JPS642714Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、一般家庭において使用する全自動洗
濯機に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、洗剤前の予浸作業は、別の容器で行なわ
れたり、この種の洗濯機を利用する場合には、第
１図に示すように、まず、衣類が十分に浸漬する
ような水量（本洗水位１）まで給水し、回転翼３
を回転させて洗剤を溶かし、その中に衣類２を入
れて浸漬しておく方法が一般的である。しかし、
この方法では、衣類がかさ高のため、多くの衣類
を予浸しようとすれば、多量の水を必要とし、予
浸液濃度は本洗水位と同水位であるから本洗時の
濃度と同じで、市販洗剤などで規定濃度としてい
る約0.133％となる。洗浄においては、約0.2％程
度が最も洗浄性能が高くなり、また予浸という漬
け置きの効果は洗剤濃度が高いほどその効果も大
きいという実験報告も出ていることより、従来の
方法では、がんこな汚れなどには、長時間の浸漬
が必要と思われ、その間に繊維が脆化したり、色
落ちしたり、再汚染したりする問題があつた。

考案の目的 本考案は、このような従来の予浸方法に改良を
加え、予浸効果の向上をはかつた全自動洗濯機を
提供するものである。

考案の構成 本考案の全自動洗濯機は、洗濯槽と、回転自在
な撹拌翼と、給水装置と、給水制御装置と、自動
プログラム装置と、受筒底部にその吸込口を持
ち、洗濯槽上部から洗濯槽内に向かつて吐出口が
開口する洗剤液循環ポンプと、予浸水位設定圧力
スイツチと、本洗スイツチ圧力設定スイツチを備
え、予浸行程においては、洗剤液循環ポンプによ
り洗剤液を循環させるとともに洗剤液を発泡させ
て衣類に浸み込ませる予浸を行ない、続いて通常
水位まで給水し、本洗を行う構成としたものであ
る。

実施例の説明 以下、添付図面に基づいて本考案の一実施例に
ついて説明する。第２図において、４は本体外
板、５は受筒、６は洗濯兼脱水槽（以下、洗濯槽
という）、７は撹拌翼で洗濯槽底部に位置しモー
タ８の回転が回転機構部９を経て回転伝達され
る。１０は本体蓋、１１は投入口蓋、１２は操作
パネル、１３は電磁排水弁、１４はエアートラツ
プである。更に本考案においては、予浸水位設定
用の圧力スイツチ１５及び本洗水位設定用の圧力
スイツチ１６を設け、それぞれエアーホース１
７，１８でエアートラツプ１４に接続すると共
に、それぞれの圧力スイツチ１５，１６の水位調
節用つまみ１９，２０を設け、操作パネル部分か
ら使用者が水位調節できるようにしている。また
２１は本洗時の水位で高水位に決定した場合を示
し、２２は予浸行程における給水水位を示したも
のであるが、この予浸水位は、この位置より若干
高低の調節ができるようになつている。これらの
調節は、前記調節つまみ１９，２０の操作によつ
て行なわれる。更に２４はポンプ、２５は洗剤液
を送るホース、２６は液の吸入口、２７はその吐
出口である。２８はポンプ２４の操作部を兼ねた
自動タイムスイツチで、ポンプ２４はこの自動タ
イムスイツチ２８に接続し、自動タイムスイツチ
２８を操作することによつて自動的にポンプ２４
が作動するようにしている。上記構成において動
作を説明すると、まず洗濯にあたつて自動タイム
スイツチ２８を予浸行程から始まる位置に設定
し、ONすると、給水が始まる。この時、本洗の
水量に対し、適正な洗剤濃度（約0.133％）に相
当する量の洗剤を同時に投入する。一方、給水は
予浸水位設定用の圧力スイツチ１５により制御さ
れ、予浸水位２２付近で停止する。続いて衣類２
３を投入し、自動タイムスイツチの予浸行程に従
つてポンプ２４が運転を始め、吸込口２６から受
筒５、及び洗濯槽６にたまつている洗剤液を吸い
込み、ホース２５を通して吐出口２７から衣類２
３の上に洗剤液がかかる。この循環作用で洗剤の
溶解を行うとともに、溶解した洗剤液を発泡させ
て衣類と接触させ、衣類の表面に付着した汚れを
浮き上がらせその汚れを泡内に取り込んで汚れの
再付着を防止している。また、この場合、洗剤濃
度は、本洗の約1/2以下の少量の水に対して、本
洗時の水量に相当する洗剤量を投入してあるた
め、少なくとも本洗時の２倍以上の濃度になつて
いる。この高濃度の洗剤液を循環させることで、
衣類をくまなく浸らせ、適当時間予浸を行なつた
後、本洗に入る。この場合、本洗水位設定圧力ス
イツチ２０に回路接続されて、本来の本洗水位ま
で給水されモータ８が回転して洗濯が始まる。こ
の時、洗剤濃度は、本来の規定濃度0.133％にな
つている。この後、排水、脱水、すすぎ、脱水を
経て洗濯作業は終了する。

考案の効果 上記実施例から明らかなように、本考案の全自
動洗濯機は、特に予浸において、非常にかさ高な
衣類で、はじめは洗剤液にその全部が浸つていな
いものでも、洗剤液を循環させて、常に上部から
も衣類に液がかるようにすることで、かなり少量
の水で予浸が可能になる。また、洗剤液の濃度が
高いため、汚れが落ちやすくなるという効果が増
し、さらには、洗剤液を循環させることで、衣類
内部及び周りに洗剤液の流れが生じ、その層流作
用によつて、実際に汚れを落としたり、汚れを落
ちやすくするのに一層の効果がある。しかも、洗
剤液は循環する際に発泡するため、衣類の表面の
汚れを効果的に浮き上がらせ、また汚れの再付着
も防止でき、予浸効果を向上させている。また、
液の流れ程度の力では汚れを落とすのに効果はあ
るが、衣類はほとんど傷むことはない。このよう
に時間的にも、洗浄性能に対しても予浸の効果を
向上させるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の全自動洗濯機の断面図、第２図
は本考案の一実施例を示す全自動洗濯機の断面図
である。 ５……受筒、６……洗濯槽、７……撹拌翼、１
５……予浸水位設定用の圧力スイツチ、１６……
本洗水位設定用の圧力スイツチ、２４……ポン
プ、２６……吸入口、２７……吐出口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 洗濯槽と、回転自在な撹拌翼と、給水装置
   と、給水水位制御装置と、自動プログラム装置
   と、受筒底部に吸込口を有し、洗濯槽上部から
   洗濯槽内に向かつて吐出口が設けられている洗
   剤液循環ポンプと、低水位の予浸水位設定圧力
   スイツチと、予浸水位より高水位の本洗水位設
   定圧力スイツチを備え、予浸行程においては前
   記洗剤液循環ポンプにより洗剤液を循環させる
   とともに洗剤液を発泡させて衣類に浸み込ませ
   る予浸を行ない、続いて本洗水位まで給水し、
   本洗を行う構成とした全自動洗濯機。 (2) 予浸水位は、本洗水位の約1/2以下に設定さ
   れた実用新案登録請求の範囲第１項記載の全自
   動洗濯機。