JP2570183Y2 - 生医学用電極構造 - Google Patents

生医学用電極構造

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JP2570183Y2
JP2570183Y2 JP1992020573U JP2057392U JP2570183Y2 JP 2570183 Y2 JP2570183 Y2 JP 2570183Y2 JP 1992020573 U JP1992020573 U JP 1992020573U JP 2057392 U JP2057392 U JP 2057392U JP 2570183 Y2 JP2570183 Y2 JP 2570183Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、生医学用電極構造に関
する。更に詳しくは、本考案は、評価又は処理される物
体、例えば人体の皮膚表面に適用するのに適した電極構
造に関する。本考案は、特に、可撓性に富み比較的低い
外形輪郭を示すこのような電極に関する。
【0002】
【従来の技術】心臓に起因する電流から生じたグラフ状
記録(心電図)を作成し解析するための心電図法は、充
分に確立された学問であるが、今もなお発展し続けてい
る。この技術は、人体医学のみならず獣医学にも容易に
適用可能であり、本明細書は人体医学を中心に述べられ
てはいるが、ここに開示されている技術の多くは獣医学
の分野にも同様に適用可能なことに留意すべきである。
【0003】米国特許第5,012,810 号(Strand et al.)
とこれに対応するヨーロッパ特許公報0 360 496 号(Min
nesota Mining and Manufacturing Company)には、心電
図法に使用される電極に独特の問題点及びこれを解決す
るための生医学用電極について述べられている。
【0004】
【考案の概要】本考案は、心電図法及び電気療法に使用
されるのに適した生医学用電極に関する。本考案の電極
は、可撓性の絶縁性構造体と、実質的に可撓性の偏平な
導電性部材とを具えている。これらの構成エレメント
は、所望の特性と効果をもたらすように配置されてい
る。
【0005】更に詳しくは、前記導電性部材はパッド部
分とタブ部分とで構成されている。パッド部分は対象物
体からの電気信号を受けるように配置・配向されてい
る。一方、タブ部分は、リード線等に係合して、心電図
モニターや電気治療装置と電気的に接続されるようにな
っている。本考案によれば、導電性部材は、該導電性部
材のパッド部分が絶縁性構造体の一方の表面に位置決め
され、タブ部分が絶縁性構造体の他方の表面に位置決め
されるように絶縁性構造体に対して配向されている。以
下に多数の実施例において詳細に述べられるように、こ
れには種々のやり方がある。
【0006】第1実施例においては、絶縁性構造体は、
開口を有する非導電性材料の第1区域と、前記開口の領
域を除いて該第1区域によって実質的にカバーされた第
2区域とを具えている。導電性部材は、タブ部分が開口
内に位置し、絶縁性構造体の第1区域の外側面からアク
セス可能となるように、又、パッド部分が絶縁性構造体
の露出していない反対側面上にあるように、絶縁性構造
体に対して位置決めされている。この実施例において
は、絶縁性構造体の第1区域にタブ部分よりも大きい開
口を設けたので、絶縁性構造体の第1区域を通じてタブ
部分を延長させる必要が無くなる。更に、タブ部分は絶
縁性構造体の第2区域の外側面に隣接している。タブ部
分は絶縁性構造体の第1区域の開口内に設けられ、該開
口は、心電図作成装置と電気的接触を行うコネクタに機
械的・電気的に接触するようにアクセス可能な寸法を有
する。
【0007】第2実施例においては、絶縁性構造体は、
単一の区域からなる絶縁性構造体の外側面からアクセス
可能なように開口内に位置決めされたタブ部分を有す
る。この例では、導電性部材は、少なくとも一つの表面
に、電気療法のための刺激付与に使用される導電性のカ
ーボン含有ウェブの層を有する非導電性材料からなるテ
ープを具えている。第1実施例の非絶縁性第2区域の代
わりに、電気療法用の刺激を分散させるウェブを有する
導電性構造体が設けられている。この導電性部材は絶縁
性構造体の単一区域に対して所定の姿勢で配向され、タ
ブ部分は該単一区域の外側面からアクセス可能に開口内
に位置決めされ、パッド部分は絶縁性構造体の非露出側
面上に載置されている。
【0008】上述の一般構造から多くの利点が生じる。
例えば、可撓性に富んでいることから、本考案の生医学
用電極は対象物体の所定部位に容易に係合可能である。
