JPS6320818Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンデンスタンク付のラジエ−タを有
する水冷式内燃機関の冷却水装置に関するもので
ある。

一般に水冷式内燃機関において、冷却水のパー
マネントシールを目的としてコンデンスタンクが
用いられているが、このコンデンスタンク容量が
小さすぎると、そのタンク内の水量が機関運転中
に蒸発して、その途中において補水する必要がで
てくるため、その補水作業をなくすためには比較
的大きなコンデンスタンクが不可欠となる。

そこで、このようなコンデンスタンクの配置位
置の改善をはかるため、ラジエータまたはコンデ
ンサーのサブタンクを防塵通気板と水管との中間
に配置させると共に、冷却フアンによる冷却風に
露出された内燃機関の冷却水サブタンクに関する
実公昭45−32168号の考案がなされているが、こ
の場合、サブタンクをラジエータまたはコンデン
サーの前面に配置しているため、冷却風流れが阻
害されるという欠点がある。

また、内燃機関の液冷却に当り、同一冷却器を
もつてコンデンサータイプとしても、またラジエ
ータタイプとしても兼用できるようにした内燃機
関の兼用冷却器に関する実公昭46−20110号の考
案においては、コンデンスタンクをラジエータ形
冷却器の側方に配置したものであり、機関の長さ
方向の寸法が大きくなり、機関のコンパクト化が
はかれないという欠点がある。

更に、小型内燃機関の冷却装置として、サブタ
ンクを併用するコンデンサー式冷却装置の改良に
関する実公昭47−1452号の考案においても、その
サブタンクをコンデンサ式冷却装置の側方に設け
ているので機関のコンパクト化がはかれない。

そこで、本考案はラジエータのコンデンスタン
クを、その内燃機関の補機類との配置の上で生ず
る余剰空間に収納することにより、その機関のコ
ンパクト化をはかることを目的としたものであ
る。

即ち、本考案の冷却装置は、シリンダ外周に設
けられたフアンケースに内蔵されたフアンを有す
る水冷式内燃機関において、該フアンの上部に設
けられたラジエータケース内に、ラジエータを配
設すると共に、該ラジエータケースとシリンダヘ
ツドとの間の空間に、ラジエータのコンデンスタ
ンクを配設することにより構成される。

以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明
するが、第１図は本実施例における水冷式内燃機
関の側断面図、第２図は第１図の要部断面の平面
図である。

まず、この水冷式内燃機関は１気筒のシリンダ
１内を摺動するピストン２が上下に往復動するよ
うになつており、ピストン２はコネクチングロツ
ド３によりクランク軸４と連結されている。

このクランク軸４はシリンダブロツク５に軸受
６を介して支持されており、クランク軸４の軸端
にはフライホイールフアン７が空冷用のフアン兼
用として固設され、更にこのフライホイールフア
ン７はシリンダ１外周を覆うように設けられたフ
アンケース８に内蔵されている。

次に、上記フライホイールフアン７の上部に、
フアンケース８に連続したラジエータケース９が
設けられており、このラジエータケース９内にラ
ジエータ１０がクランク軸４と直角方向に配設さ
れており、フライホイールフアン７によりフアン
ケース８内に導入された矢印Ａで示す空気は、シ
リンダ１の外周を冷却すると共に、ラジエータケ
ース９内に入り、ラジエータ１０を空冷するよう
になつている。

また、シリンダ１の上部には、冷却水が導入さ
れる水衣室１１が設けられ、この水衣室１１に導
入された冷却水は、その上部のシリンダヘツド１
２の水衣室１３内に導入されるが、このシリンダ
ヘツド１２には第１図に示すごとく吸気弁１４及
び排気弁１５がクランク軸４の軸心と同方向に配
列されているので、それらの吸気ポート１６及び
排気ポート１７もクランク軸４の軸心とほぼ同じ
方向に開口している。

また、本実施例では、第２図に示すごとく、ラ
ジエータ１０からみた右側に、上記吸気ポート１
６に吸気管１８を介して連通するエアクリーナ２
４を配設すると共に、排気ポート１６に排気管１
９を介して連通する排気消音器２０を配設してお
り、また左側には燃料タンク２１を配設すること
により、この水冷式内燃機関の外形を左右ほぼ対
称に、かつコンパクトに形成している。

そこで、本考案では、ラジエータ１０の上部タ
ンク１０Ａと連絡ホース２２で連通されたコンデ
ンスタンク２３を上記ラジエータケース９とシリ
ンダヘツド１２との間の空間で、吸気管１８と反
対側、即ち、燃料タンク２１側の空間に配設して
いる。

即ち、上記の構成からなる水冷式内燃機関に、
吸気管１８、エアクリーナ２４、燃料タンク２１
及び排気管１９等の補機類をコンパクトに配設し
た場合に、やむを得ず生じた上記の空間に、本考
案における冷却水装置のコンデンスタンク２３を
収納しているのが本考案の特徴である。

従つて、本考案の冷却水装置をコンデンスタン
ク付のラジエータを有する水冷式内燃機関に適用
すれば、その機関全体がコンパクトに形成するこ
とができる。

また、コンデンスタンクを外部からの衝突など
から防ぐこともできると共に、機関の外観が良好
になるという利点もある。

なお、本考案はコンデンスタンク付のラジエー
タを有する水冷式内燃機関に対して有効に適用す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における水冷式内燃
機関の側断面図、第２図は第１図の要部断面の平
面図である。 １……シリンダ、４……クランク軸、７……フ
ライホイールフアン、８……フアンケース、９…
…ラジエータケース、１０……ラジエータ、１２
……シリンダヘツド、２３……コンデンスタン
ク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ外周に設けられたフアンケースに内蔵
   されたフアンを有する水冷式内燃機関において、
   該フアンの上部に設けられたラジエータケース内
   に、ラジエータを配置すると共に、該ラジエータ
   ケースとシリンダヘツドとの間の空間に、ラジエ
   ータのコンデンスタンクを配設したことを特徴と
   する水冷式内燃機関の冷却水装置。