JPS6321313B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、活物質ペーストの充填性並に生産性
等の改善されたプレス打抜式鉛蓄電池等の電池極
板用打抜き格子基板に関する。 出願人は先に、鋳造基板に代り、活物質を厚く
充填するに適するよう格子面域の外周の格子枠を
屈曲により窓枠に形成した鉛蓄電池用等の電池に
適したプレス打抜式格子基板を提案した。（実用
新案登録第1276247号 実公昭53―30979号）。 上記公報には、３つの異なる断面形状の外周突
枠をもつ此種打抜格子基板の具体例が示されてい
るが、いづれもその外周突枠の形態に次の欠点を
もつことが、判明した。即ち、これら格子基板
は、茲に添付した図面の第１図乃至第３図に示す
ような外周突枠の断面形状をもつ。即ち、第１図
示の格子基板の外周突枠Ａは、格子面域Ｂ面の１
側に突出する断面円弧状の屈曲部ａを屈曲形成す
ると共にその外周縁ｂを突枠Ａの内周基縁６を越
えて格子面域Ｂ面の他側に延長突出せしめたもの
で、かくして、該屈曲部ａの頂面とその外周縁ｂ
の端面ｄとの間で格子面域Ｂ内に外周枠の高さ即
ち厚さＴを生成せしめ、その厚さに応じた厚さの
活物質充填用空間部を形成せしめたものである。
第２図示の格子基板の外周突枠Ａはその内周基縁
６の１側と他側に夫々突出する２つの断面円弧状
の屈曲部ａ，ａから成り、且つその外周縁ｂの端
面ｄを上方に向けたもので、かくして、上下の両
屈曲部ａ，ａの頂面との間で、外周枠の高さＴを
生成せしめ、該格子面域Ｂ内にこれに応じた厚さ
の活物質充填用空間部ｆを形成せしめたものであ
る。従てこれら格子基板は、第１図示のものは、
該屈曲部ａか外周縁端面ｄかのいづれかによる１
点支持のものとなり、第２図示のものは、そのい
づれか一方の屈曲部ａによる１点支持のものとな
るため、活物質ペースト自動充填機によりこれら
格子基板に活物質を充填する際に加わる圧力に対
し、該外周突枠Ａは比較的弱く、歪、変形、破損
等を受け易く、活物質充填基板製造にロスを生
じ、又その所定の高さＴに変動を生じて、活物質
充填量にばらつきを生ずる等の不都合をもたら
す。これは一般に格子基板は、厚さが極めて肉薄
であるので、更には特に鉛又は鉛合金の如き軟質
金属を材料としている場合は著しい。又第２図示
のものでは、更に、Ｓ字状に屈曲する突枠Ａの外
周縁ｂは上向きに屈曲しているため、その内側に
形成された断面Ｕ字状の凹溝ｅ内に活物質充填時
に、活物質が充填される傾向があり、無駄を生ず
る。 第３図示の格子基板の外周突枠Ａは、断面半円
形状の屈曲部ａとし且つその外周縁ｂの下向きの
端面ｄはその内周縁基部ｃと同一水平面に存する
ものであり、従つて該内周縁基部ｃと該端面ｄの
２点支持により活物質の充填が行なわれて、充填
時の加圧よる突枠の変形等が防止されることが推
測されるが、実際問題として、打抜き基板よりそ
の水平外周枠（鎖線示）より、プレス機で図示の
如く断面半円形の突枠Ａに屈曲形成することが困
難であり、一般に第４図示の如く、その外周縁ｂ
の端面ｄは内周基縁ｃより上位に、即ち浮き上が
つた状態に形成されるのが通常である。従て、実
際第４図示の格子基板となり、ペースト充填機に
よる充填時の加圧によりその浮き上つた屈曲部ａ
の変形、高さの移動等が生ずるのが実際である。 更に、第３図示の突枠形状をもつ基板は、外周
縁ｂの端面ｄは垂直方向に向いているため、これ
をペースト自動充填機に、織布等の搬送ベルト上
に載せて順次移行せしめる際、これにひつかゝ
り、移行が円滑に行かない場合があり、又、側面
からの衝撃で変形し易く、更には極板群の組立
時、セパレーターと重合するとき、その端面ｄが
対向衝突してセパレーターを損償せしめ易い等の
欠点がある。 本発明はかゝる従来の格子基板の欠点を除去
し、特にその活物質の充填量のばらつきを著しく
