JPS6318370Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、掃除機付きシート、特に車両用シー
トにおいて、掃除機本体をシートクツシヨン部下
側に組込み、付属ホースをシートバツク部背面側
に巻取り収納するようにした掃除機付きシートに
関するものである。

従来、シートと掃除機とは別体で構成されてお
り、シートの周辺の塵、埃を掃除するときは、別
の場所に収納されていた掃除機を取出してシート
周辺を吸引するようにして掃除を行つていた。

しかしながら、従来の上記シートと掃除機によ
れば、掃除機を収納するための保管場所を確保し
なければならず、狭い空間しかなく掃除機の保管
場所を確保しにくい自動車の車両内においては、
掃除機を別の場所から持ち込んで掃除を行い、ま
た、別の場所に片付けるという繁雑な動作が必要
となるので、掃除が面倒くさくなつてしまい、つ
いシート周辺の掃除が滞りがちとなつてシート周
辺の清潔が保てないという欠点を有していた。ま
た、シートのシートクツシヨン部下部側やシート
バツク部背部側は本来余り利用価値を有しない個
所であつてほとんど使われておらず、空間の利用
を無駄にしているという欠点を有していた。

本考案の目的はシートクツシヨン部の下部側に
掃除機本体を組込み、シートバツク部背部側の巻
取り枠に巻付け収納した付属ホースを連結するよ
うにして上記欠点を除去するものであり、以下実
施例を用いて詳細に説明する。

第１図，第２図は本考案による掃除機付きシー
トの一実施例を示す斜視図及び側面断面図であ
り、同図において車両用シート１はシートクツシ
ヨン部２とシートバツク部３とから構成され、通
常シートバツク部３は図示しないリクライニング
機構により前後に傾倒自在となつている。上記シ
ートクツシヨン部２の下面側には下面側の矩形状
に沿う如く枠状となり、かつシートクツシヨン部
２の下面側両側に対向してＬ字状に折曲されたス
ライド枠４が固定されており、このスライド枠４
には、上面側に基板６を有し、内部側に薄型モー
タ７を収納した掃除機本体５がスライド自在に設
けられている。この掃除機本体５は第２図に示す
ように後部側中央に引き出し用の取手６ａを有す
る基板６と、この基板６の下部側に略中央に薄型
モータ７を載置するための凹部８ａを有する箱体
８と箱体８の後部側に設けられる集塵袋９と、箱
体８の凹部８ａを介して上記モータ７の軸に固定
され、後方から前方へ塵を吸引するように回転す
るフアン１０とから構成されている。上記箱体８
の下面側前部には排気用の排気口８ｂが設けら
れ、また、後部側側壁には上記集塵袋９の集塵口
９ａが突出する孔８ｃを有し、かつこの集塵袋９
の箱体８への装着、取出しを行うための袋取出し
口８ｄが設けられている。この袋取出し口８ｄは
一方にヒンジ８ｅを有し他方に取手８ｆを有して
いる。上記シートバツク部３の背面側は凹部３ａ
となつており、この凹部３ａにはフレーム１１と
このフレーム１１の左右側を橋絡しかつ中央部に
円板状のドラム取付板１２ａを有する基板１２が
取付けられ、この基板１２のドラム取付板１２ａ
の後部側には円板１３ａ，１３ｂを筒体１３ｃの
前後に取付けて成るドラム状のホース巻取枠１３
がドラム取付板１２ａに取付けられる。上記ホー
ス巻取枠１３の前面側円板１３ａの中央には孔１
３ｄが形成され、また、上記円板１３ａと１３ｄ
との間の筒体１３ｃには孔１３ｅが形成されてい
て、円板１３ａに形成した孔１３ｄには連結部材
１４の上端側のノズル１４ａが上記ドラム取付板
１２ａの中央に穿設した孔１２ｂを挿通して差し
込まれホース巻取枠１３は回転自在となつてい
る。上記円筒体１３ｃの孔１３ｅには蛇腹状の塩
化ビニル材等より成る付属ホース１５の一端が差
し込まれる。また、上記記連結部材１４の下端側
は偏平なノズル１４ｂとなつており、この偏平ノ
ズル１４ｂと上記集塵袋９の集塵口９ａとの間に
は蛇腹状の連結ホース１６が接続されている。上
記付属ホース１５は長尺な蛇腹状のもので上記ホ
ース巻取枠１３の中心軸である筒体１３ｃに巻付
けるようにして収納されており、この付属ホース
１５の他端側にはパイプ１７を介して吸込口１８
が接続されている。上記ホース巻取枠１３の後部
側円板１３ｂの中央には孔１３ｆが形成され、こ
の孔１３ｆにはシートバツク部３を後部側より被
うカバー１９の中央に形成された孔１９ａを通し
て回動ピン２０が挿入される。

