラグミルライン製管法は、約
1250℃程度に加熱した鋼片をマンネスマン穿孔機で穿孔
して中空円管であるホローシェルとなし、その後延伸
機、プラグミル、リーラ、サイザ等を経て、熱間仕上鋼
管とする圧延方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、マンネスマン
穿孔機を出たホローシェルは非常に高温であるために炭
素鋼等など鋼種によっては内外面にかなりの酸化スケー
ルが発生する。特に内面のスケールは、その後の圧延に
より内面仕上用の工具 (プラグ) によってスケールが管
内面に押さえ込まれて、管内面肌を著しく劣化させるこ
とがある。従って、特に高温域での圧延、例えば延伸圧
延の直前では高圧水噴射等による脱スケールが行われる
のが通常である。
穿孔機を出たホローシェルは非常に高温であるために炭
素鋼等など鋼種によっては内外面にかなりの酸化スケー
ルが発生する。特に内面のスケールは、その後の圧延に
より内面仕上用の工具 (プラグ) によってスケールが管
内面に押さえ込まれて、管内面肌を著しく劣化させるこ
とがある。従って、特に高温域での圧延、例えば延伸圧
延の直前では高圧水噴射等による脱スケールが行われる
のが通常である。
【0005】ホローシェル内面のスケールは延伸機、プ
ラグミル、リーラ等内面にプラグを使用する圧延の際に
管内面に押込み疵を発生させることが多いので極力、ス
ケール生成は避けねばならない。現状の製造ラインで
は、穿孔機、延伸機、プラグミル等の各圧延機間は転送
台によって搬送されるが、ホローシェルが非常に高温で
あるためにかなりのスケール発生は免れない。また高圧
水等による脱スケール設備も使用されるが、その効果は
まだ充分でない。この問題に関しては特開平62−286610
号公報に示されるようにホローシェル内に不活性ガスを
満たしたまま搬送する方法などが提案されているが、こ
の方法ではシールのための栓の処置が厄介である。
ラグミル、リーラ等内面にプラグを使用する圧延の際に
管内面に押込み疵を発生させることが多いので極力、ス
ケール生成は避けねばならない。現状の製造ラインで
は、穿孔機、延伸機、プラグミル等の各圧延機間は転送
台によって搬送されるが、ホローシェルが非常に高温で
あるためにかなりのスケール発生は免れない。また高圧
水等による脱スケール設備も使用されるが、その効果は
まだ充分でない。この問題に関しては特開平62−286610
号公報に示されるようにホローシェル内に不活性ガスを
満たしたまま搬送する方法などが提案されているが、こ
の方法ではシールのための栓の処置が厄介である。
【0006】また、各圧延の直前には潤滑処理としてホ
ローシェルの端面から黒鉛等の潤滑剤を投入、あるいは
噴射して内面潤滑を行う方法が取られている。これら脱
スケールと潤滑方法に関しては、例えば特公平2−2940
2号公報に開示されているようにプラグミルのプラグバ
ーから高圧気体と潤滑剤を噴射する方法も提案されてい
る。かくして、本発明の目的は、継目無鋼管の圧延に際
して、簡便な手段でもって、管内面の酸化防止とともに
潤滑作用の行うことのできる技術を開発することであ
る。
ローシェルの端面から黒鉛等の潤滑剤を投入、あるいは
噴射して内面潤滑を行う方法が取られている。これら脱
スケールと潤滑方法に関しては、例えば特公平2−2940
2号公報に開示されているようにプラグミルのプラグバ
ーから高圧気体と潤滑剤を噴射する方法も提案されてい
る。かくして、本発明の目的は、継目無鋼管の圧延に際
して、簡便な手段でもって、管内面の酸化防止とともに
潤滑作用の行うことのできる技術を開発することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、各圧延機
で圧延された直後のホローシェルの両端に可燃性潤滑剤
を単独で含浸させるか、あるいは可燃性潤滑剤または/
および非可燃性潤滑剤を含む可燃性物質を塗布または/
および含浸させた栓体を挿入することによって、ホロー
シェル内面への空気の流入を遮断し、その後の圧延機ま
での搬送中の酸化を抑制するとともに、その栓体を次工
程圧延機のプラグにより前方に押し込むことによって栓
体に塗布含浸させた潤滑剤による均一潤滑処理が可能で
あることを知り、本発明を完成した。
で圧延された直後のホローシェルの両端に可燃性潤滑剤