本考案の生医学用電極を装着したまま、物体が移動した
り捩じられたりした場合、電極はこの動きにつれて容易
にしなったり湾曲したりできる。その上、詳細な説明か
ら明らかなように、この構造は比較的容易に製造可能で
ある。更に、比較的安価な材料から作ることができる。
こうして、コストの面から見て、経済的な使い捨て用の
エレメントを容易に製造可能である。
【0009】本考案の他の態様は、本考案の生医学用電
極を製造する方法に関する。生医学用電極の製造方法
は、(a)長さ方向に沿って互いに反対側の第1,第2
縁を有する導電性接着剤のテープを位置決めし、(b)
互いに反対側の第1,第2縁を有する薄い可撓性材料の
テープを、該第1縁が導電性接着剤テープの第1縁と一
致するように前記導電性接着剤テープの上に重ね合わ
せ、(c)前記可撓性材料テープ上に、その第2縁に隣
接・一致して接着のための手段を重ね合わせ、(d)そ
れぞれがタブ部分とパッド部分とパッド部分の縁とを有
する複数の導電性部材のテープを前記導電性接着剤テー
プと所定の位置に設けられた前記接着手段の上に重ね合
わせて、各パッド部分の縁が導電性接着剤テープの第2
縁と一致して多層構造体を形成するようになし、これに
よってタブ部分を前記可撓性材料テープの上方の平面内
に位置させると共に、該テープに重ね合わせる、各ステ
ップからなる。
【0010】電極アセンブリから生医学用電極を製造す
る方法は、(a)導電性部材の隣接するタブ部分の間の
多層構造体を分離して複数の個々の電極アセンブリを形
成し、(b)少なくとも一つの前記電極の導電性接着剤
に剥離用ライナーを重ね、(c)開口を有する絶縁性構
造体を前記各電極の導電性部材の上に重ねて、前記タブ
部分に前記開口を通じてアクセス可能になす、各ステッ
プから構成されている。
【0011】一般に、二つの実施例の詳細な説明から判
るように、導電性部材のタブ部分の先端部は、絶縁性構
造体の一方の区域の開口内に存在している。心電図記録
装置又は電気治療装置からのリード線がタブ部分に接続
される。好ましくは、電気接続は導電性部材のタブ部分
に接続されるクリップエレメントによって行われる。上
述の構成によれば、導電性エレメントをその中に具えた
クリップは、絶縁性構造体によって対象物体との直接接
触を絶縁されている。即ち、クリップは導電性部材以外
を通じて電気信号を受けることはない。その結果、本考
案の構成によれば、心電図モニターに受信されるべき所
望の信号を妨害する好ましくない雑音を受け入れる可能
性が比較的少なくなる。詳細な説明と図面から明らかな
ように、好適実施例によれば、対象物体とクリップの絶
縁は確実に行われ、接着テープ等を使用しなくても必要
に応じてクリップを所定の位置に維持することができ
る。これによって、必要に応じてクリップの取付け・取
り外しを行うことができ、且つ対象物体(人体)に快適
性を与える。
【0012】一般に、対象物体への装着のために、皮膚
接着剤が絶縁性構造体の第1表面に付与される。次いで
パッド部分と対象物体の皮膚との間の導電性接着剤又は
ゲルによって、使用の際に生医学用電極が接着的に装着
される。図面から判るように、これによって対象物体と
絶縁性構造体に対して実質的に平行な、該絶縁性構造体
の外側面に沿った比較的偏平な導電性部材を有する構成
と、絶縁性構造体の外側面に設けられた開口が得られ
る。このようにして、導電性部材に向かう力の最大分力
は、クリップとリード線に作用する典型的な引っ張りに
よって、導電性パッド/絶縁性構造体と対象物体との間
の相互面に働く剪断力の方向をとる。この構成は力をこ
のような方向に向けるので、引っ張り力によってこの生
医学用電極が対象物体から外れることはない。別の例に
よれば、他の方向に向かう分力を含む力は、この生医学
用電極を対象物体から分離させる傾向を有する。本考案
の構造は、代表的な引っ張り力の方向を向いているの
で、有利である。即ち、この引っ張り力は、剪断力に変
換されるので、対象物体と電極との間の接着面を分離さ
せることはない。従来の電極構造の場合には、分離力が
発生して接着が剥がれることが多い。
【0013】詳細な説明から判るように、本考案の生医
学用電極は固い突出部を持たないので、たとえ装着者が
電極の近傍を何かにぶつけたり電極の上に寝たりした場
合にも、装着者を傷つけることがない。その上、構成部
品が比較的偏平なので、そうした場合にも壊れることが
ない。好適例においては、導電性部材のパッド部分と対
象物体との間の電気的接触は、導電性接着剤又はゲルに
よって保持されている。絶縁性構造体は、導電性部材の
パッド部分に対して、その周囲を完全に取り囲む広い部
