JPS6317577B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、マシニングセンタ等の加工機と組み
合せて用いられるパレツトマガジンに関し、特に
パレツト格納棚の立体的配置によつて小床面積上
に多数のパレツトを格納可能にすると共に複数台
の加工機との組み合せによりフレキシブル生産シ
ステムの構成に効果的なパレツトマガジンに関す
る。

近年、マシニングセンタやNC工作機械等の自
動加工機にパレツトマガジンとパレツトチエンジ
ヤとを併設し、パレツト上に装着した被加工ワー
クをパレツトチエンジヤによつてパレツトマガジ
ンから自動加工機に搬入し、また加工完了後には
再びパレツトチエンジヤによつて自動加工機から
パレツトマガジンに搬出することによつて自動加
工作業の能率向上を図る生産システムが採られて
いる。このような自動生産システムにおいて、従
来から用いられているパレツトマガジンの形態
は、複数のパレツトを平面内で例えばチエーン送
り機構等の送り手段によつて小判形軌道上を移動
可能に配設し、該小判形軌道沿いの一位置でパレ
ツトへの未加工ワークの取付やパレツトから加工
済ワークの取りはずし等の段取り作業をおこな
い、また他の位置でワークの載置されたパレツト
を自動加工機等との間で前記パレツトチエンジヤ
やロボツトによつて授受とおこなう形態又は静止
台の平面テーブル上に複数のパレツト載置面を確
保し、ここから適宜の搬送手段によつて自動加工
機へ未加工ワーク付パレツトを搬入し又は加工済
ワーク付きのパレツトを自動加工機から戻す形態
等が多く採用されている。すなわち、従来のパレ
ツトマガジンは平面内にパレツト収納面を確保す
る形式が採られているため、パレツト数の増加に
伴つて所要面積も必然的に増加し、故に生産シス
テムの規模が大きくなるに従つて極めて大きな面
積空間を確保しなければならないという不都合が
ある。更に上述した小判形軌道上をパレツトが移
動する方式では被加工ワークを載置した複数のパ
レツトが同時に移動して順次にパレツト授受位置
へ到達する方式が採られるために送り手段の作動
に要するエネルギーが大きく従つて大きな出力を
有した駆動源が必要になるという不都合がある。
加えてパレツトマガジンに隣接して複数台の自動
加工機を配設するとパレツトマガジンのパレツト
収納容量も増大させねばならないために上述した
面積空間の増加と高出力駆動源の必要性は益々増
大し、中小規模の生産システムでは採用しがたい
欠点となる。

従つて本発明の目的は、上述のような従来のパ
レツトマガジンの形態では回避できなかつた不都
合、欠点を排し、立体空間内にパレツト収納空間
を確保すると共に複数の自動加工機と隣接して生
産システムの作業能率を著しく向上させることの
可能なパレツトマガジンを提供せんとするもので
ある。

本発明によれば、縦方向に多段構造に形成した
パレツト格納棚を環状に配置すると共にその中心
部に上下移動と縦軸まわりの旋回移動が自在なリ
フターと、該リフターに取付けられたパレツト把
持手段とを設け、円筒空間内に複数のパレツト格
納セルを構成し、かつ、前記パレツト格納棚には
その外周に配置されたパレツトチエンジヤ等とパ
レツトの授受を行う受け渡し口を所望数具備させ
たことを特徴とするパレツトマガジンが提供され
る。以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づ
いて詳細に説明する。

