JPS6319160Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、インクローラを用いて活字面にイン
クを塗布するローラ式インク塗布装置に実施して
好適なインクローラの交換装置に関する。

従来のテープ状リボン装置に代えて本出願人が
新たに開発したローラ式インク塗布装置は、印字
ハンマーの側面に回動自在に軸着した支持部材の
先端に、インクローラとインクローラよりも大径
に造つたガイド円盤を同軸的に取付け、差込み通
路内に差込んだ印字カードが上記のガイド円盤を
押すと支持部材が円弧回動し、この回動過程でイ
ンクローラが活字面に接触してインクを塗布する
様に構成されているが、この様にインクローラを
用いた塗布装置は含浸したインクが少くなると印
字が掠れてしまうため、適当な時期にはインクロ
ーラを交換する必要があり、従来は、ローラ軸に
取付けたＥリングを取外したり、ローラホルダー
を外したりしてインクローラの交換を行なつてい
た。しかし、この様にＥリングを取外すには専用
の工具が必要で作業が面倒であり、また、Ｅリン
グとかホルダーを外した後はインクローラを直接
手で持つて着脱しなくてはならないから、インク
ローラの着脱時に手或は衣類等を汚してしまう虞
れがあり、加えて、上記の着脱機構を含むインク
塗布機構の構成が非常に複雑で、製造コストが高
いとか、故障が多いと云つた各種の問題があつ
て、この点の改善が望まれていた。

而して、本考案は上述した点に鑑み、インクロ
ーラの交換を専用の工具を使用することなく、ま
た、手とか衣類等を汚すことなく誰にでも簡単に
且つワンタツチで交換できる様に工夫すると共
に、装着したインクローラを極めて堅牢に保持で
き、更に、装置全体を頗る簡単に構成した印字機
用インクローラの交換装置を提供せんとするもの
であつて、以下に、本考案の一実施例を添附した
図面を参照しながら詳細に説明する。

図中、１は例えばソレノイド機構等の作動装置
（図示せず）によつて対向する活字輪２の活字面
２ａに向けて印字作動できる様に構成した印字ハ
ンマーで、図面上符号３で全体的に示したのは、
ハンマーヘツド１ａの一側面に根端側を回動自在
に軸着した支持部材を示す。この支持部材３は、
第４図に記載の如く自由に着脱できるローラホル
ダー４とローラアーム５によつて構成されてお
り、ローラホルダー４の根端側はハンマーヘツド
１ａの一側に軸６を以つて回動自在に軸着されて
いる。また、このローラホルダー４の根端側下側
部に垂設した脚片４ｃ（第４図及び第６図参照）
には、連設片４ｄを介して略く字形状に屈曲形成
した板バネ４ａがその屈曲部４a′を内側に向け、
而も差込み間隔４ｅをあけた状態で連設され（第
３図参照）、更に、ローラホルダー４の先端縁に
は後述するローラ軸の根元カラー部分を嵌込むこ
とができる半円形状の係合溝４ｂが凹設されてい
る。７はこのローラホルダー４の上部一側面、具
体的には上記板バネ４ａを設けた側の面に突設し
た取付軸で、これには第１図並びに第２図に示し
た復帰用スプリング８の下端が取付けられる。

次に、９は上記ローラアーム５の根端側一側面
に横向きに突設したローラ軸で、このローラ軸９
には印字用のインクを含浸させた例えば海綿体と
かラバー或はフエルト製の筒型インクローラ１０
と、このインクローラ１０よりも大径に造つたガ
イド円盤１１が夫々回転自在に取付けられてい
る。また、５′はローラアーム５の先端下側部に
連設した差込片で、５ａはこの差込片５′の先端
側を略直角に折曲げて形成した係合縁である。こ
の差込片５′の部分は上記ローラホルダー４の間
隔４ｅ内に差込み自在であり、且つ、差込むと上
記板バネ４ａの屈曲部４a′に係合縁４ａを第３図
の様に弾性的に係合できる構造に造られている。
更に、５a′は上記差込片５′の根端部に屈曲形成
した取外し縁で、５ｂはローラアーム５の上辺部
に凹設した半円形状の係合溝である。この係合溝
５ｂは上記係合縁５ａをローラホルダー４の板バ
ネ４ａに係合した時に、前記取付軸７の根元カラ
ー部分７ａに嵌合して、ローラアーム５をローラ
ホルダー４側に保持することができる。また、こ
の取付けに当つては、上述したローラホルダー４
の係合溝４ｂもローラ軸９の根元カラー部分９ａ
に嵌合し、以つて、ローラアーム５は上記各部材
の係合と嵌合によりローラホルダー４側にワンタ
ツチで一体的に取付けることができ、一方、例え
ば第５図の様に付属のカギＫを取外し縁５a′と板
バネ４ａの背部との間隔に差込んでこれを矢印の
方向に回動すれば、インクローラ１０を含むロー
ラアーム５の全体を第６図の如くローラホルダー
４より極めて簡単に取外せる仕組に成つている。

上述したローラホルダー４とローラアーム５と
によつて構成された支持部材３の全体は、第１図
に示す如くガイド円盤１１を印字カード１２の差
込み通路１３上に位置する様にして前述した復帰
用スプリング８によつて水平より少し上向き状態
に常時弾支されており、印字カード１２を上記差
込み通路１３内に差込むと、ガイド円盤１１が押
されて支持部材３の全体が上記復帰用スプリング
８を引き伸ばしながら軸６を中心に第２図の如く
下側方向に円弧回動し、この回動過程で、前記イ
ンクローラ１０が印字位置にセツトされた活字輪
２の活字面２ａに接触してインクを塗布すること
ができる。