分を形成するような寸法を持っている。即ち、導電性部
材のパッド部分の全表面積は絶縁性構造体の第1表面よ
りも小さく、この絶縁性構造体の第1表面は導電性部材
のパッド部分に重ねられたバッキングとして機能する。
一般に、これによって、少なくとも一部の皮膚接着剤が
導電性接着剤又はゲルを完全に囲繞して境界を形成する
ような構成が得られる。このようにして、皮膚接着剤は
導電性接着剤又はゲルをこの生医学用電極の縁から分離
/絶縁するのに使用可能である。
【0014】この構成から幾つかの利点が生まれる。先
ず、導電性接着剤又はゲルがエレメントに対して露出さ
れる傾向が少なくなる。かくして、導電性接着材又はゲ
ルの性能の低下が防止される。更に、導電性接着剤又は
ゲルが漏れて好ましくない信号をもたらすことが少なく
なる。代表的な感圧型皮膚接着剤は必ずしも導電性であ
る必要性はないが、従来の導電性接着剤又はゲルよりも
かなり永続性のある強い接着性を有している。この結
果、(導電性接着剤よりもむしろ皮膚接着剤によって所
定の位置に保持されている)この生医学用電極の縁が、
時間の経過によって持ち上がって漏れ出し、パッド部分
の近傍を汚染する傾向が少なくなる。良好なシールが特
に必要なのは外来患者用の電極であり、なぜならば、こ
うした患者はたとえモニターや電気治療装置から切り離
されているとは言え、電極を装着したまま相当に激しく
動き、時には入浴さえもを行うからである。電極を対象
物体に機械的/電気的に接触させたままにしておくこと
が便利である。
【0015】本考案の偏平な導電性部材は、少なくとも
一方の表面に導電層(例えば銀/塩化銀のコーティング
又は導電性インキを含浸した不織布ウェブ)を有する薄
い可撓性に富んだ高分子材料層(例えばポリエステルフ
ィルム)で構成することができる。比較的薄いこれらの
材料は非常にしなやかで、本考案の構成の中に容易に組
み入れることができる。更に、これらはX線に対して比
較的透明で、この電極を装着した人に対してX線検査を
行っても、強い陰影によって問題を生じることはない。
即ち、被検者は通常のX線検査の手順のように電極の取
り外し/再取付けの煩わしさから解放される。
【0016】一般に、最初に製造された時に、この生医
学用電極は絶縁性構造体の第1表面には保護用剥離ライ
ナーが装着されている。この剥離ライナーは絶縁性構造
体の第1表面から分離され、皮膚接着剤と導電性接着剤
(又は電解質ゲル)が露出する。剥離ライナーとして種
々の材料を利用可能であり、シリコンでコーティングさ
れたポリプロピレン又はポリエステル等を用いることが
できる。
【0017】この剥離ライナーは電極の寸法と同じか、
又はそれよりも大きい。好適例においては、剥離ライナ
ーは、皮膚接着剤と導電性接着剤との接合線に隣接し
て、この接合線の近傍の導電性接着剤の領域の下に二つ
の部分を連結するミシン目を有し、ライナーを剥がすの
を容易にしている。生医学用電極のテープは、隣接する
剥離ライナーがミシン目によって連結されている箇所に
配置されることが好ましく、それによって一つの電極を
テープから分離する作業がやり易くなる。
【0018】その他の実施例においては、剥離ライナー
の一部と絶縁性構造体との間にスペーサ又はタブを設け
て分離をし易くすることもできる。この生医学用電極の
代表的な実施例によれば、皮膚接着剤は絶縁性構造体の
第1表面を完全にカバーし、導電性接着剤は皮膚接着剤
の領域の中央部にプールとして適用されている。通常の
導電性接着剤は電極の非導電性の感圧型接着剤にはよく
接着しない。本考案の実施例においては、そのようなこ
とがあった場合には、導電性接着剤と非導電性皮膚接着
剤との間にスクリム(薄い布)を介在させ、接着性を改
善すればよい。即ち、薄い材料層が、導電性接着剤と非
導電性皮膚接着剤との間の架橋手段として機能する。
【0019】
【実施例】以下、本考案の好適実施例について詳述す
る。ここに開示された実施例は例示に過ぎず、これ以外
にも多くの具体例が可能であることを銘記すべきであ
る。図1,2には好適実施例の一つが示されている。こ
れは、米国特許第5,012,810 号及びこれの対応ヨーロッ
パ特許公報第0 360 496 号の第1図に開示されている電
極と同様の特徴を有しているが、更に付加的な利点を持
っている。
【0020】図1において、電極130は、絶縁性構造
体131と偏平な可撓性の導電性部材132とを具えて
いる。絶縁性構造体131は、ほぼその中央に開口13
4を有する実質的に非導電性材料からなる、導電性部材
132の上を覆う第1区域133を含んでいる。この絶
縁性構造体131は、導電性部材132と接触する接着
