JP3646628B2 - マンドレルミルによる圧延方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンネスマン・マンドレルミル方式による継目無鋼管の製造方法におけるマンドレルミルによる圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マンネスマン・マンドレルミル方式による継目無鋼管は、一般に下記の方法により製造される。
【0003】
先ず、素材の丸鋼片が回転炉床式加熱炉で加熱され、加熱された丸鋼片は穿孔機で穿孔されて素管となり、表面に潤滑剤が塗布されたマンドレルバーが素管に串状に挿入され、7〜9スタンドからなるマンドレルミルで所定の寸法に1パスで圧延される。圧延後、マンドレルバーが引き抜かれた管は、管端形状の悪い部分がホットソーで切断され、再加熱炉で再加熱される。再加熱された管は、外表面に生成した酸化スケールを除去するため高圧水によりデスケーリング処理を受け、次いでストレッチレデューサーにより外径圧下と若干の肉厚圧下を受け製品寸法にされる。その後、管は冷却床で冷却され、コールドソーにより所要の長さに切断されて製整ラインに送られて製品にされる。
【0004】
上記マンネスマン・マンドレルミル方式による継目無鋼管の製造時に、マンドレルバーは1000〜1200℃の素管内に挿入されるが、圧延中に焼付きが発生し易い。焼付きの発生を防止するためにマンドレルバー表面に塗布される潤滑剤はマンドレルバー自体を保護する皮膜にもなる。また、圧延後の管の形状、肉厚は、ロール回転数、ロール孔型と共に、マンドレルバーと材料との摩擦等により影響を受ける。摩擦係数の小さい潤滑剤を使用すると、円周及び長手方向に均一な変形がなされ、安定した管形状および肉厚分布が得られる。さらに、マンドレルバーは、圧延後バーストリッパーにより管から引き抜かれるが、潤滑性が悪い場合、引き抜き時に管の内面とマンドレルバー表面とが焼付き、バーが引き抜けない状態となる。
したがって、マンドレルバー表面に塗布する潤滑剤は、熱間での潤滑性能に優れた潤滑剤を使用する必要がある。このような潤滑剤としては、特公昭59−37317号公報に示されているような安価で非常に優れた潤滑性能を有する黒鉛を主成分とした水溶性潤滑剤が最もよく使用されている。
【0005】
しかしながら、黒鉛系潤滑剤を塗布したマンドレルバーを使用してマンドレルミル圧延をおこなうと、圧延時に管の内表面に浸炭層が生じ、管の内面表層は部分的に炭素濃度が高くなる。この高炭素域はその後の再加熱、仕上げ圧延、さらに圧延後の固溶化熱処理によって炭素が拡散し、炭素濃度が低くなると共に拡散するものの、依然として炭素濃度が高い部分が残存する。
【0006】
この浸炭層は、圧延後の管内表面に局部的な異常硬化部を発生させ、切削性を低下させると共に、粒界腐食の原因となり製品の耐食性が低下する。したがって、耐粒界腐食性能を確保するためには、圧延された製品の内表面の浸炭部を研磨等により除去する工程が必要となる。このため、著しく製造コストが上昇し、生産性が低下する等の問題が発生していた。さらに、小径サイズの製品では、内径が小さいために研磨用の砥石を管内に挿入することが不可能な場合があり、製造不可となることもある。
このような問題点を解決するために、特開昭64−16894号公報に開示されているような非黒鉛系潤滑剤が開発されている。しかし、このような非黒鉛系潤滑剤は浸炭層の発生が問題となる代表的な鋼種であるステンレス鋼の圧延用潤滑剤としては適用可能ではあるが、炭素鋼の圧延用潤滑剤としては製造コストアップ要因となるため、炭素鋼の製管においては実用化には至っていない。しかも、炭素鋼の圧延に黒鉛系潤滑剤を使用すると、同じ製造ラインでステンレス鋼の圧延に非黒鉛系潤滑剤を使用しても、ステンレス鋼の製品内表面に浸炭層が生じるといった問題があり、製造コストが嵩むのみで非黒鉛系潤滑剤を適用するメリットがなかった。
