JPS6318114Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は真空インタラプタに係り、特に真空容
器を円筒状または有底円筒状の金属ケースとその
開口部を気密に閉塞するセラミツクスからなる円
板状の絶縁端板とにより形成してなる真空インタ
ラプタに関する。

従来、上述した真空インタラプタは、たとえば
第１図に示すように、円筒状の金属ケース１と、
その両開口部を閉塞するセラミツクスからなる円
板状の絶縁端板２とを、ナイフエツジシール等に
より気密接合して真空容器３を形成し、この真空
容器３内に、１対の電極４を、真空容器３内の一
端（第１図において下端）に配置した金属ベロー
ズ５を介し各絶縁端板２の中央から軸方向（第１
図において上下方向）へ相対的に接近離反自在に
導入した対をなす電極棒６により接触離反（接
離）自在に設け、かつ、電極４，４の接離により
生ずる金属粒子等の各絶縁端板２の内面（真空
側）への付着防止および真空容器３内における電
界緩和等を図るべく、各電極棒６の内端部付近に
カツプ状の主シールド７を、その開口部をそれぞ
れの絶縁端板２側へ対向せしめて嵌着するととも
に、金属ケース１の両端部付近の内側にそれぞれ
一端を固着した環状にしてかつ断面Ｌ字状の補助
シールド８の他端を各シールド７の内側に位置せ
しめかつ半径方向（第１図において左右方向）に
おいて重畳せしめて構成している。

なお、第１図において９は熱応力により塑性変
形自在の銅の如き金属からなる短円筒状の補助シ
ールドで、ステンレス鋼の如き金属からなる円筒
状のケース本体１０と相俟つて金属ケース１を構
成するものである。また、１１および１２は中央
に孔１３を備えた絶縁端板２の一面における外周
部付近および内周部付近に形成した第１メタライ
ズ層および第２メタライズ層である。さらに、１
４および１５はそれぞれ一端側の絶縁端板２にお
ける第２メタライズ層１２と金属ベローズ５との
気密接合を良好とすべく両者間に介在されるベロ
ーズ補助部材および他端側の絶縁端板１２におけ
る第２メタライズ層１３に一端を気密接合されか
つ他端を第１図における電極棒６の外周面と気密
接合された円筒状の軸補助部材である。

しかし、上述した従来の真空インタラプタにお
いては、金属ベローズ５と補助シールド８の他端
側との半径方向における間隔が、補助シールド８
の他端側と主シールド７との半径方向における間
隔より小さいか同等に設けられている。

したがつて、電極４，４の開離状態において規
格以上のインパルス電圧等が両電極４間に印加さ
れた場合、または事故電流をしや断する場合等に
は、金属ベローズ５と補助シールド８との間で閃
絡を生ずるおそれがあり、かかる場合には、金属
ベローズ５が比較的薄いステンレス鋼等の金属か
らなることもあつて、金属ベローズ５が脆弱とな
つたりまたはこれにピンホールが生じ、真空容器
３の気密性が損なわれるおそれがある。

本考案は、上述した問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、金属ベローズ、補
助シールドおよび主シールド３者間の半径方向の
間隔を改良することにより、金属ベローズと補助
シールド間の閃絡を防止し、もつて気密性に優れ
た真空インタラプタを提供するにある。

以下、第２図、第３図および第４図を用いてこ
の考案の実施例を詳細に説明する。なお、以下の
説明において前述した従来のものと同一の機能を
奏する構成部材には、同一の符号を付してその説
明を省略する。

第２図は本考案に係る真空インタラプタの半截
縦断面図で、この真空インタラプタは、その真空
容器３の一部を形成する金属ケース１を軸方向
（第２図において上下方向）の弾力性に富んだも
のとすべく、補助部材７，７が気密接合されるケ
ース本体１０の両端部に、その両端を半径方向
（第２図において左右方向）内方へ屈曲せしめる
とともに、さらに軸方向外方（第２図において下
方および上方）へ延伸せしめて小径部１０ａ，１
０ａが形成されている。そして、それぞれの主シ
ールド７の開口端部および補助シールド８の他端
部に、その部分における電界集中を緩和すべく円
周の約3/4の長さを有する円弧状の電界緩和部７
ａおよび８ａが、それぞれの部分を半径方向内方
および半径方向外方へ彎曲せしめて形成されてい
るとともに、金属ベローズ５または軸補助部材１
５と補助シールド８との半径方向の間隔l₁は、第
２図、第３図に示すように、補助シールド８と主
シールド７との半径方向の間隔l₂より適宜大きく
設けられている。なお、主シールド７とケース本
体１０との半径方向の間隔l₃は、補助シールド８
と主シールド７との半径方向の間隔l₂と同程度に
設けられているものである。

