JPS6317821Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野） 本考案は室内側に開口する出窓前面開口の左右
両側に配置されるとともに出窓の側壁を構成する
側壁枠における横棧へビスによつて結合される縦
棧の補強をした出窓構造に関するものである。

〔背景技術〕

一般に、第１図に示すような建物の外壁１に取
着される出窓Ａは、第２図および第３図に示すよ
うに、室内側に開口する前面開口の両側に設けた
縦棧３を外壁に設けた開口窓２両側に配した柱１
４へ結合して建物の躯体支持されるものである
が、例えば洗面化粧台を内部に組み込む場合のよ
うに、出窓内に各種の設備を付加すると、建物外
壁より突出する出窓自体の重量が増大するため、
柱１４と縦棧３との結合強度を高める必要があ
る。ところが、従来この種の出窓における縦棧３
には殆んどの場合アルミニウムの押出成形品が用
いられているため、肉厚を大きくして上記の結合
強度を上げるには限度があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記の点に鑑みて為されたものであつ
て、その主な目的とするところは、出窓前面の開
口両側において建物へ結合されるとともに出窓の
側壁を構成する横棧に結合される縦棧を効果的に
補強し、縦棧と建物との結合部で出窓に作用する
大きな荷重を支持できる出窓構造を提供すること
にある。

〔考案の開示〕

本考案に係る出窓構造では、出窓前面の開口縁
両側に設けた前面が開口する断面略字形の縦棧
内へ上下の略全長に亘つて鉄のような剛性の高い
材料で成形された補強棧が嵌入され、補強棧が縦
棧の内周面に沿接するとともに補強棧に設けた前
面片で縦棧の前面開口を塞ぐことにより縦棧全体
を補強し、補強棧に設けた舌片より縦棧の底面片
を通してビスが出窓の側壁を構成する側壁枠にお
ける横棧に結合されることにより、縦棧と横棧と
の結合と同時に縦棧と補強棧とが一体に結合され
るとともに舌片がビスの座金となつてこの部分の
結合強度を高め出窓の剛性を高める構造が開示さ
れる。また、この他、本考案には、縦棧前面に露
出する補強棧の前面片を利用しこの補強棧を建物
外壁に備える固定部材へ溶接を用いて強固に結合
できる構造が開示される。

本考案を以下、図面に示す実施例に基づいて詳
述する。本考案に係る出窓構造は、室内側に開口
する前面開口を外壁１に設けた開口窓２に合致さ
せて出窓Ａが建物の外壁１に取着され、前面が開
口する断面略コ字形の縦棧３が出窓Ａにおける前
面開口の左右両側縁に設けられ、出窓Ａの側壁を
構成する側壁枠４における横棧５が上記縦棧３へ
この縦棧３の底面片６より横棧５へ螺入するビス
７によつて結合され、縦棧３内へ上下の全長に亘
つて鉄のような剛性の高い材料で成形された補強
棧８が嵌入され、補強棧８は縦棧３の前面開口を
塞ぐ前面片９を一端に有し縦棧３の底面片６内面
を覆う舌片１０を他端に有するとともに縦棧３の
内周面に沿接する断面形状に形成され、上記ビス
７が舌片１０に設けたビス孔１１より縦棧３の底
面片６を通して横棧５に結合され、ビス孔１１の
前方に対応する前面片９にはビス７の締め付け時
に用いるドライバ先端を通す切欠１２が形成され
たものである。出窓Ａは、第１図および第２図に
示すように建物の外壁１に設けられた開口窓２に
室内側に開口する前面開口を合致させて、外壁１
より突出する形に取り付けられる。外壁１は例え
ば、第４図に示すように、コンクリートブロツク
の芯材１５を介して外装材１６と内装材１７とを
積層して構成される。外壁１において開口窓２に
臨む端面にはアルミニウム成形品の額縁１８が取
り付けられる。額縁１８の前端部には取付片１９
が延設され、この取付片１９を通して芯材１５に
螺入するアンカ２０によつて額縁１８が外壁１に
取り付けられる。額縁１８の後端部は出窓Ａに連
結される。出窓Ａにおける前面開口の左右両側縁
には前面開口した断面略字形の上下に走る縦棧
３が設けられ、この縦棧３が外壁１に結合されて
出窓Ａが建物に取り付けられる。縦棧３は出窓Ａ
の壁側を構成する側壁枠４における横棧５に縦棧
３の底面片６を通して螺入されるビス７によつて
横棧５と結合される。縦棧３の両側面片２１のう
ち外壁１の開口窓２の内側の側面片２１前端には
前面開口した断面略字形の連結片２２が延設さ
れており、この連結片２２内に上記した額縁１８
の後端部が収められる。側面片２１のうち開口窓
２の外側に位置する側面片２１前端部の内周面に
はＬ字片２３が突設され、そのＬ字片２３によ
り、前方に開口した凹所２４が形成される。この
側面片２１の外周面には外壁１の外装材１６が臨
み、両者間にはコーキング材２５が充填される。
縦棧３内には上下の全長に亘つて鉄のような剛性
の高い材料で成形された補強棧８が嵌入される。
補強棧８は、第５図および第６図に示すように、
縦棧３の前面開口を塞ぐ前面片９の一端から縦棧
３の側面片２１の内周面に沿つて側片２６が延出
し側片２６の後端から底面片６に沿つた舌片１０
が延出するとともに、前面片９の他端から縦棧３
の他方の側面片２１の内周面に沿つて係止片２７
が延出してその先端が上記凹所２４内に収まる断
面形状に形成される。縦棧３と横棧５とを結合す
るビス７に対応して補強棧８の舌片１０にはビス
孔１１が形成され、このビス孔１１を通してビス
７が舌片１０を座金として螺入される。補強棧８
の前面片９にはビス孔１１に対応して切欠１２が
形成され、この切欠１２を通してビス７を締め付
けるドライバ先端が挿入される。補強棧８は係止
片２７を縦棧３に設けた凹所２４に収めるととも
に、舌片１０を縦棧３の底面片６にビス７で結合
しているから縦棧３内で確実に位置が固定され、
その結果、縦棧３の変形が防止できるものであ
る。このようにして縦棧３内に補強棧８を収めた
状態でこの縦棧３が外壁１に結合される。外壁１
には、芯材１５と外装材１６との間に一端部が収
まつて芯材１５に挿入されるアンカー２９で固定
され、他端部が芯材１５の端面の一部を覆う断面
略Ｌ字形に形成された鉄材などの取付板２８が固
定されている。この取付板２８と補強棧８の前面
片９とが溶接などで固着されて外壁１に出窓Ａが
固定されるものである。なお、補強棧８を鉄製と
すれば溶接が容易に行なえるものであるから、ア
ンカーボルトのような他の部品を溶接することが
容易であり、その結果、外壁１がコンクリートや
発泡コンクリートなどで構成されている場合でも
出窓Ａを確実に取り付けることができるものであ
る。外壁１がコンクリートや発泡コンクリート製
の場合には、外壁１内に埋入された鉄筋を外壁１
の開口窓２の内周面に臨ませ、取付板２８の一端
部を補強棧８の前面片９と縦棧３とに溶接あるい
はビス止めによつて固着するとともに他端部を開
口窓２の内周面に臨ませるようにし、鉄筋と取付
板２８とを溶接によつて結合すれば、出窓Ａを外
壁１に固定できるものである。