【0007】
本発明者らは、浸炭層の発生を防止するため、非黒鉛系潤滑剤中にチタン、マグネシウム等の各酸化物を含有する高温加工用潤滑剤を開発した(特開平10−121088号公報)。しかし、本潤滑剤はチタン、マグネシウム等の各酸化物の潤滑性があまりよくないこと、また浸炭抑制能が十分でなく実用的でない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、潤滑剤として黒鉛系潤滑剤を使用してマンドレルミルによる圧延をおこなった後、引き続き同じ製造ラインで非黒鉛系潤滑剤を用いて圧延した場合に管内面に浸炭層が発生しない圧延方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、マンドレルバーに非黒鉛系潤滑剤を塗布して圧延した場合でも浸炭を発生させる浸炭源を明らかにすると共に、同じ製造ラインで黒鉛系潤滑剤と非黒鉛系潤滑剤を併用しても浸炭を防止することのできる圧延方法を開発するため、種々の実験と検討をおこなった結果、下記の知見を得るに至った。
【0010】
a)非黒鉛系潤滑剤を使用して圧延した場合に発生する浸炭層の浸炭源は、黒鉛系潤滑剤を使用して圧延した際にマンドレルバー搬送ラインや循環使用されるマンドレルバー表面に固着している黒鉛系潤滑剤である。
【0011】
b)潤滑剤として従来から使用されている黒鉛系潤滑剤は、ロール冷却用等の冷却水等により洗い流されないように耐水性を備えているため、これを水洗や薬品により除去することは非常に困難である。
【0012】
c)そこで、圧延後の浸炭が問題とならない素管は、非耐水性の安価な黒鉛系潤滑剤を用いて圧延をおこない、次いで浸炭が問題となる素管を圧延する場合には、圧延前にマンドレルバー搬送ラインとマンドレルバーを水洗して、それらに付着している黒鉛を除去し、かつ非黒鉛系潤滑剤を用いて圧延すれば浸炭を防止することができる。
【0013】
d)マンドレルバーに塗布した非耐水性の黒鉛系潤滑剤が冷却水により除去されるのを防止するには、素管に挿入したマンドレルバーを圧延機に挿入する直前に、それまで放水していたロールの冷却水を止め、圧延が開始されたロールには冷却水を流し始め、素管から突き出しているマンドレルバーに圧延開始前に冷却水がかからないようにしさえすれば耐水性のない潤滑剤を使用しても良好な潤滑特性が得られる。
【0014】
本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
【0015】
(1)素管をマンドレルミルにより圧延する方法であって、圧延後の管内面に浸炭層が発生しても許容できる素管を圧延する場合は、マンドレルバー表面に非耐水性の黒鉛系潤滑剤を塗布してマンドレルバーを素管内に挿入し、マンドレルバーを圧延機に挿入する直前に、それまで放水していたロールの冷却水を止め、圧延が開始されたロールから順次ロールに冷却水を流して圧延し、この圧延後に同じ圧延設備により、圧延後の管内面に浸炭層を発生させたくない素管を圧延する場合には、潤滑塗布装置とマンドレルバーインサータ間のマンドレルバー搬送ラインおよびマンドレルバーを水洗してそれらに付着している黒鉛系潤滑剤を除去し、マンドレルバー表面に非黒鉛系潤滑剤を塗布して圧延することを特徴とするマンドレルミルによる圧延方法。
【0017】
