JPS631633Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、バンパを車体前部に支持するバン
パステーの取付構造の改良に関するものである。

従来より、フロントバンパを支持するバンパス
テーは、その後部をフロントフレームにねじ止め
することによつて、フロントフレームに取付けて
支持している。

通常、フロントバンパの支持高さは、フロント
フレームより高い位置にあるため、軽衝突時等に
おいてバンパに衝撃荷重が加わると、バンパステ
ーには、フロントフレームの取付部を支点とする
衝撃モーメントが作用し、バンパステーが上方へ
回動してバンパステーの取付部が変形し、衝撃荷
重を有効に車体側に伝達することができないとい
う問題があつた。

かかる問題を解消するため、実公昭55−51639
号公報には、バンパステーをフロントフレームに
係止する係止部材を、フロントフレームへの固着
手段とは別に設け、バンパに外力が作用して固着
手段が破損したときに、バンパステーが上方へ回
動するのを該バンパステーに設けられた係止部材
をフロントフレームに係止することにより阻止す
るようにしたバンパ支持装置が提案されている。

しかしながら、上記バンパ支持装置では、バン
パステーをフロントフレームに係止する係止部材
を別に設けて、これをバンパステーに取付ける必
要があり、コスト的にも不利である。

この考案は、かかる従来の問題に鑑みてなされ
たものであつて、特別な係止部材等の部材を別に
設ける必要なしに、軽衝突時にバンパが上方へ回
動するのを阻止し、衝撃荷重を圧縮荷重としてバ
ンパで有効に吸収することができる自動車のバン
パステー取付構造を提供せんとするものである。

このため、この考案においては、自動車のパワ
ーユニツトを設置するためのサブフレームがフロ
ントフレームの前部にサブフレーム取付用部材を
用いて取付けられた構造に着目し、バンパステー
の後部には後方に伸びる延長部を設けて、この延
長部をサブフレーム取付用部材により係止するよ
うにしたことを基本的な特徴としている。

以下、図示の実施例に基づいてこの考案をより
具体的に説明する。

第１図において、１は車体の前後方向に伸び前
部においてフロントバンパ２２の側部を支持する
バンパステー、２は内側フレームメンバ３（第２
図参照）とともに閉断面のフロントフレーム４を
構成する外側フレームメンバ、５は車体の幅方向
に伸びフロントフレーム４の前部下側に取付用部
材６によつて取付けられたサブフレーム、７は左
右のフロントフレーム４の前端下面間に渡した第
１クロスメンバである。

上記バンパステー１は、フロントフレーム４の
閉断面内にその後部が挿入され、バンパ２２を支
持する前部より後部が低くなつた状態で、後部に
設けた上下２つの長穴１ａ，１ｂ部分が第２図に
示すように、取付ボルト８によりフロントフレー
ム４の外側フレームメンバ２の内壁面に取付けら
れている。

一方、サブフレーム５は、フロントフレーム４
の前部において上下方向に貫通させてフロントフ
レーム４に固定した取付用ボルト９の下端部に防
振ゴム部材１０，１０′を介してワツシヤ・ナツ
トにより締め付け固定されている。

なお、第１図、第２図において、１１は補強部
材として、フロントフレーム４の取付用ボルト９
が貫通する部分に嵌挿固定したブラケツトで、こ
のブラケツト１１は取付用ボルト９とともに前記
サブフレーム取付用部材６を構成する。

本実施例では、第１図および第２図に示すよう
に、バンパステー１の後部をサブフレーム取付用
ボルト９側にまで延長した延長部１２を設け、こ
の延長部１２を外側フレームメンバ２側から内側
フレームメンバ３に向けて湾曲させ、その中間部
を前方からサブフレーム取付用ボルト９の中間軸
部に当接させる。

