JP3067649B2 - 高合金継目無鋼管の管圧延方法 - Google Patents
高合金継目無鋼管の管圧延方法Info
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Description
食環境や高温環境で優れた耐食性を示し、油井管やボイ
ラーチューブとして使用される高合金継目無鋼管の管圧
延方法おいて、内面疵の発生を抑制する技術に関するも
のである。
いては、第1穿孔機で穿孔した後の中空素管(以下、穿
孔材という)の内面にスケールが存在したままでは、こ
のスケールが、第2穿孔機、プラグミル、リーラーなど
の工程でプラグにより穿孔材の内面に押し込まれ、穿孔
材の内面にあばた疵やピット疵を発生させる。これらの
疵が発生すると、疵を除去するための工程を余分に経る
必要が生じ、コスト高となる。そこで、従来から、第1
穿孔機で穿孔した後にデスケーリングを行うことで、ス
ケールを除去し、あばた疵やピット疵の発生を抑制する
ようにしている。
に開示されたものによれば、穿孔材の少なくとも後端部
に高圧の冷却液を噴射することにより該後端部のデスケ
ーリングを行うと同時に後端部を浸炭の生じない温度に
まで冷却し、その後黒鉛系潤滑剤を穿孔材に投入して第
2穿孔機による圧延時に穿孔材の内面潤滑を実施するよ
うにしている。
場合は管端の形状が悪いので、管端切れ端が発生し易
く、また、スケールが緻密になっている。従って、特開
昭58−168404号公報に記載された方法で望まし
いとされている時間だけデスケーリングを行ったとして
も、スケールを除去しきれないといった問題がある。す
なわち、特開昭58−168404号公報に記載された
方法では、デスケーリング時に高圧で噴射される冷却水
の噴射方向と潤滑剤の噴射方向が同じであるから、デス
ケーリングの際に後端側から管内面に侵入した管端切れ
端やデスケール不足で残ったスケールが除去されずに残
ってしまう。この除去しきれなかった管端切れ端やスケ
ールは、続いて行われる高合金の継目無鋼管の製造工程
で管内面に押し込まれ、穿孔材にあばた疵やピット疵を
発生させる原因となる。このように、従来のデスケーリ
ングでは、穿孔材の内面に管端切れ端やスケールがどう
しても残ってしまうので、あばた疵やピット疵を抑制す
ることができなかった。
のであり、簡単な方法によりスケールや管端切れ端など
をほぼ完全に除去し、あばた疵やピット疵の発生を大幅
に抑制することができる高合金継目無鋼管の管圧延方法
を提供することを目的とする。
めに、本発明に係る高合金継目無鋼管の管圧延方法は、
第1穿孔機と第2穿孔機の間で、デスケーリングを穿孔
材の一端側より該穿孔材を1回転以上回転させながら行
った後、他端側より潤滑剤を噴射するようにした。
目無鋼管の管圧延方法は、第1穿孔機と第2穿孔機の間
で、穿孔材の一端側より高圧水を噴射して行う内部のデ
スケーリングを、該穿孔材を1回転以上回転させながら
行った後、該穿孔材の他端側より潤滑剤を内部に噴射す
るものである。
を1回転以上回転させることで、穿孔材の内面全周を均
一にデスケーリングでき、穿孔材の内部にスケールや管
端切れ端などが滞留するのを著しく減少させることがで
きる。また、穿孔材の一端側から噴射される高圧水は他
端側から排出されるので、他端側に向かうほど水量が多
くなり、他端側ほどスケールや管端切れ端の除去が良好
に行える。反対に、穿孔材の一端側は上記したのと反対
の理由によって、管端切れ端やスケールが残り易くなる
が、前記デスケーリングによって管端切れ端やスケール
は除去され易い状態になっているので、これらの管端切
れ端やスケールは穿孔材の他端側より噴射される潤滑剤
によって容易に除去される。このように、本発明の方法
においては、高圧水が均一に噴射され、かつ穿孔材の管
端部においては、内部に存在するスケールや管端切れ端
などがほぼ完全に除去できるので、この後に続いて行わ
れる工程において、あばた疵やピット疵の発生を大幅に
抑制することができる。
無鋼管の管圧延方法は、請求項1の方法において、潤滑
剤の噴射圧力を、デスケーリング時に噴射する高圧水の
圧力より低くしたものである。
ケーリング後、仮に穿孔材の一端側に管端切れ端やスケ
ールが残ったとしても、除去され易い状態になってい
る。従って、潤滑剤の噴射圧力をデスケーリング時の高
圧水よりも低くしても、容易に除去できる。
法についての実施例を図1〜図3を参照して説明する。
図1は、本発明の高合金継目無鋼管の管圧延方法(以
下、管圧延方法と略す)を適用した高合金継目無鋼管の