なお、水洗とは常温水による水洗以外に温水および蒸気での洗浄を含むものとする。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の方法を実施するためのマンドレルミル圧延設備の1例を示す概念図である。主な装置は、素管を圧延するためのマンドレルミル2、圧延後に管からマンドレルバーを引き抜くためのバーストリッパー3、引き抜いたマンドレルバーを冷却するためのマンドレルバー冷却床4、冷却したマンドレルバーの表面に潤滑剤を塗布するための複数の潤滑剤塗布装置5a、潤滑剤が塗布されたマンドレルバーを素管内に挿入するためのバーインサータ1および潤滑剤塗布装置5aとバーインサータ1間のマンドレルバー搬送ライン6を水洗するための水洗装置7およびロール冷却水の放水・止水制御装置13とを備えている。
【0019】
この設備例では、潤滑剤塗布装置が2つ設けられており、図1に示すように潤滑タンク8a、8bとリング状のノズル9a、9bと潤滑タンク内の潤滑剤をノズルに供給するための配管10と図示しないポンプとを備えている。本発明の設備は、潤滑剤塗布装置を複数設けることを特徴の1つとしており、少なくとも黒鉛系潤滑剤と非黒鉛系潤滑剤の2種類の潤滑剤を使い分けるため、各潤滑剤専用の潤滑塗布装置5a、5aを少なくとも2つ設ける必要がある。通常2つの装置でよいが、使用する潤滑剤に応じて増やせばよい。
【0020】
潤滑剤噴射ノズルは通常使用されているリング状のノズルでよく、リングの中央をマンドレルバーを通過させながら、リングに取り付けられたノズルから潤滑剤を噴射して塗布する。
【0021】
従来の装置のように潤滑剤塗布装置が1基であれば、潤滑剤の入れ替えに時間ロスが生じるだけでなく、少量ではあるが入れ替え前の潤滑剤と混合されるため、潤滑剤の性能が十分に発揮されないことがある。特に、非黒鉛系潤滑剤に黒鉛系潤滑剤を混合してしまうと、その少量の黒鉛系潤滑剤が浸炭源となるため、それぞれの専用の塗布ラインは必須となる。したがって、マンドレルバーの潤滑剤塗布装置は複数とした。
【0022】
潤滑剤塗布装置5aとバーインサータ1間のマンドレルバー搬送ライン6を水洗するための水洗装置7は、マンドレルバー搬送ラインの搬送ローラーやキャタピラに固着した黒鉛系潤滑剤を除去するための装置である。潤滑剤が塗布されたマンドレルバーがローラーやキャタピラに直接接触するので、それらに潤滑剤が固着する。この水洗装置は、図1に示すようにポンプ11と、そのポンプにより送給された高圧水を噴射するためのノズル12を備えていればよい。
【0023】
また、マンドレルバーに付着した黒鉛系潤滑剤を除去するための水洗装置はオフラインに設けてもよく、マンドレルバー冷却床4と潤滑剤塗布装置5a間に設けてもよい。この水洗装置は、高圧水を噴射することのできるリング状のノズルを備えている装置が好適である。また、蒸気を噴射して洗浄することもできる。
【0024】
次に、上記の設備を用いて圧延する方法について以下に説明する。
【0025】
圧延後の管内面に発生する浸炭層が問題とならない炭素鋼管のような素管を圧延する場合は、マンドレルバーに塗布する潤滑剤として非耐水性の黒鉛系潤滑剤を用いて圧延する。この場合の潤滑剤を非耐水性とするのは、耐水性の黒鉛系潤滑剤を用いると、マンドレルバーや搬送ラインに付着した黒鉛系潤滑剤を水洗により除去することができないからであり、非耐水性とすることにより水洗による除去が可能となるからである。
マンドレルバーに塗布した非耐水性の黒鉛系潤滑剤がロール冷却水により除去されるのを防止するには、素管に挿入したマンドレルバーを圧延機に挿入する直前に冷却水を止め、圧延が開始されたロールには冷却水を流し始め、素管から突き出しているマンドレルバーに圧延開始前に冷却水がかからないようにする。そのようにすれば、耐水性のない潤滑剤を使用しても良好な潤滑特性が得られる。
【0026】
