JPS6317499Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パチンコ機等の遊技機に用いる球貯
留タンクに関するものである。以下、パチンコ機
を例にして説明する。

この種の球貯留タンクは、遊技機の裏面の機構
盤に設置され、例えば、打球の入賞に応じて排出
される賞球等が貯留される。賞球は自然流動で流
下させるため、タンクの内面、特に底面の流出口
周辺や側面には、球が石垣状に重なるブリツジ形
成によつて起る球止まりや、ゴミ、球垢の付着に
よつて起る球止まりが生じないように、精巧に設
計されている。

従つて、球の貯留量を検出する検出手段をタン
ク内に一体形成することが難かしいばかりか、パ
チンコ機に於ては、タンク内の球の貯留量が打球
の入賞状態に微妙に影響を与えるため、タンク内
の球不足に対する球補給の検出タイミングを適切
にする必要がある。

従来、タンク内部に検出手段を構成したものが
知られている。例えば、特開昭53−55249号公報
の第２図では、球の押圧力を受けて傾動するＬ字
型の受圧板が単独にタンク内の流出口近傍に設け
られているが、このようにタンク内部に検出手段
を突出させると、球が受圧板の上端部や検出手段
に引つ掛つたりして球止まりが発生したり、球止
まりによつて球の補給タイミングが早すぎたり遅
すぎたりする等の問題点があつた。

そして、これ等に代わるものとして、第１図に
示すように、タンク２の流出口３に下方から臨む
導出樋４の上流端部に検出器Ｘが設置されてい
た。然し、この位置では、タンク内が完全に空に
なつてからでないと球不足を検出できないという
欠点があり、又、タンク２及び導出樋４が空にな
つてしまうと、自動的に賞球排出装置がロツクさ
れて賞球が排出されず、しかも賞球が補給される
までの間、打球発射機構が強制的に停止して、遊
技も中断されてしまう。このような中断によつて
遊技の興味が著しく殺がれていた。

特に、最近のパチンコ機では、補助遊技装置に
よる“大当り”が発生すると、打球が入賞し易い
特別入賞状態が継続し、短時間に数十個の入賞球
が発生して多量の賞球が排出される機構となつて
いるため、賞球不足による遊技の中断が多くなつ
てしまう。又、特別入賞状態の際に遊技が中断す
ると、入賞球の入賞条件によつて順次継続する特
別入賞態様までが途中で終了してしまい遊技者に
不利益を与えるという不都合があつた。

本考案は、上記不都合の解消を目的とするもの
であつて、この目的達成のため、機構盤の背面に
取付けられ、タンク内の球が導出樋により流下さ
れる遊技機の球貯留タンクに於て、前記球貯留タ
ンクは機構盤へ当接される側壁部と他の三方を囲
む周壁部と底部とから成る上方開放の箱状に形成
し、上記底部には前記導出樋の上流端部が臨む略
四角形の流出口を設け、該流出口には略四角形の
隣り合う二辺から夫々立上る案内壁を形成し、該
案内壁の一つには、窓部を開設して、上部が軸着
され当該案内壁に沿つて流下する球の押圧力によ
つて揺動する揺動板を上記窓部を塞ぐように嵌込
み、この揺動板を案内壁として構成すると共に、
案内壁の背面側には揺動板に臨む検出手段を設け
て、前記隣り合う２つの案内壁によつて流出口で
の球同士の押圧力により発生するブリツヂ形成を
解消せしめると共に案内壁に沿つて流下する球の
押圧力を前記揺動板を介して検出し、タンク内の
球貯留状態を前記導出樋より上方に位置するタン
クの流出口にて検出するようにしたものである。

以下、本考案をパチンコ機に適応した一実施例
を示す図面に基づいて説明する。

第１図に於て、図は裏機構を示すもので、１は
遊技盤の裏面に装着した機構盤、２は機構盤１の
上部に取付けた賞球を貯留するための球貯留タン
ク、３は球貯留タンク２の流出口、４は流出口３
にその上流端部を臨ませた導出樋、５は賞球排出
装置にして、賞球排出装置５は、前記導出樋４の
流下端に臨み導出樋４からの賞球を所定数留保す
る賞球ケース６と、入賞球を１個宛処理して賞球
ケース６を傾動させる賞球排出駆動機構１３とを
有している。７は導出路にして、導出路７は賞球
ケース６からの賞球を自由落下させる垂直部と、
垂直部に続く傾斜部８とから成る。９は傾斜部８
の途中に接続された分流樋であり、分流樋９はパ
チンコ機正面の貯留皿（図示せず）へ賞球を流下
させるための樋である。導出路７の流下端は遊技
盤に穿つた排出口１２に接続されている。尚、１
０は導出路７の賞球を分流樋９へ分流させるため
開口部であり、１１は賞球ベルである。

