JP3547922B2 - 四肢誘導電極用パッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は四肢誘導電極用パッドに関し、詳しくは心電図の測定にて用いるクリップ式の四肢部挟着用治具の金属電極板に取り付け、繰り返し使用することが可能な四肢誘導電極用パッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から簡易な心電図測定などには外部記録装置に接続されたクリップ式の四肢部挟着用治具(図5参照)を用い、挟着部の金属電極板に略同一サイズの含水ゲルパッドを取り付けて生体からの電気信号を取り出している。含水ゲルパッドは導電性に優れると共に、柔軟性が良好であるので皮膚面に確実に密着し安定な電気信号の伝達を行うことができるものである。
【0003】
このような含水ゲルパッドとしては種々の構造のものが提案されており、例えば内部凝集力を高めるためにパッド内に不織布やネットを介在させたものや、実公平3−27609号公報に記載されているように電極板への接着性を向上させるために粘着シートを積層して補強したものなどがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の含水ゲルパッドは電極板に取り付けて繰り返し使用しているうちに、パッド端部(切断面)が破損したり、ゲルパッドが電極板から剥がれて含水ゲルが皮膚面に残留するといった問題を生じることがある。また、粘着シートを積層したものは電極板への接着力が向上する反面、電極板からの剥離時に剥離しにくく、また、その際に含水ゲルパッドが破損するといった問題を生じることがある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは上記従来の含水ゲルパッド、特に四肢誘導電極用パッドの問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、電極板への接着は含水ゲル自体の粘着性を利用することによって、電極板への取り付けおよび剥離を簡便にし、さらに補強用の非粘着シートに切れ目を入れることによって電極板への密着固定を良好にできることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は略中央部に開口部を有する矩形状の非粘着シートの片面に、導電性および粘着性を有する含水ゲル層を形成して含水ゲル層を開口部から露出させると共に、非粘着シートにおける開口部と両端部との間には少なくとも一ヶ所以上の切れ目が形成されていることを特徴とする四肢誘導電極用パッドを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の四肢誘導電極用パッドは非粘着シートと含水ゲル層を基本構造とするものである。含水ゲル層は生体面に粘着力によって密着し、生体からの電気信号を電極板に伝達でき、適度な保型性と内部凝集力を有するようにゲル化したもので、0.1〜3mm厚、好ましくは0.5〜2mm厚程度のものが用いられる。
【0008】
具体的にはカラヤガム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸またはその塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースまたはその塩などを主成分とする含水ゲルや、親水性ポリウレタンなどからなる含水ゲルを使用することができる。
【0009】
また、内部凝集力を高めるために架橋剤にて架橋処理を施すこともできる。さらに、導電性を長時間にわたって維持させたり、良好な導電性を発揮させたりするために、グリセリンの如き多価アルコール類や、塩化ナトリウムや塩化カリウム、塩化リチウムの如き電解質を含有させることもできる。さらに、内部凝集力を高めたり保型性を高めるために、含水ゲル層の内部に薄手のポリエステルやポリプロピレン、レーヨン、パルプなどからなる不織布や各種ネットを介在させることもできる。
【0010】
上記ゲル組成のうち、品質の安定性や粘着性、導電性、保型性などを考慮すると、ポリアクリル酸またはその塩に、グリセリン、水、電解質を配合し、適当な架橋手段を施して得られる含水ゲルを用いることが好ましい。また、含水率は導電性の点から通常、5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%程度に設定することがよく、粘着性や保型性の点からは多価アルコール類を5〜70重量%、好ましくは20〜50重量%程度の範囲に調整する。
【0011】
一方、本発明における非粘着シートは矩形状であり、生体面に接触するための含水ゲル層表面を露出させるために、シートの略中央部に開口部を有するものである。
【0012】
開口部の面積は少なくとも2cm2 、好ましくは3〜10cm2 程度とすることがよく、面積が2cm2 に満たない場合には露出する含水ゲル層の面積が少ないので生体面に充分に密着せず、安定な電気信号の伝達を期待できないことがある。また、開口部の大きさは露出する含水ゲル層が取り付ける電極板からはみ出さないようにできるだけ大きくすることが好ましい。なお、開口部の形状は矩形状(方形状)であっても円形状、楕円形状であってもよく、特に限定されるものではない。
【0013】
上記非粘着シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの各種プラスチックフィルム、これらのプラスチックやレーヨン、パルプなどからなる布帛、これらプラスチックフィルムと布帛との積層シートなどを用いることができ、前記含水ゲル層との投錨性や耐久性の点からはプラスチックフィルムと布帛との積層シートを用いることが好ましい。特に、10〜50μm厚のプラスチックフィルムと坪量10〜50g/m2 の不織布との積層シートを用いることが好ましい。この場合、不織布材料としてはレーヨンやパルプなどの親水性の素材を用いることが好ましい。