なお、非耐水性潤滑剤とは、水洗により容易に除去できる潤滑剤である。具体的には、約100μmの潤滑被膜を約2kg/cm2の流水にさらした場合に、5分間以内に洗い流される程度の洗浄性を有していれば、実用上問題ない。
【0027】
黒鉛系潤滑剤を使用するのは、安価で黒鉛による潤滑作用が優れているからであり、黒鉛系潤滑剤は通常使用されているものでよく、代表的な組成は、黒鉛:約30%、分散剤:約2%、有機バインダー:約25%、残部:水である。
【0028】
非耐水性の黒鉛系潤滑剤は、上記耐水性の黒鉛系潤滑剤の有機バインダー量を6〜1%程度にすることにより得られる。
【0029】
浸炭層が問題とならない素管の圧延を終了し、引き続き浸炭層が問題となる素管を圧延する場合には、マンドレルバー搬送ラインおよびマンドレルバーを水洗してそれらに付着している黒鉛系潤滑剤を除去する。
【0030】
水洗は、マンドレルバー表面には黒鉛の残存量が10g/m2 以下、マンドレルバー搬送ライン上には黒鉛の残存量が20g/m2 以下にそれぞれなるように洗浄しておけば、残留した黒鉛によって発生する浸炭層は、圧延後の冷却中および熱処理中に脱炭するため製品の切削性や耐食性を劣化させることはない。
【0031】
水洗した後は、マンドレルバーに塗布する潤滑剤として非黒鉛系潤滑剤を用いるのは、当然のことながら圧延時に管内表面に浸炭層ができるのを防止するためである。非黒鉛系潤滑剤とは、浸炭層の炭素源となる黒鉛を含有していない潤滑剤であり、潤滑性能に優れていればよく組成は特に限定するものではなく、耐水性であっても非耐水性であってもよい。
【0032】
非黒鉛系潤滑剤は、例えば特開昭64−16894号公報に開示されている、カリウム四珪素マイカ、ナトリウム四珪素マイカ、天然金マイカ、ベントナイトおよびバーミキュライトのうちから選んだ1種以上の粒子状の酸化物系層状物質と、酸化硼素、硼酸およびアルカリ金属硫酸塩のうちから選んだ1種以上と、結合剤とからなる潤滑剤でよい。
【0033】
【実施例】
表1に示す3種類の潤滑剤を用意し、材質が、SKD61で、外径が140.5mm、有効部長さが18mのマンドレルバーを用いて下記の方法により圧延を実施した。
【0034】
【表1】
Figure 0003646628
本発明例として、表2に示す試験No.1の圧延を、また比較例として表2に示す試験No.2〜4の圧延をおこなった。
【0035】
【表2】
Figure 0003646628
本発明例では、表1の潤滑剤記号L1の黒鉛系で非耐水性の潤滑剤を用いて長さ7000mmの炭素鋼の素管を1000本圧延した後、マンドレルバーおよびその搬送ラインを水洗して付着した黒鉛を洗い落とした。次いで、水洗したマンドレルバーの表面に、表1に示す潤滑剤記号L3の非耐水性の非黒鉛系潤滑剤をスプレー塗布し乾燥固化させ、マンドレルバー表面に膜厚100μmのほぼ均一な潤滑被膜を形成させた。なお、潤滑剤の耐水性の有無については、下記の方法で確認した。
【0036】
すなわち、ステンレス鋼板に潤滑剤をスプレー塗布し乾燥固化させ、板表面に膜厚100μmの潤滑皮膜を形成させた後、約2kg/cm2の水道水にさらし、潤滑剤がなくなる時間を測定した。その結果、潤滑剤記号L1およびL3は、2〜3分で流れて除去されたのに対し、潤滑剤記号L2は5分間流水にさらしても、ほとんどの潤滑剤が流れなかった。
【0037】
潤滑剤を塗布したマンドレルバーを、傾斜ロール穿孔圧延機で穿孔圧延して得られた、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS 304L)の外径181.0mm、肉厚16.0mm、長さ7000mmの素管内に挿入し、7スタンドからなるマンドレルミルを用いて外径151.0mm、肉厚5.0mm、長さ25300mmの仕上げ圧延用素管に延伸圧延した。
【0038】