材層で裏打ちされた第1表面135とこれの反対側を構
成する第2表面136とを有する。
【0021】導電性部材132はタブ部分137とパッ
ド部分138を有する。パッド部分138は絶縁性構造
体の第1表面135に接し、タブ部分137は開口13
4内に位置して絶縁性構造体131の第1区域133の
第2表面136からアクセス可能となっている。この実
施例においては、絶縁性構造体131の第1表面135
は、パッド部分138を取り囲む第1表面135上によ
り広い部分を形成している、該第1表面135に接触す
る導電性部材のパッド部分138の表面よりも大きな領
域を有し、更に、絶縁性構造体131の第2表面136
は、タブ部分137を取り囲む第2表面の第1区域13
3の広い方の部分を形成している、導電性部材のタブ部
分137よりも広い領域を有する。こうして、開口13
4は絶縁性構造体131の第1区域133の第2表面1
36の広い方の部分によって取り囲まれている。更に、
開口134はタブ部分137の第1表面よりも大きく形
成され、該タブ部分137に絶縁性構造体131の第1
区域133の第2表面136の側からアクセス可能とな
っている。
【0022】図2から明らかなように、第1表面135
に接着されていない方のパッド部分138の表面は、導
電性接着剤139に接着されている。両面接着テープ1
40がパッド部分138に隣接するタブ部分137に接
触して該タブ部分137を絶縁性構造体131の第2区
域141に接着している。この第2区域141はパッド
部分138が接触していない導電性接着剤139の残り
の領域と接触している。図2に示すように、両面接着テ
ープ140はタブ部分137を第2区域141の隣に接
着しない状態で位置決めする。
【0023】タブ部分137を取り囲む第1区域133
の領域のために、第2区域141の領域は小さくなり、
タブ部分137を導電性接着剤の領域139から分離し
て、第1区域133の開口134を通じて導電性接着剤
の領域139が露出することを防止している。このよう
にして、第1区域133は実質的に第2区域141の上
に重なり、該第2区域141とタブ部分137の両者の
周囲に境界部分を形成する。
【0024】この実施例は、第2区域141上の第1区
域133の重なり量を大きくし、開口134内でのタブ
部分137の機械的・電気的接触を行わせる利点を有す
る。従って、タブ部分137は、米国特許第5,012,810
号に開示された三つの実施例のタブ部分と同じようにア
クセス可能でありながら、更にこれらよりも保護された
位置を占める。
【0025】導電性接着剤139の領域を、第1表面1
35と同じ接着剤として示されている皮膚接着剤142
の領域が取り囲んでいる。この接着剤142は導電性接
着剤139を取り囲み、ライナー143によって露出面
を保護されている。このライナー143はミシン目14
4によって二つの部分に分割され、該ミシン目144は
導電性接着剤139と皮膚接着剤142の接合部の下方
の線に沿って、好ましくは導電性接着剤139の先端縁
の下方の線に沿って設けられている。
【0026】図1に示された偏平な構造体は、タブ部分
137が絶縁性構造体131の第1区域133の第2表
面136の開口134内に位置可能な点で、米国特許第
5,012,810 号の実施例よりも好ましいものである。絶縁
性構造体131の第1区域133を通じてタブ部分13
7にアクセス可能な寸法の開口134が設けられている
ので、クリップ7は、タブ部分137を開口134を越
えて延在させなくても機械的・電気的に導電性部材13
2に接触可能となる。それにもかかわらず、タブ部分1
37は、米国特許第5,012,810 号の絶縁性構造体と同じ
く、絶縁性構造体131の第2区域141の外側表面の
上まで延在している。 図2に示すように、タブ部分1
37は、電極130の任意の部位に接着はしないがこれ
に隣接している先端部分145を有している。開口13
4は、この先端部分145が露出してクリップ7にアク
セスできるような寸法を有する。導電性接着剤の領域1
39は、絶縁性構造体131の第2区域141によって
保護され、該区域141はタブ部分137に隣接する露
出表面146を具えている。実際、開口134の周縁
は、絶縁性構造体の中で第1区域133が第2区域14
1に重なっていない唯一の領域を規定している。
【0027】機械的・電気的接点へのアクセスのために
タブ部分137を露出させるような寸法の開口134を
有するこの絶縁性構造体は、導電性部材132の機械的
・電気的性能の完全性の保護機能の他に、第2区域14
1の上に重なる第1区域133の領域に起因して、その
