JPS63202386A - 外来遺伝子の発現制御方法及び該方法を用いた外来遺伝子産物の生産方法 - Google Patents

外来遺伝子の発現制御方法及び該方法を用いた外来遺伝子産物の生産方法

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JPS63202386A
JPS63202386A JP62034397A JP3439787A JPS63202386A JP S63202386 A JPS63202386 A JP S63202386A JP 62034397 A JP62034397 A JP 62034397A JP 3439787 A JP3439787 A JP 3439787A JP S63202386 A JPS63202386 A JP S63202386A
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Nobuhiro Fukuhara
信裕 福原
Sadao Yoshino
吉野 節生
Kaoru Yamamoto
薫 山本
Midori Watanabe
渡辺 三登利
Maki Suzuki
鈴木 摩紀
Yoshiyuki Nakajima
中島 祥行
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、所望の外来遺伝子を挿入した組換え体プラス
ミド[ハイブリッドプラスミド(以後器−プラスミドと
称する)]を導入した大腸菌を、該外来遺伝子の発現を
効果的に制御しながら効率良く増殖させるのに有用な外
来遺伝子の発現制御方法、および該制御方法を用いて菌
体の増殖と外来遺伝子の発現の時期を分離した旧−プラ
スミド導入大腸菌の培養による外来遺伝子産物の生産方
法に関する。
〔従来の技術〕
近年、遺伝子組換え技術の発達により、宿主菌での外来
遺伝子の形質発現を可能とする発現ベクターに、動物、
植物、微生物等から得た所望の外来ポリペプチドをコー
ドする構造遺伝子を組み込んで旧−プラスミドを構築し
、その旧−プラスミドを導入した宿主菌を培養して、宿
主菌に所望の外来ポリペプチドを生産させる方法が開発
されてきている。
この技術により、例えばヒトインシュリン、ヒト成長ホ
ルモン等の有用物質の大量生産が可能となりつつある。
このような遺伝子組換え技術を用いた外来遺伝子産物を
生産するために用いる宿主菌としては、その生物学的特
性の解析が十分になされており、また病原性を持たず、
簡単な組成の培地で容易に培養可能であるという点から
大腸菌が広く用いられている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、一般に旧−プラスミドの大腸菌内での安定性
は必ずしも高くなく、それを導入した大腸菌の培養では
、菌の増殖にともなって旧−プラスミドの構造的変化や
旧−プラスミド自体の消滅により外来遺伝子の発現能を
失った旧−プラスミド脱落菌が出現してくる。
例えば、大量培養を行なう工業的規模での生産では、一
般に本培養に必要な菌体量や菌体活性を得るための前培
養を含めて培養期間が比較的長くなり、上記のようなH
i−プラスミド説落菌の出現が避けられず、しかも全培
養菌あたりの旧−説落菌の割合が高くなると、最終的に
得られる培養物中の所望の外来遺伝子産物の濃度の低下
を招き、効率良い外来遺伝子の生産ができない。
そこで、このようなHi−プラスミドを用いた培養にお
ける問題点を解決する手段の一つとして、菌の増殖と外
来遺伝子の発現時期とを分離させる方法が検討されてい
る。
具体的には、まず導入された旧−プラスミドの外来遺伝
子の発現を制御しつつ該プラスミド導入菌を培養し、所
望の菌体量が得られたところで、発現の制御を緩和して
外来遺伝子を発現させて、旧−プラスミド脱落菌の発生
を極力抑え、より効率良く外来遺伝子産物を生産しよう
とするものである。
このような方法に用いられる外来遺伝子の発現制御方法
としては、例えば、 旧−プラスミドに、大腸菌ラムダ
ファージの1プロモーター(PLラムダプロモーター)
・オペレーターや大腸菌トリプトファンオペロンのプロ
モーター(trpプロモーター)・オペレーター等のレ
プレッサーを不活性化する誘導試薬の添加によって任意
の時期に開始領域を持つ(すなわちその複製開始に必要
な所定の温度もしくは温度範囲を有する)温度制御型の
ベクターを用い、培養温度を調節することによフて外来
遺伝子の発現を制御する方法が知られている。
