JPH09285681A

JPH09285681A - 洗濯機及び洗濯方法

Info

Publication number: JPH09285681A
Application number: JP8104934A
Authority: JP
Inventors: Soichi Fukuzawa; 宗一福沢; Mitsuyuki Togashi; 充行冨樫; Yosuke Nagano; 洋介永野; Gichu Ota; 義注太田
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1996-04-25
Filing date: 1996-04-25
Publication date: 1997-11-04

Abstract

(57)【要約】【課題】えり，そで汚れのような強力な汚れの衣類と普
通汚れの衣類を同時に分け洗い可能な洗濯機を得る。【解決手段】洗濯機に洗剤の自動投入機を設け、給水の
一部を同投入機の洗剤出口に導入する。洗剤投入機から
出た洗剤を同給水に混合，溶解し、外槽と洗濯槽の間を
経て槽底部に投入し、他の給水は洗濯槽内に直接流入さ
せ、底部の洗剤液と混合して水位を３０〜１００mmに設
定する。洗濯衣類は強い汚れの衣類を槽底部に入れ、そ
の上に普通の汚れの衣類を入れる。パルセータは０.３
〜０.５秒の範囲で回転させ、これを正逆転し、洗い終
了後、パルセータを動かしながら全洗濯量に対応する水
位まで上昇させ、同水位に到達した時点で洗濯量に対応
した最適な洗濯コースで洗濯する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はえり，そで等汚れの
強い衣類と普通汚れの一般衣類を洗い分けできる洗濯方
法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の技術に関しては、特公昭
62−1753号公報がある。本技術は撹拌翼の中央棒体部の
上部に別部品の小形の洗い槽を装着し、同洗い槽内に衣
類を入れて洗濯槽本体に投入した洗濯物と分け洗いする
方法である。本技術は中央部に棒体を有する特殊な撹拌
翼用に限定される上、分け洗いのための洗い槽が別部品
として必要になる。また、えり，そで等の汚れの強い衣
類の分け洗いに対しても十分に対応することができない
などの問題点を有した。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、中央
部に棒体のない通常のパルセータでも対応可能であり、
かつ、別部品の洗い槽が不要な上、えり，そで等の強い
汚れの衣類に対しても他の衣類と分け洗いすることがで
きる洗濯機の提供をすることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では次のような手段を用いることにした。す
なわち、えり，そで等の強い汚れの衣類に対しては、こ
れを洗濯槽の底部に入れ、その上に普通汚れの衣類を投
入する（調査の結果、えり，そで汚れ等強い汚れの衣類
は一回の洗濯で１kg以下）。給水は全量の一部を洗剤自
動投入機の洗剤出口部に導入し、同投入機から供給され
るえり，そで汚れ等の衣類を含む全洗濯量に対応した洗
剤量を溶解，混合して外槽と洗濯槽の間から洗濯槽の底
部に直接導入する。他の給水は洗濯槽内の普通汚れの衣
類の上から導入し、水位は３０〜１００mmの範囲に設定
する。パルセータの正逆転時の回転時間は０.３〜０.５
秒の範囲に設定し、所定時間、水位内のえり，そで対応
衣類を高洗剤濃度液下で洗濯する。その後、再度給水し
てパルセータを正逆転させながら水位を全洗濯量に対応
した最適水位にまで上昇させる。同水位に到達した時点
でその洗濯量に適合した通常の洗濯コースで洗濯を実行
する。