球貯留タンク２に供給された賞球は、流出口３
から導出樋４を経て賞球ケース６まで自然に流下
し、下流の賞球ケース６から上流の導出樋４及び
球貯留タンク２を満している。そして、この状態
で入賞球の発生を待つ。今、入賞球が発生する
と、賞球排出装置５の駆動機構１３が作動して賞
球ケース６を傾動させ、賞球ケース６に留保され
ている所定数の賞球が導出路７へ放出される。賞
球はこの導出路７を経て排出口１２から打球供給
皿（図示せず）へと排出される。

第２図及び第３図に於て、球貯留タンク２は、
機構盤１へ当接される側壁部２と他の三方を囲む
周壁部１５と流出口３を有する底部１６とから成
り、上方を開放した箱状に形成してある。底部１
６の内面には、流出口３に向つてゆるく傾斜する
整流面１６Ａ，１６Ｂ，１６Ｃを複数形成してあ
る。この整流面１６Ａ，１６Ｂ，１６Ｃは、タン
ク内の賞球を滞りなく排出口３へ流下誘導するた
めのものである。

底部１６に穿つ流出口３は略四角形とし、この
流出口３には略四角形の隣合う二辺から夫々立上
る案内壁１７を形成する。

実施例の流出口３は、第２図に示すように、球
貯留タンク２の前後幅の略中央で、長さ方向では
一方の周壁部１５（図面では左）に寄せた位置に
開設し、流出口３の一辺から立ち上がる一方の案
内壁２７として、当該周壁部１５の内側壁面の一
部領域を利用している。他方の案内壁１７は機構
盤１に取付られる側壁１４を背にして、流出口３
の一辺からほぼ垂直に立上らせて、先の案内壁２
７と隣り合う二辺から夫々立上る案内壁１７，２
７としている。そして、案内壁１７の背後には、
検出手段２０Ａを収容する外部空間Ｙを形成する
ため、案内壁１７の上縁と側壁１４との間を塞ぐ
傾斜壁１８、及び案内壁１７の右縁と側壁部１４
との間を塞ぐ側壁２３とを設けている。傾斜壁１
８は流出口３方向に下る傾斜面としてある。この
傾斜壁１８によつて形成される段部１９は、傾斜
壁１８上の賞球が石垣状に重なつて滞る球止まり
の発生を防ぐ減圧作用を果す。又、前記側壁２３
も流下する賞球を流出口３方向へ斜めに誘導する
ように傾斜させてあるため、同様に、球止まりの
発生を防ぐ減圧作用を果す。

第２図乃至第４図に於て、前記案内壁１７の壁
面には、流出口３を下方に臨む窓部２８を開設
し、この窓部２８に、窓部２８の上部の差し渡し
方向を軸とした揺動板２０Ｂを当該案内壁１７面
とほぼ同一面となるように嵌込んである。従つ
て、揺動板２０Ｂは、案内壁１７に沿つて流下す
る球の押圧力によつて、上辺側を軸として下辺側
が流出口３側から外部空間Ｙ側へと揺動する。そ
して、当該案内壁１７の背面側の外部空間Ｙには
揺動板２０Ｂの揺動を検出する検出手段２０Ａが
臨ませてある。

実施例の揺動板２０Ｂは、案内壁１７の一部を
切開した窓部２８に壁面と同一面となるように嵌
込まれ、且つ、揺動板２０Ｂの上部の差し渡し方
向が、窓部２８の左右の縁部に軸着された状態で
揺動可能に吊設されている。このように流出口３
の一辺から略垂直に立上がる案内壁１７に、当該
案内壁１７面と同一面となるように揺動板２０Ｂ
を揺動可能に配設することによつて、揺動板２０
Ｂの存在が賞球の流下の支障とならず、流出口３
の上方において球が石垣状に重なつて滞るブリツ
ジ形成がなくなり、球詰まり等の発生が回避でき
る。