【0014】
また、本発明においては上記非粘着シートは図1に示すように、開口部と両端部との間には少なくとも一ヶ所以上、好ましくは開口部と両端部との間に各々二ヶ所ずつ形成することに特徴を有するものである。切れ目の形成位置は本発明のパッドを電極板に取り付ける際に、電極板の屈曲部に相当する位置とし、切れ目形成部分で本発明のパッドを折り曲げて電極板に含水ゲル層全面を密着させる。本発明ではこのように切れ目を形成しているので、電極板からのパッドの浮きを抑えることができ、優れた密着性を発揮することができ、安定した電気伝達を達成できるのである。
【0015】
上記切れ目は図1に示すようにシートの端縁まで設けずに、端縁から2〜10mm、好ましくは3〜7mm程度内側に設ける。このようにすることによって、シートの強度を維持したままで上記切れ目形成の効果を発揮することができるのである。
【0016】
さらに、本発明の四肢誘導電極用パッドは上記構成からなるものであるが、含水ゲル層の表面を保護する目的で、パッドの両面に露出する含水ゲル層表面を公知のセパレータで被覆保護することが好ましい。
【0017】
以下に、本発明の四肢誘導電極用パッドの製造方法の一例を簡単に示す。
【0018】
各材料を配合した含水ゲル層形成用の溶液を、ロールコータやリバースコータ、ドクターブレード、バーコータなどを用いてセパレータ上に塗工し、加熱や紫外線照射、電子線照射などの手段によって架橋、ゲル化を行い、含水ゲル層を得る。
【0019】
次いで、得られた含水ゲル層の表面(片面)に、予め定ピッチで開口部を形成した非粘着シートを貼り付け、さらに、含水ゲル層と非粘着シートとを貫通する切れ目を形成し、切れ目に形成と同時もしくは形成後に製品形状に打ち抜き、本発明の四肢誘導電極用パッドを得ることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明の四肢誘導電極用パッドは、粘着シートを用いず電極板への接着に含水ゲル自体の粘着性を利用しているので、電極板への取り付けおよび剥離を簡便にできると共に、非粘着シートに切れ目を入れることで電極板への密着固定を良好にできるという効果を発揮するものである。
【0021】
その結果、生体からの電気信号を安定的に取り出すことができ、繰り返し使用に対しても充分に耐久性を有するものである。
【0022】
【実施例】
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
【0023】
図1は本発明の四肢誘導電極用パッドの一実施例を示す平面図であり、図2は該平面図のI−I’線での断面図である。
【0024】
また、図3は本発明の四肢誘導電極用パッドの他の実施例を示す平面図であり、図4は図3に示すパッドを四肢誘導電極の電極板に固定した状態を示す断面図である。
【0025】
ポリアクリル酸ナトリウム20重量部、グリセリン40重量部、水40重量部、塩化ナトリウム0.5重量部からなる組成物にエポキシ系架橋剤を配合した含水ゲル層形成用溶液を、ナイフコータにてポリエステル不織布基材3の両面に各面1mm厚となるように塗工して含水ゲル層2を形成した。
【0026】
次いで、含水ゲル層2の片面に20mm×25mm角の方形の開口部Aを有する15μm厚ポリエチレンフィルム/20g/m2 レーヨン不織布積層体からなる非粘着シート1の不織布側を貼り合わせて、その両側をポリエステルフィルムからなるセパレータで被覆した。
【0027】
次に、開口部Aの両側に図1および図2に示すような切れ目Bを入れて、中央部に開口部Aが位置する3.5cm×5.5cmの大きさの四肢誘導電極用パッドを作製した。
【0028】
また、図3に示すように切れ目Bを入れ、切れ目B部分でパッドを折り曲げて図4に示すように四肢誘導電極の電極板4に固定したところ、パッドの端部は電極板4の端部にひっかかるようにして固定されるので、パッドの端部からのメクレがなく、パッドの含水ゲル層2は確実に電極板4に密着した。さらに、生体面と接触する部分(開口部Aから露出している含水ゲル層2部分)以外は、非粘着性シート1によって保護されており、繰り返し使用してもパッド自体の破損を防ぐことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の四肢誘導電極用パッドの一実施例を示す平面図である。
【図2】図1の四肢誘導電極用パッドのI−I’点での断面図である。
【図3】本発明の四肢誘導電極用パッドの他の実施例を示す平面図である。
【図4】図3に示すパッドを四肢誘導電極の電極板に固定した状態を示す断面図である。
【図5】クリップ式の四肢部挟着用治具を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 非粘着シート
2 含水ゲル層
3 不織布基材
4 電極板
A 開口部
B 切れ目
Claims (4)
- 略中央部に開口部を有する矩形状の非粘着シートの片面に、導電性および粘着性を有する含水ゲル層を形成して含水ゲル層を開口部から露出させると共に、非粘着シートにおける開口部と両端部との間には少なくとも一ヶ所以上の切れ目が形成されていることを特徴とする四肢誘導電極用パッド。
- 開口部の面積が少なくとも2cm2である請求項1記載の四肢誘導電極用パッド。
- 非粘着シートがプラスチックフィルムと親水性不織布との積層体である請求項1記載の四肢誘導電極用パッド。
- 切れ目が非粘着シートにおける開口部と両端部との間に各々二ヶ所ずつ形成されている請求項1記載の四肢誘導電極用パッド。
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1996
- 1996-12-25 JP JP34536296A patent/JP3547922B2/ja not_active Expired - Fee Related
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