JPS63171Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は蓋体から流下する露を受ける構造を改
良した煮炊器に関する。

従来よりこの種の煮炊器例えば炊飯器において
は、器枠の一部であり且つ表面に塗装を施した薄
鋼板製の外枠に蓋体を枢支するヒンジ機構を設
け、そしてこのヒンジ機構の下部に位置するよう
外方に張出させて露受器を着脱可能に装着し、こ
の露受器に蓋体の開放時に該蓋体から流下する露
を受け溜めるようにしている。しかしながら斯る
従来のものによれば、露受器をその蓋体の開放毎
に取外してその内部に溜まつた露即ち水を捨てる
ことを怠ると、いずれ内部の水があふれて、その
水が外枠を伝うため該外枠を錆させる虞れがあ
り、一方、露受器が外枠から張出しているため外
観が損なわれる他、置場所も広く必要とする不具
合があつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、露受器の内部の水があふれても器枠を
錆させる虞れがなくしかも外観も良好になし得る
他、殊更広い置場所を必要とすることもない煮炊
器を提供するにある。

以下本考案を炊飯器に適用した一実施例につい
て図面を参照して説明する。１は器枠であり、こ
れは合成樹脂製の基台２に円筒状をなし且つ表面
を塗装した薄鋼板製の外枠３を結合し更にその外
枠３の上端部に耐熱合成樹脂製の上枠４を連結し
てなる。５は前記器枠１内に配設された内枠で、
これの内底部には電気ヒータ６が配設されてい
る。７はアルミ製の鍋で、前記内枠５内に収納さ
れている。８は例えばグラスウール等の断熱材
で、前記内枠５の外周部と外枠３の内周部との間
に配設されている。一方、９は蓋体で、これは把
手１０ａを一体に有して前記上枠４にヒンジ構構
１１により上下回動可能に枢支された外蓋１０
と、この外蓋１０に前記鍋７の上面開口を被うべ
く着脱可能に取付けられた内蓋１２とからなる。
さて、１３は露受部で、これは前記上枠４の前記
ヒンジ機構１１直下の位置のほか該上枠４の上面
部全周にわたつて溝状に形成され、そのうち、上
記ヒンジ機構１１直下の位置を最低部とすべく全
体にわたつて傾斜させている。１４は露受器で、
前記基台２に陥没状に形成された収容部１５に例
えば圧入により着脱可能に収容され、以つて前記
器枠１の下方部であつて且つ器枠１の内方の位置
に収まるようになつている。１６は案内筒で、こ
れの上端は前記露受部１３におけるヒンジ機構１
１直下の位置から下方へ開通した排水孔１３ａに
臨み且つ下端は前記収容部１５に従つて露受器１
４内に臨むように設けられており、又、全体に前
記外枠１の内周部と断熱材８の外周部との間に配
置されている。

次に以上にように構成した本実施例の作用につ
いて説明する。鍋７内に米とその米の炊き上がり
に必要な水とを入れ電気ヒータ６により炊飯を行
なうと、蓋体９の内蓋１２には蒸気による露が付
着する。そして、その後この炊飯器内の飯を食べ
るべく蓋体９を上方に回動させて開けると、内蓋
１２に付着した露が流下し露受部１３に受けられ
る。而して、この露受部１３に受けられた露は案
内筒１６により器枠１の下方であり且つ該器枠１
の内方に収まる位置に設けられた露受器１４内に
流下されここで受けられて溜まるようになる。以
上のようにして露受器１４に溜められた露即ち水
は露受器１４を収容部１５から取外すことにより
捨てられる。

尚、特に上記実施例においては、露受部１３を
上枠４即ち器枠１の上縁部の全周にわたつて設け
たことによりその全周という広い範囲で露やその
他の水を受け得る利点があるが、然し、このこと
は必らずしも必要な事柄ではなく、従つてこの露
受部１３は少なくともヒンジ機構１１直下の位置
にのみ設けられたものであつても良い。

その他、本考案は上記し且つ図面に示す実施例
に限定されるものではなく、例えば全体は炊飯器
のみならず煮炊器全般に適用し得る等、要旨を逸
脱しない範囲で適宜変更して実施できる。

本考案は以上の説明から理解されるように、器
枠の上縁部に蓋体から流下する露を受ける露受部
を設け、この露受部に受けられた露を前記器枠の
下方に案内する案内筒を器枠の内部に設け、この
案内筒から流下する露を受けて溜める露受器を前
記器枠の下方であつて且つ該器枠の内方に収まる
位置に着脱可能に設けた構成としたので、露受器
の内部の水があふれてもその水が器枠を伝うこと
がなく、従つて器枠を錆させる虞れがなく、しか
も露受器は器枠の内方位置に納められ、又案内筒
は器枠の内部に位置するので、外観を良好になし
得る他、殊更広い置場所を必要とすることもない
等、数々の優れた実用的効果を奏する煮炊器を提
供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す一部断面状態に
て示す炊飯器の側面図である。 図面中、１は器枠、７は鍋、９は蓋体、１２は
内蓋、１３は露受部、１４は露受器、１６は案内
筒を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓋体を枢支した器枠と、この器枠の上縁部に前
   記蓋体から流下する露を受けるべく設けられた露
   受部と、前記器枠の内部に前記露受部より受けた
   露を器枠の下方に案内すべく設けられた案内筒
   と、前記器枠の下方部であつて且つ該器枠の内方
   に収まる位置に前記案内筒から流下する露を受け
   て溜めるべく設けられた着脱可能な露受器とを具
   備してなる煮炊器。