製造が複雑ではない利点を有する。図3にはその他の実
施例が示されている。この例においては、電極150は
電気療法の際の刺激のために用いられる。電極150は
前述の電極130と同じような構造を有するが、導電性
部材132,接着剤テープ140,絶縁性構造体131
の第2区域141の構成が異なっている。
【0028】絶縁性構造体151は、接着剤層を有する
第1表面155(皮膚接着剤を有することが望ましい)
を具え、図1,2に示した実施例の場合と同様なやり方
で導電性部材152を接合している。絶縁性構造体15
1は、第1表面155と第2表面156との間に開口1
54を有する実質的に非導電性材料からなる単一の区域
153で構成されている。開口154は絶縁性構造体1
51のほぼ中央に設けられ、導電性部材152を覆って
いる。
【0029】導電性部材152は前述の導電性部材13
2とは異なり、非導電性材料のテープ159とカーボン
含有材料を含浸または塗布されて導電性を具えたウェブ
160とからなる積層テープによって構成されている。
このカーボン含有材料は導電性カーボンインキであるこ
とが望ましい。この導電性部材152もタブ部分157
とパッド部分158とを具えている。パッド部分158
は、絶縁性構造体151の接着剤層で裏打ちされた第1
表面155に接着されている。タブ部分157は開口1
54内に存在しているので、機械的・電気的接触のため
に絶縁性構造体151の第2表面156からアクセス可
能である。
【0030】カーボン含有ウェブ160に接して両面接
着テープ161が設けられている。該両面接着テープは
銀等の導電性金属の粒子を含んでおり、ウェブ160と
図2の絶縁性構造体131の第2区域141に置き換え
られた第2の導電性カーボン含有ウェブ162との間の
導電性を増加させることが望ましい。ウェブ162は、
導電性接着剤の領域163に対して導電性を与えてい
る。この例では、絶縁性構造体153は、タブ部分15
7にアクセスするための開口154を除いて、電極15
0に対して絶縁保護を付与している。このようにして、
導電性接着剤163は実質的に全表面にわたって導電性
ウェブ160又は162に対して電気的に接触してい
る。実質的に電気的に接触しているこの領域は、電気療
法の刺激の際に電極150を通じて患者の皮膚に対して
より均等な電流を流すことができる。
【0031】この電極150は図1,2のミシン目14
4に対応する位置にミシン目166を有するライナー1
65によって保護されている。図2の実施例と同様に、
タブ部分157は露出しており、開口154を通じて図
1に示されたクリップ7に機械的・電気的接触をするよ
うにアクセスすることができる。タブ部分157の先端
部167は、第2ウェブ162の露出面168に対して
接着はされていないが、これに隣接している。好ましく
は導電性を有する接着テープ161が、カーボン含有ウ
ェブ160をカーボン含有ウェブ162に対して、機械
的・電気的接触のために先端部167を露出させるよう
に接着させている。
【0032】これらの電極130又は150の構造はそ
の製造工程を簡単化させる。例えば、この電極の連続テ
ープは患者の皮膚に容易に適用できるように配置するこ
とができる。図4は電極130又は150と代替可能な
電極の連続テープ170を示す。図4において、電極1
30の連続テープ170は、ミシン目174を有する縁
で相互に連結された剥離ライナー143のテープ上に組
み立てられている。この電極テープ170は順次に供給
され、又は収納スペースを小さくするために折り畳んだ
状態で包装されている。使用時には、図4に示すよう
に、一つのライナー143のミシン目144が引き裂か
れ、その中から電極130が剥き出されて導電性接着剤
139と皮膚接着剤142の領域が露出し、患者に適用
される。ミシン目144を導電性接着剤の領域139と
皮膚接着剤の領域142に隣接した位置、好ましくは絶
縁性構造体領域139の先端縁の下方に設けることか望
ましく、これによって電極130を患者の上に載せる際
に皮膚接着剤142との接触が少なくなる。ライナー1
43の残りの部分が取り除かれた後、電極130は患者
の皮膚に接着される。
【0033】図4に示す電極130又は150の連続テ
ープ170は、少ないステップで組み立て可能であり、
製造工程を経済的に行うことができる。図5〜7はテー
プ170を準備するための組み立て方法を図示したもの
である。図5は、導電性接着剤182と、(作られる電
極が130か150かに応じて絶縁性,導電性のいずれ
かである)薄い可撓性の材料184と、両面接着テープ
186と、一連の分離されていない導電性部材188の
