JPS631964Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、粗目フイルタに付着した塵埃を除
去する除塵装置を備えた電気掃除機に関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来、この種の電気掃除機として、例えば、特
開昭56−128125号公報に示されるように掃除機本
体の集塵ケース内に垂直に配置された粗目フイル
タの後側面に、その粗目フイルタに付着した塵埃
を除去するための打撃部付きのレバーを支持する
一方、細目フイルタのフイタ枠に貫通支持された
回転軸の前端には、その回転によつて前記レバー
を作動するようにしたものが存在する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、前記従来のものによれば、前記レバ
ーを粗目フイルタに直接支持した構成を採用して
いる関係上、その粗目フイルタには、前記レバー
を支持するための特別な幅広の不通気部及びレバ
ーを回動可能に支持する軸支手段等が備えられて
いるので、その粗目フイルタの構成が複雑とな
り、その製作、組立に手間がかかると共に製作コ
ストが高くつき、しかも、前記幅広の不通気部を
備えた分、粗目フイルタのフイルタ面積が少なく
つて吸塵効率の低下を来たす欠点がある。

〔考案の目的〕 然るに、この考案は、レバーを粗目フイルタに
支持することなく、細目フイルタのフイルタ枠の
一部に極めて簡単な構成を以つて支持できるよう
にした電気掃除機を提供しようとするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、前記目的を達成するために、特に、
フイルタ枠の上面に、上方に突出する軸受を設
け、レバーには、その打撃部から上方に延びる伝
達部と、その伝達部から回転軸上のカムに係合可
能な位置まで略水平に延びる支持部とを設けると
共に、その支持部の下面に、前記軸受に回転可能
に嵌合支持される軸を設け、粗目フイルタのフイ
ルタ枠の上側部には、前記レバーの支持部に向か
つて垂下突出し、かつ前記軸の前記軸受からの脱
出を阻止するリブを設けたことを特徴とするもの
である。

〔作 用〕

前記手段によれば、レバーは、その支持部の軸
が細目用のフイルタ枠の軸受に嵌合支持され、そ
の支持部の上方に粗目用のフイルタ枠のリブが対
向し、このリブによつて、前記支持部の軸が軸受
に対し上方への脱出が阻止される。

而して、前記回動軸が回動操作されると、その
回動軸の前端部のカムがレバーの支持部を作動
し、レバーがその支持部の軸を中心として水平面
内で一定範囲揺動し、その打撃部が粗目フイルタ
を叩き、その粗目フイルタの除塵が行なわれる。

〔実施例〕

以下第１図乃至第３図に示すこの考案の一実施
例について説明する。尚、この実施例はこの考案
の構成を示すものである。

第１図には電気掃除機が示されており、掃除機
本体は本体ケース１及び集塵ケース２によつて構
成され、除塵ケース２は本体ケース１の前面に着
脱自在に取付けられている。本体ケース１の内部
には、電動送風機３と電源コード４を巻回収納す
るためのコード巻取装置５が配置され、その外部
には走行用の後輪６が設置されている。集塵ケー
ス２の前面には、ホースが接続される吸気口７が
設けられ、また下面には走行用の前輪８が設けら
れ、更にその後部開口には、着脱自在にフイルタ
装置９が配置されている。そのフイルタ装置９
は、粗目フイルタ１０と、その粗目フイルタ１０
を支持するフイルタ枠１１と、細目フイルタ１２
と、その細目フイルタ１２を支持するフイルタ枠
１３とによつて構成される。