なお、第２図において、１３はバンパステー１
とともにバンパ２２を支持するバンパ支持メンバ
で、このバンパ支持メンバ１３はバンパステー１
にフロントフレーム４の前方において溶接により
接合されるとともに、結合メンバ１４により、フ
ロントフレーム４の外側フレームメンバ２に結合
支持されている。

上記の構造とすれば軽衝突時にバンパ２２に作
用する衝突荷重Ｆによつて発生する回転モーメン
トが、バンパステー１に作用した場合バンパステ
ー１の延長部１２は、サブフレーム取付用ボルト
９の中間軸部をバンパステー１の全幅にわたつて
かかえこんだ状態で当接しており、取付用ボルト
９と取付ボルト８，８によつてバンパステー１の
回動が規制されるので取付部の変形を抑えること
ができる。そして、衝突荷重は延長部１２を介し
てサブフレーム取付用ボルト９の中間軸部の全長
で回転モーメントが受け合われることとなるの
で、実際には圧縮荷重としてフロントフレーム４
に伝達される。

次に、第３図〜第６図に示す実施例について説
明する。

この実施例では、第３図および第６図に明らか
なように、バンパステー１の後部に連続する三角
形状の延長部２０を設けるとともに、これを係止
する係止部材として、サブフレーム取付部を補強
するブラケツト２１を利用する。

この場合、ブラケツト２１は、第６図に示すよ
うに、後側のフランジ部２１ａの下端部に支持段
部２１ｂを設け、第３図、第４図、第５図に示す
ようにこの支持段部２１ｂに３角形状の延長部２
０の下辺のフランジ部２０ａを当て止め支持す
る。

したがつて、この実施例では、衝撃荷重により
発生する回転モーメントを、延長部２０とブラケ
ツト２１の支持段部２１ｂとで構成する廻り止め
によつて受け合い、これによつてバンパ２２の回
動を防止することができる。

なお、第３図〜第６図に示した実施例につい
て、第１図および第２図と同一のものには、同一
の符号を付して重複した説明を省略する。

以上の説明から明らかなように、この考案によ
れば、バンパステーに延長部を設けてこれをフロ
ントフレーム内のサブフレーム取付用部材に係止
するだけで、バンパステーの支持剛性の向上を図
ることができ、軽衝突時にバンパステーが回動す
るのが阻止され、衝突荷重を圧縮荷重としてバン
パで確実に吸収することができる。さらに係止部
材としてサブフレームの取付用部材を利用したの
で特別な係止部材を設ける必要がなく、全体とし
て安価かつ容易に実施できる利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１の実施例にかかるバン
パステーの取付構造を示すフロントフレーム前部
の縦断面説明図、第２図は第１図のＡ−Ａ線方向
断面図、第３図はこの考案の第２の実施例にかか
るバンパステー取付構造を示す第１図と同様の縦
断面図、第４図は第３図のＢ−Ｂ線方向断面図、
第５図は第３図のＣ−Ｃ線方向断面図、第６図は
第２の実施例にかかる補強用ブラケツトの斜視図
である。 １……バンパステー、４……フロントフレー
ム、５……サブフレーム、８……取付ボルト、９
……サブフレーム取付用ボルト、１２……延長
部、２０……延長部、２１……ブラケツト（２１
ｂ……支持段部）、２２……バンパ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 バンパの両側部を夫々前部に支持するバンパス
   テーの後部を、車体の前後方向に伸びる左右二本
   のフロントフレーム内に夫々伸長させるととも
   に、バンパステーの後部が前部より低くなるよう
   にフロントフレームの前部にねじ止めする一方、
   パワーユニツトを設置するための車体の幅方向に
   伸びたサブフレームをフロントフレームの前部に
   サブフレーム取付用部材を用いて取付けて、 上記バンパステーに、フロントフレームとの取
   付部より後方に伸びる延長部を形成し、この延長
   部をフロントフレーム内においてサブフレーム取
   付用部材に係止したことを特徴とする自動車のバ
   ンパステー取付構造。