テープとからなる積層構造体を有する多層構造180を
示す。各テープは、接着層を含む積層構造体の組み立て
技術の当業者にとって公知の方法と装置によって、図5
に示すように順次に整列される。ロールからテープを繰
り出して連続的にこれらを重ね合わせる方法と装置は、
米国特許第4,795,516 号(Strand)及び第4,798,642 号(C
raighead et al.)に開示されている。この導電性部材テ
ープアセンブリの巾は約2〜10cm, 好ましくは約4cm
である。
【0034】ライン189において、このテープアセン
ブリ180は標準ダイによって切断され、適当な寸法、
例えば巾1.8 cm、長さ4cmの多数の個々の導電性アセン
ブリ190が得られる。各導電性アセンブリ190は、
図2において下から上に向かって、導電性接着剤13
9,第2区域141,両面接着テープ140,前記導電
性接着剤139の領域に接するパッド部分138と前記
両面接着テープ140に接着されたタブ部分137とを
有する導電性部材132とで構成されている。
【0035】図6に示すように、各導電性アセンブリ1
90は、各導電性接着剤139の領域(図4参照)を各
剥離ライナー143に接触させることによって、剥離ラ
イナーのテープ192に貼り合わせることが可能であ
る。各導電性アセンブリ190は、ミシン目144に隣
接して各ライナー143上に位置決めされることが望ま
しい。
【0036】図7に示すように、各導電性アセンブリ1
90は、(図2に示すように第1表面135に皮膚接着
剤142を有する)絶縁性構造体131の第1区域13
3によって被覆され、開口134内に存在するタブ部分
137を除いて、導電性アセンブリ190に接着され
る。こうして、開口134は少なくともタブ部分137
の大部分を露出させ、特に先端部145の全体を機械的
・電気的接触のために露出させている。
【0037】当業者にとって公知の位置決め手段によっ
て、一連の個々の導電性アセンブリ190をミシン目1
74で分離された剥離ライナー143のテープ192上
に図6に示すように適宜に載置し、次いで一連の接着剤
で裏打ちされた絶縁性構造体131をその上に重ねるこ
とによって、生医学用の電極構造の複雑性を最小にする
ことが可能である。絶縁性構造体位置決め手段は真空ア
プリケータロールを使用する米国特許第4,795,516 号と
4,798,642 号に開示されている。
【0038】図5〜7に示された組立方法によれば、製
造コストが少なくなると共に、生医学用電極130の連
続マスプロによって図4に示すような電極の連続テープ
を製造することが可能になる。開口134をタブ部分1
37の上方に位置決めすることは、導電性部材を絶縁性
構造体の第2表面上に載置するよりも複雑さが少ない。
更に、タブ部分137の大部分と先端部145の全体よ
りも開口134を大きくしたことにより、クリップ7に
対する導電性部材132の機械的・電気的接触が確実に
なり、電極40,80,110について説明したよう
に、ストレスを吸収する利点が生じる。
【0039】前述の二つの実施例において、導電性部材
132又は152は実質的に同じように描かれている。
即ち、大きな長方形のパッド部分と細長い狭いタブ部分
を有している。この形状には種々のものを採用可能であ
るが、ここに示されている形状が特に好ましく、クリッ
プに係合し易いタブ部分を提供すると共に、比較的大き
な表面積のパッド部分を提供する。しかもこのパッド部
分の外周部は皮膚接着剤を有する絶縁性構造体の境界線
によって容易に区切られている。
【0040】導電性部材、例えば符号132で示される
部材には種々の材料を利用することが可能であるが、比
較的偏平で可撓性に富む構造は、少なくとも一方の面に
銀/塩化銀の導電性コーティングを有するプラスチック
材料によって得られる。導電性部材152は、少なくと
もその一方の面にカーボン含有の導電性ウェブを具えて
いる。この導電性部材の一方の面のみに導電層がある場
合、絶縁性構造体から遠い方に位置するパッド部分の
面、及び第1実施例の絶縁性構造体及び第2実施例の第
2ウェブに対面するタブ部分が当該面に対応する。
【0041】代表的な導電性部材132は、約2.5 〜12
μm,好ましくは5μm の厚さの銀/塩化銀のコーティン
グを有する約0.05〜0.2 mmの厚さのポリエステルフィル
ムのテープ材料を具えていることが予見される。Massac
husett州のWaltham のErcon,Inc. から“R-300"イ
ンキとして入手可能な銀/塩化銀インキでコーティング
された、Virginia州のHopwell のICI アメリカから"Mel