しかしながら、誘導型発現プロモーターを用いた方法で
は、発現誘導のための誘導試薬が高価であるために生産
コストの上昇を招き、更に旧−プラスミド脱落菌の出現
、増加を十分に抑えられないという問題があり、工業的
な規模での培養には適用しにくい。
また、温度制御型のベクターを用いた方法でも、旧−プ
ラスミド脱落菌の出現防止効果が十分でない。
本発明者らは、以上述べたような問題点に鑑み、より効
率良い外来遺伝子産物の生産を実現するために、旧−プ
ラスミド導入大腸菌の培養工学的特性について種々検討
を加えたところ、 旧−プラスミド導入大腸菌の培養温
度を調節するだけで、大腸菌での外来遺伝子の発現を効
果的に制御できることを新たに見い出した。
更に、 旧−プラスミド導入菌を培養して外来遺伝子産
物を生産する際に、このような培養温度の調節による発
現制御方法を用いて外来遺伝子の発現制御時期を操作し
て、菌の増殖と外来遺伝子の発現時期とを分離すれば、
 旧−プラスミド脱落菌の発生が十分に抑えられた良好
な菌体増殖と、効率良い外来遺伝子産物の生産が可能と
なるとの結論を得て本発明を完成した。
本発明の目的は、 Hi−プラスミドが導入された大腸
菌の培養において、 Hi−プラスミドに挿入された外
来遺伝子の発現を簡易な操作によって効果的に制御でき
る方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、培養物に高濃度で所望の外来遺伝
子産物を効率良く生産することができ、特に工業的規模
での旧−プラスミド導入大腸菌による外来遺伝子産物の
生産に好適な方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の外来遺伝子の発現制御方法は、発現ベクターに
所望の外来遺伝子を挿入した組換え体プラスミドを導入
して該外来遺伝子の発現を可能とした大腸菌の培養に際
し、該大腸菌での前記外来遺伝子の発現を制御する方法
において、該大腸菌の培養温度を40℃以上に維持する
ことにより前記外来遺伝子の発現を制御することを特徴
とする。
本発明の方法に用いられる旧−プラスミド(組換え体プ
ラスミド)とは、外来遺伝子の大腸菌での発現を可能と
する構成を有する発現ベクターに所望の外来遺伝子を挿
入して得られるものである。
旧−プラスミドを構成する発現ベクターとしては、例え
ば大腸菌で複製可能なベクターと、該ベクターに結合さ
せた、例えばPLラムダプロモーター、 trpプロモ
ーター、 trpプロモーターと大腸菌ラクトースオペ
ロンのプロモーター(It acプロモーター)の融合
プロモーター(tacプロモーター)とPLラムダプロ
モーターの連結プロモーターなどの各種プロモーターと
を有する構成のものなどを挙げることができる。
なお、ここでいう外来遺伝子とは、例えば真核細胞由来
のポリペプチドと実質的に同一なアミノ酸配列を有する
非大腸菌由来のポリペプチドなどの野生型大腸菌では通
常生産されないポリペプチド゛ルゴーにすス虚;告;青
イアーi!−ルいう一本発明の発現制御方法は、 旧−
プラスミド導入大腸菌の培養温度を調製することによっ
て旧−プラスミドに組込まれた外来遺伝子の発現を制御
するものである。
具体的には、外来遺伝子の発現を制御したい場合には、
 旧−プラスミド導入大腸菌の培養温度を40℃以上と
し、また、外来遺伝子を発現させたい場合には、40℃
未満とする。
このように培養温度を40℃以上に維持して旧−プラス
ミド導入菌の培養を行なうと、外来遺伝子の発現を効果
的に制御でき、良好な菌体増殖が得られ、しかも所望の
国体量が得られるまでの培養期間を通して旧−説落菌の
出現を効果的に抑えることができる。
その上、本発明の制御方法は、培養温度の調節という簡
易な操作で、外来遺伝子の発現を制御できるので、先に
述べたような発現誘導試薬などのような特別高価な試薬
を使用しなくてもすむ。
このような本発明の外来遺伝子の発現制御方法を、旧−
プラスミド導入大腸菌を培養して旧−プラスミドに組込
んだ外来遺伝子由来の外来遺伝子産物を生産する方法に
適用すれば、効率良い外来遺伝子産物の生産が可能とな
る。
すなわち、上述した本発明の発現制御方法を用いた旧−
プラスミド導入大腸菌での外来遺伝子産物の生産方法は
、発現ベクターに所望の外来遺伝子を挿入した組換え体
プラスミドを導入して該外来遺伝子の発現を可能とした
大腸菌を培養して、該外来遺伝子を発現させて該外来遺
伝子にコードされた外来遺伝子産物を生産する方法にお