製造ラインにおける第1及び第2穿孔機周辺の概念図で
ある。図2は、デスケール時に穿孔材を回転させる装置
を示す図である。図3は、デスケール時及び潤滑剤の噴
射時におけるそれぞれの管端部の状態を示す図である。
本発明の高合金継目無鋼管の管圧延方法は、マンネスマ
ン・プラグミル方式の製造ラインにおいて、加熱炉で加
熱された丸鋼片を第1及び第2の穿孔機(ピアサー)で
もって中空厚肉の素管に穿孔する(これを穿孔材とい
う)工程中にその特徴を有する。
孔機2との間には、テーブル3が配されている。穿孔材
Mは、第1穿孔機1、テーブル3、第2穿孔機2の順に
矢印に示されるように搬送される。そしてテーブル3上
を移動する間に、第1穿孔機1での穿孔により管内部に
発生したスケールや管端の形状が良好でないために発生
した管端切れ端をデスケール装置4により除去し、第2
穿孔機2でのプラグと穿孔材Mの内面との摩擦を少なく
し焼付を防止するために潤滑剤噴射装置5でもって潤滑
剤を穿孔材Mの内部に噴射する。
孔材Mの後端側Aから内部に噴射して、スケールや管端
切れ端を除去する。一方、潤滑剤噴射装置5は、デスケ
ール装置4の下流にて穿孔材Mの前端側Bから潤滑剤を
噴射する。また、テーブル3上において、デスケール装
置4が作動する位置には、穿孔材Mをその場回転させる
穿孔材回転装置6を配している。なお、図2(a)は、
図1のデスケール装置4の位置に穿孔材Mがあるとき
に、デスケール装置4の噴射方向からの穿孔材M及び穿
孔材回転装置6を示し、同図(b)は、テーブル3の下
方からの穿孔材M及び穿孔材回転装置6を示す。
の搬送面から突出して穿孔材Mの進行を一旦停止させ、
その位置で穿孔材Mを回転させるもので、不図示の回転
駆動手段によりローラ6aが所定時間だけ回転して穿孔
材Mを回転させている。この穿孔材Mの回転中にデスケ
ール装置4が動作し、この動作が終了するとローラ6a
は搬送面より下降し、穿孔剤Mを再び搬送の流れに乗せ
る。そして、穿孔材Mは、デスケール装置4、潤滑剤噴
射装置5の工程を経て第2穿孔機2へと搬送される。
明する。第1穿孔機1による工程を経た穿孔材Mの内面
にはスケールが発生している。また、管端は、その形状
が悪く切れ端が発生し易い状態となっている。これらス
ケールや管端切れ端をデスケール装置4で除去するが、
このデスケール装置4での高圧水噴射の際、穿孔材回転
装置6により穿孔材Mを1回転以上回転させることで、
穿孔材Mの内周面に高圧水が均一に作用し、穿孔材Mの
内部にスケールや管端の切れ端などが残ることを可及的
に防止する。
5による潤滑剤噴射時において、前端側Bはもちろん後
端側Aもデスケール装置4による高圧水噴射によりスケ
ールや管端切れ端などがほとんど除去されると共に残っ
たスケールや管端切れ端も除去し易くなっているので、
前端側Bからの潤滑剤の噴射によって管端切れ端やスケ
ールが後端側Aより排出され、穿孔材Mの内部に管端切
れ端やスケールが溜まる可能性は極めて低い。
剤の噴射圧力を、デスケール装置4による液体の噴射圧
力に比べ低くしても、前端側Bにスケールや管端切れ端
が止まることはほとんどない。なお、潤滑剤の噴射時に
デスケール時と同様に穿孔材Mを回転させることも可能
である。
機1と第2穿孔機2の間でスケールや管端切れ端をほぼ
完全に除去できるので、続いて行われる製造ラインにお
いて、第2穿孔機2、プラグミル、リーラーなどのプラ
グによって穿孔材Mの内面にあばた疵やピット疵が発生
することを抑ることができ、従って、これらの疵を除去
するための工程を省くことができ、低コスト化が図れる
と共に作業効率の向上を図ることができる。
及び請求項2による方法によって、外径184mm、長
さ3130mmの下記表1に示す化学組成の丸鋼片か
ら、外径188mm、肉厚25.0mm、長さ6.5m
の高合金継目無鋼管を製造した際のあばた疵及びピット
疵の発生率を測定した。その結果を以下の表2に示す。
なお、この製造時でのデスケーリング条件は、水圧17
0kg/cm2 、水量毎分426リットル、デスケール
時間4.0秒とした。潤滑剤は、成分は黒鉛90%、そ
の他10%のものを80g用いた。
られたあばた疵及びピット疵の発生率の数値は、他の測
定条件に比べて著しく低い数値を示しており、本発明の
高合金継目無鋼管の管圧延方法により、スケールや管端
切れ端を効率よく除去でき、あばた疵及びピット疵の発
生を抑制するのに非常に有効であることが判る。
方法は、種々の変形が可能であり、例えば、デスケール
装置4は穿孔材Mの前端側Bに配置し高圧の液体を前端