linex 505-300"フィルムとして市販されているポリエス
テルフィルムが現在の所好ましいものである。導電性部
材152としては、Michigan州のPort HuronのAcheson
Colloids Companyから"SS 24636"インキとして市販され
ているカーボンインキを含む、Newyork 州のTroyのLyda
ll, Inc.から"Manniweb"として市販されているポリエス
テルとセルローズ繊維との不織布ウェブが使用可能であ
る。
【0042】クリップと導電性部材132との機械的接
触を円滑にするために、接着剤層を裏打ちされたポリエ
チレンテープ等の柔軟材料を、導電性部材のタブ部分の
導電性コーティングを有する側の反対面に装着してもよ
い。3M Companyから"Blenderm"テープとして市販されて
いる外科用テープをこの目的に使用することができる。
【0043】この電極構造は偏平で薄く可撓性を有する
ばかりでなく、X線に対して実質的に影を生じないこと
も判るであろう。従って、本考案の生医学用電極を装着
した患者は、X線テストを受ける際に、電極を取り外し
たり(これは不愉快で不便なことである)再装着したり
する必要がない。種々の形状とサイズを有する導電性部
材が使用可能であるが、好ましいものは、約1〜3cm×
1〜2cmのパッド部分と約1〜3cm×0.5 〜1.5 cmのタ
ブ部分を有する導電性部材である。
【0044】主な部分、即ち絶縁性構造体の一つ又は二
つの区域を形成するのに種々の材料が使用可能である。
一般的に、ユーザーに快適性を与える比較的強力な薄い
可撓性材料が好適である。好ましい材料としては、高分
子発泡体特にポリエチレンフォーム、不織布パッド特に
ポリエステル不織布、種々のタイプの紙等が挙げられ
る。最も好ましい材料は、溶融吹き付け紡糸されたポリ
ウレタン繊維で作られた不織布パッドであり、これは非
常に可撓性に富むと共に、伸長回復性と呼吸性に優れて
いる。本考案の電極の絶縁性構造体として利用可能な溶
融吹き付け紡糸されるポリウレタン材料は、ヨーロッパ
特許公報第0 341 875 号に開示されている。
【0045】図5〜7の実施例に使用されているよう
に、絶縁性構造体は電極130又は150の残りの部分
に接触するその表面に皮膚接着剤を具えていることが望
ましい。本考案の絶縁性構造体に使用される好適ウェブ
材料(溶融吹き付け紡糸されたポリウレタン)は、約6
0〜140g/m2(好ましくは約120g/m2)のウェブ目
付けを有する。この材料は、適当な引っ張り強度と水蒸
気伝達速度を有している。好ましい水蒸気伝達速度は、
ASTMのE96-80に準拠して21℃,50%相対湿度の条件
で測定して、約500 〜3000g(水分)/m2/hr ( 好ましくは
500 〜1500g(水分)/m2/hr)である。このような材料の利
点は、これから作られたウェブが優れた弾性と伸長回復
性を示す点にある。このことは、この電極が対象物の動
きにつれてすべての方向に良好に伸び、電極の完全性を
損なったり皮膚接着剤による接着が剥がれることがない
ことを意味している。50%の伸長の後に、すべての方
向に少なくとも約85%の伸長回復性を有する材料が好
ましい。
【0046】ここに開示された電極には、種々の寸法の
ものがある。一般的に、約3.5 〜4.5cm ×5.5 〜10 cm
の絶縁性構造体が代表的な用途に対して最も好ましい。
約200〜600μm の厚さのものは、適当な強度と所
望の外形輪郭を与える。皮膚接着剤として種々の材料を
使用可能である。代表的には、アクリレートエステル接
着剤が好ましい。アクリレートエステルコポリマーの接
着剤が特に好ましい。これらの材料は米国特許第2,973,
826 号, Re 24,906; Re 33,353; 3,389,827; 4,112,21
3; 4,310,509; 4,323,557; 4,732,808; 4,917,928; 4,9
17,929;ヨーロッパ特許公報0 051 935 等に記載されて
いる。
【0047】特に、約95〜97重量%のイソオクチル
アクリレートと約5〜3%のアクリルアミドからなるコ
ポリマーで1.1 〜1.25 dl/g の固有粘度を有するものが
今のところ好ましい。両面接着テープ140用の接着剤
は上述のいずれのアクリレートエステル接着剤でもよ
く、両面に粘着性を有するテープ形状のものである。現
在のところ好ましい接着剤は、固有粘度が約1.3 〜1.45
dl/g であることを除いて、皮膚接着剤として好ましい
ものと同じである。両面接着テープ161用として好ま
しい接着剤は、140用のものに約4重量%の銀等の導
