JPS6320075Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は車輌、航空機、船舶等の座席に装着す
る採暖用のシートヒータに関する。

従来例の構成とその問題点 一般に車輌等の座席には採暖できるようにシー
トを設けるようになつてきている。すなわち、第
１図に示すように座席１のメインパツド２とカバ
ーパツト３間、あるいは、図示していないがシー
ト表皮４とカバーパツト３間等にシートヒータ５
が介挿される。

ところで、従来のシートヒータは第２図および
第３図に示すように不布地６上に発熱線７を配線
し、その上に上布地８を配し、前記下布地６と上
布地８を接着性の樹脂で熱溶着して構成されてい
る。

このような構成のシートヒータは、前述のよう
に下布地６と上布地８が全面接着しているため、
上下の布地６，８の動きが規制され、布地がもつ
ている柔軟性は失なわれてしまう。したがつてシ
ートに装着した際、シート自体のクツシヨン性を
損うという欠点があつた。

また、シートヒータをシートに装着するとき、
シート内におけるシートヒータの位置を固定する
手段として、シートヒータの布地をシート表皮に
縫い付けるものもあるが、このような場合、シー
ト表皮とシートヒータの布地の伸び率が極端に違
つたものとなり、着座の際にシート表皮の伸びを
シートヒータが規制することになり、シート表皮
がいわゆる突つ張つた感じになる欠点があつた。

考案の目的 本考案は前記従来の問題に留意し、シートのク
ツシヨン性を損なわない柔軟性に富んだシートヒ
ータを提供することを目的とするものである。

考案の構成 上記目的を達成するために本考案は、発熱線
と、この発熱線をはさみ、かつ互に重ねられて接
着された２枚の布地とを有し、前記２枚の布地の
うち、１枚の布地は少なくとも柔軟性を有し、か
つ前記２枚の布地のいずれか一方、または双方に
端縁より内方にかけてある程度の幅を有する切欠
部を設けたシートヒータの構成としたものであ
り、シートヒータが切欠部において柔軟性を発揮
し、シートに組み込んだとき、シートのクツシヨ
ン性を損わず、また、シート表皮の動きにも追従
して異物感のない採暖を可能にするものである。

実施例の説明 以下本考案の一実施例を第４図および第５図に
もとづき説明する。

図において９は下布地、１０は前記下布地９上
に蛇行状に配線された発熱線、１１は上記発熱線
１０の上部に重ねられる上布地である。前記下布
地９は発熱線１０の配線を阻害しないように両側
縁より内方に深く、かつある程度の幅を有する複
数の切欠部１２を有している。また、上布地１１
は柔軟性をもつ布地としている。そして前記下布
地９と上布地１１は接着性の樹脂により接着され
ている。

上記構成のシートヒータは下布地９が切欠部１
２を有するため、この切欠部１２に対応する部分
は柔軟性の上布地１１のみであり、この切欠部１
２においてシートヒータは柔軟性に富んだものに
なる。したがつてシートに装着したとき、クツシ
ヨン性を損わず、また、シート表皮の動きに追従
するので異物感がなく、快適な採暖ができる。

第６図に示すものは本考案の他の実施例を示
し、このものは上布地１１にも切欠部１２を設け
ている。そして、完成されたシートヒータは複数
の短冊状片ができる形となつている。このものも
前述と同様に柔軟性に富み、また、シート表皮の
動きに追従するシートヒータになる。とくに、こ
の構成のものはシート表皮の下面に形成する袋部
に挿入して設けるものとして有効である。

考案の効果 以上説明したように本考案はシートヒータの布
地に切欠部を設けたことにより、シートヒータの
柔軟性を大きくなし、シートのクツシヨン性を損
わず、また、異物感のない採暖を可能にするもの
であり、その実用的効果は大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はシートヒータ付シートの一部切欠斜視
図、第２図は従来のシートヒータの分解斜視図、
第３図は同要部断面図、第４図は本考案の一実施
例のシートヒータの分解斜視図、第５図は同要部
断面図、第６図は本考案の他の実施例のシートヒ
ータの分解斜視図である。 ９……下布地、１０……発熱線、１１……上布
地、１２……切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発熱線と、この発熱線をはさみ、かつ互に重ね
   られて接着された２枚の布地とを有し、前記２枚
   の布地のうち、１枚の布地は少なくとも柔軟性を
   有し、かつ前記２枚の布地のいずれか一方、また
   は双方に端縁より内方にかけてある程度の幅を有
   する切欠部を設けたシートヒータ。