JPS6319032Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は必要に応じて洗濯用ネツトで用いる洗
濯機に関する。

(ロ) 従来例 従来のこの種の洗濯機は、洗濯槽内に配設した
パルセータが円盤状のものであるから有底円筒状
の洗濯用ネツトを用いることができた。そして、
パルセータの１回あたりの回転時間も少なくとも
10数秒であるから、この回転時に洗濯用ネツトは
回転水流とパルセータの直接的な回転力とによつ
て回転し、内部の毛布や損傷しやすい衣類を水流
によく晒し、洗うことができた。しかし、最近で
はパルセータの回転時間及び回転数を減少させ、
全体的に衣類の損傷を抑制する洗濯機が出現して
いるが、この洗濯機にて上記洗濯用ネツトを用い
た場合にはネツトをほとんど回転させることがで
きないので、内部の衣類等を洗濯水に浸すだけに
なり、洗濯効果が不充分であつた。又、同時にパ
ルセータの中央を高く突出させて衣類のからみつ
きを防ぐものもあるが、この場合はネツトを突き
破ることがあり、又、衣類等を水上に押上げるの
で、上記形状のネツトを用いることができなかつ
た。

(ハ) 考案の目的 本考案は高く突出した中央部から外周部まで翼
片を有し、且つ短時間毎に回転を繰返すパルセー
タを備えた洗濯機に於いて、洗濯用ネツトを用い
るに際して洗濯効果を向上し、ネツトの破損を防
止し、衣類等を洗濯水中に的確に浸すようにした
ものである。

(ニ) 考案の構成 本考案はパルセータと洗濯槽内側面との間に、
断面Ｕ字型で環状の柔軟な網部材にフロートを取
付けて成る洗濯用ネツトを、取外し可能に配設し
た洗濯機である。

(ホ) 作用 ここでは中央部に於ける翼片が中心から外方に
向けて水流を作り、洗濯用ネツトの内環状面から
外環状面まで、貫通させる。従つて、内部の衣類
はこの水流によつて洗われる。毛布の場合は内、
外の環状面間に薄く延ばして入れているので、一
度に広範囲に亘つて水流が通過し、洗濯効果が上
る。

又、ネツト網部材の内環状面はパルセータ中央
部の翼片を囲み或いはそこに接触するので、回転
力を受けやすい。一方、外環状面は回転水流によ
つて回転しようとするが、槽内側面との接触抵抗
や回転水流が弱いことを考慮すると、ほとんど回
転しない。従つて、パルセータ回転時にはネツト
網部材の内環状面の回転、停止がその外環状面に
遅れて伝達され、この時にネツト網部材は捩れて
内部の衣類等を押し洗いする。

又、ネツトはフロートによつて浮力を得ている
ので、パルセータ回転時に負荷（衣類等）の状況
によつて水平方向にも揺動しやすく、上述の押し
洗い効果を助長している。

更に、網部材の内環状面はパルセータ回転時に
中心下方への吸込み力によつて下方へ移動力を受
ける。従つて、この上下動によつて上述の押し洗
い効果が更に助長されると共に、衣類等は洗濯水
中にその都度確実に浸る。尚、出没を繰返すこと
により、洗濯水の出入りが生じるので洗濯効果も
上る。

(ヘ) 実施例 図面に於いて、１は機体２内に吊棒３によつて
取付けられた外槽、４は外槽１内に配設された脱
水孔５付きの洗濯兼脱水槽である。

６は洗濯兼脱水槽４の内底部に配設された大径
のパルセータで、中央部を槽中程まで高く突出
し、この中央部から外周部までの上面に翼片７…
を突出形成している。

８は駆動モータ、９は駆動力を洗濯兼脱水槽４
やパルセータ６に伝達する伝達機構である。タイ
マー（図示せず）による時間制御により、洗濯工
程ではパルセータ６は５秒以内毎に200r.p.ｍ以
下の低い回転数で間欠的に反転駆動され、脱水工
程ではパルセータ６及び洗濯兼脱水槽４は同時に
同方向に高速回転される。

