JPS6317561Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は吹込式鋳型造型機の砂吹込み装置に関
する。従来のこの種装置は、例えば特公昭51−
43018号に開示されている如く、シリンダにより
昇降可能にされた吹排気機構とその下方に配設さ
れたブローヘツドとから成つており、造型時には
吹排気機構を下降させてブローヘツドに圧着さ
せ、圧縮空気を吹排気機構からブローヘツドへ吹
込み、以てブローヘツド内の鋳砂をブローヘツド
先端のノズルを介して金型内へ充填するように成
してある。そして吹込み後、ブローヘツド内の残
留圧縮空気は前記吹排気機構を経由して大気中へ
放出されるように成してある。

ところで従来のこの種装置では、圧縮空気の吹
込みはブローヘツド内に設けられたスリツト筒の
外周から内部へ向けてなされる一方、残留圧縮空
気も該スリツト筒を通過して排出されるように成
してあるため、排気の際ブローヘツド内の残り砂
がスリツト筒の内壁面へ吸い寄せられ、スリツト
を詰らせることがしばしばあつた。そしてこのよ
うなスリツト筒の目詰りが圧縮空気の吹込み圧力
を低下させ、不良鋳型を発生させる原因になつて
いた。

本考案は上記のような事情に鑑みてなされたも
ので、スリツト筒に目詰りを起させることなくブ
ローヘツド内の残圧を大気中へ排出できる砂吹込
み装置を提供するものである。

以下本考案を図例によつて詳細に説明すると、
第１図において造型機の支持フレーム１，１ａに
エアーシリンダ２が取り付けられており、該シリ
ンダ２内には円筒状のピストンロツド３がピスト
ン４を介して昇降自在に配設されている。

前記シリンダ２の上部には下面に前記ピストン
ロツド３の上端が挿入可能な開口を穿設した中空
連絡部５が備えられており、該中空連絡部５の上
端には外部の排気弁６と連通する透孔７を穿設し
たフランジ８が固定載置されている。

前記ピストンロツド３の下端には圧着ヘツド９
が固着されており、該圧着ヘツド９の下面中央部
には該ピストンロツド３の円筒中空部に連通する
連通孔１０が穿設されていると共に、該連通孔１
０の周囲には通気溝１１が形成されている（第２
図参照）。

前記圧着ヘツド９の側壁には前記通気溝１１に
通じる透孔１２が穿設されており、該透孔１２は
導管１３を介して図示されない圧縮空気源と連通
している。なお前記圧着ヘツド９下面中央部の連
通孔１０には、通気性はあるが鋳砂を通さないフ
イルタ３２が取り付けられている。また第１図に
おいて１４はシール材、１５は前記ピストンロツ
ド３の昇降を支持するガイドロツドである。

前記圧着ヘツド９の下方には、ブローヘツド１
６が横方向に移動可能な台車１７にバネ機構１
８，１８ａを介して上下動可能に取り付けられて
いる。前記ブローヘツド１６は、円筒体１９と該
円筒体１９の下端に連通接続する円錐体２０とか
ら成り、該円筒体１９の内部にはスリツト筒２１
が該円筒体１９の内壁との間に若干の隙間を設け
て挿設されている。前記円筒体１９及びスリツト
筒２１の上端にはフランジ２２が固定載置されて
おり、該フランジ２２の上面中央部には、前記圧
着ヘツド９の下面中央部の連通孔１０に対応する
と共に該スリツト筒２１の中空部に連通する開口
２３が穿設されている。前記開口２３の周囲には
前記圧着ヘツド９の下面の通気溝１１に対応する
通気溝２４が形成されていると共に、該通気溝２
４の底部には前記ブローヘツド１６の円筒体１９
の内壁と前記スリツト筒２１との間隙に通じる透
孔２５が複数個、等間隔を置いて穿設されている
（第３図参照）。

前記ブローヘツド１６の円錐体２０の下面には
複数個のブローノズル２６を備えたブロープレー
ト２７が取り付けられている。

なお第１図において２８は図示されない造型機
のテーブル上に載置された金型であり、該金型２
８の上面には、前記ブローノズル２６が嵌合可能
であると共に該金型２８のキヤビテイ部２９へ通
じる吹込口３０が穿設されている。