また、図中１４は上記印字カード１２の下側差
込み通路１３上に突出したカード受けレバーで、
このレバー１４は１日１回段送りされる桁送り用
ラツク１５に取付けられていて、印字カード１２
の差込量、即ち、印字段を決定すると共に、印字
カード１２をキヤツチすると前記作動機構をオン
して印字ハンマー１を第２図の状態に印字作動す
ることができる。更に、１６は印字ハンマー１の
背面に係止して印字ハンマー１の後退を制止する
ストツパーで、上記印字カード１２の差込みによ
る支持部材３の円弧回動は、印字ハンマー１を上
記のストツパー１６に係止した状態で行なう関係
上、支持部材３と一諸に円弧回動されるインクロ
ーラ１０の外周面と活字面２ａとの接触圧は充分
に保持され、従つて、活字面２ａに対するインク
の塗布を正確に而も満遍無く行なうことができ
る。

本考案は以上述べた如き構成であるから、印字
カードを差込み通路内に差込めば、ガイド円盤が
押されて支持部材の全体が軸を中心に円弧回動を
行ない、この円弧回動の過程でインクローラを活
字輪の活字面に接触させてインクを塗布すること
ができるのであるが、本考案では特に、上記支持
部材を印字ハンマー側に軸着したローラホルダー
と、インクローラ及びガイド円盤を取付けたロー
ラアームの２つに分割形成し、このローラアーム
をローラホルダーに対し着脱自在な構成としたた
め、インクローラの交換に当つては、インクロー
ラを直接手に持つことなく、ローラアーム自体を
交換することによつて素早く而も簡単に行なうこ
とができ、交換には専用の工具類は一切不要であ
り、交換時に手とか衣類等をインクで汚す心配も
無く、誰にでも簡便に交換できる利点を備えてい
る。

また、ローラホルダーに取付けたローラアーム
は、取付けに当つてその係合縁をホルダー側の板
バネに係合保持するため、両者の取付状態は弾性
的に保持されて外れる心配が無く、更に、ローラ
ホルダー側の係合溝をローラアームに取付けたロ
ーラ軸の根元部分に嵌合すると共に、ローラアー
ム側の係合溝をローラホルダーの取付けた復帰用
スプリングの取付軸根元部分に嵌合して両者の取
付けを行なう関係上、ローラアームはローラホル
ダーに対して上記の３点で堅牢に支持されて、ロ
ーラアームが回動時にローラホルダーに対して上
下方向にガタツク心配も無く、インクローラによ
るインクの塗布を支障無く行なうことができる。
更に本考案では、上記ローラホルダーとローラア
ームから成るインクローラ及びガイド円盤の支持
部材を、印字ハンマーのヘツド側面に直接取付け
た構成であり、且つ、交換装置の全体も、ヘツド
側に固定した上記のローラホルダーと、インクロ
ーラとガイド円盤を備えた上記ローラアームの２
部材によつて構成したから、装置全体が頗る簡単
に構成できて製造コストの低減と、故障の減少を
図ることができるものであつて、構成が簡単で実
施が容易な点と相俟つて、図示した如きインクロ
ーラ式印字機に実施して洵に好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案をインクローラ式印字機の作動
前の状態を示した一部断面正面図、第２図は同じ
く作動後の状態を示した一部断面正面図、第３図
はその平面図、第４図は支持アームを構成するロ
ーラホルダーとローラアームの分解正面図、第５
図はローラアームの取外し時の状態を示した斜視
図で、第６図は取外した状態の斜視図である。 １……印字ハンマー、１ａ……ハンマーヘツ
ド、２……活字輪、２ａ……活字面、３……支持
部材、４……ローラホルダー、４ａ……板バネ、
４a′……屈曲部、４ｅ……間隔、４ｂ……係合
溝、５……ローラアーム、５ａ……係合縁、５ｂ
……係合溝、６……軸、７……スプリング用取付
軸、８……復帰用スプリング、９……ローラ軸、
１０……インクローラ、１１……ガイド円盤、１
２……印字カード、１３……差込み通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印字作動自在に構成した印字ハンマー１のヘツ
   ド１ａの側面に支持部材３を回動自在に軸着し、
   この支持部材３の先端に設けたローラ軸９にはイ
   ンクローラ１０と、このインクローラ１０よりも
   大径に形成したガイド円盤１１を夫々回転自在に
   取付け、カード用の差込み通路１３内に差込んだ
   印字カード１２が上記のガイド円盤１１を押す
   と、上記支持部材３の全体が復帰用スプリング８
   に抗して印字カード１２の差込み方向に円弧回動
   し、この回動過程で上記のインクローラ１０が印
   字位置にセツトされた活字面２ａにインクを塗布
   する様に構成する一方、上記の支持部材３を、印
   字ハンマー１のヘツド１ａ側に回動自在に軸着し
   たローラホルダー４と、上記のインクローラ１０
   並びにガイド円盤１１を取付けたローラ軸９を備
   えるローラアーム５とに２分割し、このローラア
   ーム５を上記ローラホルダー４に対して着脱自在
   に構成した印字機用インク塗布装置に於いて、上
   記のローラホルダー４に、上記復帰用スプリング
   ８の取付軸７と、略く字状に形成した屈曲部４
   a′を有する板バネ４ａと、上記ローラアーム５の
   ローラ軸９の根本部分に嵌合自在な半円形状の係
   合溝４ｂを設けると共に、上記のローラアーム５
   には、記板バネ４ａとローラホルダー４の面との
   間隔４ｅに差込んで上記の屈曲部４a′に弾性的に
   係合自在な係合縁５ａと、上記ローラホルダー４
   の復帰用スプリング８の取付軸７の根本部分に嵌
   合自在な半円形状の係合溝５ｂを設けたことを特
   徴とする印字機用インクローラの交換装置。