JPS6321945Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、プレス機等の機体部に配設される
基準金の上面にワークを位置決めしてセツトする
装置に関するものである。

従来、車両用ブレーキドラム等のワークを基準
金の上面にセツトする場合、通常、作業者の手作
業によつて行われるため、ワークの重量が重いと
きには、作業者の腰などをいためる問題が生じ
る。

この考案の目的は、上記の理由に鑑み、基準金
の上面にワークを位置決めしてセツトすることが
できかつ構造が簡単で製作費が安価な位置決め装
置を提供することである。

この考案の特徴とするところは、昇降シリンダ
によつて昇降されるガイドプレートに、ワークを
基準金の直上まで移動案内するガイド孔を形成
し、さらに、ガイドプレートの所定位置にワーク
を正規の向きに位置決めする位置決めプレートを
揺動可能に枢着し、さらに、ガイドプレートが昇
降するときには、位置決めプレートが基準金に当
たることがないように該位置決めプレートをその
枢着点を中心として揺動させるカム機構を、機体
部と位置決めプレートとの間に配設するところに
ある。

以下、この考案の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

プレス機の機体部１に配設される基準金２の上
面にワーク（車両用ブレーキドラム）Ｗを位置決
めしてセツトする装置において、基準金２の上方
には昇降シリンダ３によつて昇降されかつガイド
ブツシユ４とガイドピン５とによつて案内される
ガイドプレート６が水平状に配設されている。こ
のガイドプレート６の板面にはワーク挿入口を一
端側に有して平面形状でＵ字状をなしかつワーク
Ｗを基準金２の直上まで移動案内するガイド孔６
ａが形成されている。なお、ガイド孔６ａの側壁
面はワークＷの形状に対応して段差断面に形成さ
れている。

ガイドプレート６の一側（第１図において右
側）下面には支持部材７が固着されており、この
支持部材７にはワークＷを基準金２の直上におい
て正規の向きに位置決めする縦断面でＬ字状の位
置決めプレート９が、その上端部においてピン８
を中心として揺動可能に枢着されている。位置決
めプレート９の先端部にはワークＷの下面に突設
された複数本のボルトＢ〜Ｂのうち、隣接する２
本のボルトＢ，Ｂが嵌挿される位置決め溝９ａ，
９ａが形成されている。

ガイドプレート６の昇降によつて位置決めプレ
ート９が基準金２に当たることがないように、該
位置決めプレート９をピン８を中心として揺動さ
せるカム機構１０において、機体部１の一側には
カムプレート１１が鉛直状に固定される一方、位
置決めプレート９の背面側に突設されたアーム１
３にはカムプレート１１のカム溝１２に沿つて摺
動するカムローラ１５を先端部に有するローラピ
ン１４が固定されている。すなわち、カムプレー
ト１１に形成されるカム溝１２は、位置決めプレ
ート９を水平状に昇降させる鉛直状の第１直線溝
部１２ａと、該溝部１２ａの下端に連続しかつ位
置決めプレート９が基準金２に当たることがない
ように該プレート９をピン８を中心として所定量
だけ揺動させる傾斜状の揺動溝部１２ｂと、該溝
部１２ｂの下端に連続しかつ位置決めプレート９
を所定量だけ揺動した状態で昇降させる鉛直状の
第２直線溝部１２ｃとを有する。

上記の構成において、ガイドプレート６のガイ
ド孔６ａのワーク挿入口までシート（図示しな
い）によつてワークＷが搬送された後、ガイドプ
レート６のガイド孔６ａに沿つて前記ワークＷを
スライド移動（このワークＷの移動は作業者によ
つて行われる）させる。そして、ワークＷの下端
面に突設された隣接する２本のボルトＢ，Ｂを、
位置決めプレート９の位置決め溝９ａ，９ａに嵌
合させることで、第２図に示すように、ワークＷ
は基準金２の直上において正規の向きに位置決め
される。