以上のように構成された装置において図示され
ない造型機の鋳砂供給ホツパの下まで台車１７を
移動させ、ブローヘツド１６上部の開口２３を介
して該ブローヘツド１６内へ鋳砂を供給した後、
再び該台車１７を移動させ、第１図に示す如く、
該ブローヘツド１６を圧着ヘツド９の真下でかつ
金型２８の真上へ導びく。次にエアーシリンダ２
を作動させて前記圧着ヘツド９を降下させると、
該圧着ヘツド９の下面が前記ブローヘツド１６の
上面と当接するに至る。前記圧着ヘツド９を更に
降下させると、該圧着ヘツド９の押圧力により前
記ブローヘツド１６を前記台車１７に係合させて
いるバネ機構１８，１８ａが伸長し、該ブローヘ
ツド１６が降下してブローノズル２６が前記金型
２８の吹込口３０へ嵌入するに至る。

ここで図示されない圧縮空気源より圧縮空気を
前記圧着ヘツド９の透孔１２を経由して通気溝１
１へ吹込むと、該圧縮空気は前記ブローヘツド１
６の通気溝２４、透孔２５、円筒体１９内壁とス
リツト筒２１との間隙、スリツト筒２１を経てブ
ローヘツド１６内部の鋳砂を押圧する。これによ
り前記鋳砂は前記ブローヘツド１６先端のノズル
２６及び前記金型２８の吹込口３０を経て該金型
２８のキヤビテイ部２９へ充填されるものであ
る。

所定時間経過圧縮空気の供給を止め、排気弁６
を開くと、前記ブローヘツド１６内に残留してい
る圧縮空気は前記スリツト筒２１上方の開口２３
から、フイルタ３２、圧着ヘツド９の連通孔１
０、ピストンロツド３の円筒中空部、フランジ８
の透孔７、排気弁６を経て大気中へ放出される。
なお排気の際、前記ブローヘツド１６内に残留し
ている鋳砂は、前記フイルタ３２により捕促さ
れ、外部へ出ることはない。

以上の説明から明らかなように、本考案は吹込
みの際、圧縮空気がスリツト筒を経てブローヘツ
ド内の鋳砂に均等に作用するように成すと共に、
排気の際、圧縮空気が該スリツト筒の上方の開口
を経て機外へ放出されるように成したものであ
る。

従つて排気の際、ブローヘツド内の残り砂がス
リツト筒の内壁面へ吸い寄せられてスリツトを詰
らせることがなくなる。すなわち圧縮空気の吸込
み性能が安定し、良好な鋳型が得られるものであ
る。

以上のような優れた効果を発揮する本考案が当
業界の発展に寄与する所は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は砂吹込み装置の断面図、第２図は第１
図のＡ−Ａ線における平面図、第３図は第１図の
Ｂ−Ｂ線における平面図である。 ２：エアーシリンダ、３：ピストンロツド、
６：排気弁、９：圧着ヘツド、１０：連通孔、１
１，２４：通気溝、１６：ブローヘツド、２２：
フランジ、２３：開口、２５：透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 造型機の支持フレーム１，１ａに円筒状のピス
   トンロツド３を有するエアーシリンダ２を下向き
   に固設し、該ロツド３の上端を排気弁６と連通さ
   せると共に該ロツド３の下端に圧着ヘツド９を固
   着し、該圧着ヘツド９の下面中央部に前記ロツド
   ３の円筒中空部に連通する連通孔１０を穿設する
   と共に該連通孔１０の周囲に図示されない圧縮空
   気源と連通する通気溝１１を形成し、前記圧着ヘ
   ツド９の下方に、前記シリンダ２と相対的に、横
   方向に移動可能でかつ上下動可能なブローヘツド
   １６を配設し、該ブローヘツド１６の円筒体１９
   内にスリツト筒２１を嵌挿すると共に、該円筒体
   １９及びスリツト筒２１の上端に、前記圧着ヘツ
   ド９の連通孔１０及び通気溝１１に対応する開口
   ２３及び通気溝２４を備えたフランジ２２を固着
   し、該通気溝２４の底部に前記円筒体１９内壁と
   スリツト筒２１との間隙に通じる複数個の透孔２
   ５を穿設したことを特徴とする吹込式鋳型造型機
   の砂吹込み装置。