【０００５】洗剤は全洗濯量に対応した全量が給水の一
部に溶かされて洗濯槽と外槽の間から洗濯槽の底部に直
接流入する。同時に他の給水は上部の衣類内を流下して
洗濯槽底部に到達し、洗剤液と混合する。このため、洗
剤分が上部の衣類に吸収されることがなく、効率良く槽
底部への高濃度洗剤液が得られる。給水は図２のように
ｈで示す水位が３０〜１００mmの範囲で停止する。そし
て、パルセータが0.3〜０.５秒の回転時間で正逆転
し、洗剤液に浸漬した強い汚れの衣類に対して、上部の
衣類が蓋をした形で高洗剤濃度洗濯を所定時間実行す
る。この０.３〜０.５秒の回転時間は設定水位内にあ
る衣類（えり，そで汚れ等、汚れの強い衣類）と上部の
衣類が相互に混じり合わず、かつ、適度に布動きを与え
ることができる最適時間範囲である。この関係は、透明
洗濯槽を使用して目視により確認した。つまり、これは
通常の洗濯コースを実行する前に洗濯槽底部に入れたえ
り，そで等の汚れの強い衣類を回転時間と高洗剤濃度洗
濯液により選択的に先行洗濯を行うことに他ならない。
所定時間の洗濯が終了すると給水を再開し、パルセータ
を正逆運転させながら水位を上昇させる。水量が全洗濯
量に対応した最適水位Ｈに到達すると洗剤の濃度は標準
の濃度になる。水位が上昇する過程では洗剤濃度は標準
状態に比べて高く、特に給水初期ではかなり高濃度であ
る。この給水中にもパルセータが動いて機械力を衣類に
付与し続ける。このときのパルセータの回転時間は上部
の衣類とえり，そで対応衣類が徐々に入れ替わるように
その回転時間を段階的に長くすると効果的である。これ
が、上部にある衣類を含めた全衣類の洗浄率向上に大き
く寄与する。規定水位に到達以後は洗濯すべき全洗濯量
に対応した標準洗濯コースを実行して洗濯を行う。

【０００６】以上により、従来洗濯前に手洗いしていた
えり，そで等の汚れも全自動で普通汚れの衣類との分け
洗いが可能になる。また、これらのコースは、通常の洗
濯コースとは別に必要に応じて「分け洗い」用の選択ボ
タン等でセレクトするようにする。なお、標準的な１kg
以下のえり，そで対応衣類(全洗濯量４.８kg）に対して
パルセータの正逆転時の回転時間が０.４秒の場合、水
位と洗浄率の関係は図３の通りとなり、洗剤濃度と布動
きなどとの関係から最適水位は３０〜１００mmの範囲と
なる。パルセータの回転時間が０.３，０.５秒でもその
傾向はほぼ同じである。図４は水位５０mmにおけるパル
セータの回転時間と洗浄率の関係である。０.３秒未満
では布が十分に動かず、また、０.５秒を超えると上方
の衣類との相互の入れ替えが増加して、いずれも洗浄率
は低下する。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面によ
り説明する。図１は本発明の全体的な構成を示す図面で
ある。１は洗濯機の洗濯兼脱水槽（以下、洗濯槽と称す
る）で、上部に脱水時の回転を円滑に維持するためのバ
ランサ２と、脱水時高速回転して洗濯物の水分を遠心力
で分離し、外槽７に排出する脱水孔３を有する。洗濯槽
１の底部には脱水時に伝導装置１６の回転を同洗濯槽に
伝えるハブ４が設けられている。６はパルセータで伝導
装置からの軸５に固着され、洗濯時回転して衣類に機械
力を付与する。１７は排水弁で、洗濯，すすぎ終了時や
脱水時等に図示していない制御装置からの信号によって
開き、洗濯槽１および外槽７内の洗濯液等を排水ホース
１８で外部に排出する。９は吊り棒で、外槽７を緩衝材
８を介して外枠２４の上部四隅から懸垂する。１０は洗
濯槽１と外槽７の間に洗濯物が落下するのを防止するカ
バーである。外槽７の底部下側に設置された駆動モータ
１１は冷却フアン１２を有し、モータプーリ１３，ベル
ト１４，伝導装置用プーリ１５を介してその動力を伝導
装置１６に伝達する。洗濯時には軸５を駆動してパルセ
ータ６を回転し、脱水時にはハブ４を介して洗濯槽１と
パルセータ６を回転する。１９は洗濯機全体を支承する
脚部で、外枠２４の底部に設けられる。２０は液面２２
を有する液体洗剤貯留タンクで注入口２１を備える。２
３は洗剤の自動投入機で、洗剤の出口には給水弁２５の
給水の一部を分岐管２６で分岐して導入する。

【０００８】洗剤自動投入機２３の出口部で洗剤と給水
を混合し、流入管２７から洗濯槽１と外槽７との間に流
入させる。一方、他の給水は給水管２８を経て直接洗濯
槽１の中に給水する。

