JPS603768Y2 - 調理用鍋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、調理用鍋に関し、特にその吹きこぼれ防止手
段に関する。

調理鍋の使用時において吹きこぼれがあると、調理台が
汚れる他、火が消たれてしまい危険な状態が発生する。

本考案は、上記のような吹きこぼれを防止することを目
的としており、吹き出した泡や蒸気などを水滴として確
実に鍋本体の内部に戻すようにしている。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて具体的に説明
する。

本考案の調理用鍋１は、図い示すように鍋本体２、中篭
３、中蓋４および外Ｍ５を組み合わせて構成しである。

鍋本体２は、断面はぼ偏平なＵ字形で、上方の開口縁に
段状の外蓋受部６を有し、上方外側面に一対の鍋持手７
を有している。

この鍋持手７は、例えばプラスチックなどで構成され、
本体持手金具８によりベット９で鍋本体２の側面に固定
され、かつ上面に位置決め用の突部１０を有している。

そして中篭３は上面開口型で周面に多数の水切孔１１を
有し、かつ上方に段状の中蓋受部１２を形成し、さらに
この中蓋受部１２の外側上方にその中蓋受部１２よりも
高い吹きこぼれ防止壁１３を段部を介して延設している
。

左右一対の中篭持手金具１４は、上記の吹きこぼれ防止
壁１３の外側リベット１６により取付けられ、先端部分
で中篭持手１５を保持している。

この中篭持手１５はプラスチックなどで形成されるもの
で、下面に上記突部１０に対応するくぼみ部１７を有し
ている。

中蓋４は外蓋受部６または中蓋受部１２にかぶせられる
もので、比較的深い形状としてあり、その上方側面に多
数の蒸気抜き孔１８が有し、またその外側に保合手段と
しての係合スプリング１９を有している。

この係合スプリング１９は、く字形の板ばねで、中蓋４
の例えば三等分位置に設けられ、上端部でリベット２０
により中蓋４に固定しである。

さらに外蓋５は中蓋４の上面にかぶせられるもので、中
蓋４よりも浅く蒸気抜き孔１８の外周をおおう程度の深
さであり、その上面につまみ２３を有している。

このつまみ２３はインサートリベット２１により外蓋５
の上面に取付けである。

そしてこの外蓋５は係合スプリング１９の弾力作用によ
り中蓋４の上面に着脱自在にかぶせられる。

なお、外蓋５の肩部の蒸気抜き孔２２は、外蓋５を中蓋
４から外し、直接鍋本体２の外蓋受部６にかぶせて使用
する場合の蒸気抜き用のものである。

次に上記調理用鍋１の機能を説明する。

麺類などをゆでる場合には、鍋本体２に入れた水が沸騰
してから、中篭３の内部に麺類などをほぐしながら入れ
る。

この状態で鍋持手７と中篭持手１５とは上面から見てず
らした状態にしておく。

このようにすると鍋持手７および中篭持手１５は互いに
重合しないため、中篭３は鍋本体２の内部に落ち込み、
中篭３はその開口部周縁で鍋本体２の開口縁に支持され
る。

この状態で吹き上った場合においても、気泡は深い中蓋
４の内部に収容されるため、吹きこぼれ現象はすぐに起
きないことになる。

仮に吹き上った泡が蒸気抜き孔１８から外部に抜き出し
たとしても、その蒸気は外蓋５の内壁にぶつかり、比較
的低い温度の外蓋５で冷却されて水滴となり、そのまま
吹きこぼれ防止壁１３の内部に落ち込み、したがって吹
きこぼれ現象は確実に防止できる。

次にゆで上がった麺類を流水にさらすには鍋持手７の上
面に中篭持手１５を載置する。

このようにすると中篭３は中篭持手１５および鍋持手７
に支持されて、鍋本体２の内部で浮いた状態となる。

このようにしてから中篭３の上面から中蓋４および外Ｍ
５を取る。

この場合、外蓋５を持ち上げると、保合スプリング１９
の作用により中蓋４は同時に持ち上げられる。

この状態で冷水を中蓋３の内部に注ぐと、その水は中篭
３の内部の麺類をさらし、水切孔１１から外側に流出し
、鍋本体２の上面からあふれ出る。

このとき、中篭３の開口縁が鍋本体２の開口縁より上方
にあるため、麺類は流れ出ない。

しかも鍋本体２と中篭３との間の水があふれ出るため、
中篭３の内部で麺類をさらすときに有効な流れが形成さ
れ、さらす機能が有効に働く。

そして中篭３が用いられないときには、鍋本体２の外蓋
受部６に外蓋５を組み合わせれば、単なる蓋付の鍋とし
て用いられ、また鍋本体２の外蓋受部６に中蓋４を上下
逆にして載置すれば、蒸し鍋としても用いられる。

この場合、中蓋４の開口部に外Ｍ５を被せることができ
る。

さらに中篭３は単独で水切り篭としても用いられる。

ちなみに上記実施例において、係合手段としての係合ス
プリング１９は中蓋４の外側に設けであるが、外蓋５の
内側に設けるようにこしてもよい。

また両者の保合手段は互いに螺合構造としても実施でき
る。

本考案によれば、中蓋を中篭の中蓋受部に載置している
ため、鍋本体内で吹き上がった泡などがその内部空間に
充分収納されるので、ふきこぼれが少なく、また泡や蒸
気が仮に蒸気抜き孔から外部に噴出した場合においても
、それらの蒸気が外蓋の内壁面にぶつかり、そこで冷や
されて水滴となり、確実に中篭の吹きこぼれ防止壁内部
に落下した上で、鍋本体の内部に戻されるので、鍋の外
へ吹きこぼれることを防止できるのである。

さらに中蓋に対して外蓋が係合スプリングなどの係合手
段により着脱自在に組み合わせるようにしであるから、
調理用途に応じてそれらのうち適切な蓋が選択的に用い
られるという実用上の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の調理鍋の一部破断側面図である。 １・・・・・・調理用鍋、２・・・・・・鍋本体、３・
・・・・・中篭、４・・・・・・中蓋、５・・・・・・
外蓋、１２・・・・・・中蓋受部、１３・・・・・・吹
きこぼれ防止壁、１８・・・・・・蒸気抜き孔、１９・
・・・・・係合手段としての係合スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鍋本体に収納可能な中篭の開口部に形成された中蓋受部
   に中蓋を載置し、この中蓋の上方に蒸気抜き孔を形成す
   るとともに、上記中蓋の上面に、上記蒸気抜き孔をおお
   い、かつ上記鍋本体にも載置可能な外蓋をそれらの間に
   介在する係合手段により着脱自在に取付け、上記中篭の
   中蓋受部の外側にはその中蓋受部よりも高い吹きこぼれ
   防止壁を延設したことを特徴とする調理用鍋。