１０は排水路、１１は排水弁、１２は給水口、
１３…はタイマー等のツマミである。

１４は洗濯兼脱水槽４の内側面とパルセータ６
との間に取外し可能に配設された洗濯用ネツト
で、断面Ｕ字型で環状の柔軟な網部材１５と、こ
の網部材１５の内環状面１６及び外環状面１７の
各上端開口縁に固着されたやはり環状のフロート
１８，１９とから成る。この結果、内環状面１６
はパルセータ６の翼片７…の周囲を囲み、外環状
面１７は槽内側面に近接する。

洗濯用ネツト１４内に衣類等２０を入れ、所定
量の給水を行ない、パルセータ６を間欠的に反転
駆動すると、パルセータ６は洗濯水を中央上部か
ら下方外周方向及びそのまま外周方向に放出する
と共に、回転させる。従つて、洗濯水は内環状面
１６から衣類等２０を経て外環状面１７まで貫通
し、衣類等２０を洗う。又、毛布の場合は薄く延
ばして入れてあるので、一度に広範囲に亘つて貫
通して効果的に洗う。

内環状面１６はパルセータ６の中央部及び底部
中央寄りに接近しているので、或いは負荷（衣類
等）によつては接触しているので、パルセータ回
転時に回転力と下降する力とを受ける。一方、外
環状面１７は斯る直接的な力を受けにくいし、槽
内側面との接触抵抗もあるので回転しにくい。よ
つて内、外環状面１６，１７間では回転、停止毎
に捩り力が働き、衣類等２０を押し洗いする。
又、内環状面１６を上下動することにより、斯る
押し洗いが助長されている。更に、浮力を得てい
るネツト１４が回転時には水平方向に揺動するの
で、この力で押し洗いが助長されている。

又、衣類等２０は内環状面１６が下方に引き込
まれるのに伴い洗濯水中に確実に浸る。

パルセータ回転中に槽内側面で押し上げられた
水は、フロート１８，１９を越えて中心方向に戻
る。

尚、通常の洗濯はネツト１４を外して実行す
る。第４図は他の実施例を示し、前記フロート１
８に代えて、前記内環状面１６の上部開口縁に、
この開口を閉塞する如く円盤状のフロート２１を
取付けたものである。

こうすることにより、前記フロート２１がパル
セータ６の上方を隠すので、衣類等を誤つてネツ
ト外に入れる心配がない。その上、内環状面１６
の浮力が大きくなるので、ネツトがパルセータ６
に巻込まれにくく、それによる破損も減少する。

(ト) 考案の効果 本考案は洗濯用ネツト内で衣類等を水流で洗う
ことができると同時に捩れによる押し洗いもでき
るので洗濯効果が向上する。又、ネツトもパルセ
ータの形状に合せてあるから破損することが少
く、更に、衣類等を洗濯水中に確実に浸している
ので、洗濯むらを防ぐことができる。この結果、
本考案は毛布や損傷しやすい衣類を所謂ソフトに
且つ洗いむら少く洗う実用的な洗濯機を提供でき
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による洗濯機の断面図、第２図
は洗濯用ネツトの平面断面図、第３図は第２図Ａ
−A′断面図、第４図は他の実施例を示す第１図
相当図である。 ４……洗濯兼脱水槽（洗濯槽）、６……パルセ
ータ、７……翼片、１４……洗濯用ネツト、１５
……網部材、１６……内環状面、１７……外環状
面、１８，１９……フロート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯槽の内底部に、高く突出した中央部から外
   周部まで翼片を有し且つ短時間毎の回転を繰返す
   パルセータを、配設し、このパルセータと洗濯槽
   内側面との間に、断面Ｕ字型で環状の柔軟な網部
   材にフロートを取付けて成る洗濯用ネツトを、取
   外し可能に配設したことを特徴とする洗濯機。