【０００９】以上のような構成により、洗濯槽１内にま
ず、えり，そで等の汚れの強い衣類を入れ、その上に普
通汚れの衣類を投入する。図示していない「分け洗い」
のセレクトボタンを選択して洗濯を開始すると、図示し
ていない布量センサが全布量を検知して、最適な水位と
同水位に対応した洗剤量，正逆転時間，洗濯時間等を決
定する。その後、給水弁２５が開いて給水を開始する
が、給水の一部を分岐管２６で洗剤自動投入機２３の出
口に導入し、洗剤と混合して流入管２７より外槽７と洗
濯槽１の間から洗濯槽の底部に洗剤を直接供給する。洗
剤投入量は全洗濯量に対応する洗剤量全量である。投入
した洗剤は上部の衣類に吸収されることがなく全量を効
率的に槽底部に到達させることができる。一方、他の給
水はそのまま給水管２８を経て洗濯槽内の衣類上に流入
し、同衣類内を通過して洗濯槽１の底部に流下する。そ
して同底部で先の洗剤液と混合し、その水位を３０〜１
００mmの範囲に上昇させる。このため、槽底部にあるえ
り，そで対応衣類は高濃度の洗剤液に浸漬されることに
なる。水位設定後、洗剤液に浸漬された衣類と上部の衣
類が相互に入れ替わらず、かつ、適度な布動きを与える
０.３〜０.５秒の回転時間でパルセータを正逆転させ、
強い汚れの衣類を高濃度洗剤液内で選択的に強力洗濯す
る。洗濯が終了したら再度給水を開始し、先に決定して
いる全洗濯量に対応した標準水位まで給水する。この水
位に至ると洗剤濃度も標準濃度になる。しかし、給水の
過程では洗濯液は標準濃度に比べてその濃度は高く、特
に、給水初期ではかなり高くなっている。このため、給
水中もパルセータを動かして洗濯行為を実行する。水位
が規定水位に達すると、先にセンサによって決定した各
種洗濯条件のもとで標準の洗濯コースを実行する。

【００１０】なお、洗剤の自動投入機を用いない場合
は、汚れの強い衣類上に全洗濯量に対応した洗剤を散布
し、その上に普通汚れの衣類を投入して前述の洗濯方法
で洗濯しても良い。

【００１１】更に、汚れの強い衣類のみを洗濯ネット内
に封入すれば、上部にある普通汚れの衣類との相互の入
替えが皆無となり、洗浄性能はより向上する。

【００１２】洗剤を給水の一部に混合して洗濯槽１と外
槽７との間から直接洗濯槽１の底部に流入させるから、
洗剤分が上方にある衣類に吸収されることなく槽底部に
効率良く洗剤を供給することができる。一方、他の給水
は洗濯槽１内に流入して乾いた衣類を減容させながら流
下し、洗剤液と混合して水位を３０〜１００mmの超低水
位に設定する。このため、えり，そで汚れ等の強い汚れ
の衣類は高濃度洗剤液中に浸漬されることになる。ま
た、パルセータは洗剤液内に浸漬する強い汚れの衣類と
上部の衣類が相互に入れ替わらない０.３〜０.５秒の回
転時間で正逆転するから、所定時間高濃度洗剤液内にあ
る衣類を選択的に強力洗濯することが可能となる。次
に、強力洗濯終了後、再度給水して水位を規定水位まで
上昇させるが、この過程でも洗剤液は平均的にまだ高濃
度を維持しているから、この状態を有効利用してパルセ
ータを動かすことにより上部の衣類を含めた全衣類の洗
浄レベルを向上させることができる。さらに、規定水位
に到達すれば全衣類に対応した最適な洗濯コースで洗濯
を実行するため、結果的にえり，そで汚れ等の汚れの強
い衣類と普通汚れの衣類を全自動で分け洗いすることが
可能となる。図４は(１)全洗濯量は４.８kg(２）えり，
そで対応衣類は１kgでこれをを洗濯槽の底部に入れる
（３）その上に残りの一般衣類を配置する（４）水位５
０mm（５）洗剤濃度０.３％(６）パルセータの正逆転を
０.３秒回転，０.５秒停止とするなどの条件で１０分間
洗濯し、さらにその後、パルセータを０.３秒回転，０.
５秒停止の正逆転から１.２秒回転，０.６秒停止の正逆
転までその回転，停止時間を水位に応じて徐々に変化さ
せながら給水し、水位を３２０mmに上昇させる。そし
て、水位が３２０mmに到達した後（洗剤濃度は０.０８
％になる）パルセータを１.２秒回転、０.６秒停止の
正逆転で１５分間洗濯するという洗濯条件のもとで得ら
れたえり，そで対応衣類の平均洗浄率と、従来通り１kg
のえり，そで対応衣類と3.8kgの一般衣類を混合して水
位３２０mm，洗剤濃度０.０８％，パルセータを１.２秒
回転，０.６秒停止の正逆転で２５分間洗濯した時のえ
り，そで対応衣類の洗浄率とを比較したものである。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば洗浄率はかなり高く、洗
浄性能の向上は顕著である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の構成を示す断面図。