を単独で含浸させるか、あるいは可燃性潤滑剤または/
および非可燃性潤滑剤を含む可燃性物質を塗布または/
および含浸させた栓体を挿入することによって、ホロー
シェル内面への空気の流入を遮断し、その後の圧延機ま
での搬送中の酸化を抑制するとともに、その栓体を次工
程圧延機のプラグにより前方に押し込むことによって栓
体に塗布含浸させた潤滑剤による均一潤滑処理が可能で
あることを知り、本発明を完成した。
【0008】ここに、本発明は、被処理ホローシェルの
内径と同一または若干大径の外径を有する耐熱性多孔質
円柱体に可燃性潤滑剤を単独で含浸させるか、あるいは
可燃性潤滑剤または/および非可燃性潤滑剤を含む可燃
性物質を塗布または/および含浸させた、継目無鋼管の
内面酸化防止用栓体である。
内径と同一または若干大径の外径を有する耐熱性多孔質
円柱体に可燃性潤滑剤を単独で含浸させるか、あるいは
可燃性潤滑剤または/および非可燃性潤滑剤を含む可燃
性物質を塗布または/および含浸させた、継目無鋼管の
内面酸化防止用栓体である。
【0009】また、本発明は、継目無鋼管の熱間圧延に
際して、圧延直後のホローシェルの両端内面に、上記栓
体を内嵌密接装入して、次工程まで搬送中のホローシェ
ル内面の酸化を防止するとともに、次工程の圧延におい
て芯金で一方の栓体をホローシェル内部に押し込むこと
で潤滑剤塗布を行うことを特徴とする、継目無鋼管の熱
間圧延方法である。
際して、圧延直後のホローシェルの両端内面に、上記栓
体を内嵌密接装入して、次工程まで搬送中のホローシェ
ル内面の酸化を防止するとともに、次工程の圧延におい
て芯金で一方の栓体をホローシェル内部に押し込むこと
で潤滑剤塗布を行うことを特徴とする、継目無鋼管の熱
間圧延方法である。
【0010】
【作用】次に、添付図面を参照しながら、本発明の作用
についてさらに詳述する。図1は、本発明にかかる継目
無鋼管の内面酸化防止用栓体1の構造の一例を示すもの
であり、図示例の場合、栓体1は耐熱性を有する多孔質
の円板2を積層して構成したものである。
についてさらに詳述する。図1は、本発明にかかる継目
無鋼管の内面酸化防止用栓体1の構造の一例を示すもの
であり、図示例の場合、栓体1は耐熱性を有する多孔質
の円板2を積層して構成したものである。
【0011】このように積層する円板2は耐熱性で軟質
の多孔質のものであれば特に限定するものではないが、
可燃性潤滑剤を単独で含浸させるか、あるいは可燃性潤
滑剤または/および非可燃性潤滑剤を含む可燃性物質を
塗布または/および含浸させ易くするために繊維状の薄
板、例えばセラミックウールのブランケットなどを積層
にしたものが望ましい。これらの多孔質材から成る円板
2を積層にするためには軸方向形状保持具3が用いら
れ、それを固定するためにこの軸方向形状保持具3には
フランジ4が螺合等適宜手段で固定されている。
の多孔質のものであれば特に限定するものではないが、
可燃性潤滑剤を単独で含浸させるか、あるいは可燃性潤
滑剤または/および非可燃性潤滑剤を含む可燃性物質を
塗布または/および含浸させ易くするために繊維状の薄
板、例えばセラミックウールのブランケットなどを積層
にしたものが望ましい。これらの多孔質材から成る円板
2を積層にするためには軸方向形状保持具3が用いら
れ、それを固定するためにこの軸方向形状保持具3には
フランジ4が螺合等適宜手段で固定されている。
【0012】栓体1は積層体に代えて、同一材質の一体
物でその中心に軸方向形状保持具3のみを嵌入したもの
であってもよい。この栓体1の外径の寸法は、ホローシ
ェルの内径とほゞ同一または若干大径とするがあまり精
度は必要でない。積層にする厚さは必ずしも限定しない
が、装入時の安定性から、栓体1の外径の1.5 倍位が良
好である。
物でその中心に軸方向形状保持具3のみを嵌入したもの
であってもよい。この栓体1の外径の寸法は、ホローシ
ェルの内径とほゞ同一または若干大径とするがあまり精
度は必要でない。積層にする厚さは必ずしも限定しない
が、装入時の安定性から、栓体1の外径の1.5 倍位が良
好である。
【0013】この栓体1の外周に可燃性潤滑剤を単独で
含浸させるか、あるいは可燃性潤滑剤または/および非
可燃性潤滑剤を含む可燃性物質を塗布または/および含
浸させるには、可燃性潤滑剤を栓体の外周に吹付け、あ
るいは圧入するなど、何れの方法でもよく、また重油な