又、実施例の検出手段２０Ａは、揺動板２０Ｂ
の背面に臨むように、球貯留タンク２の外側に内
側に窪むように形成した外部空間Ｙに設けてある
から、検出手段２０Ａが機構盤１と球貯留タンク
２とによつて保護され、組付作業時や保守点検時
に起る接触破損事故を防止できる。又、コードも
機構盤１の背面に通して配線できるので断線事故
等の弊害も解消できる。

実施例では検出手段２０Ａとして常閉接点を有
するマイクロスイツチSWを用い、傾斜壁１８の
裏面にこれを固定して、そのアクチユエータ２１
を揺動板２０Ｂに当接してある。従つて、流出口
３に賞球が満溢している際には、球の押圧力で揺
動板２０Ｂが外側に揺動して案内壁１７と同一面
をなし、マイクロスイツチSWは常時OFFとなつ
ている。他方、流出口３の球の量が減少して、押
圧力が小さくなると、揺動板２０Ｂが球貯留タン
ク２の内側に揺動してマイクロスイツチSWが
ONとなつて、球の不足が検出される。即ち、こ
の球不足信号が管理室の制御部に伝送されて補給
装置が作動することにより、球貯留タンク２に所
定数の球が補給される。従つて、球貯留タンク２
の流出口３に球が残つている段階で次の球が補給
されることになる。補給の時期は、パチンコ機の
機種に応じて、揺動板２０Ｂの設定位置を適宜の
高さに設定することによつて調整できる。

尚、実施例では上述のように、検出手段２０Ａ
としてマイクロスイツチSWを用いているが、こ
れに限らず、前記揺動板２０Ｂの揺動を検出する
機能を有する手段であればよい。

本考案は叙上の如く、構成したものであるか
ら、球貯留タンクの流出口に設けた揺動板の存在
により、球同士の押圧力によつて発生する球のブ
リツジ構成にもとづく球止まりを解消できる。
又、球貯留タンクが完全に空になる前に球不足を
検出して、球の補給ができ、球不足による遊技の
中断を生じさせることがない。従つて、球不足に
よつて直ちに遊技が中断される在来の遊技機に本
考案のものをそのまま適応することによつて、中
断の頻度を著しく減少できる。特に、補助遊技装
置により“大当り”が発生すると打球の入賞し易
い特別入賞状態が継続し、短時間で多量の賞球を
排出する機能をもつ近時のパチンコ機に於て有効
である。

更に、揺動板を球貯留タンクと一体的に形成で
きるので、別個に構成した検出具をこのタンク内
にセツトする従来のものに較べて、取付け位置の
設定や取付作業の煩わしさがなくなると共に、検
出具によるタンク内での球止まりも解消される。

更に又、本考案にあつては、従来の精巧な球貯
留タンクの構造を大きく変更することがないの
で、どのような遊技機にも利用でき、実用価値の
高い球貯留タンクとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はパチンコ機の機構盤を示す正面図、第
２図は球貯留タンクの一部拡大図、第３図は断面
図、第４図は検出手段の取付状態を示す斜視図で
ある。 １……機構盤、２……球貯留タンク、３……流
出口、４……導出樋、１４……側壁部、１５……
周壁部、１７……案内壁、２０Ａ……揺動板、２
０Ｂ……マイクロスイツチ（検出手段）、２２…
…軸、２７……案内壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 機構盤の背面に取付けられ、タンク内の球が導
   出樋により流下される遊技機の球貯留タンクに於
   て、 前記球貯留タンクは機構盤へ当接される側壁部
   と他の三方を囲む周壁部と底部とから成る上方開
   放の箱状に形成し、上記底部には前記導出樋の上
   流端部が臨む略四角形の流出口を設け、該流出口
   には略四角形の隣り合う二辺から夫々立上る案内
   壁を形成し、該案内壁の一つには、窓部を開設し
   て、上部が軸着され当該案内壁に沿つて流下する
   球の押圧力によつて揺動する揺動板を上記窓部を
   塞ぐように嵌込み、この揺動板を案内壁として構
   成すると共に、案内壁の背面側には揺動板に臨む
   検出手段を設けて、前記隣り合う２つの案内壁に
   よつて流出口での球同士の押圧力により発生する
   球のブリツヂ形成を解消せしめると共に案内壁に
   沿つて流下する球の押圧力を前記揺動板を介して
   検出し、タンク内の球貯留状態を前記導出樋より
   上方に位置するタンクの流出口にて検出するよう
   にしたことを特徴とする遊技機の球貯留タンク。