電性金属の微粒子を含ませたものである。
【0048】電解質層としては、米国特許4,848,353 に
開示されているような導電性接着剤が好ましい。特に、
心電図のモニター用の導電性接着剤としては、次に示す
成分を有するものが好ましい材料として挙げられる。 成分 乾燥重量% コポリマー アクリル酸 9.50 N−ビニルピロリドン 9.50 グリセリン 51.58 グアーガム 0.12 水 25.50 水酸化ナトリウム 2.64 ベンジルジメチルケタル 0.07 塩化カリウム 1.00 TEGBM 0.09 100.00 モニター用の導電性接着剤として使用される場合、塩化
カリウム等の水溶性塩が、接着剤の前駆物質の重量に対
して約12重量%まで含まれていてもよい。
【0049】電気療法の刺激用の導電性接着剤として使
用される場合、水溶性塩は必要ではない。グリセリンの
量が増やされて水溶性塩に代替される。0.1mm 厚さのCe
rex(登録商標, Missouli州のSt. Louis のMonsanto Co.
から市販されている) 等の薄い支持ウェブ上で接着剤の
前駆物質を熱処理し、製造工程での機械的取扱いを容易
にすることが好ましい。
【0050】スクリム128は多くの材料のいずれかか
ら作ることができる。一般的には、これらの材料は薄い
フィルムとしての適当な引っ張り強度を有し、しなやか
であり、且つ導電性接着剤及び皮膚接着剤の両者に対し
て良好な接着効果を有することが必要である。ポリエチ
レンフィルム, ナイロンフィルム, 及び紙が利用可能で
あり、特にOhio州のMiddletownのCrystal Paper Co. か
ら市販されているCrystex Paper が好ましい。
【0051】構造体141は、導電性接着剤139の状
態と、それと電極を装着している患者の皮膚との接触状
態を観察できるように、透明材料又は半透明材料で作ら
れることが望ましい。構造体141としては、0.05 mm
の厚さを有するVirginia州,HopewellのICI Americasの"
Mellinex"ポリエステルフィルムとして市販されている
ものが現在のところ好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例の平面図であり、点線は図
の隠れた部分を示している。
【図2】図1の2─2線に沿う拡大断面図であり、図1
には示されていない剥離用ライナーも示されている。
【図3】本考案の第2実施例の断面図であり、図2の第
1実施例とは異なる構造のものである。
【図4】図1の例の生医学用電極の連続テープの平面図
であり、各電極の間にはミシン目を有し各電極を横断す
る剥離ライナーが設けられている。
【図5】図4に示す電極テープを作るのに適した電極ア
センブリを組み立てる第1ステップを示す。
【図6】図4に示す電極テープの組み立ての中間ステッ
プを示す。
【図7】図4に示す電極テープの組み立ての最終ステッ
プを示す。
【符号の説明】
130…電極 131…絶縁性構造体 132…導電性部材 133…第1区域 134…開口 135…第1表面 136…第2表面 137…タブ部分 138…パッド部分 139…導電性接着剤 140…両面接着テープ 141…第2区域 142…皮膚接着剤 143…ライナー 144…ミシン目
フロントページの続き (72)考案者 ジェローム エルロイ ストランド アメリカ合衆国,ミネソタ 55144− 1000,セント ポール,スリーエム セ ンター(番地なし) (56)参考文献 特開 平2−4321(JP,A)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)第1表面(135,155)とこ
    れの反対面をなす第2表面(136,156)を有し、
    該両表面同士の間に開口(134,154)を有する実
    質的に非導電性材料の偏平シートを具えた絶縁性構造体
    (131,151)と、 (b)パッド部分(138,158)とタブ部分(13
    7,157)を有する導電性部材(132,152)と
    を具え、 該導電性部材(132,152)の前記パッド部分(1
    38,158)が絶縁性構造体の前記第1表面(13
    5,155)側に位置し、前記タブ部分(137,1
    57)が前記開口(134,154)内に位置して絶縁
    性構造体の第2表面(136,156)の側からアクセ
    ス可能に配置されることを特徴とする生医学用電極。
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