どの可燃性液体物質に可燃性潤滑剤または/および非可
燃性潤滑剤を混合して、得られた混合物をスプレー塗
布、浸漬する等、何れの方法で行っても良い。
含浸させるか、あるいは可燃性潤滑剤または/および非
可燃性潤滑剤を含む可燃性物質を塗布または/および含
浸させるには、可燃性潤滑剤を栓体の外周に吹付け、あ
るいは圧入するなど、何れの方法でもよく、また重油な
どの可燃性液体物質に可燃性潤滑剤または/および非可
燃性潤滑剤を混合して、得られた混合物をスプレー塗
布、浸漬する等、何れの方法で行っても良い。
【0014】図2は継目無鋼管のホローシェル5の両端
に栓体1を装入した様子を示す略式断面図である。図2
に示すような栓体1が嵌着されることによって搬送期間
中の空気の侵入が防がれる。次工程での圧延に際しては
片端の栓体1は芯金に押されて順次管内面を滑り、外周
に塗布または/および含浸させた可燃性潤滑剤(非可燃
性潤滑剤)を管内面に均一に塗布しながら他端へ移動し
て、圧延終了時にはシェル外に排出する。管内の酸化防
止と潤滑剤塗布が併せて行われるのである。排出された
栓体1は形状変化がなく耐熱性を有する限り再び可燃性
潤滑剤(非可燃性潤滑剤)を含浸させるなどして再利用
することもできる。
に栓体1を装入した様子を示す略式断面図である。図2
に示すような栓体1が嵌着されることによって搬送期間
中の空気の侵入が防がれる。次工程での圧延に際しては
片端の栓体1は芯金に押されて順次管内面を滑り、外周
に塗布または/および含浸させた可燃性潤滑剤(非可燃
性潤滑剤)を管内面に均一に塗布しながら他端へ移動し
て、圧延終了時にはシェル外に排出する。管内の酸化防
止と潤滑剤塗布が併せて行われるのである。排出された
栓体1は形状変化がなく耐熱性を有する限り再び可燃性
潤滑剤(非可燃性潤滑剤)を含浸させるなどして再利用
することもできる。
【0015】ここに、可燃性潤滑剤としては黒鉛、二硫
化モリブデン、二硫化タングステン等並びにこれ等を混
合した物を、非可燃性潤滑剤として耐熱性を有する窒化
硼素、弗化カルシウム、滑石、マイカ等並びにこれ等を
混合した物をそれぞれ用いることができるが、潤滑性能
および経済性等の点から黒鉛を用いるのが望ましい。ま
た、可燃性物質としては重油以外に一般的な鉱油、マシ
ーン油、グリース、油脂等を用いることができる。
化モリブデン、二硫化タングステン等並びにこれ等を混
合した物を、非可燃性潤滑剤として耐熱性を有する窒化
硼素、弗化カルシウム、滑石、マイカ等並びにこれ等を
混合した物をそれぞれ用いることができるが、潤滑性能
および経済性等の点から黒鉛を用いるのが望ましい。ま
た、可燃性物質としては重油以外に一般的な鉱油、マシ
ーン油、グリース、油脂等を用いることができる。
【0016】このように、本発明の特徴の一つは、穿孔
直後のホローシェル両端の内面に可燃性潤滑剤を単独で
含浸させるか、あるいは可燃性潤滑剤または/および非
可燃性潤滑剤を含む可燃性物質を塗布または/および含
浸させた栓体を嵌入密着させて装入して、管内面への空
気中酸素の流入を防ぐことによってスケールの発生を抑
制することである。
直後のホローシェル両端の内面に可燃性潤滑剤を単独で
含浸させるか、あるいは可燃性潤滑剤または/および非
可燃性潤滑剤を含む可燃性物質を塗布または/および含
浸させた栓体を嵌入密着させて装入して、管内面への空
気中酸素の流入を防ぐことによってスケールの発生を抑
制することである。
【0017】ホローシェル内面のスケールの発生はホロ
ーシェルが高温であるため搬送中に空気がシェル内面に
流通することにより生じるものである。しかし、本発明
によれば、この流通する空気は栓体1によって遮断さ
れ、また内部に残留する空気の中の酸素分は、黒鉛等の
可燃性潤滑剤または鉱油等の可燃性物質の燃焼により除
去される。そのような作用を行なわせるためには可燃性
潤滑剤に代えて非可燃性潤滑剤を使用する場合には可燃
性物質にそれらを混合して用いるのが好ましい。公知の
如く、例えば黒鉛は酸素と共存すれば約570 ℃以上で酸
化、燃焼するので、このような高温の隙間を空気が流通
する間に空気中の酸素は一酸化炭素となり酸化性を失
う。従って、ホローシェル内面の酸化はもはや進行しな
い。
ーシェルが高温であるため搬送中に空気がシェル内面に
流通することにより生じるものである。しかし、本発明