いて、a)40℃以上に培養温度を維持して前記大腸菌
を培養する第1の培養過程と、 b)該第1の培養過程で増殖した大腸菌を40℃未満の
培養温度で培養する第2の培養過程 とを有することを特徴とする。
本発明の方法における第1の培養過程では、培養温度が
40℃以上に維持されて、旧−プラスミドに組み込まれ
て大腸菌内に導入された外来遺伝子の発現が制御される
。その結果、第1の培養過程では、良好な菌の増殖が得
られ、効率良く所望とする菌体量を得ることができる。
その上、所望とする菌体量を得るまでに旧−プラスミド
脱落菌の出現はほとんど無視できる程度に抑えられる。
また、菌体の増殖活性を維持しつつ長期にわたって植え
継ぎ培養を行なう場合でもこのように発現を制御するこ
とによって同様に旧−プラスミド脱落菌の出現を抑える
ことができる。
本発明における第2の培養過程では、培養温度が40℃
未満とされ、旧−プラスミド保持菌での外来遺伝子の発
現の制御が解除される。すると、旧−プラスミド保持菌
で外来遺伝子が発現し、外来遺伝子産物の生産が行なわ
れる。その際、第1の培養過程で得られた全培養菌に占
める旧−プラスミド脱落菌の割合はほとんど無視できる
程度に小さいので、全培養菌のほとんどで効率良く外来
遺伝子が発現され、十分に高い濃度で外来遺伝子産物を
培養物中に得ることができる。
なお、第1の培養過程での培養温度と第2の培養過程で
の培養温度の組み合わせとしては、例えば40〜45℃
と30〜38℃の組み合わせなどを用いることができる
このような本発明の方法によって、菌体を大量に培養し
て培養物を大量に生産すれば、培養物中に外来遺伝子産
物を高濃度で得られるので、外来遺伝子産物の生産量を
相乗的に増加させることができる。
しかも、先に述べたように外来遺伝子の発現をともなう
菌体の増殖過程では、例えば植え継ぎ培養期間が長くな
るほど旧−プラスミド脱落菌の培養菌に占める割合が増
加するので、その培養期間をあまり長くとることができ
なかったが、本発明の方法においては、第1の培養過程
で、必要に応じて、十分に長い培養期間をとることがで
きるので、本発明の方法は、所望の菌体量を得るための
培養を十分に長い時間効果的に行なうことができ、比較
的長い前培養期間が必要とされる工業的規模での大量培
養に特に好適である。
なお、第1の培養過程と、第2の培養過程との切換え時
期は、用いる旧−プラスミド導入菌の種類や第1および
第2の培養過程に用いる培養方法にもよるが、例えば、
小容量での種菌を得る前培養と、大容量でのバッチ式に
よる本培養を行なう際に本発明の方法を適用する場合、
前培養と本培養における対数増殖期の前期までを本発明
の第1の培養過程とし、それ−以降を第2の過程とすれ
ば良いが、所望に応じて適宜選択し得る。
また、本発明の方法について、フェニルアラニン・アン
モニアリアーゼ(PAL)での例を以下に示す。
(実施例) 以下、実施例及び比較例により本発明の外来遺伝子の発
現の制御方法及び外来遺伝子産物の生産方法について更
に詳細に説明する。
なお、以下の各側で用いられる培地は次のようにして調
製した。
LB−AP培地: 以下の組成のLB培地を120℃、15分の条件でオー
トクレーブで処理した後、アンピシリン(AP)を無菌
的に50μg/nlの濃度で添加して調製した。
LB培地組成; トリプトン        10g 酵母エキストラクト     5g グルコース         1g NaG fl            5g蒸留水  
        12 (KOHによりpH7,2に調整) LB寒天培地; 上記組成のLB培地に寒天を15g/4の割合で加え、
これをオートレープで処理(120℃、15分)し、シ
ャーレに流し込みプレートにした。
LB−AP寒天培地; 上記組成のLB培地に寒天を15g/j2の割合で加え
、これをオートレープで処理(120℃、15分)した
後、更にAPを20μg/lriの濃度で無菌的に添加
してからシャーレに流し込みプレートにした。
合成培地; 以下の各成分を蒸留水IJZに加え、更にKO)Iでp
Hを7.2に調整した。
ポリペプトン        10g 酵母エキストラクト      5g リン酸二カリウム       1g 硫酸マグネシウム・2水和物 0.5g実施例I LB−AP寒天培地に、本件特許出願人により昭和62
年2月 6日付けで出願された特許出願に添付された明
細書に記載された本発明者らの方法によって構築され、
靜耐性をコードする遺伝子を含むベクターに tacプ