このとき、ガイドプレート６のガイド孔６ａ末
端部に配設の確認スイツチ（近接スイツチ、リミ
ツトスイツチ等）ＳがワークＷによつてオンさ
れ、確認ランプ（図示しない）が点燈する。確認
ランの点燈を確めた上で、昇降シリンダ用起動ス
イツチをオンすると、昇降シリンダ３によつてガ
イドプレート６が下降する。ガイドプレート６の
下降にともない、まず、カムローラ１４とカム溝
１２の第１直線溝部１２ａとの案内によつて位置
決めプレート９が水平状に下降し、次に、カムロ
ーラ１４と揺動溝部１２ｂとの案内によつて位置
決めプレート９が基準金２に当たることがないよ
うにピン８を中心として所定量だけ揺動し、その
後、カムローラ１４と第２直線溝部１２ｃとの案
内によつて位置決めプレート９が、所定量だけ揺
動した状態に保持されて下降する。そして、第３
図に示すように、ガイドプレート６及び位置決め
プレート９が所定位置まで下降すると、ワークＷ
は、そのボルトＢ〜Ｂが基準金２のボルト挿通孔
に嵌挿された状態で基準金２の上面にセツトされ
る。その後、プレス機のプレス圧がワークＷを介
してガイドプレート６に作用することがない位置
までガイドプレート６が下降すると、プレス機の
かしめポンチ（図示しない）がボルトＢ上端に向
けて下降してボルトＢの上端部がかしめられ、ボ
ルトＢの上端部に螺合されるナツトＮが上記かし
めによつて固着される。すると、昇降シリンダ３
によつてワークＷ及びガイドプレート６が元の位
置まで上昇し、これにともなつて、位置決めプレ
ート９がカムローラ１５とカム溝１２との案内に
よつて元の位置まで上昇復帰する。そして、上記
ワークＷは、払い出し装置（図示しない）によつ
てガイドプレート６のガイド溝６ａに沿つて払い
出された後、シートによつて搬出される。

すなわち、この考案は、昇降シリンダによつて
昇降されるガイドプレートのガイド孔に沿つてワ
ークを基準金の直上までスライド移動させ、該ワ
ークを位置決めプレートによつて正規の向きに位
置決めした状態で、前記ガイドプレートを下降さ
せることで基準金の上面にワークをセツトする位
置決め装置であつて、特に、ガイドプレートの昇
降運動を利用して位置決めプレートをカム機構に
よつて連動させることで、位置決めプレート専用
の動力装置が不用となる。したがつて、構造が簡
単となり、かつ、位置決め、装置の小型化を図る
ことができるとともに、安価に提供することがで
きてプレス設備の自動化においてきわめて有効で
ある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は位置決め装置を一部破断して示す斜視図、第
２図はワークを位置決めした状態を示す側断面
図、第３図は基準金の上面にワークをセツトした
状態を示す側断面図である。 １……機体部、２……基準金、３……昇降シリ
ンダ、６……ガイドプレート、６ａ……ガイド
孔、９……位置決めプレート、９ａ……位置決め
溝、１０……カム機構、１１……カムプレート、
１２……カム溝、１４……カムローラ、Ｗ……ワ
ーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス機等の機体部に配設される基準金の上面
   にワークを位置決めしてセツトする装置であつ
   て、前記基準金の上方には昇降シリンダによつて
   昇降されるガイドプレートが配設され、このガイ
   ドプレートの板面にはワーク挿入口を一端開口部
   に有して平面形状でＵ字状をなしかつワークを基
   準金の直上まで移動案内するガイド孔が形成さ
   れ、さらに前記ガイドプレートの所定位置には前
   記基準金の直上においてワークを正規の向きに位
   置決めする位置決めプレートが揺動可能に枢着さ
   れ、さらに、前記ガイドプレートが昇降するとき
   には前記位置決めプレートが基準金に当たること
   がないように、該位置決めプレートをその枢着部
   を中心として揺動させるカム機構が前記機体部と
   位置決めプレートとの間に配設されたことを特徴
   とする位置決め装置。