JPS6317455Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の背景 本考案は心電図および脳波を測定する医療用電
極、さらに特定すればテープまたは他の補助的固
着手段を使用せずに、それ自身が付着性を有し、
皮ふに使用するこの型の医療用電極に関する。バ
ーグの特開昭52−95895号（対応米国特許第
4066078号）およびヒムの特開昭54−77489号（対
応米国特許第4125110号）はこの型の検知用およ
び刺戟用の電極を開示している。バーグの教示に
よれば、複合有機重合体を多価アルコールで可塑
化したシートを皮ふ界面部材として使用する。ヒ
ムの教示によれば、高分子量の親水性多糖類、た
とえばカラヤガムなどに、電解質塩、水およびア
ルコールを含有させたシートを皮ふ界面部材とし
て使用する。

バーグおよびヒムはともに、導電線を結線する
ためのスナツプコネクタ型の電気的コネクタを含
む導電性の電流分配用支持部材すなわち裏材を教
示する。これらの支持部材は主としてアルミニウ
ムはく、または構造的および電気的にこれと均等
な、またはこれに代替し得る金属はく、導電性重
合体、黒鉛化もしくは金属化処理した布はくまた
は金網などとすることを教示している。

この型の支持部材すなわち裏材は柔軟性を有
し、スナツプコネクタを支持するのに十分な強さ
を有することを教示しているが、反復使用するこ
とができない。これらの部材はそれ自身導電性を
有し、さらに柔軟であつて、弾性限界を超えて容
易に機械加工して多くの形とすることができるこ
とを教示している。これらの従来技術の電極は支
持部材が皮ふ表面に一致するように所望の程度の
「軟かさ」および非弾性を有するように設計して
ある。これは望ましい性質であるが、支持部材す
なわち裏材から界面部材を容易に剥すことがで
き、かつ反復使用できる耐久性のある支持部材と
するには役立たない。

増大し続ける医療費を減少させるために、使捨
てできる自己付着性電極の一部を反復使用するこ
とが望ましく、さらに電極の支持部材すなわち裏
材は非導電性であつて接触しても電気的シヨツク
を受けないことが望ましい。

本考案の一つの目的は、使捨てできない電気的
接続支持部材すなわち裏材から剥すことができ
る、付着性かつ導電性を有する使捨てできる皮ふ
界面部材を設けた医療用電極を提供することであ
る。

本考案の他の目的は、皮ふ界面部材に電気的に
接続する手段を提供する、それ自身非導電性であ
る支持部材すなわち裏材を設けた医療用電極を提
供することである。

本考案のさらに他の目的は、付着性の皮ふ界面
部材を付着させ、かつ残留物なく剥すことができ
る、耐久性があり、可撓性および弾性を有する支
持部材すなわち裏材を提供することである。

本考案のまた他の目的は、表面が皮ふ界面部分
の付着を促進するのに十分な程度に荒く、他方き
れいに剥すのに十分な程度に滑かな、補強された
支持部材すなわち裏材を提供することである。

考案の概要 本考案の目的は使捨てできる自己付着性を有す
る導電性非液体からなる皮ふ界面部材と、この界
面部材を付着させ、かつ容易に剥すことができ
る、使捨てでない支持部材すなわち裏材とを有す
る、皮ふに使用する医療用電極によつて達成する
ことができる。

導電性界面部材は直方形または他の所望の形に
截断した凝集性物質からなる単一の平坦なシート
であることができる。このシートは裏材に押圧し
て付着させることができる。またこのシートは剥
離可能な保護被覆を有することができる。

この裏材は剥離特性の良好なプラスチツクまた
は他の材料のシートまたはフイルムであつて、正
常な使用時にその表面に界面部材を付着させて固
定することができる。この裏材はレーヨン、ナイ
ロン、綿または他の種の糸で補強して、しわのよ
つた、凹部を有する表面とし、界面部材の付着を
容易にすることができる。