側Bから噴射し、潤滑剤噴射装置5は後端側Aに配置し
潤滑剤を後端側Aから噴射するようにしてもよく、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲内において、その他の装置設
定や条件の変更を加えたとしても、上記実施例と同等の
作用、効果を得ることができる。
無鋼管の管圧延方法によれば、第1穿孔機と第2穿孔機
の間で、穿孔材の一端側より高圧液を噴射して行う内部
のデスケーリングを、該穿孔材を1回転以上回転させな
がら行うので、高圧液は穿孔材の内部に均一に噴射さ
れ、この高圧液の噴射により穿孔材の内部に存在するス
ケールや管端切れ端などのほとんどを除去することがで
きる。また、穿孔材の他端側より潤滑剤を内部に噴射す
るようにしたので、デスケーリング時に高圧液が噴射さ
れる一端側から吸い込まれて管端切れ端などが管内面に
残った場合でも、他端側からの潤滑剤の噴射により容易
に除去することができる。従って、穿孔材の内部に存在
するスケールや管端切れ端はほぼ完全に除去することが
でき、従来の問題点である、穿孔材の内部に残ったスケ
ールや管端切れ端が第2穿孔機などのプラグにより該穿
孔材の内面に押し込まれて生じるあばた疵やピット疵の
発生を大幅に抑制することができる。
グ時に噴射する液体の圧力より低くすれば、高圧に対処
して設けられる安全設備を緩和できる。
される製造ラインの一部を示す概念ブロック図である。
される製造ラインの穿孔材回転装置を示し、(a)はデ
スケール装置の噴射方向からの図、(b)はテーブルの
下方からの図である。
作用状態を示し、(a)はデスケール装置の作動時の状
態、(b)は潤滑剤噴射装置の作動時の状態をそれぞれ
示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 高合金継目無鋼管の管圧延方法におい
て、第1穿孔機と第2穿孔機の間で、穿孔材の一端側よ
り高圧液を噴射して行う内部のデスケーリングを、該穿
孔材を1回転以上回転させながら行った後、該穿孔材の
他端側より潤滑剤を内部に噴射することを特徴とする高
合金継目無鋼管の管圧延方法。 - 【請求項2】 前記潤滑剤の噴射圧力を、デスケーリン
グ時に噴射する液体の圧力より低くしたことを特徴とす
る請求項1に記載の高合金継目無鋼管の管圧延方法。
Priority Applications (1)
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JP8174603A JP3067649B2 (ja) | 1996-07-04 | 1996-07-04 | 高合金継目無鋼管の管圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8174603A JP3067649B2 (ja) | 1996-07-04 | 1996-07-04 | 高合金継目無鋼管の管圧延方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1015604A JPH1015604A (ja) | 1998-01-20 |
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Family
ID=15981471
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP8174603A Expired - Fee Related JP3067649B2 (ja) | 1996-07-04 | 1996-07-04 | 高合金継目無鋼管の管圧延方法 |
Country Status (1)
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CN103331325A (zh) * | 2013-06-18 | 2013-10-02 | 中兴能源装备股份有限公司 | 一种超大口径管道的制造方法 |
JP2016182622A (ja) * | 2015-03-26 | 2016-10-20 | Jfeスチール株式会社 | 継目無鋼管素材穿孔用プラグの余剰スケール除去方法及び装置並びに前記プラグの使用方法 |
-
1996
- 1996-07-04 JP JP8174603A patent/JP3067649B2/ja not_active Expired - Fee Related
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