したがつて、事故電流しや断時等に、他端側の
主シールド７と補助シールド８との間において閃
絡が生じ、かつ一端側の補助シールド８と主シー
ルド７との間において閃絡が生じたとしても、補
助シールド８と金属ベローズ５との間において閃
絡が生ずるおそれはない。ために、金属ベローズ
５にピンホール等が生じ、真空インタラプタの気
密性が損なわれることはない。

なお、上述した実施例においては、補助シール
ド８の電界緩和部８ａを主シールド７側に形成し
た場合について述べたが、これに限定されるもの
ではなく、金属ベローズ５と補助シールド８との
間隔l₁と補助シールド８と主シールド７との間隔
l₂とを、上述した関係に維持せしめて、たとえば
第４図に示すように、補助シールド８の電界緩和
部８ａを金属ベローズ５側に形成してもよいもの
であるとともに、または、主シールド７の電界緩
和部７ａと補助シールド８の電界緩和部８ａとを
ともにケース本体１０側に設けたり、あるいは主
シールド７の電界緩和部７ａをケース本体１０側
に設け、補助シールド８の電界緩和部８ａを金属
ベローズ５側に設けてもよいのは勿論である。

また、上述した各実施例においては、真空容器
３を円筒状の金属ケース１とその両開口部を閉塞
する絶縁端板２，２とにより形成した場合につい
て述べたが、これに限定されるものではなく、た
とえば有底円筒状（カツプ状）の金属ケースと、
その開口部を閉塞するセラミツクスからなる絶縁
端板とにより真空容器を形成するとともに、この
真空容器内に１対の電極を接離自在に設け、かつ
主シールドおよび補助シールドを設けてなる真空
インタラプタにも同様に適用し得るものである。

さらに、上述した真空インタラプタにおいて
は、一方の電極棒６のみを金属ベローズ５を介し
て移動自在に設けた場合について述べたが、たと
えば両電極棒を真空容器内に配置される金属ベロ
ーズを介してともに移動自在に設けてなるものに
おいても同様に適用し得るものである。

以上の如く本考案は、円筒状または有底円筒状
の金属ケースの開口部をセラミツクスからなる円
板状の絶縁端板により気密に閉塞して真空容器を
形成し、前記真空容器内に１対の電極を真空容器
内の少なくとも一端に配置される金属ベローズを
介し真空容器の端部から相対的に接近離反自在に
導入した対をなす電極棒により接離自在に設け、
前記各電極棒の内端部付近にカツプ状の主シール
ドをそれぞれの絶縁端板側へ開口せしめて固着
し、前記金属ケースの両端部付近の内側にそれぞ
れ一端を固着した環状にしてかつ断面Ｌ字状の補
助シールドの他端を各主シールドの内側に配置し
てなる真空インタラプタにおいて、前記金属ベロ
ーズと補助シールドの他端側との半径方向の間隔
を、補助シールドの他端側と主シールドとの半径
方向の間隔より大きく設けたものであるから、事
故電流しや断時等において補助シールドと金属ベ
ローズとの間に閃絡が生ずるおそれがなく、ひい
ては真空インタラプタを耐気密性に優れたものと
することができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の真空インタラプタの半截縦断面
図、第２図は本考案に係る真空インタラプタの半
截縦断面図で、第３図はその要部の拡大断面図、
第４図は本考案の他の実施例の要部の拡大断面図
である。 １……金属ケース、２……絶縁端板、３……真
空容器、４……電極、５……金属ベローズ、６…
…電極棒、７……主シールド、８……補助シール
ド、l₁，l₂……間隔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状または有底円筒状の金属ケースの開口部
   をセラミツクスからなる円板状の絶縁端板により
   気密に閉塞して真空容器を形成し、前記真空容器
   内に１対の電極を真空容器内の少なくとも一端に
   配置される金属ベローズを介し真空容器の端部か
   ら相対的に接近離反自在に導入した対をなす電極
   棒により接離自在に設け、前記各電極棒の内端部
   付近にカツプ状の主シールドをそれぞれの絶縁端
   板側へ開口せしめて固着し、前記金属ケースの両
   端部付近の内側にそれぞれ一端を固着した環状に
   してかつ断面Ｌ字状の補助シールドの他端を各主
   シールドの内側に配置してなる真空インタラプタ
   において、前記金属ベローズと補助シールドの他
   端側との半径方向の間隔を、補助シールドの他端
   側と主シールドとの半径方向の間隔より大きく設
   けたことを特徴とする真空インタラプタ。