導電性スナツプコネクタは裏材シートを通じて
固定し、この裏材から外方に向けて界面部材まで
延在させる。

本考案の新規な構造、性質および利益は、添付
図面を参照しながら次の考案の詳細な説明によつ
て容易に理解することができるであろう。

考案の詳細な説明 第１図は刺戟、電離療法、接地、および検知の
目的で患者の皮ふに使用する医療用電極１０を示
し、この電極は使捨てできる皮ふ界面部材１１
と、電気的コネクタ１５を有する使捨てでない裏
材１３とからなる。

界面部材１１は付着性を有する導電性材料のシ
ートであり、第２図に示すように均一な厚みに成
形してある。

この界面シート１１は多くの物質の複合体から
なり、この材料は、バーグの特開昭52−95895号
の教示のごとく、多価アルコールで可塑化した複
合有機重合体の導電性シート、またはヒムの特開
昭54−77489号の開示のごとく、電解質塩、水お
よびアルコールを含む高分子量の親水性多糖類の
シート、または所望の「流れ」特性を有し、かつ
良導電性で粘着性および凝集性を有する、上記シ
ートに均等なまたは代替可能なものを含む。

この界面シート１１は所望の形状に截断できる
が、典型的には第１，２図に示すごとく直方形で
ある。この界面シート１１の厚みはどこでも均一
であるが、この均一なシートは厚みを変えること
ができる。通常0.15〜0.25インチ（3.8〜6.4mm）
の範囲である。厚みが薄いときは、界面シート１
１は裏材１３の表面を縁まで被覆するフイルムで
ある。厚みが厚くなると、界面シートは自己支持
性となつて、裏材１３の縁を越える突出表面１１
ａ（第２図）を形成し、ここから界面シート１１
を裏材１３から剥し始めることができる。

裏材１３を通して導電性スナツプコネクタ１５
を固定し、導電性界面シート１１と物理的に接触
させることができる。このスナツプコネクタ１５
は、界面シート１１と直接電気的に接触するなら
ば、裏材１３の表面のどこに設けてもよい。スナ
ツプコネクタ１５はステンレス鋼、銀または塩化
銀で被覆した材料、またはカーボン粉末を混合し
たゴムもしくはポリカーボネートのような適当な
導電性材料から作ることができる。スナツプコネ
クタ１５に結線する導電線と、導電性界面シート
１１との間を良好に電気的接続するように作用す
る材料であれば、多くの材料を使用してコネクタ
１５を構成することができる。

裏材１３は比較的薄いシート材料を界面部材１
１の形に截断したものである。上記のごとく、場
合によつては、この裏材シート１３は寸法を界面
シート１１と同一としてもよいし、あるいは界面
シート１１より僅かに小さくすることもできる。
裏材シート１１は強じんで、耐久性があり、可撓
性であつて、しかも原形に戻る弾性を有する、補
強ビニル、補強マフラー、補強紙またはポリエチ
レン、ポリエステル材料などの材料から作る。

第３ａ，４図はこの裏材１３の２つの実施態様
を示す。第３ａ図は内部に補強用織物を有するプ
ラスチツクシートを示し、第４図は１つの側面に
補強プラスチツクフイルムを有する紙シートを示
す。

第３ａ図の実施態様はレーヨン、ナイロン、ダ
クロンまたは木綿の糸の織物１７で、ビニル、マ
イラーまたはポリエチレンまたはこれらと同様な
物質の非親水性で微視的に平滑表面を有するプラ
スチツクシート材料１９を第３ｂ図に示すごとく
補強する。補強用織物１７はインチ（25mm）当り
孔数で表わすメツシユサイズが15〜150程度の荒
い織り組織の材料であり、ストレツチできる特性
の布である。