以上のような構成において、掃除機本体５の取
付けは、シートクツシヨン部２の下部側に設けた
スライド枠４に基板６の両端を挿入して完了す
る。次に掃除機本体５の集塵袋９の集塵口９ａと
シートバツク部３の背部側に設けた連結部材１４
の下端側の偏平ノズル１４ｂとを連結ホース１６
により連結する。次に上記連結部材１４の上端側
のノズル１４ａにパイプ巻取枠１３の前部側円板
１３ａの中央の孔１３ｄを回転自在に取付け、次
に後部側よりシートバツク部３の凹部を被うよう
にカバー１９を回動ピン２０により取付ける。こ
のように取付けることによりホース巻取枠は連結
部材１４の円形ノズル１４ａと回動ピン２０とに
よつて回転が円滑に行われる。このときパイプ１
７と吸込口１８とをカバー１９内の空間に収納し
ておくと空間的利用がより有効に行われる。

次に本考案による掃除機付きシートの使用方法
について説明すると、カバー１９の下端側の開口
部１９ｂからパイプ１７及び吸込口１８を引き出
すと付属ホース１５はホース巻取枠１３が回転す
ることによりカバー１９の外側へ引き出される。
この状態で掃除機のスイツチをオンにして掃除を
行うことができるので簡単にシートの周辺の清掃
を行うことができる。次にこの掃除機の付属ホー
ス１５を収納するにはカバー１９の回転ピン２０
を引き抜いてカバー１９を取り外し、ホース巻取
枠１３に付属ホース１５を回転させながら巻取
り、最後にパイプ１７と吸込口１８とを凹部３ａ
内の隙間に挟み込むように収納した後、再びカバ
ー１９をピン２０により回転式のホース巻取枠１
３の後面側円板１３ｂの孔１３ｆに差し込んで収
納が完了する。なお、集塵口９ａと連結部材１４
とは蛇腹状の連結ホース１６で接続されているの
で、シートバツク部３の前後への傾倒を何ら阻害
することはなく、また繰返し行われる傾倒動作に
よつても連結ホース１６が損傷することはない。

以上説明したように本考案による掃除機付きシ
ートによれば、集塵口を有する掃除機本体を車両
用シートにおけるシートクツシヨン部の下部に設
け、かつ掃除機の付属ホースを巻取るホース巻取
枠及び付属ホースに連通する連結部材をシートバ
ツク部の裏側に取付けるとともに、上記集塵口と
連結部材の開口端を蛇腹状の連結ホースで接続し
たので、掃除機を収納する場所を設けることがな
く、従つて利用空間の制約される自動車等の車室
内を有効に利用することができ、また、掃除機を
使用する際の取出し及び収納を簡単に行うことが
でき、シート周辺の清掃が気軽に行うことができ
るので、シート周辺を常に清潔に保つことができ
る。更に、通常、リクライニング機構を有する車
両用シートにおけるシートバツク部の前後への傾
倒を何ら阻害することがなく、また繰返し行われ
る傾倒動作によつても連結ホースが損傷すること
がない。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図は本考案による掃除機付きシー
トの一実施例を示す分解斜視図、側面断面図であ
る。 ２……シートクツシヨン部、３……シートバツ
ク部、５……掃除機本体、６……基板、７……薄
型モータ、８……箱体、９……集塵袋、１１……
フレーム、１２……基板、１３……ホース巻取
枠、１４……連結部材、１５……付属ホース、１
６……連結ホース、１９……カバー、２０……回
動ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 集塵口を有する掃除機本体を車両用シートにお
   けるシートクツシヨン部の下部に設け、かつ掃除
   機の付属ホースを巻取るホース巻取枠及び付属ホ
   ースに連通する連結部材をシートバツク部の裏側
   に取付けるとともに、上記集塵口と連結部材の開
   口端を蛇腹状の連結ホースで接続したことを特徴
   とする掃除機付きシート。