JPS603770Y2 - 調理用鍋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は調理用特にゆで物の調理に適切な鍋に関する。

例えば麺類はゆで鍋を用いてゆで、ゆで上った状態でざ
る等に移して流水にさらすようにして調理が行なわれる
。

このようなさらし操作は麺類のぬめりを取り、かつ締り
を良くするために必要とされる。

さて、上記の一般的な調理方法によると、ゆで上がった
状態で麺類をざるなどに移す操作が不可欠であり、また
さらす場合に器の中にざるを収納することが必要となる
。

したがって上記のようなさらし操作はゆで鍋の内部に麺
類を入れた中篭を収納して中篭ごとゆで上げ、ゆで上っ
た状態でゆで鍋内の中篭に直接冷水を注ぎ込むようにす
れば解決できる。

しかしさらすときに中篭内の麺類が流れ出ないように中
篭をゆで鍋の上面より高くする必要があるため、従来は
ゆで鍋の内部に中篭台を収納し、中篭の開口面をゆで鍋
の開口面より上方に位置させるようにしている。

したがって従来のものでは、特別な部品が必要とされ、
ゆで上げた後にいちいち中篭を取り出してゆで鍋内に中
篭台を収納しなければならなかった。

また線材の下げ手を有している中篭においては、この下
げ手が変形しやすく、また中篭の取り出し時においてそ
の下げ手が熱を受けて取り扱いにくい状態となっている
。

ここに本考案の目的は鍋本体内の中篭を特別な部品を用
いることなく鍋本体から浮かした状態で支持できるよう
にする点にある。

上記目的のもとに本考案は鍋本体および中篭の側面に一
対の持手を設け、の持手を重ね合せた状態で中篭を本体
から浮く状態に設定できるようにしている。

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて具体的に説
明する。

本考案の調理用鍋１は、第１図に示すように鍋本体２、
中篭３、中蓋４および外蓋５を組合せて構成しである。

鍋本体２は断面はぼ偏平なＵ字形で、上方の開口面に段
状の蓋受部６を有し、上方外側面に一対の鍋持手７を有
している。

鍋持手７は例えばプラスチックなどで構成され、本体持
手金具８によりリベット９で鍋本体２の側面に固定され
、かつ上面に突出部による位置決め体１０を有している
。

そして中篭３は上面開口型で周面に多数の水切孔１１を
有し、かつ上方に段状の蓋受部１２を形成し、かつ上面
開口縁で外側に張り出す吹きこぼれ受１３を形成してい
る。

左右一対の中篭持手金具１４は上記吹きこぼれ受１３の
外側にリベット１６により取り付けられ、先端部分で中
篭持手１５を保持している。

中篭持手１５はプラスチックなどで成形されるもので、
下面に上記位置決め体１０に対応するくぼみ部による位
置決め体１７を有している。

中蓋４は中篭３の蓋受部１２にかぶせられるもので、比
較的深い形状としてあり、その上方側面に多数の蒸気抜
き孔１８を有し、またその外側に保合スプリング１９を
有している。