ロモーターとその下流に連結されたPLラムダプロモー
ターとの連結プロモーターを結合させた発現ベクターの
該連結プロモーター下流にPAL構造遺伝子が挿入され
た構成の旧−プラスミドpsW115を保持する大腸菌
MT10423株(FERM P−9023)を塗布し
て、37℃で培養した。
出現したコロニーから菌体を綿栓付き試験管中のAP含
有LB培地(5ml)に接種し、これを42℃、12時
間、 110ストロ一ク/分で振どう培養した。
培養終了後、培養液(培養菌体を含む)の15μ2を種
培養液として2本の綿栓付き試験管内に用意した新たな
5dのAP含有LB培地のそれぞれに接種し、ニガを4
2℃で、他方を30℃で上記と同様の条件でそれぞれ振
どう培養して、培養液! 1−1  (42℃、12時
間培養)、培養液AIILI−2(30℃、20時間培
養)を得た。
次に、培養液、JFLl−1から培養液(培養菌体を含
む)の15μUを種培養液として2本の綿栓付き試験管
内に用意した新たな511jのAP含有LB培地のそれ
ぞれに接種し、一方を41”Cで、他方を30℃で上記
と同様の条件でそれぞれ振どう培養して、培養液述13
  (41℃、12時間培養)、培養液!14  (3
0℃、20時間培養)を得た。更に、第1図に示したよ
うな条件で行なう以外は上記と同様の培養操作を繰り返
し、培養液AIILL−5、培養液A11Ll−6、誠
1−7をそれぞれ得た。
なお、培養液(AIILI−2、A/Ll−4、A11
iLx−a 、益1−7)においては、培養終了後ただ
ちに遠心分離によって集菌し、これを0.85%NaC
Il水溶液に懸濁して洗浄後、再度遠心分離で回収した
菌体を凍結保存しておいた。
次に、各凍結保存菌体を解凍し、菌体抽出液を調製して
、それぞれのPAL比活性を以下のようにして求めた。
その結果を表1に示す。
菌体抽出液の調製; 解凍菌体を湿菌体濃度1%の菌体濃度となるように0.
05 M Tris−HCIL緩衝液(pH8,8)に
懸濁させた状態で超音波処理して菌体を破砕し、さらに
該溶液から遠心分離によって細胞残漬等を取り除いて菌
体抽出液を調製した。
PAL活性の測定; 各抽出液のPAL活性は、L−フェニルアラニンから桂
皮酸を生成する酵素反応を利用して以下の操作に従って
求めた。
まず、菌体抽出液を25mM Tris−HCfl緩衝
液(p148.8)で湿菌体濃度LO%程度に希釈し、
その1.0思1を、31.25 mMのし一フェニルア
ラニンを含む4.0思1の31.25 mMTris−
tH:1緩衝液に加え、30℃、20分間反応させた。
 lnlのlN−Hlの添加によって反応を終了させ、
反応液中に生成した桂皮酸量を、以下の条件での液体ク
ロマトグラフィーにより分析してその活性を測定した。
なお、ここでのIU(ユニット)は1分間当りに1マイ
クロモルの桂皮酸を生成する酵素量に相当する。
液体クロマトグラフィー操作条件; 分離カラムYMCパックA−312(山村化学新製)を
用い、移動相にメタノール:水ニリン酸=50:41:
0.08v/vを使用し、桂皮酸の検出を紫外分光光度
計(検出波長260nm )で行なった。
また、PAL比活性の算出に用いた菌体量は洗浄菌体を
乾燥して求めた。
比較例1 実施例1における40℃以上での培養を第2図に示した
温度に変更する以外は、実施例1と同様にして培養′操
作を縁り返し、培養液、/l 2−1〜2−7を得た。
更に培養液遂2−2 、 A2−4 、!2−6 、 
!2−7から実施例1と同様にして凍結保存菌体をそれ
ぞれ調製し、更にPAL比活性を求めた。その結果を表
1に示す。
実施例2 大腸菌MT−10423株の代りに、先に引用した特許
出願の明細書に記載された方法によって構築され、靜耐
性をコードする遺伝子を含むベクターに、 PLラムダ
プロモーター・オペレーターが結合した発現ベクターの
該プロモーター・オペレーター下流にPAL構造遺伝子
が挿入された構成の旧−プラスミドpSYPL−3を保
持する大腸菌MT−10424株(FERM P−90
42)を用い、第3図に示す培養温度で培養する以外は
実施例1と同様にして、培養液A11L3−1〜3−7
を得た。
更に培養液Al1L3−2 、遂3−4 、 !3−5
 、 !3−7から実施例1と同様にして凍結保存菌体
を調製し、更にPAL比活性を求めた。その結果を表2
に示す。
比較例2 大腸菌MT−10423株の代りに、実施例2で用いた
旧−プラスミドpSYPL−3を保持する大腸菌MT−
