JPS6318575Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ビデオカセツト等の被包装物（以下
単にカセツトという）を収容するブツクケース型
の容器に関し、詳しくは、ブランクにカセツトを
載置し、該カセツトを包装しながら同時に組立て
られる容器に関する。

〔従来の技術〕

従来、カセツトを収容するための容器は、折込
用罫線を形成しながら所定形状に打抜いたブラン
クを折曲げ形成してなるもので、カセツトは予め
成形された容器に挿入収容包装されている。しか
し、上記容器は、その保管、運搬、並びに取扱い
に不利であり、また、カセツト挿入作業が必要で
意外に作業時間を要する等の欠点があつた。そこ
でブランク上にカセツトを載置し、カセツトを包
装すると同時にホツトエアー接着して容器を成形
するいわゆるラツプラウンド包装の容器が提案さ
れている。この場合、従来のブランクでは、ホツ
トエアーが容器内部へ侵入してカセツトの熱変
形、変質等が生ずるので、第３図に示すような側
板１，２を背板３を介して設け、一方の側板２の
上下端には、外折込片４，４を、他方の側板１の
上下端には内折込片５，５をそれぞれ連設し、前
記背板３の上下端には舌片６，６を連設してな
り、該舌片６，６の斜辺状端縁７，７には成形時
に前記内折込片５，５と重なり、成形された容器
の端部でのはみだしがないようにした略三角形状
の薄肉部８，８を設けてなるブランク９を折曲げ
形成してなる容器が考えられる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、容器成形の際、ホツトエアーを当て
る場所は、ブランクに形成された罫線への影響
（罫線にホツトエアーが当たると軟化してヒンジ
性が低下し、ラツプラウンド包装する際、各折込
片が起立状態を維持できなくなる）を考慮して薄
肉部の中央付近に限られる。よつて、上記容器の
ように薄肉部を略三角形状とした場合、その端部
付近の重合部はほとんど溶融接着せず、しかも、
ブランクを折曲げ形成する際、この薄肉部は内折
込片とぶつかつて外方へ反るので、外折込片の端
部が浮上がつて外観が悪くなり、さらには、この
部分が他物に引掛かつてケースが壊れ易くなると
いう問題点がある。また、薄肉部を形成する場
合、熱プレスして薄くするため、内折込片端縁と
薄肉部端縁で形成されるＶ字の谷付近はこの熱プ
レスにより素材がのびて薄肉になり罫線が歪んで
しまう恐れがある。さらに、略三角形状の薄肉部
の場合、その下方端近傍ではわずかな突出があ
り、カセツトを収容した容器をラツプフイルムで
包装すると該フイルムが破れてしまう恐れもあ
る。

〔問題点を解決するための手段〉 本考案は上記問題点を解決するためになされた
もので、熱可塑性合成樹脂製の素材を打抜き、罫
線付けされた一枚のブランクに被包装物を載置し
ながら組立てられる容器であつて、略同じ大きさ
の側板を背板の両側に罫線を介して設け、一方の
側板の上下端に外折込片を、他方の側板の上下端
には内折込片をそれぞれ連設し、前記背板の上下
端には舌片を連設して成り、該舌片の斜辺状端縁
には該斜辺の下方端から若干離間して薄肉部を設
け、内折込片、舌片、外折込片の順に折重ねて舌
片の薄肉部を内折込片と外折込片との間に挟んだ
状態でホツトエアー接着して成るプラスチツク容
器である。

〈作用〉 本考案の容器は、ブランク上にカセツトを載置
し、各片、各板を折曲げ、ホツトエアー接着して
成形される。このとき、舌片に設けられた薄肉部
は内折込片に重なつて、ホツトエアーの容器内へ
の侵入を確実に防止し、一方、その薄肉部は舌片
の斜辺下方端から若干離間しているので、成形し
て得られる容器の端部での重合部はなく、内折込
片と外折込片の端部は確実に密接され、さらに薄
肉部のはみだしもない。

〈実施例〉 本考案を図面の実施例を用いて詳細に説明す
る。

本考案の容器は、ポリプロピレン等の比較的剛
性のある熱可塑性合成樹脂製の素材を打抜き、罫
線付けされた一枚のブランク１８から組立てられ
る容器であつて、該ブランク１８は、略同じ大き
さの二枚の方形状の側板１０，１１を細長い方形
状の背板１２の両側に罫線を介して設け、一方の
側板１１の上下端には該側板１１と略同幅の外折
込片１３，１３を、他方の側板１０の上下端に
は、前記背板１２に近い方の端部に傾斜部を有す
る内折込片１４，１４をそれぞれ連設し、背板１
２の上下端には、前記内折込片１４の傾斜部と対
応する傾斜状端縁１６を有する舌片１５，１５を
連設してなり、該舌片１５，１５の傾斜状端縁１
６，１６の斜辺の下方端から若干、例えば２〜３
mm離間して薄肉部１７，１７を設けたものであ
る。

上記構成のブランクの側板１０にカセツトを載
置し、内折込片１４，１４、舌片１５，１５、外
折込片１３，１３、背板１２、側板１１を折曲げ
る。このとき、舌片１５，１５に設けられた薄肉
部１７，１７は内折込片１４，１４に重なり、こ
の状態で外折込片１３，１３内面のほぼ中央、及
び舌片１５，１５、薄肉部１７，１７、内折込片
１４，１４のほぼ中央に渡つてホツトエアーを噴
射し、これらを圧着せしめて接着固定することに
より、本考案の容器は成形される。

〔考案の効果〉 本考案の容器は、薄肉部を舌片の斜辺下方端か
ら若干離間して設けることにより、ホツトエアー
のケース内への侵入を防止でき、かつ、ケース端
部でのはみだし及び浮きを防止することができ
る。また、この薄肉部を形成することも容易で実
用的であり、また、薄肉部の端部が全く突出しな
いので、容器をラツプフイルムで包装してもこの
ラツプフイルムが破れることはない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はその展
開平面図、第２図はその要部の斜視図、第３図は
従来技術の展開平面図である。 １，２，１０，１１……側板、３，１２……背
板、４，１３……外折込片、５，１４……内折込
片、６，１５……舌片、７，１６……傾斜状端
縁、８，１７……薄肉部、９，１８……ブラン
ク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱可塑性合成樹脂製の素材を打抜き、罫線付け
   された一枚のブランクに被包装物を載置しながら
   組立てられる容器であつて、略同じ大きさの側板
   を背板の両側に罫線を介して設け、一方の側板の
   上下端に外折込片を、他方の側板の上下端には内
   折込片をそれぞれ連設し、前記背板の上下端には
   舌片を連設して成り、該舌片の斜辺状端縁には該
   斜辺の下方端から若干離間して薄肉部を設け、内
   折込片、舌片、外折込片の順に折重ねて舌片の薄
   肉部を内折込片と外折込片との間に挟んだ状態で
   ホツトエアー接着して成るプラスチツク容器。