減少せしめられ且つ外周突枠の変形損傷を殆んど
なくし適正な活物質充填極板の生産性を向上した
鉛蓄電池等の電池極板用打抜き格子基板を提供す
るもので、多数の透窓２ａを有する格子面域２と
該格子面域２を囲繞した外周突枠３とから成り、
該外周突枠３の高さによりその内域の格子面域２
に、該外周突枠３による厚さの活物質の充填空間
２ｃを形成された電池極板用打抜き格子基板に於
て、該外周突枠３を、その幅方向の中央部を上向
きに屈曲突出する断面山形の屈曲枠部３ａに形成
し且つ、その外周縁を端面３ｃを外方真横に向け
た水平外周縁３ｂに形成すると共にその水平外周
縁３ｂの水平下面３ｄを該外周突縁３の内周基縁
３ｅの下面３ｆと同一水平面上に存せしめるよう
にして成る。 更に、本発明は、従来の広幅の帯状金属素材シ
ートより格子基板形状に打抜いた後その１枚毎に
外枠の屈曲プレス加工を施す製造法の他に、帯状
金属素材シートのまゝこれに屈曲プレス加工を行
なつた後基板形状の打抜き工程を行ない高能率に
製造され生産性を向上せしめた上記格子基板の製
造法を提供したもので、帯状の肉薄金属素材シー
ト１７を１方へ間歇的に移行せしめ、その移送途
上に於て、先づ該シート１７に上向きに屈曲突出
する断面山形の外周突枠３の１部を構成する屈曲
枠部３ａを形成し、次で該屈曲枠部３ａで囲繞さ
れた内域部に、多数の透窓２ａと格子桟２ｂとか
ら成る格子面域２を打抜き形成し、次で、該屈曲
枠部３ａの外周のシートの平坦面で打抜き、該屈
曲枠部３ａの外周に水平外周縁３ｂをもつ打抜き
格子基板をシート１７から分離することを特徴と
する。 次に本発明実施の１例の鉛蓄電池極板用基板を
添付図面につき説明する。 第５図乃至第７図に於て、１は肉薄の金属板、
厚さ0.3mm〜２mm、通常0.5mm〜1.5mmの範囲の鉛又
は鉛合金製の帯状金属素板シートから打抜いて得
た本発明の鉛蓄電池用極板打抜き格子基板を示
し、該格子基板１は多数の透窓２ａを打抜き形成
された縦横の多数の透窓２ａを打抜き形成された
縦横の多数の格子桟２ｂから成る格子面域２とそ
の外周を囲繞する上向にエンボス加工又は曲げ加
工等のプレス加工により屈曲形成された外周突枠
３とから成り、その外周突枠３の一隅に打抜きに
より形成された外側に水平に突出する耳４を有す
る。かくして、該屈曲の外周突枠３により所定の
基板外周枠の高さＴを得られ、この内部に、即
ち、格子面域２内に所定の厚さに充填されるペー
スト状活物質の充填用空間２ｃを生成せしめる。
以上の構成は、上記従来の格子基板と異なる所は
ないが、本発明によれば、該外周突枠３の断面形
状を次のように構成する。即ち、第６図、特に第
７図に明示のように、該外周突枠３を、その幅方
向の中央部を上向きに屈曲突出する断面円弧状山
形の屈曲突枠３ａに形成し且つその外周縁を端面
３ｃを外方真横に向けた水平外周縁３ｂに形成す
ると共にその水平外周縁３ｂの水平下面３ｄを該
外周突縁３の内周基縁３ｃの下面３ｆと同一水平
面上に存せしめるように構成して成るものであ
る。かくして、本発明基板の外周突枠３は、その
水平外周縁３ｂの水平下面３ｄと内側の内周基縁
３ｅの水平下面３ｆとによる２点支持の活物質ペ
ースト充填時の加圧に充分耐え高さの変動や、歪
形、損傷なく又充填機の通過を円滑にし、活物質
を所定量適正に充填された良好な活物質充填基板
が得られる。 本発明の格子基板は、第８図示の如き一般的な
活物質ペースト自動充填機を使用し、ペースト充
填される。図面で、５はペースト充填用ホツパ
ー、６はその内部に備えた１対の充填用ローラ
ー、７は撹拌機、８は調節可能スキージー、９は
充填用ホツパー５下面を走る格子基板１の搬送用
織布製無端ベルト、１０はその上部ベルトを下面
から支持する支持板、１１は供給側の１対の格子
基板供給用ガイドロール、１２はペースト充填基