によれば、この流通する空気は栓体1によって遮断さ
れ、また内部に残留する空気の中の酸素分は、黒鉛等の
可燃性潤滑剤または鉱油等の可燃性物質の燃焼により除
去される。そのような作用を行なわせるためには可燃性
潤滑剤に代えて非可燃性潤滑剤を使用する場合には可燃
性物質にそれらを混合して用いるのが好ましい。公知の
如く、例えば黒鉛は酸素と共存すれば約570 ℃以上で酸
化、燃焼するので、このような高温の隙間を空気が流通
する間に空気中の酸素は一酸化炭素となり酸化性を失
う。従って、ホローシェル内面の酸化はもはや進行しな
い。
【0018】さらにもう一つの特徴は、内面潤滑処理が
充分に行われることである。黒鉛等が非常に優れた潤滑
剤であることは良く知られているが、従来の技術では均
一塗布が困難であった。この点、本発明によれば、耐熱
性の栓体で黒鉛等の潤滑剤を塗りつけて行く方法なので
薄く均一に塗布できる。しかも、スケールがないために
潤滑剤が有効に働き、優れた表面を得ることができる。
さらに、実施例によって本発明の効果をさらに具体的に
説明する。
充分に行われることである。黒鉛等が非常に優れた潤滑
剤であることは良く知られているが、従来の技術では均
一塗布が困難であった。この点、本発明によれば、耐熱
性の栓体で黒鉛等の潤滑剤を塗りつけて行く方法なので
薄く均一に塗布できる。しかも、スケールがないために
潤滑剤が有効に働き、優れた表面を得ることができる。
さらに、実施例によって本発明の効果をさらに具体的に
説明する。
【0019】
【実施例】本方法により、下記条件で延伸圧延して、管
内面の円周方向の表面粗さを測定した結果を表1にまと
めて示す。
内面の円周方向の表面粗さを測定した結果を表1にまと
めて示す。
【0020】[圧延条件] 材 質 : 0.24%C、0.3 %Si、1.1 %Mn、0.1 %Cr
鋼 寸 法 : 238 φ×30t →238 φ×17t (mm) 圧延温度 : 1200℃ 延伸比 : 1.8 本方法に使用した栓体は、図1に示すように厚さ10mmの
セラミックファイバーブランケット (48% Al2O3、52%
SiO2)を、マンネスマン穿孔後のホローシェルの内径と
ほゞ同じ大きさの直径178mm の外径とした円板を20枚重
ねた。例Aにあっては、これに粒径10μm の黒鉛粉末を
スプレーで噴射塗布したものを、例Bにあっては重油中
に10wt%黒鉛粉末を混合しスプレーで噴射塗布含浸した
ものを、例Cでは非可燃性潤滑剤として粒径10μm の窒
化硼素粉末をマシン油中に10wt%混合してスプレーで噴
射含浸したものを、例Dでは非可燃性潤滑剤として粒径
10μm のマイカ粉末を通常のカップグリース中に10wt%
混合しハケ塗り塗布含浸したものをそれぞれ使用した。
鋼 寸 法 : 238 φ×30t →238 φ×17t (mm) 圧延温度 : 1200℃ 延伸比 : 1.8 本方法に使用した栓体は、図1に示すように厚さ10mmの
セラミックファイバーブランケット (48% Al2O3、52%
SiO2)を、マンネスマン穿孔後のホローシェルの内径と
ほゞ同じ大きさの直径178mm の外径とした円板を20枚重
ねた。例Aにあっては、これに粒径10μm の黒鉛粉末を
スプレーで噴射塗布したものを、例Bにあっては重油中
に10wt%黒鉛粉末を混合しスプレーで噴射塗布含浸した
ものを、例Cでは非可燃性潤滑剤として粒径10μm の窒
化硼素粉末をマシン油中に10wt%混合してスプレーで噴
射含浸したものを、例Dでは非可燃性潤滑剤として粒径
10μm のマイカ粉末を通常のカップグリース中に10wt%
混合しハケ塗り塗布含浸したものをそれぞれ使用した。
【0021】従来例では、延伸圧延直前にホローシェル
内面に対して高圧水噴射による脱スケール処理をした
後、黒鉛粉末を噴射供給して塗布する潤滑処理を行っ
た。表1に示す結果からもよく分かるように、内表面の
肌荒程度を表わす表面粗さの平均値(Rmax)は、本発明に
よれば、従来例に比し著しく向上している。このような
すぐれた効果は内面酸化の防止および均一潤滑作用の実
現の結果である。
内面に対して高圧水噴射による脱スケール処理をした
後、黒鉛粉末を噴射供給して塗布する潤滑処理を行っ
た。表1に示す結果からもよく分かるように、内表面の
肌荒程度を表わす表面粗さの平均値(Rmax)は、本発明に
