JPS6320602B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はアルミニウム等の延性の大なる金属材
を主体としてステンレス鋼等の異種金属材を圧延
圧接したような長尺金属型材の製造方法に関する
ものである。

一般に、長尺の異種金属複合型材を製造する方
法としては、押出法が用いられているが、その方
法は、大型の設備を必要として複雑であり、設備
費が大きい。

そこで、設備費が小さくて済むロール圧延圧接
法により長尺製造することが考えられる。

その場合ロール機は、対設するロールの一方を
溝付ロールとして該ロールの溝部分に異種金属材
を導入しつつ圧延することにより、所定の圧延圧
接を行うことができる。

しかして溝付ロールに導入された金属材をロー
ル圧延した後、当該溝付ロールの溝部より剥離さ
せつつ引き取る場合、金属材と溝付ロールの溝部
との間で相当に高い摩擦力が働いて当該金属材の
取り出しがスムーズにいかない傾向がある。

そこで、金属材を溝付ロールの溝部からの剥離
を容易にする剥離工具からなる剥ぎ取り治具を当
該溝付ロールに付設することが行われている。

しかし、かかる剥ぎ取り治具を用いると、剥ぎ
取り治具と金属材との接触面が激しく擦れあつて
圧延後に取り出される被圧延型材に外傷を負わ
せ、製品価値を著しく低下させる問題があつた。

本発明の目的は、前記した問題点を解消し、剥
ぎ取り治具を使用してもそれによつて外傷を受け
ずに金属型材を連続的に効率よく製造することが
できる、新規なこの種金属型材の製造方法を提供
することにある。

すなわち、本発明の製造方法は、剥ぎ取り治具
を付設してある溝付ロールとこれに導入され圧延
される金属材との間にダミーテープを介在導入し
て、圧延を行い、溝付ロールの溝部から被圧延金
属材を剥ぎ取る際に剥ぎ取り治具と金属材との直
接の接触を防止し、もつて傷のない良質の金属型
材として取り出させるものである。

以下、本発明の製造方法の概略を示す第１図及
び第２図ににより説明する。

図に示すように、リール等の供給装置１及び２
から引き出された金属素材５及び６は、前処理装
置３及び４において化学的、機械的な前処理が実
施される。そのようにして互いに接着する面を清
浄にすべく前処理した金属素材５及び６は、加熱
装置７，８において所要の温度に達するまで加熱
される。加熱された当該金属素材は、圧延圧接ガ
イド１１に導かれてロール機のロール１２，１３
間に導入される。一方のロール１３は溝付ロール
であり、このロールの溝にかかる金属素材５，６
が入り込んだ状態でロール１２の圧下により所定
の圧延圧接が実施される。一方、本発明により提
供されるダミーテープ１０はリール等の供給装置
９から引き出された後、かかる金属素材と同様に
ガイド１１に導かれてロール１２，１３間に導入
される。

導入されたダミーテープ１０は、金属素材の溝
付ロール側の素材６と溝付ロール１３の溝面との
間に介在され、その状態で溝付ロール１３の溝の
周面に沿つて付設された剥ぎ取り治具１７上を通
過するようにしてある。剥ぎ取り治具１７は、特
に第２図に示すように平滑な支持面１７ａとその
延長部で形成された切り羽状先端部１７ｂとを有
しているもので、その切り羽状先端部１７ｂを溝
付ロール１３の溝１３ａの周面にあてがつた状態
で当該溝１３ａに導入させるようにしている。

従つて、金属素材５，６は当該ダミーテープ１
０上に載つたままで圧延圧接され、そして剥ぎ取
り治具１７の切り羽状先端部１７ｂにて溝付ロー
ル１３の溝部１３ａから剥離されつつ該治具１７
の支持面１７ａに案内されるダミーテープ１０を
介した状態で導かれることにより、溝付ロール１
３の溝部から剥離されつつ矢印方向に進んで行
く。そうして取り出される複合型材１６に添わせ
たダミーテープ１０は、剥ぎ取り治具１７を通過
し終わつた所で当該複合型材１６から剥離されて
巻取機１５に巻き取られる。また、ダミーテープ
１０が剥がした複合型材１６は、巻取機１４に巻
き取られる。

