JPS6321770B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は複合鉄筋コンクリート構造建物の施工
法に関するものである。

（従来の技術） 一般に、PC造、SRC造建物の施工法として、
現場打ち工法やPC工法などが知られている。

（発明が解決しようとする問題点） 現場打ち工法で、建物をRC造にした場合には
SRC造に比較して多くの経済上の利点を期待で
きるが、特に高層建物では柱、梁の断面が大きく
なる問題がある。このため高強度の鉄筋、コンク
リートを使用すれば断面増加は押えられるが、経
済上の利点は減じ、コンクリートの調合など品質
管理を十分に行わねばならない。またPC工法で
は、PC柱やPC梁は量産効率の点から一定の断面
に統一する必要があり、現場において建物の必要
とする断面に適宜応じて種類を増すことは困難で
あり、PC柱およびPC梁は重量が重いので、鉄骨
建方と比較して建方の能率が悪い。さらにPC工
法においては、打継ぎ部分および接合部分の連続
性に難点がある。

本発明の目的は、現場打ちコンクリートとPC
部材とを併用することにより、経済上の利点を保
有すると共に鉄骨建方と同様の建方ができ、さら
に打継ぎ部分および接合部分の連続性を確保で
き、施工性を向上させることができる複合鉄筋コ
ンクリート構造建物の施工法を提供することにあ
る。

（問題点を解決するための手段） 本発明の特徴は、柱芯材用PC部材を順次立設
してから、このPC部材に梁芯材用PC部材を建込
み、そしてこの梁芯材用PC部材の両端を上記柱
芯材用PC部材にジヨイント部材を用いて連結し、
その後柱及び梁芯材用PC部材に配筋した主筋の
外側に型枠を組み立て型枠工事を終了した後に、
型枠内にコンクリートを打設することにある。

（作用） 施工過程において、柱芯材用PC部材と梁芯材
用PC部材とが鉄骨と同様な機能をし、ジヨイン
ト部材が両PC部材を連結することによつて、鉄
骨建方と同様に建方が可能となる。

（実施例） 以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

まず、複合鉄筋コンクリート構造建物を説明す
る。

第１，２図において、柱１の軸芯部には柱芯材
用PC部材２を配設してある。このPC部材は高強
度のコンクリートで形成し、その断面を標準化し
て断面面積の異なるいかなる柱にも適合可能とし
てある。PC部材２内には軸方向に複数本（図面
では４本）の高強度の鉄筋３…を配筋し、この鉄
筋には所定間隔を置いて補強筋４…を掛回してあ
る。鉄筋３…の両端は上下に位置する柱の芯材用
PC部材と適宜のジヨイント方法により連結可能
である。またPC部材２の外方には柱主筋５…配
筋してあり、この柱主筋にはフープ６…を巻回し
てある。そしてPC部材２および柱主筋５…、フ
ープ６…は現場打ちコンクリートにより覆つて、
複合柱１を形成している。

PC部材の断面形状は第２図示の例に限定され
ず、例えば第３図に示すようにＴ字状のPC部材
２ａとして、各端部を梁に対して対向させる。
PC部材２ａ内に鉄筋３ａ…および補強筋４ａ，
４ｂを配筋してある。PC部材の他の断面形状と
しては十字状であつてもよい。

また第１，４図において梁７は上記柱１の構成
と実質的に同一であつて、梁芯材用PC部材８の
内部には複数本（図面では２本）の鉄筋９…を配
筋してあり、この両鉄筋間に補強筋１０…の両端
を掛止めてある。鉄筋９の両端は適宜のジヨイン
ト方法で柱１の芯材用PC部材２と結合可能であ
る。そしてPC部材８およびその外方に配筋して
ある梁主筋１１、スターラツプ１２は現場打ちコ
ンクリートで覆つて、複合梁７を形成している。

そこで、上記複合鉄筋コンクリート構造建物の
施工法について説明する。

まず一層分又は二，三層分の柱の芯材用PC部
材２を立設し、ついでこのPC部材の外側に柱主
筋５…およびフープ６…を配筋する。そして梁の
芯材用PC部材８を吊り上げて、柱の芯材用PC部
材２，２間に建込み、PC部材８の両端をジヨイ
ント部材を用いてPC部材２，２に支持して、建
方を終了する。

なお、PC部材８の梁主筋１１およびスターラ
ツプ１２は、予め工場又は現場にて先組してお
く。勿論、PC部材８を架設した後に鉄筋１１，
１２を配筋してもよい。

建方終了後、型枠工事を行つて、現場打ちコン
クリートを打設して、柱１および梁７の一体化を
図り、同時にスラブコンクリートの打設も行う。

柱および梁の芯材用PC部材に高強度の鉄筋、
コンクリートを用いれば、通常のRC造に比して
強度を高めることができ、この種の鉄筋、コンク
リートの使用量を減少させることができ、PC部
材なので品質管理が容易となる。

さらに、設計条件により品質管理が十分なら
ば、この逆の構成すなわちPC部材を普通コンク
リート、現場打ちを高強度コンクリートとするこ
ともでき、同様に高級材料の使用量を低減でき
る。またPC部材の鉄筋、コンクリートおよび芯
材用PC部材を覆うコンクリートのいずれも、必
ずしも高強度のものを用いなくてもよい。

また柱又は梁の芯材用PC部材とこれを覆う現
場打ちコンクリートとの拘束性を高め、PC部材
の軽量化を図るために、第５図に示すように例え
ば梁のPC部材８ａの側面および上下端面に凹部
１５，１６を設けてもよい。同様の目的で第６図
示のPC部材８ｂの外面にも凹部１５，１６を設
けてある。

（発明の効果） 以上説明したように本発明によれば、RC造の
経済上の利点を保有でき、また芯材となるPC部
材を標準化することによりPC部材の軽量化がで
きて従来の鉄骨建方と同様の建方ができ、しかも
主筋の位置を変えることにより柱や梁の断面を建
物の必要とする断面に適宜現場にて対応できる。
さらにPC工法で問題となる打継ぎ部分および接
合部分を現場打ちコンクリートで覆つて連続性を
確保できる。また芯材用PC部材に梁主筋などの
鉄筋を先組することができ、施工の作業性が向上
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は複合鉄筋コンクリート構造建物の斜視
図、第２図は第１図―線拡大断面図、第３図
は第２図に示す柱芯材用PC部材の他の実施例の
拡大断面図、第４図は第１図―線拡大断面
図、第５図および第６図は梁芯材用PC部材の他
の実施例をそれぞれ示す要部の斜視図である。 １…柱、２，２ａ…柱芯材用PC部材、５…柱
主筋、６…フープ、７…梁、８，８ａ，８ｂ…梁
芯材用PC部材、１１…梁主筋、１２…スターラ
ツプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 柱芯材用PC部材を立設し、立設後このPC部
   材間に梁芯材用PC部材を建込み、このPC部材の
   両端をジヨイント部材を用いて上記柱芯材用PC
   部材に支持し、柱及び梁芯材用PC部材に配筋し
   た主筋の外側に型枠をセツトし、型枠工事終了
   後、型枠内に現場打ちコンクリートを打設するこ
   とを特徴とする複合鉄筋コンクリート構造建物の
   施工法。