図中１４は回転軸で、その細目フイルタ１２の
フイルタ枠１３の垂直壁部分を貫通して前後方向
に延び、それによつてフイルタ枠１３上に回動可
能に支持されている。また、回転軸１４の後端に
は連結ギヤ１５が一体回転可能に支持され、且つ
前端には回転軸１４の回転に伴つて、レバー１６
を略垂直な軸線を中心として回動させるためのカ
ム１７が固定されている。前記レバー１６は合成
樹脂材で一体に構成され、粗目フイルタ１０と細
目フイルタ１２の間に配置され、且つ粗目フイル
タ１０の面とわずかな間隔を置いて位置すると共
に弾性を持つた打撃部１６ａと、その打撃部１６
ａより粗目フイルタ１０の面と略平行に上方に延
びる伝達部１６ｂと、その伝達部１６ｂと直交す
るように伝達部１６ｂの上端から後方に延びる支
持部１６ｃとによつて構成されている。その支持
部１６ｃの下面には軸１６ｄが設けられており、
細目フイルタ１２のフイルタ枠１３上の軸受１８
に嵌合支持され、それによりレバー１６は回動可
能に支持される。そして、このレバー１６が軸受
１８から抜けないように、粗目フイルタ１０のフ
イルタ枠１１の内側下面にリブ１９が設けられて
いる。

また、細目フイルタ１２の除塵装置としては、
公知の除塵装置が用いられており、後面側にツマ
ミ２０を有するチリ払いギヤ２１により駆動され
る。前記連結ギヤ１５はそのチリ払いギヤ２１と
連動し、且つギヤ２２，クラツチ軸２３及びクラ
ツチ２４を介してコード巻取装置５とも連動して
いる。

以上のように構成されたものにおいて、その集
塵及び除塵動作について説明する。まず、ホース
を吸気口７に接続して、スイツチを入れると、電
動送風機３が駆動され、塵埃が吸気口７から吸入
される。そして、塵埃の大部分は集塵ケース２内
に溜まり、その一部が粗目フイルタ１０に付着す
る。粗目フイルタ１０に付着しなかつた塵埃は細
目フイルタ１２に付着する。細目フイルタ１２を
通過した清浄な空気は電動送風機３に吸い込まれ
た後、排気口より外方へ排気される。掃除が終了
し、電源コード４をコード巻取装置５に巻き取る
とき、コード巻取装置５が回転して、ギヤ２３，
クラツチ軸２３及びクラツチ２４を介して連結ギ
ヤ１５が連動して回転する。連結ギヤ１５が回転
すると、チリ払いギヤ２１が連動して回転して細
目フイルタ１２の除塵が行われ、細塵が下方に落
ちる。また同時に、連結ギヤ１５の回転によつ
て、回転軸を介してカム１７も回転し、その回転
に伴つてカム１７が、レバー１６の支持部１６ｃ
後側部に当接して、軸受１８に嵌合した軸１６ｄ
を軸心としてレバー１６を回動させる。第３図に
示すように、レバー１６が回転することにより、
打撃部１６ａが粗目フイルタ１０の面を叩いて、
粗目フイルタ１０に付着した塵埃を下方に落と
す。そして、レバー１６は粗目フイルタ１０と打
撃部１６ａの反発力により、逆方向に回動されて
再び粗目フイルタ１０の面を叩いて、粗目フイル
タ１０に付着した塵埃を落とし、これにより粗目
フイルタ１０の通気抵抗を低下させて吸塵性能を
回復させる。更にまた、電源コード４を引き出す
ときも、コード巻取装置５の回転方向が逆になる
だけで、前述と同様の過程で粗目フイルタ１０及
び細目フイルタ１２に対する除塵が同時に行われ
る。

また、集塵ケース２を本体ケース１から取外し
て、集塵ケース２内に溜まつた塵埃を捨てる時、
チリ払いギヤ２１のツマミ２０を持つて回転させ
ると、連結ギヤ１５が回転し、粗目フイルタ１０
及び細目フイルタ１２の同時除塵が可能である。