この網目材料は厚みが0.025〜0.05インチ（0.64
〜1.3mm）であり、厚み0.001〜0.015インチ
（0.025〜0.38mm）のプラスチツクフイルム１９を
補強する。この組合せによつて、微視的に比較的
滑かな表面となるので、これから界面シート１１
をきれいに引剥して、残片を残さない。しかし網
目補強材１７は厚みがフイルム１９より厚いの
で、フイルム１９の表面を持上げて、巨視的にあ
る程度の荒さ、すなわち突起を加える。これはプ
ラスチツクフイルム１９が目抜き織物材料１７の
網目を充填して、糸の間に細かい滑かな表面凹部
を形成するからである。第３ａ図の補強プラスチ
ツクシート１３は多数の細かい浅い凹部を裏材シ
ート１３の表面に形成し、この凹部に界面シート
１１が「流れ」込むので、界面部材シート１１と
裏材シート１３との間で機械的からみ合いを生じ
て、正常の使用において、電極１０を接触状態に
保持するのに十分な程度の付着性を生ずる。従つ
てこれらのシートの間の接着を一層強固にするこ
とができる。この電極１０は患者の皮ふに付着
し、電極は自身が分離することなく皮ふから取脱
すことができる。

スナツプコネクタ１５は裏材シート１３に取付
けるときに、通常裏材表面の25％以上を占有する
ことがなく、10％以下であることが多い。スナツ
プコネクタ１５の下側は、電極に組立てたときに
界面シート１１と直接電気的に接続する。

第３ａ，３ｂ図に示す網目補強プラスチツクシ
ートの代わりに、第４図に示す紙補強プラスチツ
クシートを使用することができる。

厚み0.001〜0.005インチ（0.025〜0.13mm）の薄
いビニルまたはマイラーのフイルムを厚み0.005
〜0.015インチ（0.13〜0.38mm）の紙シート23に熱
接着する。この裏材１３は紙側２３が電極の外側
を形成し、プラスチツクで被覆した側２１が界面
シート１１と接触する。コネクタ１５は電極に組
立てたときに紙側２３から突起する。

電極１０は貯蔵中に界面部材１１を保護する剥
離可能な保護カバーを付着させ、使用時に保護カ
バーを取脱して電極１０を直接患者の皮ふに付着
させることができる。

使用期間に続いて、電極１０が老化、すなわち
界面シート１１が劣化したことを確めた後、また
は使用が終了したときに、電極１０を患者の皮ふ
から取脱す。

取脱した後に、界面シート１１を裏材１３から
剥して捨てる。電気的コネクタ１５を含む裏材１
３は捨てない。次に新鮮な界面材料１１を裏材１
３に押圧して新しい電極１０を形成する。余分な
界面材料１１はトリミングして形を整えてもよ
い。

本考案は反復して使用できる電極を提供するも
のであつて、反復して使用できるシート１３は多
数回剥離しても、裂けたり形を失うことがなく、
かつ界面シート１１を剥した後に原形に戻ること
ができる。電気的コネクタ１５は永久的に裏材１
３に付けておく。界面部材１１および裏材１３は
柔軟性のある材料であつて容易に皮ふ表面の形に
なじみ、かつ容易に剥すことができる。裏材１３
は弾性があつてその原形を保持する傾向を有する
が、界面部材１１は柔軟である。

本考案は最少量の構造部分を使捨てするだけ
で、各患者用に、また電極の使用ごとに新鮮な界
面材料１１を使用する利益を提供する。こうして
裏材シート１３およびコネクタ１５を反復利用し
て材料のコストを低減させることができる。この
材料のコストは、病院の場合に多数の使捨てでき
る電極を通常使用し、また外来患者の場合に、刺
戟、苦痛制限、または検知のため多数の使捨てで
きる電極を必要とするので、重要である。

重要なことは、裏材１３の表面の構造によつて
界面シート１１を比較的顕著に付着させる。従つ
て、通常の使用時に電極集合体１０はそのまま残
ることができる。きれいに剥すことは重要であつ
て、界面シート１１を引剥すときに、引張り力お
よび剪断力が１つの線に集まつて、シート１１を
横切つて波状に広がる。界面シート１１の凝集力
が付着力より大きいのでこの剥離が可能である。
同様に重要なことは、裏材１３が、反復剥離に耐
えるのに十分な程度の荒さを有し、かつ剥離後に
原形に戻るのに十分な程度の弾性を有することで
ある。