板の排出側搬送ガイドロール群を示す。 本発明の格子基板の場合、その突枠３形状のた
め、かゝるペースト充填機によるペースト充填過
程に於て、搬送ベルト９やスキージー８等にひつ
かゝり、移行を阻止され或は外周突枠３が衝突し
変形、損傷を与えられないが、上記の従来形式の
基板は、１点支持の突枠のため、加圧変形その他
上記の不都合がしばしば生ずる。 次にかゝるペースト充填機により、本発明の格
子基板と従来の１点支持の格子基板とを充填し、
活物質充填量のばらつきと変形発生率を対比試験
した結果を、下表１に示す。試料基板としては、
板厚0.8mm、外周突枠厚さ1.2mm、突枠の幅3.5mmの
ものを多数使用した。

【表】 又本発明の格子基板の屈曲外縁３ｂは上方に彎
曲してないのでその上面に活物質が付着し無駄に
消費されることがない。 尚、本発明の格子基板は、第６図示のように、
その縦方向の格子桟２ｂ，２ｂ…を活物質充填用
空間２ｃ内に於て千鳥状に即ちじぐざぐ状に偏位
配設して充填活物質の保持性能を向上するように
した。 本発明の格子基板は、上記のような外周突枠形
状としたので、従来のように広幅の金属素板から
所定の大きさの基板形状に打抜いた後その１枚毎
をプレス加工機により製造することが出来ること
は勿論であるが、次のように帯状金属素材シート
から連続製造することを可能にする。即ち、その
連続製造法は例えば第９図示の如き、プログレツ
シブ加工機１３により行なう。該装置１３は対向
する上部の長手の可動台１３ａと下部の長手の固
定台から成り、上台１３ａを下台１３ｂに対し接
離自在に配設し、その上下台１３ａ，１３ｂに
は、一端より順次、上下各一対の突枠成型用プレ
ス金型１４ａ，１４ｂと、透窓打抜加工用金型１
５ａ，１５ｂと、格子基板形状に外周を打ち抜く
打抜き用金型１６ａ，１６ｂとを夫々対向して設
け、帯状金属素材シート１７をかゝる上下台１３
ａ，１３ｂ間に該下台１３ｂ上を間歇的に矢示方
向に移行せしめ、その停止毎に土台１３ａを下動
して下台１３ｂに対し閉じるようにし、順次第１
０図示の如く、該シート１７面に先づプレス成形
用金型１４ａ，１４ｂにより外周突枠３用の屈曲
枠部３ａを形成するプレス加工を行ない次で打抜
金型１５ａ，１５ｂにより該屈曲枠部３内に多数
の透窓２ａを打ち抜くことによる格子面域２の打
抜成形を行ない、次で基板打抜用金型１６ａ，１
６ｂによりその該屈曲枠部３ａの外周に水平外周
縁３ｂを形成するべく且つ同時にその一隅に耳４
が一体に突出形成されるように、屈曲枠部３ａの
外周を打抜き、帯状素材シート１７より所定の基
板を分離することを次々連続的に行ない多数の本
発明格子基板製品を能率的に正確に得られる。
尚、図示の製造法では、第１０図示から明らかな
ように、シート１７から同時に２枚づつの格子基
板１，１が得られるように、その幅方向に１対づ
つのプレス金型、打抜金型を配設し（図示しな
い）、これにより、シート１７面に先づ１対の該
プレス金型により少許の間隔１８を存し、１対の
屈曲枠部３ａをプレス成形し、次で１対の該打抜
金型により該２つの屈曲枠部３ａ，３ａ内に夫々
の打抜を行なつて格子面域２を形成すると同時に
２枚づつの格子基板１，１が得られるように、そ
の幅方向に１対づつのプレス金型、打抜金型を配
設し（図示しない）、これによりシート１７面に
先づ１対の該プレス金型により少許の間隔１８を
存し、１対の屈曲枠部３ａをプレス成形し、次で
１対の該打抜金型により該２つの屈曲枠部３ａ，
３ａ内に夫々の打抜を行なつて格子面域２を形成
すると同時に該間隔１８内に左右に共通の足部１
９，１９を打抜形成されるように所定間隔に孔２
０を穿設するようにし、次の全周打抜金型により
その２枚の成形基板の外周形状に沿つて図示の如
くシート１７から打抜き、図示しないが、次の切
断機により、その１対の打抜基板１，１の共通の
足１９，１９部をその真中で切断し、夫々に左右