よれば、従来例に比し著しく向上している。このような
すぐれた効果は内面酸化の防止および均一潤滑作用の実
現の結果である。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明の方法により、ホローシェルの内
面スケールの発生が効果的に抑制され、スケールの押し
込みによる肌荒が著しく減少し、内面品質の優れた成品
を得ることができるとともに、優れた潤滑効果により、
内面工具の損傷も抑制され寿命延長をはかることができ
る。
面スケールの発生が効果的に抑制され、スケールの押し
込みによる肌荒が著しく減少し、内面品質の優れた成品
を得ることができるとともに、優れた潤滑効果により、
内面工具の損傷も抑制され寿命延長をはかることができ
る。
【図1】本発明にかかる栓体を示すもので、図1(a) は
その平面図、図1(b) はその側面図である。
その平面図、図1(b) はその側面図である。
【図2】本発明方法による穿孔後ホローシェルに栓体を
封着したときの状態を示す略式説明図である。
封着したときの状態を示す略式説明図である。
1 : 栓体 2 : 円板 3 : 軸方向形状保持具 4 : フランジ 5 : ホローシェル
Claims (2)
- 【請求項1】 被処理ホローシェルの内径と同一または
若干大径の外径を有する耐熱性多孔質円柱体に可燃性潤
滑剤を単独で含浸させるか、あるいは可燃性潤滑剤また
は/および非可燃性潤滑剤を含む可燃性物質を塗布また
は/および含浸させた、継目無鋼管の内面酸化防止用栓
体。 - 【請求項2】 継目無鋼管の熱間圧延に際して、圧延直
後のホローシェルの両端内面に、可燃性潤滑剤を単独で
含浸させるか、あるいは可燃性潤滑剤または/および非
可燃性潤滑剤を含む可燃性物質を塗布または/および含
浸させた栓体を内嵌密接装入して、次工程まで搬送中の
ホローシェル内面の酸化を防止するとともに、次工程の
圧延において芯金で一方の栓体をホローシェル内部に押
し込むことで潤滑剤塗布を行うことを特徴とする、継目
無鋼管の熱間圧延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29900691A JPH05138211A (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | 内面酸化防止用栓体と継目無鋼管の圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29900691A JPH05138211A (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | 内面酸化防止用栓体と継目無鋼管の圧延方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05138211A true JPH05138211A (ja) | 1993-06-01 |
Family
ID=17867017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29900691A Withdrawn JPH05138211A (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | 内面酸化防止用栓体と継目無鋼管の圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05138211A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100949730B1 (ko) * | 2003-06-18 | 2010-03-25 | 주식회사 포스코 | 선재 압연롤 캘리버의 녹 생성 방지장치 |
-
1991
- 1991-11-14 JP JP29900691A patent/JPH05138211A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100949730B1 (ko) * | 2003-06-18 | 2010-03-25 | 주식회사 포스코 | 선재 압연롤 캘리버의 녹 생성 방지장치 |
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