この係合スプリング１９はく字形の板ばねで、中蓋４の
例えば三等分位置に設けられ、上端部でリベット２０に
より中蓋４に固定しである。

さらに外蓋５は中蓋４の上面にかぶせられるもので、中
蓋４よりも浅く蒸気抜き孔１８の外周をおおう程度の深
さであり、その上面につまみ２３を有している。

このつまみ２３はインサートリベット２１により外蓋５
の上面に取り付けである。

そしてこの外蓋５は係合スプリング１９の弾力作用によ
り中蓋４の上面に着脱自在にかぶせられる。

なお外蓋５の肩部の蒸気抜き孔２２は外蓋５を中Ｍ４か
ら外し、直接鍋本体２の蓋受部６にかぶせた場合の蒸気
抜き用のものである。

次に上記調理用鍋１の機能を説明する。

麺類などをゆでる場合には、鍋本体２に入れた水が沸騰
してから、中篭３の内部に麺類などをほぐしながら入れ
る。

この状態で鍋持手７と中篭持手１５とは上面から見てず
らした状態にしておく。

このようにすると鍋持手７および中篭持手１５は互いに
重合しないため、中篭３は鍋本体２の内部に落ち込み、
中篭３はその開口部周縁で鍋本体２に支持される。

この状態で吹き上った場合においても、気泡は深い中蓋
４の内部に収容されるため、吹きこぼれ現象はすぐに起
きないことになる。

仮に浮き上がった泡が蒸気抜き孔１８から外部に吹き出
したとしても、その蒸気は外蓋５の内壁にぶつかり、水
滴となってそのまま吹きこぼれ受１３の内部に落ち込み
、再び鍋本体２の内部に戻される。

したがって吹きこぼれ現象は確実に防止できる。

次にゆで上った麺類を流水にさらすには鍋持手７の上面
に中篭持手１５を載置する。

このようにすると中篭３は中篭持手１５および鍋持手７
に支持されて、鍋本体２の内部で浮いた状態となる。

このとき位置決め体１０．１７は互いにはまり合いずれ
を防止している。

このようにしてから中篭３の上面から中蓋４および外蓋
５を取る。

この場合、外蓋５を持ち上げると、係合スプリング１９
の作用により中蓋４は同時に持ち上げられる。

この状態で冷水を中篭３の内部に注ぐと、その水は中篭
３の内部の麺類をさらし、水切孔１１から外側に流出し
、鍋本体２の上面からあふれ出る。

このとき、中篭３の開口面が鍋本体２の開口面より上方
にあるため、麺類は流れ出ない。

しかも鍋本体２と中篭３との間の部分の水があふれ出る
ため、中篭３の内部で麺類をさらすときに有効な流れが
形成され、さらす機能が有効に働く。

なお、鍋本体２の蓋受部６に外蓋５を組合せれば、単な
る蓋付の鍋として用いられ、また鍋本体２の蓋受部６に
中蓋４を上下逆にして載置すれば、蒸し鍋としても用い
られる。

さらに中篭３は単独で水切り篭としても用いられる。

ちなみに上記実施例において、係合手段とし、ての係合
スプリング１９は中蓋４の外側に設けであるが、外蓋５
の内側に設けるようにしてもよい。

また両者の係合手段は、互いに螺合するものでも実施で
きる。

さらに位置決め体１０は第２図のように連続するもので
なく、第３図のように独立した半球形状のものであって
もよく、第４図のようなくぼみ、また第５図のような幅
全体にわたる台形状のものであってもよい。

もちろんこれに対応して、中篭持手１５の裏面の位置決
め手段はそれらの形状に対応して変化させるものとする
。

本考案によれば、鍋持手と中篭持手との位置決め状態で
の重合わせにより、中篭が鍋本体から浮いた状態に設定
できるので、中篭を浮かせるため１こ特別な引っ掛は金
具などを必要とされず、また中篭持手および鍋持手が鍋
本体と中篭との間で位置決め体のはまり合いにより回転
ずれのない状態で同時に把持できるため、調理用鍋が安
定な状態で持ち運びでき、また鍋持手と中篭持手との重
合わせ、または重合わせ位置以外への鍋本体あるいは中
篭の回動という簡単な操作によって、それらの組み合わ
せ状態が選択できるから、その選択操作が煮たき中にも
変更できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の調理用鍋の一部破断側面図、第２図な
いし第５図は鍋持手の他の実施例の斜面図である。 １・・・・・・調理用鍋、２・・・・・・鍋本体、３・
・・・・・中篭、７・・・・・・鍋持手、１０．１７・
・・・・・位置決め体、１５・・・・・・中篭持手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鍋本体の外側に一対の鍋持手を設けるとともに、上記鍋
   本体の内部に収納可能な中篭の側面に一対の中篭持手を
   設け、この中篭持手の下面および上記鍋持手の上面に互
   いにはまり合う凹凸状の位置決め体をそれぞれ設け、上
   記中篭を上記鍋本体内に収納して上記の鍋持手の上に中
   篭持手を載置したとき、上記中篭を上記鍋本体から浮く
   状態に設定してなることを特徴とする調理用鍋。