一対の足１９，１９をもつた本発明格子基板とす
ることが作業能率上極めて有利である。図面で２
０は、帯状シート１７の両側縁に沿い所定間隔に
穿設したピン孔を示し、移行する帯状シート１７
の停止時これら各ピン孔２０に上台１３ａの両側
縁に各該ピン孔２０に対応して配設した各固定用
ピン２１を密嵌挿入して、これにより加工時、帯
状シート１７が所定位置に固定されてこれに正確
なプレス加工及び打抜き加工が行なわれるように
した。２２は下台１３ｂに設けた該固定ピン２１
の先端が密に挿入されるピン孔を示す。 尚、プレス加工用金型１４ａ，１４ｂの夫々を
第１０図示の如くその各山型の両側面を直線面と
するときは、脱型が良好に行なわれる。 格子基板の外周突枠３をその幅方向の中央部に
断面山形の屈曲枠部３ａを形成し且つ該屈曲枠部
３ａの外周縁を端面３ｃを外方真横に向けた水平
外周縁３ｂに形成すると共にその水平外周縁３ｂ
の水平下面３ｄを該外周突縁３の内周基縁３ｃの
下面３ｆと同一水平面上に存せしめるようにした
ので、２点支持の安定した寸法精度の向上した基
板が得られ、又活物質の充填時の圧力による突枠
高さの変動、変形、活物質充填量のばらつき等を
従来のものに比し著しく減少せしめられ、活物質
充填基板の製造ロスを減少し得られ、又帯状金属
素材シートから連続的に生産することが可能とな
り生産性の高い格子基板が得られ、特に基板厚さ
の小さい生産量の多い自動車用船蓄電池の格子基
板に適用しその電池性能、生産性コスト上の効果
が大である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は従来の格子基板の断面図、
第５図は本発明実施の１例の格子基板の正面図、
第６図は第５図の―線截断面図、第７図はそ
の一部の拡大断面図、第８図は活物質ペースト自
動充填機の截断側面図、第９図は本発明格子基板
の製造装置の１例の側面線図、第１０図は第９図
の―線に沿つて見た製造工程を示す平面図、
第１１図は本発明格子基板の変形例の一部の断面
図を示す。 １…格子基板、２…格子面域、２ａ…透窓、２
ｂ…格子桟、２ｃ…活物質充填突間、３…外周突
枠、３ａ…断面山形屈曲枠部、３ｂ…水平外周
縁、３ｃ…外周縁端面、３ｄ…屈曲外周縁の水平
下面、３ｅ…内周基縁、３ｆ…内周基縁水平下
面、１４ａ，１４ｂ…プレス成型用金型、１５
ａ，１５ｂ…格子打抜用金型、１６ａ，１６ｂ…
基板打抜用金型。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多数の透窓２ａを有する格子面域２と該格子
   面域２を囲繞した外周突枠３とから成り、該外周
   突枠３の高さによりその内域の格子面域２に、該
   外周突枠３による厚さの活物質の充填空間２ｃを
   形成された電池極板用打抜き格子基板に於て、該
   外周突枠３を、その幅方向の中央部を上向きに屈
   曲突出する断面山形の屈曲枠部３ａに形成し且
   つ、その外周縁を端面３ｃを外方真横に向けた水
   平外周縁３ｂに形成すると共にその水平外周縁３
   ｂの水平下面３ｄを該外周突縁３の内周基縁３ｅ
   の下面３ｆと同一水平面上に存せしめるようにし
   て成る電池極板用打抜き格子基板。 ２ 帯状の肉薄金属素材シート１７を１方へ間歇
   的に移行せしめ、その移送途上に於て、先づ該シ
   ート１７に上向きに屈曲突出する断面山形の外周
   突枠３の１部を構成する屈曲枠部３ａを形成し、
   次で該屈曲枠部３ａで囲繞された内域部に、多数
   の透窓２ａと格子桟２ｂとから成る格子面域２を
   打抜き形成し、次で、該屈曲枠部３ａの外周のシ
   ートの平坦面で打抜き、該屈曲枠部３ａの外周に
   水平外周縁３ｂをもつ打抜き格子基板をシート１
   ７から分離することを特徴とする電池極板用打抜
   き格子基板の製造法。