〔考案の効果〕

本考案は上述のように、外壁に結合される縦棧
内に剛性の高い材料で形成された補強棧が嵌入さ
れているものであるから、縦棧を効果的に補強で
き、縦棧の建物の外壁との結合部において出窓に
作用する大きな荷重を支持することができ、その
結果、出窓を長期に亘つて使用しても出窓と外壁
との間に隙間ができたりすることがないものであ
る。また、補強棧が縦棧の底面片を覆う舌片を有
しているから、縦棧と横棧とを結合するビスの座
金として舌片が作用し、座金が他に不要で組み立
て作業が容易になるとともに、座金として補強棧
が作用することにより、縦棧と補強棧との結合力
が大きくなつて、効果的に補強できるという利点
を有する。また、補強棧として鉄材を用いれば安
価に補強が行なえるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る出窓を外壁に取着した状
態の斜視図、第２図は同上の概略横断面図、第３
図は従来例を示す部分横断面図、第４図は本考案
の一実施例を示す部分横断面図、第５図は同上に
用いる補強棧の一部省略斜視図、第６図は同上の
部分斜視図である。 １は外壁、２は開口窓、３は縦棧、４は側壁
枠、５は横棧、６は底面片、７はビス、８は補強
棧、９は前面片、１０は舌片、１１はビス孔、１
２は切欠、Ａは出窓である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 室内側に開口する前面開口を外壁に設けた開口
   窓に合致させて出窓が建物の外壁に取着され、前
   面が開口する断面略字形の縦棧が出窓における
   前面開口の左右両側縁に設けられ、出窓の側壁を
   構成する側壁枠における横棧が上記縦棧へこの縦
   棧の底面片より横棧へ螺入するビスによつて結合
   され、縦棧内へ上下の全長に亘つて鉄のような剛
   性の高い材料で成形された補強棧が嵌入され、補
   強棧は縦棧の前面開口を塞ぐ前面片を一端に有し
   縦棧の底面片内面を覆う舌片を他端に有するとと
   もに縦棧の内周面に沿接する断面形状に形成さ
   れ、上記ビスが舌片に設けたビス孔より縦棧の底
   面片を通して横棧に結合され、ビス孔の前方に対
   応する前面片にはビスの締め付け時に用いるドラ
   イバ先端を通す切欠が形成された出窓構造。