このように圧延圧接される金属素材５，６は、
溝付ロール１３に対してダミーテープ１０を介し
つつ導入され且つ剥ぎ取り治具にて剥離されるこ
とで、剥ぎ取り治具へ直接接触することなく、当
該ダミーテープに保護されることによつて溝付ロ
ールから剥ぎ取るときに受け易い外傷を防いでい
る。

以下に具体的実施例について説明する。金属素
材５としてアルミニウムの条を用い、また金属素
材６としてSUS304のステンレス鋼テープを用
い、これらの接合面を清浄処理した後、ステンレ
ス鋼テープ６を100〜200℃に加熱し、一方のアル
ミニウムの条５を100〜500℃に加熱し、そうして
加熱されたアルミニウム条５とステンレス鋼テー
プ６とはそのステンレス鋼テープ６側表面にダミ
ーテープ１０となる鉄テープを添わせ、その状態
で300φ鋳鋼ロール機に導入する。導入されたア
ルミニウム条５及びステンレス鋼テープ６並びに
鉄テープ１０は、鉄テープ１０が溝付ロール１３
側にあるようにしてロール１２，１３間を通過す
る状態で、40〜80％の圧下率で熱間圧接し、そし
て鉄テープ１０を溝付ロール１３の溝部に沿つて
付設されている剥ぎ取り治具１７上を通過させる
状態で、溝付ロール１３の溝部から剥離させ、そ
して鉄テープ１７を剥離したアルミニウム／ステ
ンレス鋼複合型材を取り出した。

取り出された複合型材１６において剥ぎ取り治
具側を通過したステンレス鋼テープ６の表面には
傷がつかなかつた。

上記実施例では、複合型材を例としているが、
単一材料の場合でも、溝付ロールによつて圧延す
るもので、剥ぎ取り治具を必要とする場合には、
本発明の方法を適用することにより、外傷のない
品質の高い製品を製造することができる。

またそのために用いられるダミーテープは、上
例のような鉄テープと同等の性能を有する材料を
用いた例えば銅テープを用いることも可能であ
る。

以上のように本発明にかかる金属型材の製造方
法によれば、溝付ロールを用い且つ該ロールの溝
部から被圧延材を剥離させる剥ぎ取り治具を用い
たものにおいて、被圧延金属材をダミーテープを
介して剥ぎ取り治具上を通過させるため、得られ
る金属型材に全く傷がつかず、従つて、品質の高
い長尺金属型材を連続して製造することができる
ものであり、特に、アルミニウムとステンレス鋼
との複合型材からなるトロリー線の如き長尺材を
高い品質で製造できる方法を確立し得たもので、
工業上に及ぼす効果は蓋し大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の長尺金属型材に製造方法の概
略図、第２図は同方法における要部を部分欠截し
て示す説明図である。 １：アルミニウム条供給用リール、２：ステン
レス鋼テープ供給用リール、３：アルミニウム条
前処理装置、４：ステンレス鋼テープ前処理装
置、５：アルミニウム条、６：ステンレス鋼テー
プ、７：アルミニウム条加熱装置、８：ステンレ
ス鋼テープ加熱装置、９：ダミーテープ（鉄テー
プ）供給用リール、１０：ダミーテープ（鉄テー
プ）、１１：ガイド、１２：ロール、１３：溝付
ロール、１４：型材巻取機、１５：ダミーテープ
（鉄テープ）巻取機、１６：複合型材、１７：剥
ぎ取り治具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 延性の大なる材料を主体としてなる金属材を
   ロールと溝付ロールとの間に供給し、それらロー
   ルをもつて40〜80％の圧下率で圧延変形し、この
   後溝付ロールの該溝部に入り込んだ被圧延金属材
   を剥ぎ取り治具をもつて当該溝付ロールより分離
   して取り出すにあたり、当該金属材にダミーテー
   プを添わせつつ該ダミーテープが溝付ロールの溝
   部に導入されるようにかかるロール間に供給し、
   それらロールによる圧延後におけるダミーテープ
   を、圧延した金属材と剥ぎ取り治具との間を通過
   させた後、当該金属材より分離除去し、もつて金
   属型材を連続的に取り出すことを特徴とする長尺
   金属型材の製造方法。