10424株を用い、第4図に示す培養温度で培養する
以外は、比較例1と同様にして、培養液J/L4−1〜
4−7を得た。
更に培養液A11L4−2 、A11L4−4 、誠4
−6 、/a4−7から実施例1と同様にして凍結保存
菌体を調製し、更にPAL比活性を求めた。その結果を
表2に示す。
表  1 表  2 表1及び表2の結果から明らかなように、実施例1およ
び実施例2における培養温度40℃以上での植え継ぎ培
養の後に培養温度30℃で培養した、すなわち本発明で
いう第1及び第2の培養過程を経て得られた培養菌では
、第1の培養過程における植え継ぎ回数が増加してもP
AL比活性の低下は認められなかった。
これに対して、比較例1および比較例2における培養温
度40℃未満での植え継ぎ培養後に、培養温度30℃で
培養した培養菌では、植え継ぎ回数が増加するにしたが
ってPAL比活性が著しく低下した。
更に、各個で得られた各培養液から菌体をLB−AP寒
天培地とLB寒天培地にそれぞれ同量塗布し、これらを
37℃で培養し、生じたコロニー数を比較して、培養菌
あたりのAP耐性消失菌(旧−プラスミド脱落菌)の割
合を調査した。
その結果、40℃以上での植え継ぎ培養における培養菌
当りのAP耐性消失菌の割合は3回植え継ぎ後で1%以
下であったのに対して、40℃未満での植え継ぎ培養に
おける培養菌当りのAP耐性消失菌の割合は3回植え継
ぎ後で80%に達した。
実施例3 特願昭61−215864号公報に記載された本発明ら
による方法によって構築され、AP耐性をコードする遺
伝子を含むベクターに trpプロモーターを連結した
発現ベクターの該プロモーター下流にPAL構造遺伝子
が挿入された構成の旧−プラスミドpYtrp6を保持
する大腸菌MT10414株(FERMP−8876)
を肩付きフラスコ内のLB−AP培培地5一次に、合成
培地1.O J2.を2ILのミニジャーファーメンタ
−に入れて、殺菌処理後、更にAPを50mg無菌的に
添加した後、更に上記の大腸菌MT10414株の培養
液の30m1を添加し、培地を通気撹拌しつつ培養を開
始した。
その際、42℃で培養を開始し、菌の増殖が対数期中期
にさしかかる6時間後に培養温度を30℃とし、更に1
8時間培養した。また、培養期間を通じて培地のpl(
は7.0に調整した。
培養終了後、培養菌体を遠心分離で集菌し、更に0,8
5%NaCIL水溶液に懸濁して洗浄後、再度遠心分離
で集菌し、これを湿菌体濃度1%の菌体濃度となるよう
に0.05 M Tris−H(:f緩衝液(pH a
.a)に懸濁させ、以下実施例1と同様にして菌体抽出
液を調整し、PAL比活性を求めたところ、270 0
7g − cellであった。
比較例3 各培養操作における培養温度を全て30℃とする以外は
実施例3と同様にして培養を行ない、培養菌体のPAL
比活性を求めたところ、45 07g・cellであっ
た。
また、先に述べた方法と同様にして、 li−プラスミ
ド脱落菌の発生について調査したところ、24時間培養
後の培養菌当りのAP耐性消失菌の割合は実施例3では
10%程度であったのに対して、比較例3においては8
5%程度であワた。
実施例4 実施例1で用いた旧−プラスミドpSW 115を保持
する大腸菌株MT 10423株(FERM P−90
23)をLB−AP寒天培地に塗布して、これを37℃
で培養した。
出現したコロニーから菌体を殺菌済の試験管中のAP含
有LB培地(0,5m1)に懸濁させ、この菌体懸濁液
を50μづつ5木の新たな5jllのAP含有LB培地
入り綿栓付き試験管にそれぞれ分注し、表3に示す各温
度で24時間110ストロ一ク/分で振どう培養を行な
つた。培養終了後ただちに遠心分離によって集菌し、こ
れを0.85%NaC1水溶液に懸濁して洗浄後、再度
遠心分離で回収した菌体を凍結保存しておき、解凍後そ
のPAL活性を実施例1と同様にして求めた(表3)と
ころ、培養温度を調節することにより外来遺伝子の発現
が制御できることが確認できた。
表  3 〔発明の効果〕 本発明の発現制御方法によれば、培養温度を調節すると
いう簡易な操作で、 旧−プラスミド導入大腸菌におけ
る外来遺伝子の発現を所望に応じて効果的に制御可能で
ある。
また、 旧−プラスミド導入大腸菌の培養による外来遺
伝子産物の生産方法に、本発明の発現制御方法を用い、
菌の増殖と外来遺伝子の発現時期とを分離し、これらを
効率良く行なうことによって、旧−プラスミド説落閑の
発生を十分に抑えた良好な菌体増殖が達成でき、しかも