第１図は本発明の実施例によるパレツトマガジ
ンを複数台の加工機と組み合わせて用いる例を示
した平面図、第２図は同例における第１図の矢視
線―に沿う側面図である。

第１図、第２図において、本発明の実施例によ
るパレツトマガジン１０は円筒形外形を有し、縦
方向には複数ｎ段（本実施例では４段）のパレツ
ト格納棚１２を備え、かつ同段では円周方向に複
数ｍ個（本実施例では８個）のパレツト格納棚１
２が配列され、故に〔ｎ×ｍ〕個の格納セル１４
を円筒空間内に有したパレツトマガジンとして形
成されている。各パレツト格納棚１２の上面には
パレツト１６単体又は被加工ワークＷが取付けら
れたパレツト１６が載置される受承面１２ａが設
けられており、この受承面１２ａには必要に応じ
てパレツト１６を安定にかつ定位置で受承するた
めの例えば適宜のガイド（図示なし）等が設けら
れる。図示から明らかなように上述のパレツト格
納セル１４は円筒形のマガジンケース１８内に形
成されており、このマガジンケース１８の内部中
心部分には旋回リフタ２０とこの旋回リフタ２０
に取付けられた後述のパレツト把持手段６０が設
けられている。旋回リフタ２０は下部に円形軌道
２２に沿つて縦軸まわりに旋回動作する基台２４
とこの基台２４上に立設された支柱２６を有し、
この支柱２６の上端に取付けられた上板２８に設
けられた旋回軸３０がマガジンケース１８の上面
に取付けられた回転軸受手段３２に軸承されると
共に回転駆動モータと適宜の減速装置とからなる
駆動源３４に結合されている。すなわち、上記基
台２４と支柱２６が駆動源３４の回転駆動によつ
て一体となつて縦軸まわりに旋回するのである。
そして、この駆動源３４の回転駆動作用を外部か
らの制御信号によつて制御すれば、任意の旋回位
置で基台２４と支柱２６を停止させることも可能
になつている。また支柱２６にはプーリ３６が
上・下動可能に取付けられており、このプーリ３
６の中心軸に上端が連結された縦桿３８の下端は
基台２４上に固定された油圧シリンダ又は空気圧
シリンダからなる流体圧シリンダ４０のピストン
４２に結合されている。従つて流体圧シリンダ４
０の作動でピストン４２と作動桿３８とが、上・
下動すると、これに応じてプーリ３６も支柱２６
に沿つて上・下動する。このプーリ３６にはチエ
ーン４４が掛けられ、このチエーン４４の一端は
基台２４に係止されている。またチエーン４４の
他端は支柱２６の側面に沿つて上・下動する移動
車４６に取付けられている。従つて、上述のプー
リ３６が支柱２６に沿つて上・下動すると、チエ
ーン４４に索引された移動車４６も上・下動し、
このときに移動車４６の移動量はプーリ３６の移
動量の２倍になることは言うまでもない。なお、
図示例では移動車４６は左右に１対ずつの車４８
を有し、支柱２６の両側面に設けられた縦ガイド
レール５０，５０に沿つて上・下動する。また移
動車４６には前述のパレツト把持手段６０が取付
けられている。このパレツト把持手段６０はパレ
ツト把持板６２を有してこのパレツト把持板６２
はその中央にパレツト１６単体又は被加工ワーク
Ｗが取付けられたパレツト１６を把持することが
可能であると共に各パレツト格納セル１４と対向
位置に来たときに、該パレツト格納セル１４の格
納棚１２に載置されているパレツト１６を受納し
たりまたその格納棚１２にパレツト把持板６２か
らパレツト１６を送出したりする適宜の送受手段
が備えられている。なお、この送受手段自体は従
来のパレツトマガジンとパレツトチエンジヤとの
間におけるパレツト授受手段と同様の周知構成を
利用すればよいので、ここでは詳述を省略する。
以上の説明から明らかなように、パレツト把持手
段６０は旋回リフタ２０の移動車４６に取付けら
れてこれと一体で上・下に移動が可能であり、し
かも移動車４６は流体圧シリンダ４０の作動量を
制御することにより、上・下移動位置の任意の位
置で停止させることが可能であるから、パレツト
把持手段６０は任意の段のパレツト格納セル１４
と対向する位置に到達することができる。しかも
既述の如く、移動車４６が取付けられた支柱２６
が基台２４と共に縦軸まわりに旋回可能であるの
で、パレツト把持手段２６は同一段における円周
上に配列された任意のパレツト格納セル１４と対
向する位置で停止することもできるのである。つ
まり、パレツトマガジン１０内の任意のパレツト
格納セル１４と対向する位置へ、パレツト把持手
段２６が移動できるのである。