従つて、通常はコード巻取装置５による自動除
塵によつて、粗目フイルタ１０及び細目フイルタ
１２の通気抵抗を低下させて吸塵性能を維持し、
除塵を捨てる時にはチリ払いギヤ２１のツマミ２
０による手動除塵によつて、任意に両フイルタの
除塵を行うことができる。また、回転軸１４は細
目フイルタ１２のフイルタ枠１３の垂直部分に、
回動可能に支持されているので、気密性が保ちや
すく、細塵が本体ケース１内に入ることがなく、
電動送風機３等に悪影響を与えることがない。そ
して、レバー１６の軸受１８からの抜け防止手段
として、粗目フイルタ１０のフイルタ枠１１にリ
ブ１９を設けることは、その目的を簡単且つ安価
に達成することができる。

この考案は以上に詳述した如く、特に、フイル
タ枠１３の上面に、上方に突出する軸受１８を設
け、レバー１６には、その打撃部１６から上方に
延びる伝達部１６ｂと、その伝達部１６ｂから回
転軸１４上のカム１７に係合可能な位置まで略水
平に延びる支持部１６ｃとを設けると共に、その
支持部１６ｃの下面に、前記軸受１８に回転可能
に嵌合支持される軸１６ｄを設け、粗目フイルタ
１０のフイルタ枠１１の上側部には、前記レバー
１６の支持部１６ｃに向かつて垂下突出し、かつ
前記軸１６ｄの前記軸受１８からの脱出を阻止す
るリブ１９を設けたものである。

従つて、前記レバー１６の支持部１６ｃの軸１
６ｄを細目用のフイルタ枠１３の軸受１８に単に
嵌合しておくだけで、その支持部１６ｃの上面に
対向する粗目用のフイルタ枠１１のリブ１９によ
つて前記軸１６が抜け止め状態に軸受１８内に確
実に嵌合保持され、依つて、レバー１６が常に安
定支持される。而して、その構成は極めて簡単で
あり、容易、かつ安価に製作し得る。又、粗目フ
イルタ１０には前記レバー１６を支持するための
手段が全くないので、その粗目フイルタ１０の吸
塵効率を損うことがない等の実用的に優れた効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を具体化した電気
掃除機の断面図、第２図は要部の斜視図、第３図
は第１図のＡ−Ａ線断面図である。 符号の説明、１は本体ケース、２は集塵ケー
ス、１０は粗目フイルタ、１２は細目フイルタ、
１３はフイルタ枠、１４は回転軸、１５は連結ギ
ヤ、１６はレバー、１６ａは打撃部、１６ｂは伝
達部、１６ｃ，１６ｅは支持部、１７はカムであ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 掃除機本体の集塵ケース２内に垂直に配置され
   た粗目フイルタ１０と、その粗目フイルタ１０と
   間隔を置いて配置された細目フイルタ１２と、そ
   の細目フイルタ１２と粗目フイルタ１０との間に
   配置され、かつ粗目フイルタ１０を叩く打撃部１
   ６ａを有するレバー１６と、前記細目フイルタ１
   ２のフイルタ枠１３を貫通して回動可能に支持さ
   れ、かつ前記フイルタ枠１３の後方外側から回転
   操作される回転軸１４と、その回転軸１４の前端
   部に支持され、かつその回転軸１４の回転に伴つ
   て前記レバー１６を駆動するカム１７とを備えた
   電気掃除機に於いて、 前記フイルタ枠１３の上面に、上方に突出する
   軸受１８を設け、 前記レバー１６には、前記打撃部１６ａから上
   方に延びる伝達部１６ｂと、その伝達部１６ｂか
   ら前記カム１７に係合可能な位置まで略水平に延
   びる支持部１６ｃとを設けると共に、その支持部
   １６ｃの下面に、前記軸受１８に回転可能に嵌合
   支持される軸１６ｄを設け、 前記粗目フイルタ１０のフイルタ枠１１の上側
   部には、前記レバー１６の支持部１６ｃに向かつ
   て垂下突出し、かつ前記軸１６ｄの前記軸受１８
   からの脱出を阻止するリブ１９を設けたことを特
   徴とす電気掃除機。