【図２】本発明の作用を示す説明図。

【図３】本発明の水位と洗浄率の関係を示す特性図。

【図４】本発明のパルセータ回転時間と洗浄率の関係を
示す特性図。

【図５】本発明の効果を示す説明図。

【符号の説明】

１…洗濯槽、６…パルセータ、７…外槽、９…吊り棒、
１１…モータ、１６…伝導装置、１７…排水弁、２０…
洗剤貯留タンク、２３…洗剤自動投入機、２５…給水
弁、２６…分岐管、２７…流入管、２８…給水管。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者太田義注茨城県土浦市神立町502番地株式会社日立製作所機械研究所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】外枠とこの外枠に支承した外槽と、前記外
槽内に回転自在に支持した脱水兼用の洗濯槽と、前記洗
濯槽内の底部に設けたパルセータと、洗い時に前記パル
セータを回転させ、脱水時に前記洗濯槽を回転させる駆
動装置を前記外槽の底部下側に備えたものにおいて、洗
濯時、まず、汚れの強い一部洗濯物を前記洗濯槽の底部
に投入し、その上に普通汚れの洗濯物を投入した後、前
記汚れの強い洗濯物のみ浸漬する低い水位まで給水し、
前記汚れの強い洗濯物と普通汚れの洗濯物を含めた全洗
濯量に対応した洗剤量で所定時間選択的に高濃度洗濯
後、引き続いて全洗濯量に対応した適正水位まで再度給
水して洗濯を実行するようにしたことを特徴とする洗濯
機。
【請求項２】請求項１において、前記汚れの強い洗濯物
を浸漬する水位を洗濯量にかかわらず３０〜１００mmの
範囲に設定する洗濯方法。
【請求項３】請求項１または２において、前記再給水時
にはパルセータを正逆転させながら給水を行うようにし
た洗濯方法。
【請求項４】請求項１，２または３において、前記低水
位時のパルセータ正逆転の回転時間が０.３〜０.５秒の
範囲である洗濯方法。
【請求項５】請求項４において、洗剤の貯留タンクと洗
剤の自動投入機を備え、その時の洗濯量に対応した洗剤
を自動投入するようにした洗濯機。
【請求項６】請求項５において、前記洗剤自動投入機の
洗剤出口部に給水の一部を分岐して導入し、洗剤を溶解
させた上前記外槽と洗濯槽の間に流入させ、他の給水は
前記洗濯槽内に直接流入させるようにした洗濯機。
【請求項７】請求項５において、水位上昇のための給水
時にパルセータの正逆転時の回転時間を０.３〜０.５秒
から全洗濯量を洗濯する洗濯コースの回転時間まで段階
的に変化させるようにした洗濯方法。
【請求項８】請求項１，２，３，４，５，６または７に
おいて、これを通常の洗濯コースとは別に選択ボタン等
によってセレクトできるようにした洗濯方法。
【請求項９】請求項１，２，３，４，５，６，７または
８において、前記汚れの強い一部洗濯物を洗濯ネットに
封入して洗濯を行うようにした洗濯方法。