培養物中に高濃度で所望の外来遺伝子産物が得られ、効
率良い外来遺伝子産物の生産が可能となった。
特に、本発明の方法では、外来遺伝子の発現制御を培養
温度の調節という簡易な操作によって行なうので、誘導
型プラスミドを用いる場合のように高価な誘導試薬を用
いる必要がない。
更に、 旧−プラスミド脱落菌の出現をより効果的に抑
えることができるので、本発明の方法によれば、工業的
規模での大量培養による外来遺伝子の生産性の向上が容
易に図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は実施例1、実施例2、比較例1および
比較例2における培養操作の流れを示した図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)発現ベクターに所望の外来遺伝子を挿入した組換え
    体プラスミドを導入して該外来遺伝子の発現を可能とし
    た大腸菌の培養に際し、該大腸菌での前記外来遺伝子の
    発現を制御する方法において、該大腸菌の培養温度を4
    0℃以上に維持することにより前記外来遺伝子の発現を
    制御することを特徴とする外来遺伝子の発現制御方法。 2)前記外来遺伝子がL−フェニルアラニン・アンモニ
    アリアーゼ構造遺伝子である特許請求の範囲第1項に記
    載の外来遺伝子の発現制御方法。 3)前記大腸菌が組換え体プラスミドpSYP_L−3
    を保持する大腸菌MT10424株である特許請求の範
    囲第1項に記載の外来遺伝子の発現制御方法。 4)前記大腸菌が組換え体プラスミドpYtrp6を保
    持する大腸菌MT10414株である特許請求の範囲第
    1項に記載の外来遺伝子の発現制御方法。 5)前記大腸菌が組換え体プラスミドpSW115を保
    持する大腸菌MT10423株である特許請求の範囲第
    1項に記載の外来遺伝子の発現制御方法。 6)発現ベクターに所望の外来遺伝子を挿入した組換え
    体プラスミドを導入して該外来遺伝子の発現を可能とし
    た大腸菌を培養して、該外来遺伝子を発現させて該外来
    遺伝子にコードされた外来遺伝子産物を生産する方法に
    おいて、 a)40℃以上に培養温度を維持して前記大腸菌を培養
    する第1の培養過程と、 b)該第1の培養過程で増殖した大腸菌を40℃未満の
    培養温度で培養する第2の培養過程 とを有することを特徴とする大腸菌での外来遺伝子産物
    の生産方法。 7)前記外来遺伝子産物がL−フェニルアラニン・アン
    モニアリアーゼである特許請求の範囲第6項に記載の外
    来遺伝子の発現制御方法。 8)前記大腸菌が組換え体プラスミドpSYP_L−3
    を保持する大腸菌MT10424株である特許請求の範
    囲第6項に記載の大腸菌での外来遺伝子産物の生産方法
    。 9)前記大腸菌が組換え体プラスミドpYtrp6を保
    持する大腸菌MT10414株である特許請求の範囲第
    6項に記載の大腸菌での外来遺伝子産物の生産方法。 10)前記大腸菌が組換え体プラスミドpSW115を
    保持する大腸菌MT10423株である特許請求の範囲
    第6項に記載の大腸菌での外来遺伝子産物の生産方法。
JP62034397A 1987-02-19 1987-02-19 外来遺伝子の発現制御方法及び該方法を用いた外来遺伝子産物の生産方法 Pending JPS63202386A (ja)

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US07/156,814 US5043277A (en) 1987-02-19 1988-02-17 Method of regulating expression of a foreign gene by controlling culture temperature and a process of producing a foreign gene product thereby
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS63317088A (ja) * 1987-06-18 1988-12-26 Mitsui Toatsu Chem Inc 外来遺伝子産物の生産方法

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