比較例として、本発明例と同じように炭素鋼の素管を圧延した後、オーステナイト系ステンレス鋼の素管を圧延した。
【0039】
潤滑剤は、炭素鋼の素管の圧延には表2に示すように潤滑剤記号L1とL2の潤滑剤を用い、またステンレス鋼の素管には潤滑剤記号L2とL3の潤滑剤を用いた。それらの組み合わせは、表2の試験 No.2〜4に示す通りとした。
【0040】
試験 No.2〜4とも、炭素鋼の圧延では本発明例の場合と同じ条件とした。また、オーステナイト系ステンレス鋼の素管の圧延は、素管寸法、圧延仕上げ寸法は本発明例と同じとした。オーステナイト系ステンレス鋼の素管の圧延時に用いたマンドレルバーの表面には、潤滑剤記号L2およびL3の潤滑剤を本発明例 と同じようにスプレー塗布し乾燥固化させ、マンドレルバー表面に膜厚100μmのほぼ均一な潤滑被膜を形成させた。また、比較例では、ロール冷却水のON/OFF制御をすることなく圧延をおこなった。
【0041】
マンドレルミルにより圧延した後、引き続いて26スタンドからなるストレッチレデューサーで仕上げ圧延し、全て外径63.5mm、肉厚7.0mm、長さ40000mmの鋼管に仕上げた。この鋼管から肉厚5mm、幅25mm、長さ50mmの円弧状の試験片を採取し、JIS G 0575に規定された硫酸−硫酸銅腐食試験をおこない、内表面に発生した粒界腐食割れ状態を観察した。また、試料の断面を研磨してエッチングした後、顕微鏡(倍率500倍)で内表面面からの浸炭深さの測定をおこなった.
また、一方の管端に照明灯を配置して他方管端から管内面を目視する観察を両管端についておこない、焼付き疵の有無を調べた。
【0042】
以上の結果を表2に合わせて示す。同表から明らかなように、本発明例では、焼付き疵も浸炭層の発生もなかった。これに対し、比較例 No.2では、SUS304L鋼の製管に対してまで黒鉛系潤滑剤を使用しているため浸炭層が発生していた。比較例 No.3では、SUS304L鋼素管の圧延に非黒鉛系の潤滑剤を用いているが、炭素鋼素管の圧延時に耐水性の黒鉛系潤滑剤を用いているため、焼き付き疵の発生はないものの浸炭層が発生し、粒界腐食割れが発生した。また、比較例No.4では、炭素鋼素管の圧延で、非耐水性の黒鉛系潤滑剤を用い、SUS304L鋼素管の圧延の際、非黒鉛液潤滑剤を使用しているにもかかわらず、ロール冷却水のON/OFF制御をおこなわなかったため、焼付き疵が発生していた。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、黒鉛系の潤滑剤を用いて圧延した後の圧延において、浸炭層を発生させることなくマンドレルミルによる圧延が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を実施するための圧延設備の1例を示す概念図である。

Claims (1)

  1. 素管をマンドレルミルにより圧延する方法であって、圧延後の管内面に浸炭層が発生しても許容できる素管を圧延する場合は、マンドレルバー表面に非耐水性の黒鉛系潤滑剤を塗布してマンドレルバーを素管内に挿入し、マンドレルバーを圧延機に挿入する直前に、それまで放水していたロールの冷却水を止め、圧延が開始されたロールから順次ロールに冷却水を流して圧延し、この圧延後に同じ圧延設備により、圧延後の管内面に浸炭層を発生させたくない素管を圧延する場合には、潤滑塗布装置とマンドレルバーインサータ間のマンドレルバー搬送ラインおよびマンドレルバーを水洗してそれらに付着している黒鉛系潤滑剤を除去し、マンドレルバー表面に非黒鉛系潤滑剤を塗布して圧延することを特徴とするマンドレルミルによる圧延方法。
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