さて、本発明によるパレツトマガジン１０は円
筒形状の外形を有しているので、その周囲に配置
した一台又は複数台（実施例では３台）の加工機
７０と組み合せて用いることができる。本実施例
ではマシニングセンターで加工機７０が構成され
ている場合を示しており、従つて加工機７０は周
知の如く、工具マガジン７２中に収納された多数
の工具から選定した工具を工具交換腕７４を用い
て主軸頭７６に交換装着し、制御装置（図示な
し）からのプログラム指令に従つて、ワークテー
ブル７８上に取付けられた被加工ワークＷに機械
加工を自動的に施すことができる。この場合に加
工機７０とパレツトマガジン１０との間に周知の
パレツトチエンジヤ８０を配設し、このパレツト
チエンジヤ８０の旋回腕が180゜旋回することによ
つてパレツトマガジン１０と加工機７０のワーク
テーブル７８上の間で被加工ワークＷを装着した
パレツト１６を交換授受すれば、加工機７０は無
人操作により次々と多数の被加工ワークＷに機械
加工を施うことができるのである。なお、パレツ
トマガジン１０の周囲に複数台の加工機７０がそ
れぞれ該パレツトマガジン１０に隣接して配置さ
れれば夫々の加工機７０に就いてパレツトチエン
ジヤ８０によるパレツト１６の自動交換により被
加工ワークＷに機械加工を連続的に施すことが可
能であり、機械加工能率を著しく向上させること
ができる。また、パレツトマガジン１０の周囲に
隣接配置された複数の加工機７０によつて各被加
工ワークＷに順次に加工を施すことも可能であ
り、その場合には最初の加工機７０で一つの被加
工ワークＷに一定量の機械加工を施した後に一旦
パレツトチエンジヤ８０によつて該被加工ワーク
Ｗをパレツト１６と共にパレツトマガジン１０の
空のパレツト格納セル１４に戻し、次の加工機７
０による加工準備が完了したとき、再び該次の加
工機７０へパレツトチエンジヤ８０によつて被加
工ワークＷをパレツト１６と共に載置して再び一
定量の機械加工を施すようにすればよい。更に次
の加工機７０へ被加工ワークＷを移送するには上
述と同様の過程を繰り返せばよいのである。な
お、パレツトマガジン１０に返還された加工済被
加工ワークＷをパレツト１６から取りはずし、新
たな未加工被加工ワークＷをパレツト１６に取付
ける作業は従来と同様にパレツトマガジン１０の
周囲の適宜位置に配置した作業段取台９０におい
て作業者が行えばよい。勿論、作業段取台９０を
遠隔位置に配置し、パレツトマガジン１０とこの
遠隔の作業段取台９０との間を適宜の搬送手段で
接続した構成にすることも可能である。９２は作
業段取台９０上に設けられた環状軌道であり、こ
の環状軌道９２上でパレツト１６を旋回させなが
ら被加工ワークＷをパレツト１６上に着脱するも
のである。なお、パレツトマガジン１０と各パレ
ツトチエンジヤ８０又は作業段取台９０との間に
おいてパレツト１６の交換授受をおこなうための
パレツト受渡口がパレツトマガジン１０の周囲に
設けられていることは言うまでもない。

以上の説明から明らかなように本発明によれ
ば、パレツトマガジンは円筒形状の立体空間内に
多数のパレツト格納棚を有したパレツト格納セル
を有するので、パレツトマガジンの占有する平面
空間を節減しつつ多数のパレツトを収納すること
が可能となり、従つて少い工場面積を利用して高
能率のフレキシブル生産システムを構成すること
もできる。更に本発明によれば、パレツトマガジ
ン内におけるパレツトの移動はパレツト把持手段
を有した一台の旋回リフタによつて各パレツト毎
に遂行されるので、従来のマガジンでは一台のパ
レツトの移動のために複数のパレツトを同時に移
動させなければならない場合に比較して駆動源に
掛る負荷が軽減され、省エネルギーに寄与するこ
とができる。更にパレツトの移動は一定量の上・
下移動と一定半径の旋回運動のみで目的位置間を
移動する方式が採られているので迅速な移動が達
成され、加工機とのパレツト授受も迅速に達成す
ることができる。なお、図示の実施例では同段円
周上に８個のパレツト収納セルを形成し、４段配
置にしたが、必要に応じてパレツト格納セル数の
増減が可能であることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例によるパレツトマガジ
ンを複数台の加工機と組み合わせて用いる例を示
した平面図、第２図は同例における第１図の矢視
線―に沿う側面図。 １０…パレツトマガジン、１２…パレツト格納
棚、１４…パレツト格納セル、１６…パレツト、
１８…マガジンケース、２０…旋回リフタ、６０
…パレツト把持手段、７０…加工機、８０…パレ
ツトチエンジヤ、９０…作業段取台。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 縦方向に多段構造に形成したパレツト格納棚
   を環状に配置すると共にその中心部に上下移動と
   縦軸まわりの旋回移動が自在な旋回リフターと、
   該リフターに取付けられたパレツト把持手段とを
   設け、円筒空間に複数のパレツト格納セルを構成
   し、かつ、前記パレツト格納棚にはその外周に配
   置されたパレツトチエンジヤ等とパレツトの授受
   を行う受け渡し口を所望数具備させたことを特徴
   とするパレツトマガジン。