本考案はその意図および範囲を逸脱することな
く、上記電極の構造に多くの変更を加えることが
でき、実用新案登録請求の範囲において種々変化
させることができる。たとえば第３ａ，３ｂ図に
示す裏材１３の実施態様は網目織物１７で補強し
なくともよい。プラスチツクシート１３は単一片
のプラスチツクから成形し、その厚みは厚くとも
薄くとも構わない。特にレーヨンなどの糸の補強
用網目織物１７をプラスチツクシート１９に埋封
するが、この網目織物の代わりに、第３ａ図に示
す補強用網目１７によつて作られる格子形状に類
似する直交格子状に、裏材シート１３の一部分と
してプラスチツクシート１９に厚い部分を設ける
ことができる。プラスチツク断面に厚い部分を設
けて、目抜き部分の薄い部分を補強できる。この
ようにして作つた裏材１３はプラスチツクシート
の表面に細かい直方形の凹部を有するので、第３
ａ，３ｂ図を参照してさきに記載した実施態様と
同様に作用する。このように、上記説明に記載
し、添付図面に示したすべての事項は例示の目的
であり、本考案の意義を限定する意図を有しない
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は界面シートと裏材とを相互に部分的に
剥した状態の本考案の電極の斜視図であり、第２
図は界面シートと、裏材と、電気的スナツプコネ
クタとを組合せた状態の本考案の電極の側面図で
あり、第３ａ図は電極に組合せる前の補強プラス
チツク裏材の実施態様の平面図であり、第３ｂ図
はプラスチツクシート内に補強用織物を埋封した
プラスチツクシートの断面を示す、第３ａ図の補
強プラスチツク裏材の断面図であり、第４図はプ
ラスチツク−紙のサンドイツチからなる裏材の実
施態様の平面図である。 １０……医療用電極、１１……使捨てできる界
面部材、１１ａ……突出表面、１３……使捨てで
ない裏材、１５……導電性スナツプコネクタ、１
７……補強用織物、１９……プラスチツクシー
ト、２１……プラスチツクフイルム、２３……紙
シート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 皮ふ界面材料シートと、この界面シートの１
   つの側に付着させた材料の支持部材すなわち裏
   材シートと、電気的コネクタとからなる医療用
   電極であつて、 前記界面材料は、自己付着性、凝集性および
   導電性を有し、 前記裏材シートは非導電性であり、耐久性が
   あり、かつ弾性および可撓性を有し、これによ
   つて前記界面シートとこの裏材シートとを残留
   物なく相互に剥すことができ、かつ裏材シート
   は複数回剥してその原形に戻ることができる構
   造を有し、 前記電気的コネクタは前記裏材シートに固定
   し、かつこの裏材シートを通して延在し、これ
   によつて前記界面シートを、前記裏材シートに
   付着させたときに、この裏材シートに電気的に
   接続させる 医療用電極。 ２ 前記裏材シートは非導電性紙シートの１つの
   側に補強プラスチツクシートを接着してなり、
   かつこの紙は界面シートから離れた外側にあ
   る、実用新案登録請求の範囲第１項記載の医療
   用電極。 ３ 前記裏材シートはその表面に細かい凹部を有
   するプラスチツクシートである、実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の医療用電極。 ４ 前記裏材シートはその内部に網目材を入れて
   補強してある、実用新案登録請求の範囲第３項
   記載の医療用電極。 ５ 前記プラスチツクは非導電性であり、かつ前
   記網目材を被つて連続シートを形成する、実用
   新案登録請求の範囲第４項記載の医療用電極。 ６ 前記網目材の厚みが前記プラスチツクフイル
   ムの厚みより厚い、実用新案登録請求の範囲第
   ５項記載の医療用電極。